文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社では、株主価値の向上、顧客満足の向上並びに財務体質の強化を経営の基本方針と位置づけており、それを実現するために企業競争力の強化、収益力の向上並びに社員の能力向上を図ることに努力いたしております。
市場環境が劇的に変化している今日においては、その変化を成長の糧とし得る事業体制の強化に努め、経営参画意識の高揚、組織間の連帯強化、人材の育成などの改革を強力に推進してまいります。
(2) 経営環境
海外の政情不安や地政学的リスクの高まりの影響等により、わが国の経済の先行きは不透明な状況で推移していくものと予想されます。
一方、当社を取り巻く環境は、少子高齢化と人口減少という構造的な問題から製品の需要に対し供給力が相対的に上回る状況が継続し、販売単価の下落が続くことが予想されます。さらに当社の主力製品である異性化糖が天候の影響を受けやすい需要構造であることや、健康志向の高まりによる甘味離れの影響等により、経営環境は極めて厳しい状況が見込まれます。また、酒税法改正によりビール系飲料市場が影響を受ける可能性があります。
(3) 目標とする経営指標
旧来型製品では市場規模の拡大が望み得ない状況であることに加え、消費者の生活防衛意識が高い中で需要の低迷、販売価格の値下げ圧力等、大変厳しい状況にあります。当社では収益力を示す指標として売上高経常利益率・配当性向を重視し、売上高経常利益率3%、配当性向35%を目安に配当することを目指して高付加価値製品の開発と市場の創出、差別化戦略の推進に取り組んでまいります。また、収益基盤をより確たるものとするため、社員一人ひとりの努力による生産効率の改善やコスト削減を追求してまいります。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社では、教育の充実による人材育成を図る一方で、製造コストの削減、製品物流の改善、各種在庫水準の適正化及び小口取引の見直しなど各部門におけるコスト削減を行い業績の安定拡大に努めております。それらの取り組みを通じたコスト競争力強化と、新機能・新需要を創出する技術開発力の強化、これら二つの両立による成長を経営戦略としております。コスト競争力と技術開発力を基盤に機能性のある製品の提供・市場開拓を継続的に進め、より豊かな社会づくりに貢献することを目指します。また、品質を重視し、安全・安心な製品を安定的に、且つ競争力のある価格で提供することにより、より良い消費者生活を、お客様と共に実現するよう努めてまいります。
(5) 会社の対処すべき課題
対処すべき課題とその具体的取り組みといたしましては、主原料のとうもろしを安定調達するため、主要調達先である米国以外の供給先を確保し、安定調達に努めてまいります。
また、新機能、新用途を持つ高付加価値製品の開発、拡販を課題とし、加工食品用途向けの各種製品開発に一層注力するとともに、販売面では、食品・飲料素材に対する技術力を積極的に活用し、お客さまに対する提案型営業を推進しております。澱粉関連では、一般工業分野、食品分野さらに医療分野において用途開発の可能性が大きく、今後ともお客さまにとって付加価値を高める製品の開発を積極的に行い、対面業界への貢献を期してまいります。
さらに、市場のグローバル化に応えるため、求められる品質に対しスピード感のある対応をすべく柔軟性を持って組織的に取り組んでまいります。
加えて、国内での自社製品安定供給だけでなく、海外での生産及び流通基盤の強化、信頼できる輸入製品の供給源確保など国際的な仕組みづくりに取り組み、その一つとして、タイ国の関連会社AMSCO社のタピオカ澱粉製品の充実、品質・生産管理体制の強化を図るなど、お客様のニーズにお応えできる体制づくりを進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)原材料価格及び調達について
当社は、原料とうもろこしを主として米国から輸入しており、その価格はシカゴ穀物相場の影響により変動します。その他に、為替相場及び海上輸送運賃等の調達諸費用の影響により変動する可能性があります。また、工場のボイラー用燃料に重油及び原油価格に連動性の高いLNGを使用しており、原油価格の高騰が生産コスト上昇要因となります。穀物、原油、為替の各相場リスクに対し、当社が講じている各種ヘッジ等の措置で変動の影響を低減できない場合、また原料、資材、重油価格の上昇並びに為替による変動分を販売価格に転嫁できない場合は、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
原料とうもろこしや重油といった輸入原材料においては、輸出国の国政状況や自然災害等によって、また国内で調達している資材等においては自然災害等によって適切に調達できない場合には、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
輸入されるとうもろこしは食品衛生法等により通関時に様々な検査が行われており、輸出国に対して安全な品質を求めていますが、国や行政が規定している品質のとうもろこしが輸入できない場合には当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
(2)法的規制等について
当社は、原料とうもろこしの輸入並びに糖化品部門の主要製品である異性化糖の製造、販売にあたり、国内産澱粉並びに国内産砂糖の保護を目的とした法令の適用を受けております。農林水産省の政策の変更もしくは政策方針による費用負担等に変動があった場合、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
(3)自然災害による影響
