第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

《ミッション(使命・存在意義)》

くらしを見つめ、人々に心の満足を提供する

 

《ビジョン(目指す姿)》

私たちは地球の恵みを活かしたものづくりと、

卓越した物流サービスを通じて、

豊かな食生活と健康を支えつづけます。

 

《ニチレイが大切にする価値観~日々の行動や意思決定の規準~》

① お客様第一、安全第一、品質第一を貫く

お客様本位に徹するとはお客様との長期的な信頼の構築に努めることであり、その実現過程では安全第一、品質第一を貫かなくてはならない。この価値観は、ニチレイグループにおけるすべての事業活動の根幹である。

 

② 健全な利益を追求する

不公正・不当な利益は一切評価しない。コンプライアンスに違反する行為は、いとも簡単に事業継続を困難にし、企業の存続そのものを危うくする。ひとたび信頼を失えば、回復には途方もない時間がかかることを胸に深く刻み、フェアな競争に徹しなければならない。

 

③ 透明性の高い経営を推進する

すべてのステークホルダーから信頼されるため、誠実かつ公平な情報開示により説明責任を十分に果たして透明性の高い経営を推進し、企業価値を継続的に高めていく。

 

④ 持続可能な社会の実現に取り組む

食と健康を支える企業として、常に人々のくらしと未来を見据えて社会課題の解決に貢献するとともに、経済的・社会的・環境的側面に配慮しながら事業活動に取り組み、持続可能な社会の実現を目指していく。

 

⑤ 変革と創造に挑戦する

自由闊達な組織風土の中で失敗を恐れることなく、自己変革と新たな価値の創造に挑戦していく。

 

 

CSR基本方針“ニチレイの約束”~持続可能な社会の実現に向けて~

ニチレイグループは、食と健康を支える企業として事業活動を通じて新たな顧客価値を創造し、社会課題の解決に貢献します。また、経済的・社会的・環境的側面に配慮しながら事業活動に取り組み、その活動をステークホルダーの皆様に広く公表し、理解と対話を深めてまいります。

 

新たな顧客価値の創造

新たな商品やサービスを創り出し、事業を通じてお客様及び社会の課題を解決します

安全な商品とサービスの提供

高い品質と安全性を実現し、お客様の信頼を獲得します

持続可能なサプライチェーンの構築

持続可能なサプライチェーンの構築に努めます

環境負荷の低減

地球環境に配慮し、環境負荷を低減します

社会との共生

社会と地域コミュニティの一員として共に考え、行動します

働きがいの向上

働く人の多様性を尊重するとともに、個々の能力を最大限に発揮し活き活きと働ける環境を実現します

コーポレートガバナンスの充実

適切な資源配分や意思決定の迅速化に努め、公正かつ透明性の高い経営を推進します

コンプライアンスの徹底

ニチレイグループが事業を展開する各国の法令と社会規範を遵守し、倫理性を高めます

 

(2) 中期的な経営戦略、目標とする経営指標、経営環境及び対処すべき課題

 厳しい経営環境下においても着実な成長を目指したグループ中期経営計画「WeWill 2021」(2019年度~2021年度)の初年度にあたる2019年度は、主力である加工食品事業と低温物流事業がグループ業績を牽引したことにより、売上高、営業利益ともに前期を上回る結果となりました。一方、海外事業の規模拡大や、水産・畜産事業の収益安定化に課題を残しました。

 計画2年目にあたる2020年度は、原材料費や労働力不足に伴う人件費や物流費などのコスト上昇に加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、厳しい事業環境となることが想定されますが、変化に対応した経営施策の着実な遂行により、持続的な成長の実現を目指してまいります。

 2020年度の連結業績は、売上高5,900億円、営業利益315億円を目指します。

 

① 全体戦略、財務戦略及びセグメント別の事業計画

《全体戦略》

 加工食品事業と低温物流事業を中心に成長及び基盤強化に向けた設備投資を実施し、「持続的な利益成長」と「豊かな食生活と健康を支える新たな価値の創造」の実現を目指します。

 新型コロナウイルス感染症への対応については、従業員の安全と健康を確保した上で事業を継続し、食のインフラを担う当社グループとしての責務を果たします。

 ・国内では経営基盤の強化や事業構造の変革により収益力を向上する。

 ・海外では事業規模拡大を加速する。

 ・中長期を見据えた新規事業開発・研究開発への取組みを強化する。

 ・デジタル技術やデータ活用により、業務プロセスの変革や新たな価値の創造に取り組む。

 ・事業を通じて社会課題を解決し持続可能な社会の実現に貢献する。

 ・働き方改革や多様な人材の活躍推進に注力する。

《財務戦略》

 営業キャッシュ・フローと資産流動化により創出された資金は、企業価値の維持向上のための投資と配当や自己株式の取得を通じた株主還元に振り向けます。

 株主還元については、連結自己資本配当率(DOE)を基準として安定的な配当を継続するとともに、資本効率や市場環境などを考慮のうえ自己株式の取得を機動的に実施することを基本方針とします。

