当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資が緩やかな増加基調にあり、個人消費も雇用・所得環境の着実な改善を背景に底堅く推移しておりますが、輸出や生産面において中国をはじめとした新興国等の海外経済の減速に伴う影響を受け、先行きは不透明な状況となっております。
このような経済環境のもと、当社グループは、グループの更なる事業基盤の強化を図り、事業環境の変化に対応し、新規顧客の獲得やきめ細かい技術指導等を提供するなど積極的な事業活動を行ってまいりましたが、化学品事業及び食品事業で減収となり、当社グループの売上高は前年同期比8.5%減少の25,589百万円となりました。
利益面では、グループ全体で生産効率向上及びコスト削減の取り組みを実施し、また、設備等の償却負担の減少や在外子会社の利益面の改善等により、営業利益は前年同期比53.7%増加の2,058百万円、経常利益は前年同期比38.9%増加の2,151百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、食品事業製造設備の減損損失を特別損失に計上し、また前年同期において増益要因であった税効果会計の影響がなくなりましたが、営業利益の増加により11.6%増加の1,362百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
[化学品事業]
化学品事業においては、電子材料向け樹脂及び住宅関連向け樹脂、自動車関連向け樹脂、建設機械向け樹脂が需要低迷の影響を受け低調に推移いたしました。その結果、売上高は前年同期比6.5%減少の19,785百万円となりました。利益面では、生産効率向上及びコスト削減の取り組みを実施し、また、設備等の償却負担の減少や在外子会社の利益面の改善等により、セグメント利益(営業利益)は前年同期比57.1%増加の2,070百万円となりました。
[食品事業]
食品事業においては、異性化糖等の各種飲料向けが伸び悩み、また、得意先の事業撤退等の事業環境の変化を受けた結果、売上高は前年同期比15.2%減少の5,560百万円となりました。利益面では、販売数量の減少等により、セグメント損失(営業損失)は170百万円(前年同期133百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
なお、食品事業では高付加価値製品「ピュアトース®」をはじめとした当社甘味料素材の拡販・用途開発を行うため、新組織「GCIプラザ」を発足し、活動を開始しております。
[不動産活用業]
不動産活用業においては、ほぼ前年並みで推移した結果、売上高は前年同期比1.1%増加の242百万円、セグメント利益(営業利益)は前年同期比1.8%増加の157百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,677百万円の収入と前連結会計年度に比べ630百万円の収入の減少となりました(前連結会計年度3,307百万円の収入)。これは、主に仕入債務の減少と、法人税等の支払額の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,813百万円の支出と前連結会計年度に比べ1,110百万円の支出の増加となりました(前連結会計年度702百万円の支出)。これは、主に投資有価証券の取得による支出の増加と、有形固定資産の取得による支出の増加によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,856百万円の収入と前連結会計年度に比べ2,622百万円の収入の増加となりました(前連結会計年度765百万円の支出)。これは、主に長期借入れによる収入の増加によるものです。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前年同期比2,624百万円(30.5%)増加し11,242百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
化学品事業 | 18,714 | △7.9 | |
食品事業 | 4,593 | △13.7 | |
不動産活用業 | ― | ― | |
合計 | 23,308 | △9.1 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは受注見込みによる生産方式をとっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 化学品事業 | 19,785 | △6.5 |
| 食品事業 | 5,560 | △15.2 |
| 不動産活用業 | 242 | +1.1 |
| 合計 | 25,589 | △8.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、グローバルに顧客満足の向上を目指し、顧客とともに繁栄するため、下記の2点を重要課題として取り組んでまいります。
新規製品上市率30%という中長期的目標のもと、研究開発力をバックボーンとして、当社の主力製品であるフェノール樹脂及び澱粉糖製品分野でのコア技術の深耕及び蓄積を継続するとともに、従来の素材開発から新たに技術集約型である製品の川下材料分野への用途展開を推進してまいります。また、応用技術力を高め、製品の高付加価値化に挑戦するとともに、技術やノウハウを蓄積し、開発型企業として今後さらに研究開発活動の充実を図り、企業価値を高めてまいります。
取締役は、需要の変化及び市場動向の変化にも細心の注意を払い、経営会議等を通してより素早い意思決定ができる体制のもと企業経営を行っていくとともに、現在の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針の立案に努めてまいります。
また、権限の委譲された執行役員により、責任の明確化を図り、世界に通用する競争力のある新規製品を開発していくとともに、事業化を推進してまいります。
さらには、変革する時代に挑戦する人材を育成するために、教育制度の再構築や環境の変化に適応した人事制度の改革を計画的に推し進めていくとともに、内部統制システム、コンプライアンス、リスク管理体制を強化して持続的発展の基盤をつくり、意識改革と体質強化を図ってまいります。
当社グループでは、経営活動に脅威となる事象をリスクと認識し、そのリスクの顕在化を未然に防止するなど、経営への影響を最小限にとどめるよう対応に努めていく方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
化学品事業の主原料であるフェノールの購入価格は、原油の市況に左右されます。また食品事業の主原料である澱粉の購入価格は、トウモロコシの市況に左右されます。
これらは、当社グループ製品の材料費のコストアップ要因となります。このコストアップに対して原価低減や製品価格への転嫁により対処していく考えでありますが、原材料価格が高騰した場合は、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
