第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における食品業界を取り巻く環境は、食の安全性に加え価値訴求への要求が高まり、節約志向とこだわり志向の二極化が鮮明になってきました。
 食生活に関しては、高齢化、共働き世帯の増加による専業主婦世帯の減少、都市への集中と地方の過疎化等の影響により、ファミリー世帯の減少と1人・2人世帯の増加が顕著になってきました。

 購入方法も、インターネットでの購入や宅配による購入の増加、スーパーも郊外型大型店から近くの店へ、こだわりの商品は専門店や百貨店での購入が増加してまいりました。

 このような変化の中、当社は単に価格競争で売上を拡大するのではなく、安全対策の強化として農作物の農薬基準を欧州並みの基準を取り入れた対策を進め、コストと手間をかけた付加価値の高い商品を提供することに取り組んでまいりました。

 しかしながら、低価格のプライベートブランド商品は価格競争によるバラツキや、顧客のナショナルブランド商品への購買のシフト傾向を受け、売上を減らす店舗があるなど伸び悩みました。その対策として当社は「地域と旬」による商品展開を行い売上の増大を計りましたが、成果があらわれたのが下期であったため、赤字の解消には至りませんでした。

 新しいビジネスモデルとしては、当社の強みである「無添加調理」を基礎とし、「地域と旬」をテーマに地域の食材を使用した商品開発を行いました。その商品を地域の道の駅や首都圏の百貨店等で販売し、行政を巻き込んだ取り組みを各地で実施しました。一例といたしまして、京都府京丹波町産の丹波しめじを使った「丹波しめじのまぜごはん2合用」、「しめじがつまったハンバーグ」を販売しました。また、正月料理においても青森県弘前市、茨城県笠間市、千葉県成田市、京都府京丹波町、岐阜県山県市等の全国7地区のその年に収穫した栗を使用した栗きんとんを百貨店等で販売しご好評をいただきました。

 その他、社会的なニーズの高まっている非常食においては、5年賞味で火や水が不要でいつでもどこでも食べることができる食物アレルギー特定原材料7品目不使用のリゾットを発売し、官公庁、企業、学校等に販売を開始いたしました。

 原材料においては、特に当社の主力原材料であるごぼうが天候不順の影響で品不足に見舞われながらも、品質の高い農作物の調達に努めました。

 生産部門では、一つ一つの工程を分析し、大量生産による工程のロス等を見直し、期の後半からは小ロット生産に切り替えることで製品ロスと歩留まりを改善し、時間管理の徹底により付加価値生産性の改善を行ってまいりました。

 このような活動を行った結果増収となり、当連結会計年度における売上高は前年同期比70百万円増の105億38百万円、売上総利益は前年同期比2億60百万円増の37億78百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、コスト削減に努めましたが、厚生年金基金の解散による退職給付費用の増加等により、前年同期比45百万円増の38億17百万円となり、38百万円の営業損失(前年同期は2億53百万円の損失)となりました。

 これに営業外収益61百万円、営業外費用55百万円を加減した結果、32百万円の経常損失(前年同期は2億76百万円の損失)となり、固定資産処分損等の特別損失2百万円を計上した結果、税金等調整前当期純損失は35百万円(前年同期は4億54百万円の損失)、これに法人税等合計30百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は65百万円(前年同期は4億74百万円の損失)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ16億89百万円増加し、30億93百万円(前年同期比120.4%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動により増加した資金は3億67百万円(前年同期は91百万円の増加)となりました。

 主な要因は、税金等調整前当期純損失の計上、減価償却費の計上、退職給付に係る負債の増加、たな卸資産の増加であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動により増加した資金は8億91百万円(前年同期は14億87百万円の減少)となりました。

 主な要因は、定期預金の払戻による収入、有形固定資産の取得による支出であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動により増加した資金は4億30百万円(前年同期は1億29百万円の減少)となりました。

 主な要因は、短期借入金の純増加、社債の発行による収入、配当金の支払額であります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(単位:千円)

製品別売上高

前連結会計年度

(27.4.1~28.3.31)

当連結会計年度

(28.4.1~29.3.31)

比較増減

 

金額

構成比

金額

構成比

金額

趨勢比

 

 

 

 

食肉加工品

(ハンバーグ・ミートボール他)

8,363,803

79.9

8,250,231

78.3

△113,572

98.6

炊き込みご飯の素・まぜご飯の素

325,185

3.1

316,678

3.0

△8,506

97.4

惣菜(サラダ・煮物他)