 ・連結自己資本当期純利益率(ROE)は10%以上を維持する。

 ・連結自己資本配当率(DOE)3.0%を目安に配当を実施する。

《セグメント別の事業計画》

(イ)加工食品事業

 ・タイGFPT Nichireiの第2工場増設など、主力カテゴリであるチキン・米飯への資源集中による収益力強化

 ・新たな主力カテゴリの創出と差別化の実現に向けて研究開発・技術開発の強化

 ・北米を中心とした海外事業の規模拡大

(ロ)水産・畜産事業

 ・水産事業では加工品の取扱拡大など、畜産事業では需給バランスに沿った調達と販売や差別化商品の販売強化などを通じた、市況変動の影響を受けにくい収益体制の構築

(ハ)低温物流事業

 ・大都市圏の主要保管拠点及び地方での運送機能の最大活用による収益拡大

 ・庫内作業のデジタル化や省力化・省人化の推進、及び適正料金の収受などを通じた各種コスト上昇への対応

 ・新設名古屋みなと物流センターの早期安定稼働、及び業務革新センターとしてのモデル構築

 ・欧州を中心とした海外事業の規模拡大

(ニ)不動産事業

 ・既存賃貸ビルのリニューアルによる安定収益の確保

(ホ)バイオサイエンス事業

 ・次世代の診断薬・診断装置の開発と海外事業の基盤構築

 

② 品質保証力の向上

「食の安全・信頼」の実現のため、国際規格の導入、品質・安全性評価に関する技術の高度化などの取組みを強化し、グループ全体の品質保証力の向上を図ります。

 

③ 社会課題解決への貢献

長期経営目標「2030年の姿」を実現していくにあたり、社会課題の解決を軸とした持続的成長と、ESG課題への対応を両立すべく、重点的に取り組むべき5項目をグループ重要事項(マテリアリティ)として設定しました。今後、グループ重要事項の5項目「食と健康における新たな価値の創造」「食品加工・生産技術力の強化と低温物流サービスの高度化」「持続可能な食の調達と資源循環の実現」「気候変動への取り組み」「多様な人財の確保と育成」を軸に、当社グループの経営を推進します。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において判断したものであります。

 

(1) 経済状況及び事業環境について

国内では、世帯構成・ライフスタイルの変化を背景とした時短ニーズの増大や消費形態の多様化などが生み出す新たな需要も見込まれますが、本格的な人口減少に伴い長期的に総需要の縮小が懸念されます。また、持続可能な社会の実現に向けて、企業に対する期待と要請は一層多様化、高度化しています。

こうした環境の変化に対応するため、当社グループでは、「食」と「健康」を支える幅広い事業でイノベーションを推進してお客様及び社会の課題を解決する新たな価値を創造し、人々の豊かな食生活と健康に貢献することを目指しております。

しかしながら、足元では新型コロナウイルス感染症の流行により、外食産業向け需要については落ち込みが顕著となっております。今後サプライチェーンの停滞や当社グループ内での感染者発生による事業活動中断などが発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(2) 食品に関する品質問題について

当社グループでは、食品の製造・販売を行っており、衛生リスク、農薬・動物用医薬品残留基準超過、異物混入、特定家畜伝染病(鳥インフルエンザ、アフリカ豚熱、口蹄疫等)など、食品に関する品質問題が発生する可能性があります。

当社グループでは、お客様に信頼される商品とサービスの提供を目指し、商品開発から原材料調達、生産、販売まで一貫した品質保証体制の強化に努めております。適切な原材料・商品の品質・生産管理、トレーサビリティシステムの構築、要員の育成・適正配置など、食品の「安全・安心」の確保を最優先課題として食品安全・食品防御に取り組んでおります。

しかしながら、当社グループが販売した商品において品質問題が発生した場合、その危害性と拡散性などから総合的に判断し適切な対応を行いますが、想定を超える大規模な商品回収等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が毀損するとともに、業績に重大な影響を与える可能性があります。

また、当社グループ以外で食品に関する重大な品質問題が発生した場合においても、加工食品事業及び水産・畜産事業における商品・原材料の安定的な調達・販売に支障をきたす恐れ、あるいは食品輸入量の大幅な減少により低温物流事業における物流センターの稼働率が低下する恐れがあります。

 

