第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当社は2019年12月期から3年間を対象とする中期経営計画のもと、「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業」を目指しております。中期経営計画の基本戦略である①収益力強化の継続、②新事業・新領域への挑戦による成長に取組み、更なる企業価値の向上に努めております。

 

当第3四半期連結累計期間(2021年1月1日から2021年9月30日)における売上収益は、前年同期から増収となりました。国内においては、新型コロナウイルス感染症による健康志向や内食需要の高まりが継続するとともに、ワクチン接種の拡大等により外食需要も回復基調にあります。こうした環境のもと、『野菜をとろうキャンペーン』活動による需要喚起効果も相俟って、国内加工食品事業は増収となりました。国際事業においても、新型コロナウイルス感染症政策の影響により大きく落ち込んだ外食需要が回復してきたことで、KAGOME INC.(米国)を中心に増収となりました。

事業利益(※)は、増収や国際事業における原価低減等による増益があったものの、国内事業において『野菜をとろうキャンペーン』のための広告宣伝費、販売促進費を増やした結果、前年同期と同水準となりました。

 

以上により、当第3四半期連結累計期間の売上収益は、前年同期比3.6%増1,418億27百万円、事業利益は前年同期比0.3%減の118億37百万円となりました。営業利益は、前年同期に投資不動産売却による固定資産売却益を計上したことにより、前年同期比3.0%減116億80百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期比3.4%減78億69百万円となりました。

 

※ 事業利益は、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を加えた、経常的な事業の業績を測る利益指標です。

 

 

セグメント別の業績の概況は次の通りであります。

なお、当第1四半期連結累計期間より、前期まで国内加工食品事業の食品他に含めておりました、通販事業を独立開示するセグメント区分の変更をしております。当社は、同セグメントを成長期待事業として位置付けており、経営管理上の重要性が増したことによります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

売上収益

事業利益(△は損失)

前第3四半期
連結累計期間

当第3四半期
連結累計期間

増減

前第3四半期
連結累計期間

当第3四半期
連結累計期間

増減

 

 

飲料

56,491

57,740

1,248

6,508

6,407

△100

通販

9,197

9,832

635

1,101

838

△262

食品他

34,665

34,811

145

3,081

2,398

△682

加工食品 計

100,354

102,384

2,029

10,692

9,645

△1,046

7,871

7,244

△627

222

76

△146

その他

604

796

191

305

60

△244

消去及び調整(注1)

△2

△60

△57

国内事業 計

108,828

110,364

1,535

11,220

9,782

△1,437

国際事業

32,826

37,764

4,938

652

2,054

1,402

消去及び調整(注2)

△4,769

△6,301

△1,532

合計

136,885

141,827

4,941

11,872

11,837

△35

 

(注) 1 国内事業内のセグメント間売上収益を消去しております。

2 国内事業と国際事業間のセグメント売上収益を消去しております。

 

<国内事業>

国内事業の売上収益は、前年同期比1.4%増1,103億64百万円、事業利益は、前年同期比12.8%減97億82百万円となりました。各事業別の状況は以下の通りであります。

 

① 加工食品事業

加工食品事業では、飲料や調味料等の製造・販売を手掛けております。

当事業における売上収益は、前年同期比2.0%増1,023億84百万円、事業利益は、前年同期比9.8%減96億45百万円となりました。

 

 [飲料:「野菜生活100」シリーズ、トマトジュース、野菜一日これ一本、他]

野菜飲料においては、日本における野菜摂取量を「あと60g増やす」ことを目指した『野菜をとろうキャンペーン』を推進し、積極的な広告投下、販促活動を実施しました。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大による健康への関心の高まりもあり、飲用機会の増加につながりました。商品別では、3月に「野菜生活100 Smoothie ビタミンスムージー」を発売した「野菜生活100」シリーズ、「野菜一日これ一本」が好調に推移しました。

以上により、飲料カテゴリーの売上収益は、前年同期比2.2%増577億40百万円、事業利益は、主に『野菜をとろうキャンペーン』の展開による広告宣伝費、販売促進費の増加により、前年同期比1.6%減64億7百万円となりました。

 

 [通販:野菜飲料、サプリメント、スープ等の通信販売]

通販カテゴリーでは、主に、野菜飲料、サプリメント、スープなどの製造・販売を行う通信販売「健康直送便」を手掛けております。

新型コロナウイルス感染症拡大に伴うECチャネルの利用拡大により、つぶより野菜などの野菜飲料、スルフォラファンなどのサプリメント、スープの主要商品が好調に推移しました。

その結果、通販カテゴリーの売上収益は、前年同期比6.9%増98億32百万円となりました。事業利益は、主に定期顧客獲得を目的とした広告宣伝費の増加により、前年同期比23.9%減8億38百万円となりました。

 

 [食品他:トマトケチャップ、トマト調味料、ソース、贈答品、他]

