当事業年度(平成28年3月1日から平成29年2月28日まで)におけるわが国経済は、政府による経済政策や金融緩和政策の継続を背景に、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移いたしましたが、海外経済の不確実性もあり、先行きの不透明な状態が続いております。
国内食品業界においては、消費者の節約志向が根強い一方で、安全・安心への意識の高まりや付加価値を求める二極化の傾向が強まっております。
このような状況のもとで当社は、当事業年度で2年目となる3カ年の中期経営計画「Challenge For Next Century」に沿って、前事業年度に引き続き、厳しい経営環境の変化に対応し、絶えず変革を続け、さらなる企業価値向上に取り組むことを基本方針として、6つの重点施策を中心に、将来の持続的成長の実現に向けた取り組みを積極的に展開いたしました。また、当社の基幹事業である「アイスクリーム部門」の市場の売上高が、3年連続過去最高額となっており、成長市場として注目を集めております。各メーカーは大人向け・冬場向けの高付加価値で高価格帯の商品開発を強化しており、当社においてはOEM製品(相手先ブランド製造)の受注が増加いたしました。加えて、スーパーやコンビニエンスストア各社が独自プライベートブランドの開発を拡充しているなかで、当社への製造依頼が増加しております。さらに、昭和20年代から販売している、自社ブランド商品「もも太郎」の初の派生商品として、「もも太郎デラックス」を新発売し、販売拡大に取り組みました。その結果、売上高は3,821百万円(前期比8.4%増)となりました。
損益面については、全社的にコスト削減の意識を徹底させ経費削減に取組むとともに、工場の集約化による生産効率の改善と操業度の向上に努めましたが、第4四半期会計期間において、新潟工場で機械トラブルが重なった影響により、製品の検品作業及び廃棄が大量に発生いたしました。そのため、修復作業等に人員を割いた影響で工場の操業が低下いたしました。その結果、営業損失は2百万円(前期は20百万円の営業利益)、経常利益は23百万円(前期は47百万円の経常利益)、税引前当期純利益は17百万円(前期は57百万円の税引前当期純利益)、当期純利益は11百万円(前期は61百万円の当期純利益)となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ3百万円減少し、当事業年度末の資金は160百万円となりました。また、当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は245百万円(前期は217百万円の獲得)となりました。これは主として、税引前当期純利益17百万円、減価償却費138百万円、売上債権の増加額24百万円、たな卸資産の減少額45百万円、仕入債務の増加額62百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は90百万円(前期は126百万円の使用)となりました。これは主として、アイスクリーム等製造に伴う設備投資による支出85百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は158百万円(前期は65百万円の使用)となりました。これは主として、短期借入金の純減額120百万円、リース債務の返済による支出25百万円等によるものであります。
当事業年度における生産実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
製氷部門 |
34,140 |
18.5 |
|
冷凍冷蔵部門 |
227,341 |
1.6 |
|
アイスクリーム部門 |
1,591,571 |
28.0 |
|
和菓子部門 |
352,903 |
△2.6 |
|
冷凍果実部門 |
6,859 |
△38.0 |
|
冷凍食品部門 |
3,054 |
14.4 |
|
合計 |
2,215,869 |
18.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における商品仕入実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
製氷部門 |
8,208 |
13.7 |
|
飲料部門 |
79,943 |
8.3 |
|
アイスクリーム部門 |
282,316 |
7.4 |
|
和菓子部門 |
7,341 |
△32.0 |
|
冷凍果実部門 |
34,842 |
28.5 |
|
冷凍食品部門 |
647,682 |
△7.3 |
|
合計 |
1,060,334 |
△1.9 |
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、受注から引渡しまでの期間が短いため、受注状況の記載を省略しております。
当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
製氷部門 |
54,674 |
0.1 |
|
飲料部門 |
84,018 |
8.9 |
|
冷凍冷蔵部門 |
260,001 |
4.6 |
|
アイスクリーム部門 |
2,318,258 |
18.2 |
|
和菓子部門 |
287,982 |
△8.3 |
|
冷凍果実部門 |
44,576 |
18.9 |
|
冷凍食品部門 |
772,148 |
△7.2 |
|
合計 |
3,821,659 |