425,957

4.1

423,167

4.0

△2,789

99.3

非常食

85,178

0.8

263,859

2.5

178,681

309.8

配慮食(食物アレルギー・塩分他)

40,622

0.4

54,629

0.5

14,006

134.5

正月料理

1,132,652

10.8

1,117,458

10.6

△15,193

98.7

その他

94,484

0.9

112,000

1.1

17,515

118.5

合計

10,467,884

100.0

10,538,025

100.0

70,141

100.7

 

(単位:千円)

(チャネル別内訳)

前連結会計年度

(27.4.1~28.3.31)

当連結会計年度

(28.4.1~29.3.31)

比較増減

スーパーマーケット・小売店他

金額

構成比

金額

構成比

金額

趨勢比

 

 

 

 

食肉加工品

(ハンバーグ・ミートボール他)

7,938,120

88.6

7,821,503

88.7

△116,617

98.5

炊き込みご飯の素・まぜご飯の素

286,197

3.2

274,935

3.1

△11,261

96.1

惣菜(サラダ・煮物他)

181,639

2.0

179,321

2.0

△2,317

98.7

非常食

15,256

0.2

23,756

0.3

8,499

155.7

配慮食(食物アレルギー・塩分他)

19,085

0.2

27,962

0.3

8,877

146.5

正月料理

442,547

4.9

396,598

4.5

△45,949

89.6

その他

76,806

0.9

96,838

1.1

20,031

126.1

合計

8,959,653

100.0

8,820,915

100.0

△138,737

98.5

 

宅配・生協・官公庁他

金額

構成比

金額

構成比

金額

趨勢比

 

 

 

 

食肉加工品

(ハンバーグ・ミートボール他)

425,683

28.2

428,727

25.0

3,044

100.7

炊き込みご飯の素・まぜご飯の素

38,987

2.6

41,742

2.4

2,755

107.1

惣菜(サラダ・煮物他)

244,318

16.2

243,846

14.2

△471

99.8

非常食

69,921

4.6

240,103

14.0

170,181

343.4

配慮食(食物アレルギー・塩分他)

21,537

1.4

26,666

1.5

5,129

123.8

正月料理

690,105

45.8

720,859

42.0

30,754

104.5

その他

17,677

1.2

15,162

0.9

△2,515

85.8

合計

1,508,230

100.0

1,717,109

100.0

208,878

113.8

 

 

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

平成27年4月1日から

平成28年3月31日まで

当連結会計年度

平成28年4月1日から

平成29年3月31日まで

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

イオントップバリュ㈱

1,189,595

11.4

1,000,164

9.5

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

食肉加工品(ハンバーグ・ミートボール他)

 ハンバーグ群は、「チキンハンバーグ」の売上は減少しましたが、「1.5倍チキンハンバーグ」、「1.5倍チキンハンバーグ和風オニオンソース」は中高生のお子さまのいる世帯、1人・2人世帯や高齢者の食事としての利用が増加しました。また、京都府京丹波町産のしめじを使った「しめじがつまったハンバーグ」や山梨県大月市の無農薬玉ねぎを使った「玉ねぎがつまったハンバーグ」を発売し、その地域を中心としたエリアと首都圏の百貨店等で販売しご好評いただきました。

 ミートボール群は、ナショナルブランドにおいては店舗訪問を強化し、売れ筋商品の売場を拡大するという基本の活動に注力しました。そこで原材料のシンプルさを以て無添加調理をお伝えすることとともに、新鮮な鶏肉を使用しているというポイントを店頭でお伝えした結果、ナショナルブランド商品の売上は増加しましたが、低価格のプライベートブランド商品の売上は減少しました。この結果、食肉加工品の売上高は前年同期比98.6%となりました。

炊き込みご飯の素・まぜご飯の素

 2合用まぜご飯の素は、1人・2人世帯が増加したことと、必要量だけをご飯に混ぜられることが評価され、「有明鶏のかしわめし」等が好調に推移しました。また愛知県大府市の伝統野菜である「木之山五寸にんじん」や群馬県高崎市の「国分にんじん」、山梨県市川三郷町の「大塚にんじん」を使ったまぜご飯の素を販売しご好評いただきました。その結果、まぜご飯の素の売上は増加しました。

 一方、3合用の炊き込みご飯の素は、新製品として「国産きのこごはん」を展開しましたが、ファミリー世帯の減少により、3合炊き商品の需要が減り、売上は減少しました。この結果、炊き込みご飯の素・まぜご飯の素の売上高は前年同期比97.4%となりました。