食品カテゴリーは、前年に引き続きトマトケチャップやパスタソースが好調を維持していることに加えて、ナポリタンスタジアム開催などによるメニュー訴求の強化を行いました。しかしながら、前年のコロナ禍における内食機会急増の反動減により、売上収益は前年同期を下回りました。

業務用カテゴリーは、依然として厳しい事業環境が継続しているものの、外食需要が前年水準より回復していることで、売上収益は増収となりました。

ギフト・特販カテゴリーは、受託製品が好調に推移したことで、売上収益は増収となりました。

以上により、食品他カテゴリーの売上収益は、前年同期比0.4%増348億11百万円、事業利益は、主に利益率の高い食品カテゴリーの売上収益が前年同期を下回ったことに加えて、広告宣伝費等の増加により、前年同期比22.2%減23億98百万円となりました。

 

② 農事業

農事業では、主に生鮮トマト、ベビーリーフ等の生産・販売を手掛けております。なお、2021年1月1日に当社農事業を会社分割によりカゴメアグリフレッシュ株式会社に移管し、同社を農セグメントの中核会社として事業を推進しています。

当第3四半期連結累計期間は、第2四半期までの生鮮トマト市況低迷による販売単価の下落に加え、第3四半期は、8月以降の天候不順に伴う日照不足により生鮮トマトの取扱量が大幅に減少しました。

その結果、農事業の売上収益は、前年同期比8.0%減72億44百万円、事業利益は前年同期比65.7%減76百万円となりました。

 

③ その他事業

その他事業には、不動産事業、業務受託事業が含まれております。

売上収益は、前年同期比31.6%増7億96百万円、事業利益は前年同期比80.1%減60百万円となりました。

 

 

  <国際事業>

国際事業では、トマトの種子開発から農業生産、商品開発、加工、販売事業を展開しております。

主な子会社における現地通貨建業績の概要は以下の通りです。

KAGOME INC.(米国)は、コロナワクチン接種拡大を受けた米国外食需要の回復基調により、新規顧客を含むフードサービス企業向け販売が好調に推移したことに加えて、生産性の向上による利益貢献もあり、増収増益となりました。Holding da Industria Transformadora do Tomate, SGPS S.A.(ポルトガル)は、前期に新型コロナウイルス感染症拡大に伴い食品メーカー向け販売が好調に推移した反動により減収となりましたが、同社主力商品であるトマトペースト価格が上昇したことなどにより、増益となりました。Kagome Australia Pty Ltd.(豪州)は、グループ向けに販売しているニンジン濃縮汁の生産規模拡大に伴い、増収増益となりました。台湾可果美股份有限公司は、台湾内の巣ごもり需要に対して新商品導入等により家庭向けを拡大するとともに、宅配需要増に対応した外食チェーン向け販売が好調に推移した結果、増収増益となりました。

以上により、国際事業における売上収益は、前年同期比15.0%増377億64百万円、事業利益は、前年同期比215.2%増20億54百万円となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間は、資産合計につきましては、前期末に比べ148億円減少いたしました。

流動資産につきましては、前期末に比べ214億14百万円減少いたしました。

これは、「営業債権及びその他の債権」が12億70百万円、「棚卸資産」が季節的要因により49億3百万円それぞれ増加したものの、「現金及び現金同等物」が、前期実行した新型コロナウイルス感染症拡大による資金調達環境の逼迫等に備えた短期借入金の返済や、配当金や法人所得税の支払いなどにより289億52百万円減少したことによります。

非流動資産につきましては、前期末に比べ66億13百万円増加いたしました。

これは、主に当社の製造設備の更新などにより「有形固定資産」が56億61百万円保有株式の時価の上昇などにより「その他の金融資産」が13億36百万円、それぞれ増加したことによります。

負債につきましては、前期末に比べ224億14百万円減少いたしました。

これは、主に「営業債務及びその他の債務」が11億16百万円増加したものの、先述の通り短期借入金の返済により、「借入金」が264億42百万円減少したことによります。

資本につきましては、前期末に比べ76億14百万円増加いたしました。これは、主に剰余金の配当により32億19百万円減少したものの、「親会社の所有者に帰属する四半期利益」により78億69百万円、主要通貨に対する円安が進行したことなどにより「その他の資本の構成要素」が25億91百万円、それぞれ増加したことによります。

この結果、親会社所有者帰属持分比率は56.3%、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,323円77銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、278億16百万円となり、前連結会計年度末比で289億52百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、115億50百万円の純収入(前年同期は135億33百万円の純収入)となりました。これは、主に税引前四半期利益が116億30百万円となったこと、減価償却費及び償却費が55億67百万円となったこと、営業債務が28億23百万円増加したこと(以上、キャッシュの純収入)、棚卸資産が38億54百万円増加したこと、法人所得税等の支払いにより43億46百万円支出したこと(以上、キャッシュの純支出)によります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、117億59百万円の純支出(前年同期は13億79百万円の純支出)となりました。これは、主に有形固定資産及び無形資産の取得(投資不動産含む)により119億75百万円支出したことによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、301億1百万円の純支出(前年同期は120億30百万円の純収入)となりました。これは、主に先述の通り短期借入金の純減少により282億37百万円、配当金の支払いにより32億16百万円、それぞれ支出があったことによります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の概要は以下のとおりであります。