(3) 人材の確保及び育成等について

当社グループが持続的な成長を実現していくためには、少子高齢化に伴う労働力不足の中にあっても、多様で優秀な人材を確保・育成し、その能力を最大限に発揮することが重要です。そのため、働き方改革・健康経営の推進や定型業務の自動化・省力化・省人化といった働く環境の整備や生産性の向上に取り組むとともに、企業経営理念の理解・浸透や能力開発・能力発揮のための機会の提供といった人材育成に努めております。しかしながら、雇用情勢の変化や人材の流動化などにより必要な人材の確保や育成が計画通り行えなかった場合、当社グループの事業運営に影響を与える可能性があります。

 

(4) 情報システムについて

当社グループでは、適切なシステム管理体制を構築しておりますが、システム運用上のトラブルなどにより、業務運営に支障をきたす恐れがあります。また、セキュリティ対策や情報管理を徹底しておりますが、未知のコンピュータウイルスやサイバー攻撃などにより、重要な情報の漏洩・改ざんが発生する場合、あるいは一定期間業務運営が困難になる場合があります。それらの対応費用の発生や社会的信用の低下などにより、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(5) 商品や原材料等の価格変動について

当社グループが取り扱う商品や原材料には畜産品(鶏肉等)や水産品など、市況や作柄により価格が大きく変動するものがあります。水産・畜産事業では、需給バランスに沿った調達・販売、及び相場変動の影響を受けにくい加工品の取扱拡大や差別化商品の販売強化、加工食品事業では配合技術や生産効率の向上により継続的に製造原価の低減に努めておりますが、コストの上昇分を吸収しきれない場合や競争激化などにより価格改定が進まない場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(6) 原油価格等の変動について

当社グループでは原油価格等の高騰が、電力料、軽油・重油等燃料調達費用、商品・原材料の調達コストなどの増加につながります。当社グループは、新技術の導入や業務改善等により原価低減に努めておりますが、これらの価格上昇をコストダウンで吸収できない場合、また価格転嫁できない場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(7) 為替変動の影響について

当社グループは、主要事業において商品や原材料の一部を海外より調達しているため、また海外に子会社を保有しているため、為替変動の影響を受けます。当社グループの業績に影響を与える通貨としては、米国ドル、タイバーツ、ユーロなどがあります。為替予約取引を実施するなど、為替変動による業績への影響を最小限にとどめるよう努めておりますが、予測を超えた急激な為替レートの変動があった場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(8) 法規制等の変更について

当社グループは、国内で事業を遂行していくうえで、食品衛生法、倉庫業法、貨物利用運送事業法、医薬品医療機器等法、労働法、環境法令など様々な法規制の適用を受けており、また海外事業においても当該国での法規制等の適用を受けます。加えて、持続可能性に配慮した調達、食品ロスの削減、海洋プラスチック問題の解決など、持続可能な社会の実現に向けた要請はますます高まっており、取組みが不十分と見なされた企業においては、社会的信用が毀損する可能性があります。

当社グループでは、CSR基本方針「ニチレイの約束」に基づき、環境負荷の低減や持続可能なサプライチェーンの構築、コンプライアンスの徹底などの取組みを進めております。しかしながら、今後予期し得ない法規制等の改正・新設やソフトローによる規制の強化等により事業活動が制限され、対応のための費用負担等が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(9)気候変動について

当社グループは、保有する物流センターや生産工場において多くの電力を使用し、またトラックやボイラーにおいて多くの燃料を使用しております。当社グループでは、気候変動に対する取組みとして、高効率設備の導入などの省エネルギーの取組みとともに、「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同いたしました。今後、TCFDの提言に準じた継続的な気候変動の影響の評価及びその情報開示を行ってまいります。

しかしながら、今後炭素税の賦課や温室効果ガス排出規制の強化が行われた場合には、対応費用の増加により、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(10) 大規模自然災害等について

当社グループは、大規模自然災害等への対策として、耐震補強工事や非常用発電機の配備などを進めるとともに、グループ全体では従業員安否確認システム、防災マニュアル・事業継続計画(BCP)の整備、データセンターの複数拠点化などを実施しております。

しかしながら、巨大地震や近年増加傾向にある局地的な暴風雨、新型ウイルスによる感染症などにより、当社グループの拠点及び近隣の道路・港・鉄道などに甚大な被害が発生した場合、あるいは市場の縮小、サプライチェーンの寸断、営業活動の制限が引き起こされた場合、その復旧までに長期間事業活動が停止し、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(11) 技術革新について

当社グループでは、食と健康の分野において、デジタル技術やデータ活用による業務プロセスの変革や様々なイノベーションに取り組んでおります。しかしながら、技術革新が加速度的に進んでいくなか、予測できない事業環境の変化により、当社グループの持つ技術や提供する商品・サービスが陳腐化し競争力が低下した場合、当社グループの業績に重大な影響が生じる可能性があります。

