文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、「売り手によし、買い手によし、世間によし、三方よし」を規範とし、飼料の生産から食品の販売まで取り扱う垂直型メーカーとして「安全・安心」で「良質」な製品を提供することを通じて、豊かな食文化の実現に貢献することを経営理念としております。
当社グループは、本年4月からの2ヵ年について、前中期経営計画に引き続き、変化を恐れぬ挑戦を継続し続けるものとして「中期経営計画<挑戦> PhaseⅡ <<challenge2024>>」(2023 年3月期~2024年3月期)を策定いたしました。経営資源の更なる選択と集中による構造改革を推し進めて収益力をより強固なものにするとともに、温室効果ガス排出量削減などの環境負荷の軽減に努め、事業活動を通じてSDGsの達成に貢献することを目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、収益力向上による企業価値を表す客観的な指標として売上高経常利益率3%を当面の目標値としております。「中期経営計画<挑戦> PhaseⅡ <<challenge2024>>」では、厳しい事業環境のなか2024年3月期の経常利益率を2%としておりますが、経営計画に掲げる各施策の実施により、盤石な事業基盤の確立に取り組み、安定配当を目指してまいります。
(3) 中長期的な経営戦略
「中期経営計画<挑戦> PhaseⅡ <<challenge2024>>」では、持続的発展を支える事業基盤と収益体制の構築のため、これまで取り組んできた事業戦略「成長投資の推進」「事業ポートフォリオの検討」「財務健全性の強化」「コーポレート・ガバナンスの強化」をベースに、ESG経営の視点を取り入れることで、地域社会とともに持続的に発展・成長する会社を目指してまいります。またDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを加速して業務プロセス・企業風土・ビジネスモデルの変革に発展させることで全社的な効率化を実現し、収益力の向上につなげることを目指してまいります。
事業戦略とする「成長投資の推進」については、成長事業の規模拡大に向けた集中投資、環境投資による持続的な発展、収益力向上につながるDX推進を進めてまいります。「事業ポートフォリオの検討」については、経営資源を食品事業と飼料事業に集中するとともに、成長分野への積極的な経営資源投入と、グループ会社間での人財交流に取り組みます。「財務健全性の強化」については、有利子負債の削減、適正在庫水準の明確化と在庫圧縮を進めつつ、目標として掲げる「ネットD/Eレシオ 0.8以下」を目指してまいります。「コーポレート・ガバナンスの強化」については、取締役会機能の実効性強化、グループ経営強化を推し進めるとともに、人事制度の改定や従業員教育の充実による人財の活性化に努めてまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社を取巻く原料事情は、今後も厳しい状況が続くものと思われます。かねてからの原材料価格高騰に加え、深刻化するウクライナ情勢や急激に進む円安で更なる価格高騰が避けられない状況にあります。魚肉ねり製品の主原料であるすり身、食肉加工品の主原料である豚肉、配合飼料の主原料である魚粉・穀物などは、相場変動により収益を圧迫する要因となります。
このような状況のなか、当社は前中期経営計画において、将来を見据えた磐石な事業基盤の確立を目指して事業再編など構造改革を推し進め、指標とした「自己資本比率 30%以上」「ネットD/Eレシオ 1.0以下」を達成いたしました。しかしながら、長引く新型コロナウイルス感染症拡大の影響から外食需要が低迷するなど、計画2年目においては売上高・経常利益ともに当初計画値を下回る結果となりました。
当社は厳しい経営環境に対応するため、2022年3月に当社グループの組織再編を行いました。連結決算において「その他の事業」にあたる林兼コンピューター株式会社(情報処理事業)と林兼冷蔵株式会社(冷蔵倉庫事業)の株式の全部または一部を売却することで、両社を連結の範囲から除外し、当社の主たる事業である食品事業・飼料事業への経営資源集中を推し進め、事業ポートフォリオの適正化を図りました。さらに、株式譲渡代金を当社グループの財務改善や今後の事業展開に活用することとしております。
今後は食品事業と飼料事業に注力し、両事業セグメントにおいて、原料相場等の事業環境の変化に耐えうる事業基盤の確立を目指し、以下のテーマに取り組んでまいります。なお、当社は2022年4月の組織変更に伴い、これまでの報告セグメント「機能・食品事業」を「食品事業」に名称変更しております。
食品事業
魚肉ねり製品においては、コロナ禍の影響で販売数量が減少するなか、売上拡大に向けて取り組みを強化いたします。介護食や和菓子は新商品を発売するなどにより売上が伸びており、委託給食会社の新規開拓などに努めて更なる販売拡大を目指します。機能性食品素材の「エラスチン」・「ヒシエキス」・「アスコフィラン」については、エビデンス拡充による製品優位性を維持しつつ、海外展開など販路拡大に注力してまいります。
