第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。

 当社は、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言発出以降も、食品など生活必需品を製造する企業として安定的事業運営と製品供給を第一の使命として事業継続に努めております。提出日現在の販売状況について、外出自粛、屋外イベント中止などから、飲料向けの販売数量が減少しておりますが想定の範囲内に留まっております。かかる状況が長引く場合に備え固定費の削減等、より一層の効率的な経営に努めてまいります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社では、株主価値の向上、顧客満足の向上並びに財務体質の強化を経営の基本方針と位置づけており、それを実現するために企業競争力の強化、収益力の向上並びに社員の能力向上を図ることに努力いたしております。

 当社は業界内で数少ない2工場体制で操業しており、主力工場である富士工場(静岡県富士市)と水島工場(岡山県倉敷市)を基盤に、日本全国のお客様に対し安心で安定した製品供給の継続に努めております。

 市場環境が劇的に変化している今日においては、その変化を成長の糧とし得る事業体制の強化に努め、経営参画意識の高揚、組織間の連帯強化、人材の育成などの改革を強力に推進してまいります。

(2) 経営環境

 世界的に拡がる新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中の経済・社会活動に大きな影響を及ぼしており、国内外の経営環境は厳しさを増していくことが予想されます。

 当社は、社員への感染防止対策を実行することで感染リスクの軽減を図っておりますが、国内の感染拡大が長引くことにより、特に製造従事者への感染が広まると、一定期間操業を停止するリスクがあります。さらに販売面では、外出自粛の長期化、屋外イベント中止の増加などにより、飲料の消費が減少して販売数量が減少するリスクがあります。

 また、中長期的なリスクとして少子高齢化と人口減少という構造的な問題から、飲料・食料品市場における総需要が減少することで製品の需要に対する業界の供給力が相対的に上回る状況が継続し、業界内での過当競争に拍車がかかると予想されます。一方、消費者価値観の多様化により小規模ながら更なる味質向上や利便性・健康志向などの特定の価値訴求を図ることのできる財へのニーズは増加すると考えられます。

(3) 目標とする経営指標

 当社の主製品である糖化製品は清涼飲料や酒類、食品、調味料など幅広く利用されており、また、澱粉製品は製紙を中心とした一般工業分野と食品用途で多く利用されております。人口減少・高齢化・甘味離れ・ペーパーレス化等を背景に、本邦では市場規模の拡大が望み難い状況であることに加え、需要の低迷、販売価格の値下げ圧力等、大変厳しい状況にあります。当社では収益力を示す指標として経常利益・配当性向を重視し、連結ベース経常利益20億円(2021年度目標)、配当性向35%を目安に配当することを目指して高付加価値製品の開発と市場の創出、差別化戦略の推進に取り組んでまいります。また、収益基盤をより確たるものとするため、社員一人ひとりの努力による生産効率の改善やコスト削減を追求してまいります。

(4) 中長期的な会社の経営戦略

 当社では、教育の充実による人材育成を図る一方で、製造コストの削減、製品物流の改善、各種在庫水準の適正化及び小口取引の見直しなど各部門におけるコスト削減を行い業績の安定拡大に努めております。それらの取り組みを通じたコスト競争力強化と、新機能・新需要を創出する技術開発力の強化、これら二つの両立に加え海外事業投資先を通じた海外事業を含めての成長を経営戦略としております。コスト競争力と技術開発力を基盤に差別化の図れる機能性を有する製品の提供・市場開拓を継続的に進め、より豊かな社会づくりに貢献することを目指します。また、品質を重視し、安全・安心な製品を安定的に、且つ競争力のある価格で提供することにより、より良い消費者生活を、お客様と共に実現するよう努めてまいります。

 また、海外では既に活発な取り組みが先行されており、日本国内でも徐々に広がりつつあるSDGs推進に沿った健全な会社経営及び製品開発・提供に努めてまいります。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社を取り巻く環境が厳しさを増している事を踏まえ、2019-2021年度を実行期間とする中期経営計画にて、対処すべき課題とその具体的各種施策を明確にし、確実に実行してまいります。