 

(12) 固定資産の保有について

当社グループは、国内外に物流センターや生産工場を多数保有しております。また、海外事業や新規事業の展開に伴う出資などに伴い、のれんや投資有価証券を保有する場合があります。今後、物流センターでは荷主企業の移転や道路交通網の変化による立地条件の悪化、生産工場では設備の老朽化・陳腐化や販売不振による拠点再編、のれんや投資有価証券については出資時の事業計画からの乖離が生じた場合などにおいては、収益悪化影響に加え、固定資産の減損や評価減、あるいは処分などにより、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(13) 政策保有株式について

当社グループは政策保有株式を保有しておりますが、個別の銘柄ごとに中長期的な経済合理性等を検証し、保有意義が薄いと判断する株式は売却しております。検証にあたっては、取引上の利益・配当金等の便益やリスクが資本コストに見合っているかを個別に精査したうえで、戦略的な重要性等の定性的評価も勘案し総合的に判断しております。しかしながら、今後の経済環境や企業収益の動向により当該株式の時価や発行会社の財政状態が大幅に変動した場合、自己資本が毀損するなど、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 経営成績の状況及び分析等

当期のわが国経済は、企業業績や雇用所得環境が改善するなど緩やかな回復基調にありましたが、消費税率の引き上げや相次ぐ自然災害により個人消費が低迷しました。

食品業界では、ライフスタイルの変化により「食の外部化」が進展し、中食市場が拡大する一方、人件費や物流費の高騰、原材料価格の上昇などコストアップ要因が深刻化しました。また、食品物流業界においては、労働力不足が一層顕著となるなか、省人化のための技術開発や機器導入へ向けた取組みが加速しました。

このような状況のなか、当社グループは、中期経営計画「WeWill 2021」(2019年度~2021年度)の初年度として、主力事業を中心に足元の環境変化に対応しつつ、「豊かな食生活と健康を支える新たな価値の創造」の実現に向けた施策に取り組みました。

加工食品事業では、主力商品を中心に経営資源を投下し、商品開発や販売活動に注力するとともに、継続的な生産性改善とコストダウンに努めました。低温物流事業では、大都市圏を中心に旺盛な保管需要を着実に取り込むとともに、運送効率向上や庫内作業デジタル化などの業務革新に取り組みました。

この結果、グループ全体の売上高は、主力の加工食品事業や低温物流事業が堅調に推移し、5,848億58百万円(前期比0.8%の増収)となりました。利益面では、その他の事業のうちバイオサイエンス事業が苦戦しましたが、調理冷凍食品の販売が好調に推移した加工食品事業が牽引し、営業利益は310億35百万円(前期比5.2%の増益)となり、経常利益は317億77百万円(前期比6.4%の増益)となりました。

特別利益は5億5百万円となる一方、特別損失は、固定資産除却損など総額は24億89百万円となりました。

以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は196億9百万円(前期比1.7%の減益)となりました。

 

なお、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により景気は急速に悪化しており、先行きも極めて厳しい状況が続くと見込まれるなか、生活を支える社会的基盤として食料品の安定供給が求められています。当社グループにおきましては、外出自粛要請から急増している内食・中食需要に応えるべく、従業員を含むサプライチェーンの安全に十分配慮したうえで、食品の製造・加工、保管・流通を担う事業拠点の活動を継続しております。一方で外食など需要が急減している業態があり、企業業績の動向については不透明な要素があります。今後、当社グループが事業を展開している海外の状況も含め、業績等の企業情報について適宜に開示してまいります。

 

 

[連結経営成績課]

(単位:百万円)

 

当期

前期比

増減率(%)

売上高

584,858

4,716

0.8

営業利益

31,035

1,524

5.2

経常利益

31,777

1,912

6.4

親会社株主に帰属する当期純利益

19,609

△334

△1.7

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益

(セグメント)

当期

前期比

増減率(%)

当期

前期比

増減率(%)

 加工食品

234,781

8,193

3.6

16,725

2,129

14.6

 水産

65,772

△5,473

△7.7

443

260

143.0

 畜産

88,327

△2,748

△3.0

905

△546

△37.6

 低温物流

206,496

5,447

2.7

11,824

425

3.7

 不動産

4,965

170

3.6

1,982

△114

△5.5

 その他

5,681

△109

△1.9

△280

△618

 調整額

△21,165

△763

△564

△10

合  計

584,858

4,716

0.8

31,035

1,524

5.2

 

(イ) 加工食品事業

《業界のトピックス》

加工食品業界では、単身世帯の増加、健康意識の高まりなどの生活者ニーズの多様化、労働力不足などを背景として、簡便調理食品や惣菜などの需要が引き続き堅調に推移しました。

 