食肉部門においては、事業の中心である霧島黒豚の飼料・養豚・と畜・加工の当社グループ各部門の連携強化による「食肉供給体制の最適化」に引き続き取り組みます。販売部門においては、ブランド戦略に基づく付加価値商品開発、EC市場や輸出など市場開拓を進めます。生産部門においては、生産体制再編による効率化、機械化と省人化を推進するほか、黒豚農場における食品安全・品質確保に係る国際認証取得を進めてまいります。
飼料事業
養魚用飼料においては、海外輸出やマグロ用飼料が大幅に伸張しており、引き続き輸出拡大や大手養殖場への取り組みを強化するとともに、低魚粉飼料の開発、難治性魚病の治療法開発や栄養性疾病の対策確立にも努めてまいります。畜産用飼料においては、霧島黒豚のコストダウン、肉質改善に有効な飼料開発に取り組んでまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症は未だに収束には至らず、当社においても外食産業向け売上の低迷、営業活動の停滞など今後も当社グループの事業活動へ影響を及ぼすことも想定されます。ウィズコロナの社会経済活動に適応した事業運営の構築に挑戦することで、適時適切な対応を実施しながら各課題を解決し、その影響を最小限に留めるよう努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅したものではありません。
(1) 特定の取引先への依存について
当社グループは、魚肉ねり製品、養魚用飼料の販売においてマルハニチロ株式会社への依存度が高く、2022年3月期の連結売上高に占める割合は14.5%となっており、海外を中心とした新規取引の増加により依存度低減に努めております。
同社との取引は安定的に推移しておりますが、これらの取引に支障が生じた場合には、売上高の減少などが業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2) 農畜水産物相場の変動について
当社グループは、販売及び原材料等の仕入れにおいて農畜水産物を多く取り扱っておりますが、これらは市場での需給状況や、生産地域での天候不順、自然災害、疾病の発生などにより相場が大きく変動する可能性があります。
当社グループはこれらの相場変動リスクに対し、販売・仕入先の分散化や、新規ルートの獲得、販売・仕入形態の多様化によるリスク分散に努めておりますが、予想を超える相場変動が生じた場合には、売上高の減少や原材料価格の上昇などが業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3) 売上債権の回収について
当社グループは販売先に対して信用リスクを有しており、特に配合飼料の販売においては回収サイトが長く、その販売先には信用力の乏しい水畜産物の生産者が多く含まれております。
これらの販売先は、水畜産物相場の下落、台風や赤潮などの自然災害、豚熱や鳥インフルエンザなど疾病の発生による影響を受けやすく、予想できない事象の発生により業績を悪化させた場合には、多額の売上債権が回収困難になる可能性があります。
当社グループはこれらの回収リスクに対し、十分な与信管理を行うとともに、売上債権に対して一定の貸倒引当金を計上しておりますが、貸倒引当金を大幅に超える貸し倒れやその懸念が発生した場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替変動リスクについて
当社グループが行う製品の輸出や原材料等の輸入取引は、為替相場の影響を受けております。
当社グループは為替相場の変動リスクに対し、外貨建取引に関しては為替予約によるリスクヘッジを行っておりますが、主に外貨に対する円安傾向が長く続いた場合には、原材料価格の上昇などが業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5) 金利の変動について
当社グループは、必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達しております。
当社グループは借入金残高の圧縮による有利子負債依存度の低減に努めておりますが、将来の金利情勢や当社グループの信用状態の悪化により金利が上昇した場合には、支払利息の増加が業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 食品の安全性について