惣菜(サラダ・煮物他)

 スーパーマーケットチャネルにおいては、当社の特徴である国産の地域を限定した今年のごぼうの風味の良さを店頭から伝える提案を、生協チャネルにおいては、野菜を加えてサラダの一品料理になる提案をした結果、共働き世帯、1人・2人世帯を中心に支持されましたが、売上の増加には至りませんでした。この結果、惣菜(サラダ・煮物他)の売上高は前年同期比99.3%となりました。

非常食

 地震、津波、水害等の災害時の食事として火と水が無くても美味しく食べられる事と、食物アレルギー物質特定原材料7品目不使用という点が評価され、学校・官公庁・企業等への備蓄向けとして販売が増加しました。この結果、非常食の売上高は前年同期比309.8%となりました。

配慮食(食物アレルギー・塩分他)

 各地の食物アレルギーの子を持つ母親の会と連携し、直接のご案内を丁寧に行った結果、生協、ダイレクト販売等での販売が増加し、配慮食の売上高は前年同期比134.5%となりました。

正月料理

 重詰予約おせちは、食物アレルギー配慮おせちや食塩不使用のおせち料理といった配慮系おせちが、生協及び百貨店での販売が拡大しましたが、プライベートブランド商品の販売が縮小し、前年比でほぼ同水準となりました。

 佃煮おせちでは、新商品の「栗きんとん3種味めぐりセット(成田・丹波・笠間)」等の高付加価値商品が贈答用としてご好評いただきましたが、お重詰めおせち同様低価格商品の販売が伸び悩み、売上が減少しました。

 この結果、正月料理の売上高は、前年同期比98.7%となりました。

その他

 子会社のイシイ産業株式会社で行っている地域との取り組みにおいて、千葉県内の製造商品を地域の道の駅、直売所等に販売した結果売上が増加し、その他の売上高は前年同期比118.5%となりました。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「地球にやさしく、おいしさと安全の一体化を図り、お客様満足に全力を傾ける」ことを企業理念とし、「日本一安心・安全な食品会社になる」を目標に掲げています。

 また、①素材本来の味を活かす本物の美味しさを提供する「無添加調理」の技術、②自社の社員の目で確認した「厳選素材」、③原材料の履歴情報を開示する「品質保証番号」、の3つの原則を基本に活動しております。

 そして、食事でお困りの方に無添加調理だからできる価値作りを行い、お客様の変化を捉え、新しいマーケットを創り上げるとともに、社会に貢献できる活動を行ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、収益力の改善を行い株主はもちろんのこと、すべてのステークホルダーにご満足いただけることを考え、経営戦略・経営計画に基づいて利益を生み出し企業価値の増加を図るよう努めています。近年ROEの考え方を導入する社会的要請も踏まえ、様々な経営指標を勘案しながら利益体質の強化、純資産の効率的活用を行っていく所存です。そのうちのひとつの指標が、月次売上8億円の損益分岐点であります。日々の活動を合否判定することにより、あるべき姿との差を明確にし、その差の分析を行い、ロス・ムダの改善をすぐに実行できる体制を作ってまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 顧客の変化に対応しつつ、次の価値作りに向けた布石を打ち、新しいマーケットを創ってまいります。

 イシイのブランドマークは全て無添加調理で製造し、健康をテーマにした本物の美味しい食事を提供してまいります。

① 食生活の変化を捉え、お客様の食事に関する困り事を掴み、お客様の生活に合う食事のコト提案を行ってまいります。

② 商品作りは自然な香りと風味を生かす無添加調理を基本として開発、リニューアルを行ってまいります。

③ 塩分の摂取制限のある方へ、一食1.5g以下の塩分量の商品開発、リニューアル及び販売を行ってまいります。

④ 食物アレルギーの方への食事の提供と販売チャネルの開拓を行ってまいります。

⑤ 介護食の開発、提供を千葉県内の介護ステーションと食品製造メーカーと協力して行ってまいります。

⑥ 災害時の食事の提供として、企業、官公庁、学校、施設等にロングライフ製品(非常食)の販売を行ってまいります。

⑦ 本社ビル1階のコミュニティハウス「ヴィリジアン」にて地域の方々に社会貢献を行ってまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社グループの対処すべき課題は次のとおりであります。

 