 生産面では、主原料のとうもろこしの安定調達及びコスト削減を目的に、主要調達先である米国以外の供給先を確保し、また工場の最適操業を追求し製造費用のさらなる削減を目指します。

 また、当社が供給可能なさまざまな市場に対し、新機能、新用途を持つ高付加価値製品の開発、拡販を課題とし、加工食品用途向けの各種製品開発に一層注力するとともに、販売面では、食品・飲料素材に対する技術力を積極的に活用し、お客さまに対する提案型営業を推進しております。積極的に推進を図る製品開発においては、健康志向製品、環境配慮型製品を中心に外部との協業も含め推進を図り、お客さまにとって付加価値を高める製品提供を継続することに努めてまいります。澱粉関連では、一般工業分野、食品分野さらに医療分野において用途開発の可能性が大きく、今後ともお客さまにとって付加価値を高める製品の開発を積極的に行い、対面業界への貢献を期してまいります。

 さらに、市場のグローバル化に応えるため、求められる品質や海外法令に対しスピード感のある対応をすべく柔軟性を持って組織的に取り組んでまいります。

 加えて、国内での自社製品の安定供給だけでなく、海外での生産及び流通基盤の強化、信頼できる輸入製品の供給源確保など国際的な仕組みづくりに取り組み、海外市場の拡大を目指します。その一つとして、タイ国の関連会社AMSCO社のタピオカ澱粉製品の充実、品質・生産管理体制の強化を図り、お客様のニーズにお応えできる体制づくりを進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)原材料価格及び調達について

 当社は、原料とうもろこしを主として米国から輸入しておりますが、その価格はシカゴ穀物相場により変動し、為替相場及び海上輸送運賃等の変動により調達諸費用は変動いたします。また工場のボイラー用燃料に重油及び原油価格と連動性の高い都市ガスを使用しているため、原油価格の高騰は生産コストの上昇要因となります。原料とうもろこし、資材、重油価格の上昇並びに為替による変動分を製品販売価格に転嫁できない場合は、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これら穀物、為替の市場リスクに対しましては、当社は市場リスク管理規定に基づき投機的な取引を行わず、各種ヘッジ等の措置で変動の影響を低減しております。

 また原料とうもろこしや重油といった輸入原燃料におきましては輸出国の国政状況や自然災害等により適切に調達できない場合、また国内調達の資材等におきまして自然災害等により適切に調達できない場合には、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これらの調達リスクに対しましては、BCPの観点から複数の原料、燃料、資材の購入先を確保しております。

 輸入されるとうもろこしは食品衛生法等により輸入時に様々な検査が行われ、輸出国に対し日本の輸入基準を満たした品質を求めていますが、国や行政が規定している品質のとうもろこしを輸入できない場合には当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これらの調達リスクに対しましては、輸出国及び輸出国の積み出し港の選別、変更で対応いたします。

(2)法的規制等について

 当社は、原料とうもろこしの輸入並びに糖化品部門の主要製品である異性化糖の製造、販売にあたり、国内産いも澱粉並びに国内産砂糖の事業及び生産者の保護を目的とした法令の適用を受けております。農林水産省の政策方針による費用負担等に変動があった場合、でん粉調整金、或いは異性化糖調整金の変動として製品製造コストに増減が生じ、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。当該リスクに対しましては、農林水産省には当業界が負担する財源の適正化を図るよう、制度運用に関する要望の発信に努めております。

(3)自然災害による影響

 当社は、主要な生産拠点を東海地区(静岡県富士市)に有しております。地震等による被害を抑えるために補強工事等対策を施しておりますが、この地域において大規模な地震等の災害が発生した場合、その程度によっては工場の生産設備や操業に重大な支障を来たすとともに、その復旧に多額の費用が生じ、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があります。