当社グループは食の安全を第一とし、ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を取得するとともに、品質管理委員会、品質保証部、生産工場の品質管理部門が連携した品質保証体制のもと、品質管理と品質保証の充実に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループの取り組みを超えた事象が発生した場合や、食の安全を脅かすような社会全般にわたる問題が発生した場合には、信頼の失墜や風評被害による売上高の減少等が業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(7) 自然災害や感染症の蔓延等について
当社グループは、台風や地震などの自然災害、キリシマドリームファーム株式会社が運営する農場における豚熱などの疾病の発生に対しては、必要な安全・防疫対策を講じております。
しかしながら全てのリスクを回避するのは困難であり、当社グループ又は取引先でこれらが発生し予想以上の被害を受けた場合には、事業活動の停滞または停止、多額の復旧費用の発生、肥育豚の大量処分などが業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8) 新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症は未だ収束しておらず、今後の事業活動へ与える影響は不透明な状況です。
この様な中、当社では国内の感染状況に応じた対応方針を適宜発信し、事業所における感染防止に向けた取り組みをグループ全体で継続しておりますが、クラスターの発生等により事業活動を停止せざるを得ない事象が発生した場合には、グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しているため、以下の経営成績に関する説明の売上高については、前期比(%)を記載せずに説明しております。これによる売上高の減少額は18億10百万円でした。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済停滞に加えて、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、先行きが非常に不透明な状況が続きました。食品業界におきましては、長引く外食需要の低迷など依然として厳しい経営環境が続きました。
このような状況のなか、当社グループは「新中期経営計画<挑戦>challenge2022」(2021年3月期~2022年3月期)のもと、基本方針である「成長投資の推進」「事業ポートフォリオの検討」「財務健全性の強化」「コーポレートガバナンスの強化」に沿った諸施策により、経営資源の選択と集中による構造改革を進めて収益基盤の改善を図るとともに、安定的な利益確保に向けた構造強化を図り、持続的な事業発展を目指してまいりました。
当連結会計年度の当社グループの売上高は、肉類および養魚用飼料の販売数量が減少したことにより、403億89百万円(前期は443億66百万円)となりました。損益面におきましては、水産物相場が堅調に推移したことや採算性を重視した取引に努めたことにより営業利益は7億28百万円(前期比18.3%増加)、経常利益は9億16百万円(前期比8.0%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した特別利益(固定資産売却益)の反動により前期比45.2%減少の7億7百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度の期首より、報告セグメントの変更等を行っており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の報告セグメントに基づいております。
機能・食品事業
魚肉ねり製品におきましては、中国向け輸出の落ち込みや国内販売の低調な推移により、販売数量が減少いたしました。
機能性食品におきましては、機能性食品素材の国内向け販売が落ち込んだことにより、販売数量が減少いたしました。
ハム・ソーセージ等食肉加工品におきましては、長引く外食需要の低迷により、販売数量が減少いたしました。
肉類におきましては、豚肉の量販店への販売が低調に推移したことにより、販売数量が減少いたしました。
調理食品におきましては、前期の巣ごもり需要の反動により、販売数量が減少いたしました。
なお、収益認識に関する会計基準等を適用したことによる売上高の減少額は、10億52百万円でした。
これらにより、売上高は216億8百万円(前期は244億42百万円)となり、前期を下回る結果となりました。損益面におきましては、肉類の利益率改善があったものの魚肉ねり製品の販売数量が減少したことによりセグメント利益(営業利益)は3億51百万円(前期比2.7%減少)となりました。
飼料事業
養魚用飼料におきましては、養殖魚の在池量が減少したことにより、販売数量が減少いたしました。
水産物におきましては、取り扱い量が減少いたしました。
畜産用飼料におきましては、原材料価格高騰に対応した価格改定により、販売単価が上昇いたしました。
なお、収益認識に関する会計基準等を適用したことによる売上高の減少額は、7億57百万円でした。