 

①基本方針の内容

当社の株式について、特定の買付者による大量取得行為が行われる場合に、株主の皆さまが当社の株式を売却されるか否かは、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えられますが、その前提として、株主の皆さまに適切かつ十分な情報をご提供したうえで、ご判断を頂くために適切かつ十分な期間と機会を確保することが重要と考えられます。そのためには、当社取締役会が、大量取得行為を行おうとする者から詳細な情報を収集して、これを株主の皆さまにご提供するとともに、かかる大量取得行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があるものと判断する場合には、当該大量取得行為に係る提案と当社取締役会が作成する代替案のいずれを選択すべきかについて、株主の皆さまに適切かつ十分な情報をご提供したうえでそのご判断を仰ぐことが、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させるために最善の方策であると当社は考えます。

 

②基本方針の実現に資する特別な取り組み

当社は、この企業理念に則り、企業の成長は、社会の成長とともにあることを認識し、「開かれた企業」として、世界に広がるあらゆるステークホルダーの皆さまと手を携え、新たな価値ある商品を提供できるよう取り組んでおります。また、当社グループのつくる商品の価値の源は、「自然」であり、自然に根差し、農業から生産、加工、販売と一貫したバリューチェーンを持った世界でもユニークな企業として、この強みを活かし、グローバル市場を見据えて激しい環境変化に対応するスピードと競争力を強化する経営を推進しております。そして、すべてのステークホルダーに「感謝」の心を持ち、皆さまに愛され支持される会社であり続けられるよう、たゆまず努力をしてまいります。

 

 (イ) 中期経営計画による企業価値向上への取り組み

当社は、中期経営計画を策定するにあたり、将来の環境変化について、徹底した予測を行いました。その結果、明らかになったのは日本国内における社会問題の深刻化でした。中でも「健康寿命の延伸」は当社グループが真っ先に取り組むべきテーマであり、この他にも「農業の成長産業化」「地方創生」「世界の食糧不足」などは、当社グループが解決に貢献をするべきテーマであると認識しました。そこで当社は、2025年のありたい姿を「食を通じて社会問題の解決に取り組み、持続的に成長できる『強い企業』になる」とし、2016年には「トマトの会社から野菜の会社に」という長期ビジョンを定めました。当社の保有する生鮮野菜、ジュース・調味料、冷凍素材、サプリメントなど、野菜を手軽に摂取できる幅広い商品や、野菜の健康価値情報の提供、新規事業の創出などを通じて、ありたい姿や長期ビジョンの実現を目指してまいります。長期ビジョンの定量目標として、当社は「日本人の1日1人あたりの野菜摂取量を293gから厚生労働省の推奨する目標値350g以上にすること」と「カゴメが国内で供給する緑黄色野菜の供給割合を約12%から15%以上にすること」を掲げ、「野菜の会社」の実現に向けた企業活動を展開してまいります。

 更に長期の2035年~40年を見据えては「社員から役員までの全ての階層における女性比率を50%にする」という目標を定め、ダイバーシティ活動を推進しております。この活動によって、新たなイノベーションを起こす企業へと変革し、多様化する消費者ニーズへの対応や、購買者視点に立った事業戦略の展開を進めてまいります。

 

 (ロ) コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組み

当社は、企業理念「感謝」、「自然」、「開かれた企業」に則り、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現を目指しており、そのためにコーポレート・ガバナンスを重要な経営課題であると認識しております。当社では、コーポレート・ガバナンスの基本を「『自律』の更なる強化と『他律』による補完である」と考えております。これは、自らの意思で時代に適応するコーポレート・ガバナンスを構築することを原則としながら、「カゴメファン株主づくり」の推進や社外取締役の機能の活用などにより外部の多様な視点を取り入れていくことで、客観性や透明性を担保していくというものです。

当社は、カゴメならではの個性や独自性を活かしつつ、ステークホルダーとの対話を図る中で、高度なアカウンタビリティを実現し、真の「開かれた企業」を目指してまいります。

 

 

③基本方針に基づく不適切な支配の防止のための取り組み

当社はこのような考え方に基づき、当社株式の大量取得行為に関する対応策を制定し、導入しておりました。しかしながら、昨今の環境の変化やガバナンスの状況を鑑み、2021年2月3日の取締役会にて当該対応策の非継続を決定し、2021年3月26日開催の第77回定時株主総会終結の時をもって有効期間は満了いたしました。

なお、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上する観点から、当該大量取得の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めます。当社は、それに対する当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様が検討するために必要な期間および情報の確保に努めます。また、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、26億54百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。