第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当社は2022年12月期から4年間を対象とする中期経営計画のもと、「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業」を目指しております。基本戦略である「4つのアクション(①野菜摂取に対する行動変容の促進 ②ファンベースドマーケティングへの変革 ③オーガニック・インオーガニック、両面での成長追求 ④グループ経営基盤の強化と挑戦する風土の醸成)の有機的連携による持続的成長の実現」に取り組み、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。

 

当中間連結会計期間(2025年1月1日から2025年6月30日)は、世界各国の政策をめぐる不確実性が高まる中で不安定な経済状況が続きました。日本においては、物価上昇を背景とした生活者の節約志向の高まりなどにより、景気の先行きは依然として不透明な状況です。

このような状況の下、国内加工食品事業においては、植物性ミルクの新領域の挑戦に加え、各カテゴリーの需要拡大に注力し増収となりました。一方で、原材料などの製造費用の継続的な上昇や戦略的な広告費の投下などにより、減益となりました。

国際事業においては、トマトペーストの国際的な市況が下降に転じたことに伴い、同商品を主に扱うトマト他一次加工、トマト他二次加工の販売価格を引き下げたことにより、減収減益となりました。

 

以上により、当中間連結会計期間の売上収益は、前年同期比6.4%減1,386億81百万円、事業利益は前年同期比32.7%減104億円となりました。なお、前中間連結会計期間においては、Ingomar Packing Company, LLC(以下、Ingomar)を連結子会社化したことにより、93億23百万円の段階取得に係る差益を「その他の収益」に計上しておりました。これらの影響を受け、営業利益は前年同期比57.2%減105億63百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は前年同期比64.0%減61億81百万円となりました。

 

※ 事業利益は、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を加えた、経常的な事業の業績を測る利益指標です。

 

セグメント別の業績の概況は次の通りであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

売上収益

事業利益(△は損失)

前中間連結
会計期間

当中間連結
会計期間

増減

前中間連結
会計期間

当中間連結
会計期間

増減

 

飲料

39,703

39,510

△192

4,929

3,101

△1,827

通販

5,708

6,057

348

267

257

△10

食品他

27,271

27,479

207

2,682

2,314

△367

国内加工食品事業 計

72,683

73,046

362

7,879

5,673

△2,205

 

 トマト他一次加工※1

39,821

29,937

△9,883

3,609

2,972

△637

 トマト他二次加工※2

36,721

32,317

△4,403

4,431

2,515

△1,916

 調整額

△383

△106

276

△98

133

232

国際事業 計

76,159

62,148

△14,010

7,941

5,620

△2,321

その他

12,100

11,871

△229

1,345

406

△939

調整額

△12,701

△8,384

4,317

△1,718

△1,300

418

合計

148,242

138,681

△9,560

15,448

10,400

△5,047

 

※1トマト他一次加工:農作物を加工した、ペーストなどの製造・販売

※2トマト他二次加工:主に、農作物の一次加工品に調味料などを加えて加工した、ピザソースなどの製造・販売

 

<国内加工食品事業>

国内加工食品事業では、飲料や調味料等の製造・販売を手掛けております。

当事業における売上収益は、前年同期比0.5%増730億46百万円、事業利益は、前年同期比28.0%減56億73百万円となりました。

 

 [飲料:「野菜生活100」シリーズ、トマトジュース、野菜一日これ一本、他]

飲料カテゴリーは、トマトジュースが引き続き好調でした。血圧が高めの方への訴求を強化することにより、新規ユーザーを獲得することができました。また、「野菜生活100」シリーズは、発売30周年を迎え「家族の健康飲料」としてのプロモーションを推進しました。

以上により、同カテゴリーの売上収益は、前年同期比0.5%減395億10百万円、事業利益は、原材料などの製造費用の上昇を受け、前年同期比37.1%減31億1百万円となりました。

 

 [通販:野菜飲料、サプリメント、スープ等の通信販売「健康直送便」]

通販カテゴリーは、広告費の戦略的投下などにより、つぶより野菜やスープが好調に推移しました。

以上により、同カテゴリーの売上収益は、前年同期比6.1%増60億57百万円となりましたが、広告費の投下などにより、事業利益は前年同期比3.8%減2億57百万円となりました。

 

 [食品他:トマトケチャップ、トマト調味料、ソース、贈答品、他]

食品は、「ナポリタンスタジアム」や「焼きケチャップ」などのメニュー情報発信と販促活動を強化したことにより、増収となりました。

業務用は、トマトケチャップの販売は堅調に推移したものの、大手外食チェーン向けの冷凍商品の販売が減少したことにより減収となりました。

ギフト・特販は、受託製品の販売が好調に推移したことにより増収となりました。

以上により、食品他カテゴリーの売上収益は、前年同期比0.8%増274億79百万円、事業利益は、前年同期比13.7%減23億14百万円となりました。

 

  <国際事業>

国際事業では、農業生産、商品開発、加工、販売を展開しております。

当事業における売上収益は、前年同期比18.4%減621億48百万円、事業利益は、前年同期比29.2%減56億20百万円となりました。

 