(4)市場における競合の状況について

 当社は、食品業界及び製紙業界等に澱粉及びその加工製品を販売しております。世界的に広がる新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた世界経済の減速により、原燃料相場も予測困難な状況にあります。また、国内では外出自粛の長期化、屋外イベントの中止増加により国内市場の動向も見通しが難しい状況となっております。今後の競合製品の輸入動向、更には国内市場の動向によっては、当社の業績、財務状況及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

(5)新型コロナウイルスによる影響

 当社は食品など生活必需品を製造する企業として、安定的事業運営ならびに製品供給に努めておりますが、生産面では製造従事者への新型コロナウイルス感染が広まると、一定期間操業を停止するリスクがあります。販売面では、外出自粛の長期化、屋外イベント中止の増加などにより、飲料の消費が減少するリスクがあります。その程度によっては販売数量の減少や製品製造コストの増加が生じ、当社の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。当社はこれらのリスクに対しましては、検温等の従業員の体調管理の徹底、製造従事者以外の製造エリアへの立ち入り制限、一部従業員の在宅勤務や時差出勤等の感染予防対策を実施することでリスク低減に努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国の経済は、令和への改元が行われた中、ひきつづき雇用、所得環境の改善が進み、緩やかな回復基調を維持していましたが、台風15号、19号による大規模な風水害や消費増税後の景況感の悪化に加えて、2020年に入ってからは、世界的に広がる新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、インバウンド消費及び国内消費が広く抑制されるなど、経済・社会活動は急速に停滞してきており、景気の先行きにも大きな影を落としつつあります。

 原料とうもろこしのシカゴ相場は、期初361セント/ブッシェル台で始まり、米国の長雨が続いた影響による作付遅延から435セント/ブッシェル台となりました。その後は、生育に適した天候となったことで豊作への期待感から367セント/ブッシェル台まで値を下げましたが、米中貿易協議「第一段階」の合意による米国穀物の輸出増加期待から382セント/ブッシェル台まで値を上げました。しかし、その後は新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済悪化から値を下げ、期末時点は340セント/ブッシェル台となり、通期平均では384セント/ブッシェル台となりました。

 また、原油相場は期初61ドル/バレル台で始まり、米国のイラン制裁による中東の地政学リスクの高まりから、63ドル/バレル台となりました。しかし、サウジアラビアの石油施設攻撃で一時急騰する場面があったものの、世界的な原油需要の減退懸念や生産量の回復から54ドル/バレル台まで値を下げました。その後は米中貿易協議「第一段階」の合意により世界経済減退懸念が後退し、59ドル/バレル台まで上昇しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済悪化から値を下げ、期末時点は20ドル/バレル台となり、通期平均では54ドル/バレル台となりました。

 一方、米国から日本までの穀物海上運賃は、期初51ドル/トン近辺で始まり、南米穀物の輸送増加や2020年1月からIMO(国際海事機関)のSOx規制が強化されること等から、61ドル/トンまで上昇しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済悪化から値を下げ、期末時点は57ドル/トンとなり、通期平均では56ドル/トン近辺となりました。

 為替相場は、期初112円/ドル台で始まりましたが、米中貿易摩擦の激化懸念や、香港での大規模な抗議デモ活動及びホルムズ海峡でのタンカー襲撃による中東での地政学リスクの高まり等から円高が進み、107円/ドル台となりました。しかし、その後は、米中貿易協議「第一段階」の合意や、英総選挙で保守党が大勝し、EU離脱への不透明感が払拭されたこと等から110円/ドル台となり、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済悪化から3月10日には104円台まで円高が進行し、期末時点は109円/ドル台、また通期平均でも109円/ドル台となりました。