これらにより、売上高は169億36百万円(前期は176億22百万円)となり、前期を下回る結果となりました。損益面におきましては、水産物相場が堅調に推移したことによりセグメント利益(営業利益)は11億50百万円(前期比26.4%増加)となりました。
その他の事業
その他の事業におきましては、売上高は18億44百万円(前期は23億1百万円)、セグメント利益(営業利益)は1億38百万円(前期比47.3%減少)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は264億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億69百万円減少しました。流動資産の減少(前期末比2億48百万円減少)は、主に仕掛品が4億35百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が6億65百万円減少したことなどによるものであり、固定資産の減少(前期末比19億21百万円減少)は、主に有形固定資産が16億79百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末における負債合計は167億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億97百万円減少しました。流動負債の減少(前期末比11億29百万円減少)は、主に短期借入金が7億6百万円、未払法人税等が3億21百万円減少したことなどによるものであり、固定負債の減少(前期末比5億68百万円減少)は、主に長期借入金が2億18百万円、繰延税金負債が1億54百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末における純資産合計は97億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億71百万円減少しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を7億7百万円計上したものの、非支配株主持分が9億11百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フローは増加したものの、財務活動によるキャッシュ・フローは減少し、前連結会計年度末に比べ33百万円減少の19億42百万円(前期末比1.7%減少)となりました。
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は6億83百万円(前期は32億80百万円の増加)となりました。これは主に法人税等の支払額が6億47百万円、棚卸資産の増加額が5億68百万円あったものの、税金等調整前当期純利益10億64百万円、減価償却費8億60百万円の計上や、売上債権の減少額が4億31百万円あったことなどによるものです。
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は18百万円(前期は47百万円の増加)となりました。これは主に定期預金の預入による支出が7億65百万円、有形固定資産の取得による支出が3億92百万円あったものの、定期預金の払戻による収入が11億65百万円あったことなどによるものです。
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は7億37百万円(前期は29億4百万円の減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入が7億99百万円あったものの、長期借入金の返済による支出が8億15百万円、リース債務の返済による支出が3億66百万円あったことなどによるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
(注) 総販売実績に対する割合が10%以上のものについて記載しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループは、持続的な事業発展を目指して「新中期経営計画<挑戦> challenge2022」(2021年3月期~2022年3月期)の諸施策により、経営資源の選択と集中による構造改革を進めて収益基盤の改善と、安定的な利益確保に向けた構造強化に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高403億89百万円、営業利益7億28百万円、経常利益9億16百万円、親会社株主に帰属する当期純利益7億7百万円となりました。
売上高は量販店への豚肉の販売が低調に推移したことや、養殖魚の在池量が減少したことにより養魚用飼料の販売数量が減少したことから39億77百万円の減収(「収益認識に関する会計基準」等の適用による減少額18億10百万円を含みます)となりました。
営業利益は、水産物相場が堅調に推移したことや採算性重視の取引に努めたことにより1億12百万円の増益となりました。