《業績のポイント》

チキン加工品や米飯類などの主力カテゴリーを中心とした商品開発や販売活動に注力するとともに、継続的な生産性改善に取り組みました。この結果、家庭用・業務用ともに販売が拡大したことに加え、海外子会社の業績も改善し、増収・増益となりました。

 

(単位:百万円)

 

当期

前期比

増減率(%)

売上高  計

234,781

8,193

3.6

 

家庭用調理品

64,831

4,543

7.5

 

業務用調理品

99,534

1,160

1.2

 

農産加工品

19,797

483

2.5

 

海外

34,841

2,200

6.7

 

その他

15,777

△195

△1.2

営業利益

16,725

2,129

14.6

(注)海外は2019年1月から2019年12月までの累計期間

 

家庭用調理品

テレビCMなどの販売促進活動や製法の改善などによる商品リニューアル効果もあり、「本格炒め炒飯」や「特から」といった主力商品の販売が引き続き好調に推移しました。また、多様な食シーンに向け、今年度発

売した「手羽から」や「ささみソースカツ」なども寄与しました。

 

業務用調理品

需要が堅調に推移する中食向けに、調理現場の労働力不足に対応し簡便調理で提供できる商品など、業態別ニーズに合わせた商品開発に注力しました。販売面では、主力のチキン加工品に加えて春巻類の新商品などが伸長しました。

 

農産加工品

加工方法や品種選定などによる差別化商品の開発を進めたことにより、ブロッコリーなど「そのまま使え

る」シリーズやほうれん草、枝豆類の取扱いが伸長しました。

 

海外

米国子会社のInnovAsian Cuisine Enterprises社において、積極的な販売促進活動により家庭用商品や中食

向け商品が伸長しました。

 

(ロ) 水産事業

《業界のトピックス》

世界的に水産品への需要は高い水準を維持しているものの、高騰を続けていた一部商材の相場はピークを過ぎ下落しました。一方、日本国内では引き続き魚食離れが進むなか、消費者の低価格志向も依然として根強く、厳しい環境が続いています。

 

《業績のポイント》

主力の「えび」を中心に採算性重視の販売に注力したことから減収となりましたが、中食・外食向けの加工品販売が寄与し、増益となりました。

 

(ハ) 畜産事業

《業界のトピックス》

供給量が増加した国産鶏肉の相場は軟調に推移しました。また国内外で発生した家畜の疾病による影響により、豚肉の相場は国産品・輸入品ともに不安定に推移しました。

 

《業績のポイント》

健康価値食肉("亜麻仁の恵み"シリーズ)」の販売が伸長したものの、国産鶏肉の相場が軟調に推移したことや、輸入豚肉の国際相場が高騰したため慎重な買付けに徹したことなどから減収・減益となりました。

 

(ニ) 低温物流事業

《業界のトピックス》

関東港湾地区を中心に、旺盛な保管需要により庫腹が逼迫する一方で、慢性的な労働力不足を背景に作業費や車両調達コストの上昇が継続しました。

 

《業績のポイント》

物流ネットワーク事業の売上げが順調に推移したことなどにより増収となりました。営業利益はコスト上昇要因が重なるなか、保管事業において在庫が高水準で推移したことや運送効率化などの施策を引き続き実施したことにより増益となりました。

 

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益

当期

前期比

増減率(%)

当期

前期比

増減率(%)

国内小計

165,363

6,187

3.9

10,880

565

5.5

 

物流ネットワーク

100,909

7,228

7.7

4,149

270

7.0

 

地域保管

64,453

△1,041

△1.6

6,731

294

4.6

海外

37,571

△756

△2.0

1,237

8

0.7

その他・共通

3,561

16

0.5

△294

△148

合計

206,496

5,447

2.7

11,824

425

3.7

(注)1 海外は2019年1月から2019年12月までの累計期間

   2 物流ネットワーク事業に地域保管事業の業務を一部統合

 

国内

TC(通過型センター)事業が堅調に推移したことや3PL事業で新規顧客を獲得したことに加え、大都市圏を中心に冷凍食品などの保管需要を着実に取り込んだことなどにより増収となりました。利益面では東京港湾地区の自所設備の有効活用を進め増益となりました。

 

海外

欧州地域においては果汁貨物の荷動きが停滞するなか、小売店向け配送業務などの運送需要を着実に取り込みました。また、中国事業も伸長し海外全体では現地通貨ベースで増収・増益となりましたが、為替換算影響により円貨ベースでは減収となりました。

 

(ホ) 不動産事業

《業績のポイント》

主力である賃貸オフィスビル事業において全棟満室状態を維持したことなどにより増収となりましたが、賃貸オフィスビルのリニューアル工事等の実施に伴い減益となりました。

 