8.4 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 冷凍冷蔵部門には、前事業年度65,186千円、当事業年度67,897千円の運賃収入を含んでおります。
3 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
森永乳業株式会社 |
728,736 |
20.6 |
1,066,448 |
27.9 |
(1) 当面の対処すべき課題の内容
当社は、経営環境の変化に対応し、お客様のニーズに合った製品を適正価格で製造することにより、厳しい経営環境下でも継続的に利益を確保できる企業体質へと変革を図ることを最重要課題としております。また、食の安全・安心をめぐる消費者の関心は一層高まっており、食品メーカーとして重要な課題と認識しております。
(2) 対処方針及び具体的な取組状況等
① 営業の強化
販売力のさらなる強化を図る為、消費者ニーズの動向を適切に把握し、新規取引先並びに既存の販売先への積極的な提案を行い販売拡大に努めます。また、自社製品の価格改定を行い、適切な利益を確保するよう努めます。
② 経営基盤の強化
事業構造の見直しを継続的に行い、事業の選択と集中により利益獲得能力を高めるよう努めます。また、リスク管理や内部統制システムの整備等を通じ、内部管理体制の強化を継続すると共に、事業の基盤となる食品安全衛生管理活動を実践します。
③ 業務の効率化、標準化
日々の業務プロセスを見直し、業務の効率化を図り、無駄なコストの削減に努めます。また、IT統制への転換やIT化による業務の効率化を図ります。
④ 製品ブランド力の強化
ブランド力の強化が、経営環境の変化や季節変動、外的要因等に対処する有効な手段であると捉え、魅力ある「高付加価値製品」の開発を継続していきます。
⑤ コストダウン
社員一人ひとりのコスト意識の変革を図り、改善活動を継続していきます。また、人手不足の雇用環境下に対応する為、ラインの機械化や生産効率の改善を図ります。
⑥ 人材の育成
機械化やIT化が進む中、「人にしかできない業務」のスキルを高め、自らが考え行動できる社員の育成に向け、社員教育や管理者研修をさらに拡充し、人材育成の強化を進めます。
(3) 会社の支配に関する基本方針について
近年わが国においても、企業の成長戦略として企業買収や事業買収という手法が多用されておりますが、当社といたしましても、市場原理に基づく当該手法が企業の成長にとって重要なものであると認識しております。
しかし、近時の資本市場においては、対象となる会社の経営陣と十分な協議や合意のプロセスを経ることなく、突如として大量の株式の買付を強行するといった買収方法も見られ、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を要するもの等、対象会社の企業価値とりわけ株主共同の利益に資さないものも少なくはありません。
しかしながら、当社取締役会は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるか否かの判断も、最終的には株主全体の意志に基づいて行われるべきものと考えています。
したがって、現時点における当社取締役会は、「買収防衛策」を導入する考えはございません。
ただし、株主の皆様が「買収防衛策」の導入を推奨される場合は、当社取締役会において検討させていただき、定時株主総会または臨時株主総会に付議いたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.食の安全性
当社は、お客様に安心・安全な製品をお届けするべく、製品の品質及び安心安全に対する取り組みを経営の最重要事項と考え、日々向上に努めており、製造工場である新潟工場及び三条工場ではISO22000:2005認証取得しております。今後もさらなる品質保証・管理体制強化を図ってまいります。しかし、異物混入などによる不具合品の流通、製造工程において想定外の問題が発生した場合、製品の回収や製造の停止などのリスクが考えられ、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
2.経済情勢・消費動向及び市場競争力
当社では、新製品開発力の強化を図り、お客様に安心・安全、魅力のある製品の開発を行うとともに、製造工場においてはコストダウンを図り、競争力ある製品製造に努めております。
しかし、当社製品を販売している市場は日本国内であり、国内における景気後退やそれに伴う需要の減少、消費動向に影響を与えるような不測の事態の発生、消費者の嗜好の変化・多様化などにより、売上低迷、収益性悪化等により、当社の業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
3.流通の変化と競合
当社の商品は、主に卸売業、小売業との継続的な取引に基づいて流通し、お客様のもとへ届けられております。しかし、これらの業界や一部特定企業の経営状態や販売政策等の変化によって、販売機会の喪失や販売価格に影響を与える可能性があります。
4.季節的要因及び気候的要因
当社は、事業の特性上、売上高が夏季期間に偏りがあり、特に第2四半期会計期間の売上高は他の四半期会計期間の売上高と比べ著しく高くなる傾向にあります。そのため、夏季期間において冷夏その他異常気象等が発生した場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
5.OEM供給のリスク