経常利益は、営業利益の増加により67百万円の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に固定資産売却益を計上した反動から5億83百万円の減益となりました。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計264億92百万円、負債合計167億24百万円、純資産合計97億68百万円となりました。
資産は、連結子会社の異動により有形固定資産が減少したことや、受取手形及び売掛金が減少したことにより、前連結会計年度末より21億69百万円の減少となりました。
負債は、短期借入金や未払法人税が減少したことにより、前連結会計年度末より16億97百万円の減少となりました。
純資産は、連結子会社の異動により非支配株主持分が減少したことにより、前連結会計年度末より4億71百万円の減少となりました。
これらにより、「新中期経営計画<挑戦> challenge2022」において財務健全性の数値目標に掲げた自己資本比率は36.9%、ネットD/Eレシオ(ネット有利子負債÷自己資本)は0.87倍となり、いずれも目標を達成いたしました。
当社グループは、本年4月に「中期経営計画<挑戦> PhaseⅡ <<challenge2024>>」(2023年3月期~2024年3月期)を策定しスタートさせました。新型コロナウイルス感染症の拡大による外食需要の低迷や原材料価格の高騰に加え、深刻化するウクライナ情勢や急激な円安進行などにより先行きの不透明感が強まり、当社グループを取り巻く経営環境は厳しいものとなることが予想されますが、前計画から引き継いだ事業戦略をベースに、ESGの視点とDX推進による変革への取り組みを加え、財務健全性を高めながら安定的な利益確保と持続的な事業発展を目指してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。特に、当社グループが取り扱う製・商品や原材料の多くは農・畜産物や水産物であるため、相場による価格変動が業績に影響を与える可能性があると認識しており、為替予約による為替リスクのヘッジや原材料の調達範囲の拡大等により、リスク要因を分散・低減するよう努めております。また、豚ウイルス性疾病などにより当社グループで運営する農場の肥育豚の大量処分などを余儀なくされる場合には業績に大きな影響を及ぼす可能性があるため、野生動物侵入防止対策や飼養衛生管理に関する教育の徹底など万全な防疫管理を期しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
機能・食品事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響から海外輸出が減少しており、国内においても外食需要の落ち込みが長引く一方、前期の巣ごもり需要の反動から家庭用食品の販売も低調に推移いたしました。採算性重視の取り組みにより肉類では利益率が改善したものの、魚肉ねり製品の販売数量が減少したことにより、営業利益は2.7%減少の3億51百万円となりました。なお、当連結会計年度より「水産・機能食品事業部」と「畜産食品事業部」を統合して「機能・食品事業部」とする組織変更を行い、管理・企画開発業務の効率化によるコスト削減、人材・資産の有効活用、意思決定の迅速化を図ってまいりました。また、下関工場、都城工場、林兼フーズ株式会社の3工場の生産体制再編による効率化を推し進めています。今後も引き続き、事業の効率化と収益力の強化に取り組んでまいります。
飼料事業
畜産用飼料の販売数量は増加、養魚用飼料は輸出が増加したものの、国内においては養殖魚の在池量が減少したことにより販売数量が減少しました。水産物相場が堅調に推移したことによる利益率の改善等により、営業利益は26.4%増加の11億50百万円となりました。今後はアメリカやヨーロッパへの養魚用飼料の輸出拡大を図るとともに、難治性魚病の治療法開発や栄養性疾病の対策を確立して飼料の販売拡大に繋げるなど、収益力の強化に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローおよび投資活動によるキャッシュ・フロー)は、前連結会計年度末に比べ26億24百万円減少の7億2百万円となりました。棚卸資産の増加、有形固定資産の売却による収入の減少などによります。
当社グループは、自己資本比率とネットD/Eレシオ(ネット有利子負債÷自己資本)を財務健全性を測る指標としており、年々改善傾向にはあるものの、未だ有利子負債の比率が高く磐石な体質には達していないと認識していることから、継続的に安定した利益を確保するとともに、棚卸資産の圧縮を進めつつ財務健全性の向上を図ってまいります。
フリー・キャッシュ・フローにつきましては、中長期的な企業価値の向上に資する設備投資への備え、業績に応じた適切な利益配分に基づく株主還元、財務健全性を向上させるべく有利子負債の圧縮に活用してまいります。