(ヘ) その他の事業

《業績のポイント》

その他の事業のうち、バイオサイエンス事業は、インフルエンザ診断キットの販売減少、米国企業買収関連費用の発生、新たな生産・研究開発拠点の稼働による減価償却費の増加などにより減収・減益となりました。

 

② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況及び分析等

(イ) 財政状態の状況及び分析等

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

比較増減

〔資産の部〕

 

 

 

流動資産

160,554

170,308

9,754

固定資産

216,703

219,696

2,992

資産合計

377,257

390,004

12,747

〔負債・純資産の部〕

 

 

 

流動負債

99,561

108,419

8,858

固定負債

93,890

90,196

△3,694

負債合計

193,451

198,615

5,164

うち、有利子負債

(リース債務を除く)

95,951

(78,923)

96,351

(80,669)

400

(1,745)

純資産合計

183,805

191,388

7,582

(うち自己資本)

(176,820)

(184,504)

(7,684)

D/Eレシオ(倍)

(リース債務を除く)

0.5

(0.4)

0.5

(0.4)

△0.0

(△0.0)

(注)D/Eレシオの算出方法:有利子負債÷純資産

 

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より127億円増加し、3,900億円となりました。このうち流動資産は、現金及び預金の増加に加え、還付が見込まれる源泉所得税等の未収計上により流動資産のその他が増加したことで97億円増加し、1,703億円となりました。また、固定資産は、主力事業の収益基盤拡大に向けた設備投資などにより有形固定資産が77億円増加する一方、投資有価証券の時価評価額の減少などにより投資

その他の資産が43億円減少し、2,196億円となりました。

負債合計は、前連結会計年度末より51億円増加し、1,986億円となりました。このうち流動負債は、社債の一部が1年内償還予定となったことなどにより88億円増加し、1,084億円となりました。また、固定負債は、繰延税金負債やリース債務が減少したことなどにより36億円減少し、901億円となりました。なお、有利子負債は4億円増加し、963億円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末より75億円増加し、1,913億円となりました。このうち自己資本は、親会社株主に帰属する当期純利益196億円の計上や配当金49億円の支払いにより利益剰余金が146億円増加したことな

どにより76億円増加し、1,845億円となりました。

 

 

(ロ) キャッシュ・フローの状況及び分析等

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

比較増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

31,311

39,441

8,129

投資活動によるキャッシュ・フロー

△17,918

△24,300

△6,382

財務活動によるキャッシュ・フロー

△9,088

△10,225

△1,137

フリーキャッシュ・フロー

13,393

15,140

1,746

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比で81億円増加し、394億円の収入となりました。経常利益は317億円、減価償却費は183億円を計上し、金融機関の営業日の影響により営業資金(売上債権・たな卸資産・仕入債務)の減少による収入が32億円あった一方、法人税等の支払い162億円があったことなどによるもの

です。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比で63億円減少し、243億円の支出となりました。このうち有形固定資産の取得による支出は203億円でした。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比で11億円減少し、102億円の支出となりました。長期借入による収入が100億円あった一方、長期借入金・リース債務の返済による支出89億円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出26億円や配当金の支払い49億円があったことなどによるものです。

以上の結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は254億円となりました。
 

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える主な会計上の見積りは以下のとおりであり、継続して合理的に評価しております。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」をご参照ください。

なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。

(イ)繰延税金資産

繰延税金資産は将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高く税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上しております。また、繰延税金資産は毎期見直しており、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の全部又は一部が将来の税金負担額を軽減する効果を有さなくなったと判断した場合、計上していた繰延税金資産のうち回収可能性がない金額を取り崩しております。

 

(ロ)有形固定資産及び無形資産

有形固定資産及び無形資産については、管理会計上の区分や投資の意思決定を行う際の単位や事業の相互補完性等を考慮して合理的にグルーピングを行い、当該資産グループ単位で減損の兆候を把握しております。減損の兆候がある資産グループについては、その資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には減損を認識し、帳簿価額を回収可能価額まで減額して減損損失を計上しております。当該方法では将来キャッシュ・フロー、割引率など多くの見積り・前提を使用しておりますが、将来キャッシュ・フローは企業に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づき、また、割引率は当該資産グループに固有のリスク、当社グループに要求される資本コスト、当該資産グループに類似した固有のリスクを反映した市場平均と考えられる合理的な収益率などを総合的に勘案して、それぞれ見積りを行っております。

 

(ハ)有価証券

投資有価証券の評価方法については、時価のある有価証券については市場価格等に基づく時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。投資有価証券のうち、時価のあるものについては、決算日現在の時価が取得原価に比べて40%以上下落した場合には回復可能性が明らかな場合を除き、また、30%以上40%未満下落した場合には回復可能性がないと認められる場合に減損処理を行っております。時価のないものについては、発行会社の財政状態の悪化により、実質価額が取得原価に比べて50%以上下落した場合には回復可能性が明らかな場合を除き減損処理を行っております。