 このような状況のもと、当社は生産効率の改善、製品在庫水準の適正化及び各種コスト削減に取り組むとともに、前期に引き続き付加価値製品の拡販に注力しました。

 販売面では、4月以降天候に恵まれ前年よりも高い気温となりましたが、改元と重なった大型連休の需要取込が前年度末から前倒しで始まったことに加え、梅雨冷と夏場の天候不順が影響し、ビール系飲料及び清涼飲料向け糖化製品の販売数量は減少しました。また、澱粉製品は、加工食品向け販売は堅調に推移しましたが、製紙向け販売は製紙需要が減退し低調に推移したことから、澱粉製品全体の販売数量は減少しました。さらに、企業間競争が引き続き激しい状況のため、製品及び副産物ともに販売数量が減少するなど、収益面についても厳しい状況となりました。期末になり、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、政府や自治体による学校等の臨時休校や在宅勤務を始めとする外出自粛要請に伴い、家庭向け食品用途の澱粉製品、糖化製品の一部に需要増もありましたが、今後の動向は予断を許さない状況です。

 この結果、当事業年度における当社の売上高は452億6千万円(前事業年度比3.6%減)、営業利益は1千万円(前事業年度比57.3%減)、経常利益は2億8千万円(前事業年度比28.5%減)、当期純利益は2億3千万円(前事業年度比15.9%減)となりました。

 次に、各部門の販売概況は以下のとおりであります。

(澱粉部門)

 澱粉部門は、製紙向け製品の出荷が振るわず販売数量が減少したことにより、売上高は115億4千万円と前事業年度比6億4千万円(5.3%)の減収となりました。

(糖化品部門)

 糖化品部門は、冷夏の影響等でビール系飲料及び清涼飲料向け製品の出荷が振るわず販売数量が減少したことにより、売上高は272億4千万円と前事業年度比5億2千万円(1.9%)の減収となりました。

(ファインケミカル部門)

 ファインケミカル部門は、消費増税前の駆け込み需要と製品単価上昇により、売上高は18億5千万円と前事業年度比9千万円(5.6%)の増収となりました。

(副産物部門)

 副産物部門は、配合飼料の販売単価が下落したことに加え、主製品の販売数量減少に伴い副産物の発生量が減少したことにより売上高は46億2千万円と前事業年度比6億2千万円(11.8%)の減収となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末より6百万円減少し、2億2千万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果、獲得した資金は24億5千万円となりました。これは主として、税引前当期純利益2億8千万円に減価償却費21億1千万円及び売上債権の減少額4億1千万円を加算した額から、たな卸資産の増加額4億2千万円を控除した額等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果、使用した資金は29億7千万円となりました。これは主として、当社工場設備への投資などの有形固定資産の取得による支出27億9千万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果、獲得した資金は5億1千万円となりました。これは主として、借入金(純額)の増加6億8千万円から配当金の支払額1億2千万円を控除した額等によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当事業年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

生産高(百万円)

前期比(%)

澱粉部門

8,899

98.7

糖化品部門

26,492

98.0

ファインケミカル部門

1,843

121.8

副産物部門

4,657

89.0

合計

41,893

97.9

(注)1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b. 受注実績

 当社は受注生産を行っておりません。

c. 販売実績

 当事業年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

販売高(百万円)

前期比(%)

澱粉部門

11,543

94.7

糖化品部門

27,240

98.1

ファインケミカル部門

1,859

105.6

副産物部門

4,623

88.2

合計

45,265

96.4

 

(注)1 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自 2018年 4月 1日

至 2019年 3月31日)

当事業年度

(自 2019年 4月 1日

至 2020年 3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

三菱商事株式会社

45,735

97.4

30,740

67.9

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

 当事業年度末における総資産は345億3千万円となり、前事業年度末と比較して2億1千万円の増加となりました。

 その主な要因は、原材料及び貯蔵品が3億4千万円、有形固定資産が2億9千万円増加したこと等によるものです。また、負債については、前事業年度末と比較して9千万円の増加となりました。その主な要因は、借入金(純額)が6億8千万円増加したこと等によるものです。