[トマト他一次加工:トマトペースト、ダイストマト、にんじん、冷凍地中海野菜、他]

トマト一次加工品は、トマトペーストの世界的な需給緩和による市況の下降に伴い、米国のIngomarをはじめ、欧州、豪州において販売価格を引き下げ、減収となりました。

 

以上により、トマト他一次加工カテゴリーの売上収益は、前年同期比24.8%減299億37百万円、事業利益は、前年同期比17.7%減29億72百万円となりました。

 

[トマト他二次加工:ピザソース、バーベキューソース、トマトケチャップ、他]

トマト他二次加工カテゴリーにおいては、フードサービス企業向け販売は堅調に推移したものの、当社向け販売の減少、及び市況の下降に伴う販売価格の引き下げなどに伴い、減収となりました。

 

以上により、トマト他二次加工カテゴリーの売上収益は、前年同期比12.0%減323億17百万円、事業利益は、前年同期比43.2%減25億15百万円となりました。

 

<その他>

その他には、国内農事業、種苗の生産・販売、並びに新品種・栽培技術などの開発、不動産事業、新規事業等が含まれております。

売上収益は、前年同期比1.9%減118億71百万円、事業利益は前年同期比69.8%減4億6百万円となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当中間連結会計期間は、資産合計につきましては、前期末に比べ329億3百万円減少いたしました。

流動資産につきましては、前期末に比べ262億73百万円減少いたしました。

これは、主にトマト加工品の販売が進捗したことなどにより「棚卸資産」が188億99百万円、季節要因により「営業債権及びその他の債権」が36億50百万円、配当金の支払いや自己株式の取得などにより「現金及び現金同等物」が23億52百万円、それぞれ減少したことなどによります。

非流動資産につきましては、前期末に比べ66億29百万円減少いたしました。これは、主に為替変動の影響を受け、「有形固定資産」が17億62百万円、「無形資産」が34億55百万円それぞれ減少したことなどによります。

負債につきましては、前期末に比べ161億73百万円減少いたしました。

これは、主に「営業債務及びその他の債務」が季節要因により68億10百万円、「その他の流動負債」が11億9百万円、海外子会社での運転資金減少に伴い「長期借入金」が97億18百万円、それぞれ減少したことなどによります。

資本につきましては、前期末に比べ167億30百万円減少いたしました。これは、「親会社の所有者に帰属する中間利益」により61億81百万円増加したものの、剰余金の配当により53億44百万円、「自己株式」の取得等により68億80百万円、「非支配株主持分」が23億59百万円、それぞれ減少したことなどによります。

この結果、親会社所有者帰属持分比率は52.0%、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,877円04銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、189億21百万円となり、前連結会計年度末比で23億52百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、235億82百万円の純収入(前年同期は268億2百万円の純収入)となりました。これは、主に税引前中間利益が99億81百万円となったこと、減価償却費及び償却費が57億96百万円となったこと、棚卸資産が150億71百万円減少したこと、営業債権及びその他の債権が22億92百万円減少したこと、(以上、キャッシュの純収入)、営業債務及びその他の債務が51億8百万円減少したこと、法人所得税等の支払いにより25億15百万円支出したこと(以上、キャッシュの純支出)などによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、59億88百万円の純支出(前年同期は407億49百万円の純支出)となりました。これは、主に有形固定資産及び無形資産の取得により60億98百万円支出したことなどによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、195億74百万円の純支出(前年同期は18億66百万円の純収入)となりました。これは、長期借入に伴い60億11百万円収入があったものの、長期借入金の返済により122億38百万円、自己株式の取得等により69億7百万円、配当金の支払いにより52億70百万円支出したことなどによります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の概要は以下のとおりであります。

 

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業特性、並びに当社の企業価値の源泉を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させることができる者であることが必要と考えております。当社の株式について、特定の買付者による大量取得行為が行われる場合に、株主の皆さまが当社の株式を売却されるか否かは、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えられますが、その前提として、株主の皆さまに適切かつ十分な情報をご提供したうえで、ご判断を頂くために適切かつ十分な期間と機会を確保することが重要と考えております。当社は、2021年開催の第77回定時株主総会終結のときをもって「当社株式の大量取得行為に関する対応方針(買収防衛策)」を継続しない旨を決定し現在に至っておりますが、当社株式の大量買付を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆さまが適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆さまの検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取り組み

a.企業価値向上への取り組み

当社は、長期ビジョンや2025年のありたい姿の達成に向け、中期経営計画を策定し、経営課題に取り組むことで企業価値の向上を図ってまいります。

b.コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組み

当社では、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方に基づき、体制の整備・運用を行うことで、経営の客観性、透明性を高め、高度なアカウンタビリティを実現し、真の「開かれた企業」を目指してまいります。

 

③ 本取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

本取り組みは、前述のとおり、基本方針の実現のため、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させるために取り組むものであります。

このため、当社取締役会は、本取り組みが基本方針に沿い、株主の皆様共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、23億85百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。