当社は、主要な生産拠点を東海地区(静岡県富士市)に有しております。地震等による被害を抑えるために補強工事等対策を施しておりますが、この地域において大規模な地震等の災害が発生した場合、その程度によっては工場の生産設備や操業に重大な支障を来たすとともに、その復旧に多額の費用が生じ、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があります。
(4)市場における競合の状況について
当社は、食品業界及び製紙業界等に澱粉及びその加工製品を販売しております。英国のEU離脱等により国際情勢が不透明な中、為替相場も予測困難な状況にあります。今後の競合製品の輸入動向によっては、当社の業績、財務状況及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、政府による経済政策や金融政策を背景に概ね堅調に推移しましたが、諸外国の政治、経済情勢の不確実性及び地政学的リスクの高まり等により、国内景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
原料とうもろこしのシカゴ相場は、期初360セント/ブッシェル台で始まり、米国の新穀作付後のコーンベルト北部での天候不順から乾燥懸念が高まり7月には400セント/ブッシェル台まで値を上げました。その後は生育に適した天候となったことや過去最高の生産見通しとなったことから350セント/ブッシェル台まで値を下げましたが、米国の輸出増加に伴う期末在庫の減少やアルゼンチンの乾燥懸念等により値を上げ、期末時点では380セント/ブッシェル台となりました。
また、原油相場は、期初50ドル/バレル台で始まり、OPECによる協調減産の期間延長への期待から53ドル/バレル台まで値を上げましたが、協調減産の動きが遅いことや米国やリビアの原油生産量の増加による供給過剰感から42ドル/バレル台まで値を下げました。その後は、中東での地政学的リスクの高まりや11月にOPECが9ヶ月間の減産期間延長を決定したこと及び協調減産継続の動きがあることから値を上げ、期末時点では64ドル/バレル台となりました。
一方、米国から日本までの穀物海上運賃は、期初44ドル/トン近辺で始まり、米国や南米産穀物及び黒海からの小麦並びに中国向け石炭、鉄鉱石の輸送増加等から、期末時点では54ドル/トン台となりました。
為替相場は、期初112円/ドル台で始まり、世界的な地政学的リスクの高まりから円高が進行しましたが、フランス大統領選で中道派が勝利したことや米国の利上げの実施等からドル買いが進み、7月には115円/ドル台となりました。その後、再度地政学的リスクの高まりから円高となりましたが、米国の長期金利及び株価の上昇等から、12月には114円/ドル台となりました。しかし、米国大統領が鉄鋼等に対して輸入制限を発動すると発表し、諸外国との貿易摩擦が警戒されたこと及び日本や米国の株価が急落したこと等から円高が進行し、期末時点では107円/ドル台となりました。
澱粉業界の需要は、前期と比べてほぼ同量となる見込みであります。糖化製品向けの需要内容では清涼飲料向けが増加する傾向となりましたが、酒類、ジャム向けの糖化製品が減少する傾向となりました。また、澱粉用とうもろこし輸入量は前期と比べて減少する結果となりました。一方、とうもろこしの輸入価格は前期と比べて微増となりました。
このような状況のもと、当社は生産効率の改善、製品在庫水準の適正化及び各種コスト削減に取り組むとともに、前期に引き続き付加価値製品の拡販に注力しました。
販売面につきましては、5月の大型連休以降は比較的好天が続きましたが、夏場の北日本、東日本の天候不順による気温の低下や雨の日が続いたことから、清涼飲料及びビール系飲料向け等の糖化製品の出荷は全般的に振るわず、低調に推移しました。また、加工食品向け澱粉製品の出荷は好調であったものの、製紙向け澱粉製品の出荷が企業間競争激化及び安価な輸入品の影響を受け、澱粉製品全体の販売は低調に推移しました。
収益面につきましては、引き続き企業間競争激化による販売単価下落及び原油価格の上昇の影響等から厳しい状況となりました。
この結果、当事業年度における当社の売上高は481億9千万円と前年同期比23億6千万円(4.7%)の減収、営業利益は10億3千万円と前年同期比9億9千万円(49.0%)の減益、経常利益は11億2千万円と前年同期比10億9千万円(49.2%)の減益、当期純利益は9億9千万円と前年同期比7億5千万円(43.1%)の減益となりました。
次に、各部門の販売状況は以下のとおりであります。
(澱粉部門)
澱粉部門は、食品用澱粉製品の出荷は堅調に推移しましたが、製紙向け澱粉製品が振るわず、売上高は132億4千万円と前年同期比7億6千万円(5.5%)の減収となりました。
(糖化品部門)
糖化品部門は、乳性飲料向け需要が増加したものの、清涼飲料及びビール系飲料向け等の糖化製品の出荷が低調となり、また販売単価下落により、売上高は281億1千万円と前年同期比13億9千万円(4.7%)の減収となりました。
(ファインケミカル部門)
ファインケミカル部門は、医薬及び飲料向け糖化製品が伸びず、売上高は17億4千万円と前年同期比1億円(5.6%)の減収となりました。
(副産物部門)
副産物部門は、低迷していた飼料及び食用油相場がやや持ち直したことにより、売上高は50億8千万円と前年同期比1億円(1.9%)の減収となりました。
なお、共同商事株式会社が平成29年3月に清算結了し、当社の連結子会社がなくなったことから、当事業年度より従来の連結決算から単体決算に変更いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1億9千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は28億9千万円となりました。これは主として、税引前当期純利益13億2千万円、減価償却費20億円に売上債権の減少額4億9千万円を加算した額から法人税等の支払額8億2千万円を控除した額等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は2百万円となりました。これは主として、貸付金の回収(純額)21億2千万円から当社工場設備への投資などの有形固定資産の取得による支出20億8千万円を控除した額等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は37億4千万円となりました。これは主として、借入金の減少(純額)31億1千万円及び配当金の支払額5億8千万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当事業年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