財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備資金は自己資金または金融機関からの借入れにより調達することとし、安定的な資金調達により十分な流動性を確保することを方針としております。また、短期流動性を確保するため、資金余剰状態にあるグループ会社から当社が資金を借入れ、資金需要が発生しているグループ会社へ貸出しを行うグループ資金貸借を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、日本の食卓を安全で、豊かで、楽しいものにすることを基本方針として、新しい食品素材の開発から製品の開発、環境に配慮した配合飼料の開発等、幅広い研究開発活動を行っております。
研究開発体制は、当社の機能・食品事業部(企画課、商品開発課、機能食品研究室、品質管理課)、および飼料事業部(研究課、水産研究センター、家畜魚類診療所、品質管理課)の研究開発部門が推進しております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりです。
(1) 機能・食品事業
機能・食品事業における研究開発の基本方針として、
① 大手食品メーカー等との協働型新規食品の開発
② 受託食肉加工品(OEM)の迅速かつ効率的開発
③ 超高齢社会に対応した健康志向食品及び機能性食品の開発
④ 天然物由来機能性素材(健康食品及び化粧品素材)の研究・開発
以上4項目を研究開発テーマとし、機能・食品事業部(企画課、商品開発課、機能食品研究室、品質管理課)の研究開発部門が研究開発活動を推進しております。
研究開発テーマの内、特に注力しているのは天然物由来機能性素材の研究・開発であり、当連結会計年度は主に以下機能性素材のエビデンス蓄積と成果発表に取り組みました。
エラスチンに関しては、機能性表示食品制度において研究の成果等を消費者庁に届け出たことにより、血管に対する効果として「血管のしなやかさの維持」「血管の柔軟性の維持」について、また肌に対する効果として「肌の弾力の維持」「肌のうるおいを守る」について表現が可能となりました。
ヒシエキスに関しては、本素材の有する強力な抗糖化作用により糖化を抑えることで「肌の黄ぐすみ」を予防する可能性を見出しました。肌の透明感やくすみが改善する体感データを基に、美容関連ユーザーへの販売促進活動を行っております。
アスコフィランHSに関しては、免疫賦活作用による「感染症の予防」「抗腫瘍」効果に関する研究開発を継続して実施し、ユーザーによる商品化推進のためのエビデンス取得に努めました。
これら3素材の研究成果については、学術論文、商業誌への投稿に加え、オンラインツールを用いた学会発表などで公表しており、特許出願も積極的に進めております。また、これらの研究については、随時ホームページで情報提供しております。
さらに、大学及び異業種企業との共同研究により、有望な機能性を有する食品及び素材の開発、製品化についても引き続き推進しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は
飼料事業における研究開発は、「食の安全・安心」を基本として、生産物の安全性と環境への配慮を重視した配合飼料の開発に重点をおき、素材から製品まで幅広い分野で行っております。
養魚用飼料は、「自然に魚に人にやさしい飼料」を研究開発の基本方針として、
① 環境への負担が少なく生産性向上能力を併せ持つ高性能EP飼料の開発と普及
② 魚が本来有する恒常性維持能力や健康維持能力の向上を目的とした機能性飼料の開発と普及
③ 見た目と味で満足させる高品質養殖魚の生産に寄与する肉質改善飼料開発
④ 供給量や価格が不安定である「魚粉」に依存しない新時代養魚用飼料の開発
⑤ 難治性魚病対策や魚の衛生対策の確立
以上5項目をテーマに掲げて、当社研究課、水産研究センター、家畜魚類診療所および品質管理課が連携して研究開発活動に取り組んでおります。
当連結会計年度における養魚用飼料の主な活動については、魚病対策に特化した獣医師を中心に、対策が困難であった難治性魚病に対応する対策薬の開発を重点的に実施しております。成果として、当社が開発したベコ病対策薬(ブリ用)が、2022年4月に水産用医薬品として承認されました。また、フグ養殖でのやせ病対策について、診療による予防効果が認められました。新製品開発においては、ブリ、カンパチ、ヒラマサ、ヨコワなど餌付け困難とされていた大型天然採捕魚の餌付け用新飼料を開発しました。
継続中のものとしては、タイ養殖での難治療性疾患に対する治療薬で良好な結果が認められたため特許取得に向けて取組んでおります。
その他としては、外部機関との共同研究として、国立研究開発法人水産研究・教育機構等の産官学研究機関と「漁場環境改善推進事業」に取組んでおります。
畜産用飼料については、黒豚に代表される高品質・高付加価値生産物を育てる飼料の開発に注力しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は