飲料向け異性化糖などの食品事業は、天候による影響を受けます。冷夏などの天候不順による個人消費動向の変化が、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、事業政策上取引先等の株式の相互保有と余剰資金運用の一環として有価証券投資を行っております。運用及び投資対象銘柄につきましては、安全性を基本としておりますが、証券市場における市況の悪化等によっては、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、製造ラインの中断によるマイナスの影響を最小限にするために、定期的に設備の点検、メンテナンスを行っております。しかし、当社グループの生産拠点である群馬工場及び滋賀工場等に大規模災害等が発生することによる悪影響を完全に防止できる保証はありません。地震、風水害、停電等による製造ラインの中断、さらには販売活動を行っている国々で発生した各種災害による経済活動に対する大きな影響は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
タイ王国及びインド共和国の海外子会社は、当社グループの化学品事業におけるフェノール樹脂製品及びRCS(レジンコーテッドサンド)製品を製造・販売しております。それぞれの国内において予期しない法律又は規制の変更や、政情不安・テロ・暴動・戦争や自然災害等不可抗力による災害が発生した場合、製造・販売に支障をきたし当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、為替について、想定を超える円・バーツ間及び円・インドルピー間の為替相場変動が発生した場合に当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
但し、影響を与えるリスクは、これらに限定されるものではありません。
該当事項はありません。
当社グループは、主力製品であるフェノール樹脂及び澱粉糖製品分野でのコア技術の深耕及び蓄積を継続するとともに、従来の素材開発から新たに技術集約型である製品川下材料分野への用途展開を図り、それに必要な材料設計技術を新規コア技術として位置づけ、その獲得及び応用展開を目指しております。また、同時に今後成長が見込まれる環境低負荷材料、高付加価値材料及び機能性食品関連材料の新製品開発に注力しております。
現在、当社においては開発及び営業の緊密な連携により、タイムリーな顧客ニーズの取り込み及びシーズの開発促進を行う体制となっております。当期売上高に対する新製品売上比率は25%(当連結会計年度末現在、上市後5年以内の製品)でした。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,074百万円であり、セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
主に当社が中心となり、電子材料、機能性材料、複合材料及び環境対応材料等の材料開発を行っており、材料設計技術としての高分子構造設計、アロイ、ブレンド、成形加工及び実用性評価技術に注力し、半導体、電気・電子、自動車及び工業材料分野への新製品上市を進めております。
当連結会計年度では、電子材料分野においては、LCD及び半導体分野に使用されるレジスト材料について、国際競争力のある製品開発及び生産技術に注力しております。今後伸長が期待される有機EL向け絶縁膜材料及び半導体向けハードマスク材料開発については次世代材料開発を鋭意強化しており、採用拡販が進んでおります。環境分野においては各種水処理向け凝集剤材料開発により海外への用途拡大が進みました。また高付加価値材料としてクロムフリープライマー材料が自動車重要部品接着剤として採用が確定し、生産がスタートしました。環境基準をクリアした低放散ホルマリン断熱材用バインダーについては数社採用を獲得し、販売拡大が進んでおります。鋳物材料としては新規フラン主剤、硬化剤の製品ラインナップにより採用拡大を継続するとともに、次世代鋳物材料として3Dプリンター鋳物開発国家プロジェクトにおいては、先行海外品よりも優れたプリンター材料を開発しております。カイノール繊維については従来では製造不可能であった太径(10デニール)の生産技術を確立しており、材料開発から用途開発に重点化しております。
当連結会計年度に係る研究開発費は923百万円であります。
当社が中心となり、穀物糖化機能食品材料の川下分野への材料開発を行っており、酵素応用技術、糖化パイロットプラント及び高度な分析技術等を駆使して技術集約型の新製品開発をすすめております。
当連結会計年度では、新製品マルトトリオース(商品名ピュアトース)について用途開発を継続しており、機能解析、レシピ提案に引き続き注力しております。また、各種機能性シロップとしては大麦β-グルカン液状品等を開発し、従来とは差別化された機能食品製品として用途開発を進めております。
当連結会計年度に係る研究開発費は150百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、グループの更なる事業基盤の強化を図り、事業環境の変化に対応し、新規顧客の獲得やきめ細かい技術指導等を提供するなど積極的な事業活動を行ってまいりましたが、化学品事業及び食品事業で前年の販売動向を下回りました。利益面では、グループ全体で生産効率向上及びコスト削減の取り組みを実施し、また、設備等の償却負担の減少や在外子会社の利益面の改善等により、営業利益は増加いたしました。今後は、国内経済は雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな景気回復に向かう一方、中国をはじめとした新興国の景気減速など、先行きは不透明な状況で推移すると予想されます。このような環境の中、当社グループは、グローバルに顧客満足の向上を目指し、顧客とともに繁栄するために開発型企業への変革と経営の変革を重要課題として取り組んでまいります。
当社グループの当連結会計年度における資産合計は前連結会計年度末と比べ788百万円増加し、48,806百万円となりました。これは、主に銀行借入により現金及び預金が増加したことによります。
負債合計は前連結会計年度末と比べ1,314百万円増加し、9,938百万円となりました。これは、主に銀行借入により借入金が増加したことによります。
純資産合計は前連結会計年度末と比べ526百万円減少し、38,868百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したものの、その他有価証券評価差額金及び為替換算調整勘定が減少したことによります。
なお、自己資本比率は前年同期比2.2ポイント減の77.1%となり、金利上昇の影響を受けにくい健全な財務体質を維持しております。
当社グループのキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。