顧客企業へのOEM供給は、顧客企業の業績など当社が管理できない要因により大きな影響を受けます。顧客企業の業績不振、調達方針の変更、予期できない契約打ち切り、値下げ要求などが、当社の業績と財務状況に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、食品製造業として、アイスクリーム、和菓子等の分野において、新製品開発や既存製品の改良、品質の向上等を研究するため製品開発室を設置しております。当事業年度におきましては、新製品11品、既存製品のリニューアル1品を発売いたしました。今後の活動につきましては、引き続き製品開発室を中心とした製品開発委員会で、安心・安全でおいしい製品をお客様目線で開発し、魅力ある「高付加価値製品」の創作に取り組んでまいります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態に関する分析
当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ35百万円増加し、2,087百万円となりました。これは主に売掛金の増加額29百万円、商品及び製品の減少額67百万円、有形固定資産の減少額36百万円、無形固定資産の増加額53百万円、投資有価証券の増加額47百万円等によるものであります。負債は前事業年度末に比べ3百万円増加し、945百万円となりました。これは主に買掛金の増加額62百万円、短期借入金の減少額120百万円、リース債務の増加額50百万円等によるものであります。純資産は前事業年度末に比べ31百万円増加し、1,142百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加額34百万円等によるものであります。
(3) 経営成績の分析
当事業年度の経営成績は、売上高3,821百万円(前期比297百万円増)、営業損失2百万円(前期は営業利益20百万円)、経常利益23百万円(前期比24百万円減)、当期純利益11百万円(前期比50百万円減)となりました。
以下で損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析しております。
① 売上高の分析
売上高につきましては、成長を続けるアイスクリーム市場の追い風に乗り、OEM製品(相手先ブランド製造)及びスーパーやコンビニエンスストア各社からのプライベート製品等の製造委託が増加いたしました。さらに、昭和20年代から販売している、自社ブランド商品「もも太郎」の初の派生商品として、「もも太郎デラックス」を新発売し、販売拡大に取り組みました。その結果、アイスクリームの製造工場である新潟工場の操業度は20%上昇し、売上高は3,821百万円(前期比8.4%増)となりました。
各部門別売上高の分析については以下のとおりであります。
[製氷部門]
当事業年度の製氷部門の売上高は、54百万円(前期比0.1%増加)となりました。主な増加要因は、取引先での需要が増加したことによるものであります。
[飲料部門]
当事業年度の飲料部門の売上高は、84百万円(前期比8.9%増加)となりました。主な増加要因は、営業地域における需要の増加によるものであります。
[冷凍冷蔵部門]
当事業年度の冷凍冷蔵部門の売上高は、260百万円(前期比4.6%増加)となりました。主な増加要因は、新規取引先の獲得及び既存取引先への営業強化により保管業務収入が増加したことによるものであります。
[アイスクリーム部門]
当事業年度のアイスクリーム部門の売上高は、2,318百万円(前期比18.2%増加)となりました。主な増加要因は、OEM製品やプライベートブランド製品の受注の増加及び新製品投入による自社製品の販売が増加したことによるものであります。
[和菓子部門]
当事業年度の和菓子部門の売上高は、287百万円(前期比8.3%減少)となりました。主な減少要因は、取引先での需要が減少したことによるものであります。
[冷凍果実部門]
当事業年度の冷凍果実部門の売上高は、44百万円(前期比18.9%増加)となりました。主な増加要因は、学校給食向けの取扱い量が増加したものであります。
[冷凍食品部門]
当事業年度の冷凍食品部門の売上高は、772百万円(前期比7.2%減少)となりました。主な減少要因は、食品量販店等の取引先が、仕入ルートをメーカーとの直接取引に変更したことによるものであります。
② 損益に関する分析
「第2 事業の状況 1 事業等の概要」に記載しております。
③ 次期の見通し
次期(平成30年2月期)の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善傾向が続き、景気は緩やかに回復していく事が期待されます。しかし、消費者の低価格志向は根強く、厳しい経営環境で推移するものと予想されます。また、食の安全・安心をめぐる消費者の関心は一層高まっており、食品メーカーとして重要な課題となっております。
平成30年2月期通期業績予想につきましては、引き続き成長が見込まれるアイスクリーム市場の追い風に乗り、OEM(相手先ブランド製造)や他社プライベートブランド製品の受注が好調に推移すると見込まれていることから、新製品の投入と併せて営業の強化を図ることにより、売上高4,000百万円(前期比4.6%増)、営業利益100百万円(前期は2百万円の営業損失)、経常利益115百万円(前期比388.9%増)、当期純利益90百万円(前期比710.2%増)を見込んでおります。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。
(6) 経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。