① 新規顧客の獲得と新しいサービスの提供

 1人・2人世帯での食事の増加を捉えて付加価値の高い商品開発を行い、食シーンに合わせた食事の提供、チャネルの選択と開発を行ってまいります。

② 今ある食事の不安を解消できる安心・安全な商品の提供

 ISO9001(品質)、ISO14001(環境)、FSSC22000(食品安全)の3つのマネジメントシステムを運用し、安心・安全への取り組みを更に充実してまいります。

③ 利益構造の改善

 生産における一つ一つの工程を徹底的に分析し、あるべき姿と実績との差を明確にし、改善を進める事により、生産性の向上を行います。生産工程毎に品質の合否判定を行う体制を整えることにより、安全対策の強化と利益構造の改善に努めてまいります。

 また、全部門において従来からの業務工程を作業分析し、ロス・ムダの改善を行います。

④ 安定的な財務基盤の獲得

 新しい分野、従来の分野を問わず、投資と成果のバランスを図り、キャッシュ・フロー重視の経営を行ってまいります。

⑤ 管理体制の充実

 日々の変化を敏感に捉え、即対応することができる体制を作り、責任の所在を明確にし、関連法令順守、環境保全の推進を図ります。このことにより内部統制の強化を図ってまいります。

⑥ 地球環境

 認証取得しておりますISO14001の運用において、ISO9001、FSSC22000と一緒に考えて行動していくことにより、お客様に喜んで頂ける商品やサービスの提供とともに、食品廃棄物量、水の使用量、二酸化炭素(CO2)排出量の削減を積極的に進めてまいります。

⑦ 企業の社会的責任への対応

 当社グループは企業の社会的責任(CSR)に対する関心の高まりに答えるべく、金融商品取引法における内部統制システムの構築・整備・運用を行うとともに、ISO9001、ISO14001、FSSC22000のマネジメントシステムを業務に一体化させることで、お客様に喜んで頂けるサービスの提供と環境問題への貢献、災害時における食事で困っている方に援助することで社会への貢献ができると考えております。これらにより新たな社会的貢献事業や活動等を通じて、CSRの視点に立った経営を目指してまいります。

⑧ 今後想定される災害に対する対応

 当社グループは、災害が発生した場合、千葉県八千代市、京都府船井郡京丹波町、佐賀県唐津市の三地域に工場が分散している利点を生かし、供給が継続できる体制を準備してまいります。

 

 以上のことを実施していくことにより、社会からより信頼される企業を目指して、経営体質改善の実現を継続的に図る所存であります。

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

(1)基本方針の内容

 当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、当社に対して大規模買付提案(買収提案)が行われた場合に、当該大規模買付提案を受け入れるか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであると考えます。

 しかし、株式の大規模買付提案の中には、その目的等から見て、当社が蓄積してきました多くのノウハウ・知識・経験について理解のないもの、ステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるもの、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強制するおそれのあるもの、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないもの等、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものもありえます。

 そこで、そのような提案に対しては、当社は、買収者に株主の皆様のご判断に必要かつ十分な情報を提供させること、さらに買収者の提案が当社の企業価値及び株主共同の利益に及ぼす影響について当社取締役会が評価・検討した結果を株主の皆様に当該提案をご判断いただく際の参考として提供すること、場合によっては当社取締役会が大量買付行為または当社の経営方針等に関し買収者と交渉または協議を行うことが、当社取締役会としての務めであると考えております。

 以上のような見解に基づき、当社取締役会は、当社に対する買収行為が、一定の合理的なルールに従って行われることが、当社及び当社株主全体の利益に合致すると考え、事前の情報提供等に関する一定のルール(以下、「本プラン」といいます。)を設定することとしました。

 

(2)基本方針の実現に資する特別な取り組み

 当社は、創業以来、食の安心・安全を第一に考えて、おいしい良質な調理済食品の製造販売を行ってきております。また、品質管理方法においても、品質管理番号システムを採用することで品質管理を徹底し、原材料の履歴と製造工程の管理状況がわかる独自のシステムを導入しております。また、同時に検査体制も充実させることで食の安心・安全の実現を担保しております。

 そうした中、当社は、他社では真似のできない、無添加調理方法、品質管理方法、厳選素材の入手ルート等、数多くのノウハウ・知識・経験を蓄積してきており、これらのノウハウ等から生み出される安心・安全かつおいしい良質な食品を製造販売することで、数多くのお客様及び取引先等のステークホルダーとの間に信頼関係を築き上げてまいりました。