 

(ニ)貸倒引当金等の引当金

貸倒引当金等の重要な引当金の計上基準は、「第5 経理の状況」の注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項をご参照ください。

 

(ホ)資産除去債務

資産除去債務の計上基準は、「第5 経理の状況」の注記事項(資産除去債務関係)をご参照ください。

 

(ヘ)販売促進費等

商品の販売促進の目的で当社が取引先に負担する費用の一部(以下、販売促進費等)については、販売促進費等が取引条件の決定時に考慮され実質的に販売価格を構成する一部と捉えられることから、販売促進費等の支払実績に基づき合理的に見積り、売上計上時に売上高から控除して計上しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

詳細につきましては、「2  事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(イ) 資源配分の基本的方針

様々な課題に対応しながら成長と事業基盤強化のための投資を積極的に行うことに加えて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みにも配分してまいります。そのために必要な資金を効率的かつ安定的に調達できるよう、資本効率性・成長性・健全性を考慮しながらバランスの取れた資本構成を維持します。資本効率性はROEとREP(資本コスト控除後の利益)、成長性は売上高とEBITDA、健全性はD/E比率、と各々目標とする経営指標を設定し、四半期ごとに外部環境の変化や事業計画の進捗をモニタリングしております。

株主への還元については、連結自己資本配当率(DOE)を基準として安定的かつ継続的な配当を実施するとともに、資本効率や市場環境などを考慮のうえ自己株式の取得を実施することを基本方針としております。

 

(ロ) 資金需要と資金調達方法

運転資金需要のうち主なものは商品及び原材料の購入費、製造費、低温物流センターの運営費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、設備投資資金需要のうち主なものは食品生産設備や低温物流設備の購入・建設費用等であります。

当社グループは国内連結子会社を含めたキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、運転資金及び設備投資資金の調達は、主に当社の借入れ及び社債の発行やグループ各社の事業活動から生じるキャッシュ・フローを資金集中することによる内部資金によっております。

 

(ハ) 財務政策

当社は、グループ企業価値の持続的な向上をめざし、成長と事業基盤強化のための投資に加え、食品安全、環境保全などの社会的ニーズに対応する投資も行ってまいりますが、これら事業の遂行に必要な資金を効率的かつ安定的に調達できるよう、資本効率性・成長性・健全性を考慮しながら、バランスの取れた資本構成を実現します。

営業キャッシュ・フローと資産流動化により創出された資金は、企業価値の維持向上のための投資と配当や自己株式の取得を通じた株主還元に振り向けます。

 

⑥ 中長期的な目標に照らした経営成績等についての分析

詳細につきましては、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等  (2)  中期的な経営戦略、目標とする経営指標、経営環境及び対処すべき課題」をご参照ください。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

増減率(%)

加工食品

111,900

112,814

0.8

水産

10,070

9,123

△9.4

畜産

2,279

2,273

△0.3

低温物流

340

330

△2.8

不動産

その他

2,748

2,916

6.1

合計

127,339

127,458

0.1

(注)1  生産実績は、相殺消去前の製造総費用によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 仕入実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

増減率(%)

加工食品

64,026

63,925

△0.2

水産

53,843

52,041

△3.3

畜産

76,882

74,791

△2.7

低温物流

212

152

△28.5

不動産

17

その他

323

1,368

322.8

合計

195,306

192,279

△1.6

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  「加工食品」、「水産」、「畜産」、「低温物流」及び「その他」の仕入実績は、商品の仕入代金及び引取諸掛等の合計額であります。

3  「不動産」の仕入実績は、商品の仕入代金等であります。

4  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 受注実績

低温物流セグメント(㈱ニチレイ・ロジスティクスエンジニアリング)の受注実績は次のとおりであります。

なお、低温物流セグメント以外では、受注生産は行っておりません。

(単位:百万円)

受注高

受注残高

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

増減率(%)

前連結会計年度

(2019年3月31日)

当連結会計年度

(2020年3月31日)

増減率(%)

2,499

2,886

15.5

435

514

18.2

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

④ 販売実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

増減率(%)

加工食品

226,176

234,395

3.6

水産

71,138

65,590

△7.8

畜産

88,998

86,173

△3.2

低温物流

185,385

190,446

2.7

不動産

3,385

3,339

△1.4

その他

5,058

4,912

△2.9

合計

580,141

584,858

0.8

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱食品株式会社

76,666

13.2

75,474

12.9

3  本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

4【経営上の重要な契約等】

資産の賃貸契約

契約会社

賃貸先の名称

住所

契約内容

契約期間

当社

三菱UFJ信託銀行株式会社

東京都

千代田区

一般定期借地権

(東京都中央区築地所在の土地)