 なお、純資産は187億円となり、自己資本比率は前事業年度末と同水準の54.2%となりました。

2)経営成績

 当社の当事業年度の経営成績は、売上高452億6千万円、営業利益1千万円、経常利益2億8千万円、当期純利益2億3千万円となり、前事業年度と比較して減収減益となりました。まず、減収の主な要因は、製紙向け製品の出荷が振るわず販売数量が減少したこと、冷夏の影響等でビール系飲料及び清涼飲料向けの製品の出荷が振るわず販売数量が減少したことによるものであります。また、減益の主な要因は、固定費の抑制等、コスト削減に努めたものの、減収の影響から収益を確保できなかったことによるものであります。

 次期の見通しといたしましては、引き続き企業間競争は厳しい状況が予想されますが、販売数量の増加を見込み、売上高462億円、営業利益4億5千万円、経常利益7億5千万円、当期純利益5億5千万円を見込んでおります。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、現時点で想定しうる影響を織り込んでおりますが、今後の動向次第では大きく変動する可能性があります。

 当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、2019-2021年度中期経営計画による連結ベース経常利益を最終年度(2021年度)で20億円としております。2020年度の見通しは、2021年度での達成目標に対し低い水準となっていますが、外部環境が流動的であることも踏まえ、安定的な事業運営に努めるとともにコスト競争力強化に向けた固定費の抑制、工場稼働の最適化等に着実に取り組むことで経営の足場を確りと固めていき、収益の向上に努めてまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当事業年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、製造設備の更新及び製品品質向上に係る工事等の支出に対し、その資金の調達財源としては主として金融機関からの借入によっております。

 なお、当事業年度末における借入金の残高は65億1千万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この財務諸表の作成にあたって、当事業年度末現在における資産・負債及び当事業年度における収益・費用等に与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じて合理的と思われる方法によって判断をしておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当事業年度末現在における資産・負債及び当事業年度における収益・費用等に与える見積りは、主に繰延税金資産、退職給付引当金、賞与引当金となります。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大による影響は不確定要素が多く見積りが難しい要素もありますが、当事業年度末時点で入手可能な情報を基に検証を行っております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社と三菱商事株式会社との代理店契約の締結

 1961年7月に当社の製品販売について三菱商事株式会社と代理店契約を締結し、現在に至っております。

 

5【研究開発活動】

 当事業年度における研究開発活動の主な目的は、市場ニーズにタイムリーに応え、かつお客様の要望に応えた製品を迅速に開発することであります。そのため、人々の健康と環境に配慮した製品の開発およびその高機能化・高付加価値化を推進するとともに、利用・用途開発研究を推進することにより新しい市場の開拓に取り組みました。

 また、製品品質および生産効率の向上を図るために、最新の科学技術を適用した新製品・新技術開発にも積極的に取り組み、お客様の商品開発に繋がる提案を進めてきました。

 当期の研究開発費の金額174百万円であります。

 次に、部門別の研究開発活動は以下のとおりであります。

(1)澱粉部門

 食品用加工澱粉分野において、さまざまなお客様のニーズに応えるべく、新たな食感を付与した澱粉やフライ食品用に適した澱粉など幅広く開発を行うとともに、各種タピオカ加工澱粉の用途開発を推進しました。

 当部門における研究開発費は、53百万円であります。

(2)糖化品部門

 複数の新機能性糖質の開発を進めるとともに、種々のオリゴ糖の用途研究を推進しました。また、糖質の開発に必要な酵素生産菌の探索から培養、育種、生産酵素の基礎的諸性質の検討を進めました。特に、糖化品を原料とする新しい食物繊維の開発にも力を入れ、その生理機能の解明や用途開発を推進しました。

 当部門における研究開発費は、103百万円であります。

(3)ファインケミカル部門

 シクロデキストリンやオリゴ糖の誘導体の研究開発を進め、化粧品や医薬等への用途拡大に取り組みました。

 当部門における研究開発費は、17百万円であります。