 当社は、これからも当社独自の品質管理方法、無添加調理方法、厳選素材の入手ルート等の当社が有するすべての技術・ノウハウをベースとして、これら技術・ノウハウの質を日々たゆまぬ努力により一層向上させながら、お客様に満足していただける安心、安全かつおいしい良質な食品の提供を提案し続けてまいります。当社の企業価値は、このような、技術力・提案力により確保、向上されるべきであり、また、これを支えるお客様、取引先、従業員等のステークホルダーとの一体性こそが、当社の企業価値の源泉であると考えております。

 当社は、このような経営姿勢を当社の企業理念である「地球にやさしく、おいしさと安全の一体化を図りお客

様満足に全力を傾ける。」というメッセージに込め、すべてのステークホルダーの利益を追求し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上を図ってまいります。

 

(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

 当社は、平成28年6月24日開催の第75回定時株主総会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)継続の件」について、承認を得ております。

 本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、上記(1)に記載の基本方針に沿うものであり、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保することを目的としています。

 本プランは、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。

 また、本プランでは、対抗措置の発動にあたって、当社取締役会の恣意的判断を排除し、取締役会の判断及び対応の客観性、合理性を確保するための機関として特別委員会を設置し、発動の是非について当社取締役会への勧告を行う仕組みとしています。

 なお、本プランは一般的なものであり、特定の大量保有者のみを意識したものではありませんが、現在の大量保有者にも、本プランは適用されます。

 本プランの対象となる者は、特定株主グループ(注)の議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる行為(いずれについても当社取締役会が同意したものを除くものとし、また市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)を行おうとする者です。

 

(注) 特定株主グループとは、当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)並びに当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所有価証券市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。

 

 なお、この大規模買付ルールの詳細につきましては、当社ホームページのIR情報に記載の「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続に関するお知らせ」(平成28年5月13日付)をご参照下さい。

(http://www.ishiifood.co.jp/)

 

(4)不適切な支配の防止のための取り組みについての取締役会の判断

 当社を取巻く昨今の国内の食品市場は、少子高齢化の影響による人口減少により、国内の食品消費量は頭打ちの状況にあり、厳しい環境にあります。そうした中、食品会社各社は新たな需要を開拓するべく、自社による新商品開発にとどまらず、他社を買収することによりその会社が有する技術力を用いて商品開発等を行い、自身の業務を拡大しようとする動きが近年加速している状況にあります。

 当社は、かかる認識のもと、自身が培ってきた独自の無添加調理方法、品質管理方法を軸とした高度な技術力に基づく食品業界固有のブランドと市場を開拓し、また、生産体制の効率化と製品競争力の強化を中心とした収益構造の確立を図りつつ、財務面では借入金に頼らない堅実な経営を推進することにより、持続的成長可能な食品会社となることを経営の基本方針として、企業価値及び株主共同の利益の向上に努めてきておりますが、当社を取巻く経営環境等の変化を背景に、以前にも増して、当社の卓越した技術力や財務健全性に着目した、当社の支配権取得を目的とした大規模買付行為が行われることも予想される状況になってきております。

 当社取締役会は、(1)に記載の基本方針で謳っているように、大規模買付行為であっても、当社の企業価値及び株主共同の利益に資する買収提案であれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の株主構成は、現時点では当社の創業者親族等の株主が保有割合の上位を占めており、現段階で具体的に差し迫った買収のリスクが存在している訳ではありません。しかしながら、上記のような当社を取巻く経営環境等の変化を鑑みると、将来的に、当社の事業やビジネス・モデルに関する理解が十分ではない者による当社に対する大規模買付

行為が行われた場合、当社の顧客・取引先等を含む重要なステークホルダーとの関係が崩壊し、当社の企業価値・株主共同の利益が著しく毀損されかねないこと、同時に、こうした状況に便乗した、当社の経営には関心のない、当社の技術力や健全な財務力の取得だけを目的とした買収者が現れる可能性も否定できません。さらに、当社の株主構成に関しても、当社の創業者親族等の株主の中には高齢の株主もおり、各々の事情に応じた譲渡、相続等の処分が行われる状況が具体的に予想され、今後一層当社の株式の分散化が進んでいく可能性は否定できず、将来的に現在のような安定した株主構成が維持されるとは限りません。また、当社の経営に直接関与していない創業者親族等による当社株式に関する権利行使については、それぞれ株主個人の判断のもとに行われており、当社がそれら権利行使について関与・コントロールするものではないことから、当社の経営権の取得等を目的とした大規模買付提案に際しても、大規模買付者に当社の経営を委ねるべきか否か等の一株主としての判断が、当社取締役会の判断とは異なる場合もありえます。したがって、当社取締役会は、今から当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく害するような大規模な買収行為に備えた対応策を準備しておくことが、当社の企業価値及び株主共同の利益を守るためにも必要であると判断しました。また、その内容をあらかじめ定めておくことは、手続の透明性や関係者の予見可能性を向上させる意味でも適切なものであると考えたことから、今回、本プランを導入し、その内容を開示することとしております。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)製品の品質評価