澱粉部門 |
10,362 |
96.5 |
|
糖化品部門 |
27,344 |
95.7 |
|
ファインケミカル部門 |
1,696 |
89.0 |
|
副産物部門 |
5,155 |
99.5 |
|
合計 |
44,557 |
96.0 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社は受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
澱粉部門 |
13,247 |
94.5 |
|
糖化品部門 |
28,114 |
95.3 |
|
ファインケミカル部門 |
1,749 |
94.4 |
|
副産物部門 |
5,085 |
98.1 |
|
合計 |
48,196 |
95.3 |
(注)1 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
当事業年度 |
|
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
三菱商事株式会社 |
47,026 |
97.6 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、「財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づいて作成しております。
②当事業年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等は、売上高は481億9千万円、営業利益は10億3千万円、経常利益は11億2千万円、当期純利益は9億9千万円となり、前年同期比減収減益となりました。これは、澱粉部門、糖化品部門とも販売が低調に推移したこと、更には引き続き企業間競争激化による販売単価下落及び原油価格の上昇の影響等から厳しい状況となったことによるものです。次期の見通しといたしましては、引き続き企業間競争激化によるコモディティ製品の利益率の低下及び販売数量の減少による影響から、売上高470億円、営業利益3億円、経常利益6億円、当期純利益4億5千万円を見込んでおります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、原料とうもろこしのシカゴ相場、原油相場、為替相場があげられますが、当事業年度における各相場環境とも収益を圧迫する状況となりました。次期の見通しといたしましては、各相場環境とも収益を圧迫する方向となることを予想しております。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、製造設備の更新及び製品品質向上に係る工事等の支出に対し、その資金の調達財源としては主として金融機関からの借入によっております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、売上高経常利益率を2018年度までに3%以上とし、配当性向35%を目安に配当することを目指しております。当事業年度においては、売上高経常利益率は2.3%となりました。これは、販売面、収益面とも厳しい状況となったことによるものです。また、配当性向につきましては当事業年度の業績や配当方針等を勘案のうえ、33.3%としております。なお、次期の見通しでは同利益率が未達成となっておりますが、主な要因は企業間競争激化によるコモディティ製品の利益率の低下及び販売数量の減少による影響が、当初の想定よりも厳しい状況が見込まれることによるものです。
当社と三菱商事株式会社との代理店契約の締結
昭和36年7月に当社の製品販売について三菱商事株式会社と代理店契約を締結し、現在に至っております。
当事業年度における研究開発活動の主な目的は、市場ニーズにタイムリーに応え、かつお客様の要望に応えた製品を迅速に開発することであります。そのため、人々の健康と環境に配慮した製品の開発及びその高機能化・高付加価値化を推進するとともに、利用・用途開発研究を推進することにより新しい市場の開拓に取り組みました。また、製品品質及び生産効率の向上を図るために、最新の科学技術を適用した新製品・新技術開発にも積極的に取り組み、お客様の商品開発に繋がる提案を進めてまいりました。
当期の研究開発費の金額は2億3千万円であります。
次に、部門別の研究開発活動は以下のとおりであります。
(1)澱粉部門
食品用加工澱粉分野において、さまざまなお客様のニーズに応えるべく、新たな食感を付与した澱粉やフライ食品用に適した澱粉など幅広く開発を行うとともに、各種タピオカ加工澱粉の用途開発を推進しました。
当部門における研究開発費は、7千万円であります。
(2)糖化品部門
複数の新機能性糖質の開発を進めるとともに、種々のオリゴ糖の用途研究を推進しました。また、糖質の開発に必要な酵素生産菌の探索から培養、育種、生産酵素の基礎的諸性質の検討を進めました。特に、糖化品を原料とする新しい食物繊維の開発にも力を入れ、その生理機能の解明や用途開発を推進しました。
当部門における研究開発費は、1億3千万円であります。
(3)ファインケミカル部門
シクロデキストリンやオリゴ糖の誘導体の研究開発を進め、化粧品や医薬等への用途拡大に取り組みました。
当部門における研究開発費は、2千万円であります。