2003年6月30日~2052年11月30日

 

5【研究開発活動】

当社グループは、株式会社ニチレイフーズ 研究開発部・技術戦略部(加工食品事業)、株式会社ニチレイロジグループ本社 業務革新推進部(低温物流事業)、株式会社ニチレイバイオサイエンス 研究開発部(その他の事業)及び当社 技術戦略企画部(全社共通)を研究開発部門として、市場の変化に対応した新商品及び新技術の開発並びに新規事業の育成を目指した研究開発活動を行っております。

当連結会計年度の研究開発費は2,486百万円で前期に比べ126百万円増加しました。セグメント別の内訳は、加工食品事業では1,692百万円、低温物流事業は212百万円、その他の事業は403百万円、全社(共通)は178百万円となりました。

 

セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。

(1) 加工食品事業

工場における品質保証力の強化、生産性の向上、労働力不足対策、環境負荷の低減などの実現に向け、人口知能(以下AI)を活用した技術を確立・展開しております。

当連結会計年度においては、工場全体をサポートする技術として、株式会社日立製作所との協創を通じ、AIを活用して最適な生産計画及び要員計画を自動立案するシステムを開発しました。現時点で国内4拠点の食品工場に導入、2020年1月から順次本格運用を開始しました。

このシステムは、熟練者の立案する複雑な制約条件を考慮した生産・要員計画を高度なAI技術により再現・進化させるもので、本システムの導入により、これまでの当該業務時間を従来の1/10程度に短縮することが可能になります。加えて、熟練者以外の従業員がよりフレキシブルな生産計画・要員配置を作成できることから、労働時間の削減や休暇取得率の向上など「働き方改革」の一助となることが期待されます。本システムを国内11工場及び海外工場へ順次展開・拡大する計画です。また、本システムをはじめとしたデジタル技術の活用を通じて、生産性向上や生産リードタイム短縮、在庫圧縮への取り組みと働き方改革をさらに推進していきます。

今後も「人」が中心となり、働きやすく効率的な環境の整備に向けたAI技術の開発を進めて参ります。

 

(2) 低温物流事業

物流事業における労働力不足の対策として、作業の省人化、簡易化に資する技術検証、システム開発に取り組んでおります。

作業の省人化では、無人フォークリフトによる庫内作業の実証実験を進めております。作業の簡易化では、タブレットを利用した検品、ピッキングシステムについて、機能の追加開発を進めております。さらにAIを利用した作業タスクマネジメントシステムの研究を進めております。

 

(3) その他の事業(バイオサイエンス事業)

分子診断薬、迅速診断薬の開発を行うほか、グループ企業の素材調達力を活かして、有用な機能性素材の開発にも注力しております。

当連結会計年度は、分子診断薬では悪性リンパ腫の診断補助に用いる体外診断用医薬品「ヒストファイン シンプルステインMAX-PO(MULTI) ALK」の製造販売承認を得ました。また、Idylla遺伝子検査システム「ニチレイバイオ」の販売を開始しました。

 

(4) 全社(共通)

短期的視点で各事業の利益に貢献できる研究を行うほか、中長期視点での新商品やサービス、新事業創出の核となる研究を実施しております。

短期的視点では、各事業における課題に対して情報提供や分析技術・冷凍技術の提供など幅広く技術的支援を行っております。中長期視点では、不凍タンパク質(AFP)の実用化を含めた冷凍技術研究、当社独自技術である香り分析装置MS Nose®を活用した「おいしさ研究」、超高齢社会における生活者のニーズを満たす「食と健康」の取り組みやそれに対する自社素材の応用研究、生活者の深層心理を探るサイコメトリクスの事業への活用等を、積極的な社外の研究機関との連携を通して行っております。

不凍タンパク質(AFP)につきましては、2016年より研究用試薬としての販売を開始しておりますが、引き続き用途開発と新たな製品開発を行っています。

 

今期は、以下の3報が国内外の学術雑誌に掲載されました。

“不凍タンパク質の実用化への取り組み”

 Synthesiology, Vol.12 No.2 pp.84-91 (2019)

 サイコメトリクスの活用につきましては、研究成果が国内学術雑誌に掲載されました。

“料理気分高揚尺度の作成と信頼性・妥当性の検証~料理のコト消費定量化に向けて~”

 日本感性工学会論文誌, Vol.19 No.1 pp.19-27 (2020)

“Optimization of atmospheric pressure chemical ionization triple quadropole mass spectrometry

 (MS Nose 2) for the rapid measurement of aroma release in vivo”

 Flavour and fragrance Journal 34 (2019) 307-315