 当社グループは、お客様に安心・安全な食品をお届けするために、食品衛生法及び関連法令の遵守並びにJAS法等の基準に基づいた製品の企画、開発、生産、販売を行っております。さらに、お客様サービスセンターに寄せられたお客様の声、店頭活動、わくわくヘルシー倶楽部会員様からのご意見を活かし、製品やパッケージの表示、包装容器の機能等の改善に努めております。しかしながら、予期せぬ製品のトラブル等が発生し、当該製品や当社グループ製品全体の評価が低下した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)食品の安全性

 当社グループは、食に対する安全性を第一に考え、2013年10月に認証取得したFSSC22000を運用するとともに原材料の仕入れに関しての当社仕入れ基準を設け、規格外は仕入れない体制を確立しております。しかし、鳥インフルエンザ、放射性物質汚染、水質汚染、残留農薬など様々な問題が発生しております。当社グループではそのようなリスクを事前に察知し顕在化する前に対処できるように取り組んでおりますが、予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)原材料の供給体制

 当社グループは、主要原材料及び包材等について当社グループ外の企業から供給を受けております。したがって、これらの供給元企業が災害等の事由により当社グループの必要とする原材料を予定通り供給できない場合は、生産遅延、販売機会損失等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料価格の変動

 当社グループの製品は、履歴が明確で厳選された素材を原材料として使用しております。これらの原材料は天候不順による品質の悪化、放射性物質汚染、農薬汚染、水質汚染や鳥インフルエンザなどによる外的要因による市場の変化により仕入れ量の確保に影響を受ける可能性があります。また、海外からの原材料においては為替の変動により影響を受ける可能性があります。このため、使用原材料の仕入先を複数にすることによる施策を講じておりますが、原材料価格の高騰が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)重大な訴訟等

 当連結会計年度において、当社グループに重要な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりません。しかしながら、将来、重大な訴訟等により当社グループに対して多額の損害賠償責任等が確定した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)自然災害等について

 当社グループの製品を製造する工場やサーバー等のインフラを有する工場のエリアにおいて、大規模な地震その他の自然災害等が発生し、生産設備の損壊、あるいはインフラネットワークの損壊の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、食品の製造工程において水を使用することから、水に対して人体に影響するような問題が発生した場合、当社グループにおいて食品製造の操業を中断する可能性があります。

(7)システムリスク

 当社グループにおいては、受注・出荷・請求等の業務全般にわたってコンピューターシステムによって処理を行っております。当該コンピューターシステムにおいてウイルスの侵入や突発的な事故によりトラブルが発生した場合、販売機会損失・請求漏れや復旧等に係る臨時費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、当社の無添加調理の技術を駆使した、地域やお客様の課題に寄り添った製品の開発とリニューアルを、料理研究家の方々のご指導を受け行ってまいりました。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、54百万円であり、製品群別の新製品開発及びリニューアルの主な状況は次のとおりであります。

 

<食肉加工品(ハンバーグ・ミートボール他)>

お弁当ハンバーグテリヤキソース、お弁当ハンバーグトマトソース

 

<非常食>

イタリアンリゾット、洋風リゾット、和風リゾット、リゾット3種セット、カレーリゾット、非常食3日分セット

 

<正月料理>

栗きんとん(茨城県笠間市産、岐阜県山県市産、宮崎県えびの市産、京都府京丹波産、青森県弘前市産、千葉県成田市産、埼玉県日高市産)、栗きんとん3種味めぐりセット、優鶴(食塩不使用おせち)、千葉味めぐりお重他

 

<地域商品>

大月の玉ねぎがつまったハンバーグ、しめじがつまったハンバーグ、丹波しめじのまぜごはん2合用、まぜご飯の素大塚にんじんめしの素1合用、愛知県大府市産木之山五寸人参使用まぜごはん、炊き込みご飯の素国産きのこごはん、炊き込みご飯の素千葉県成田市産栗の栗ごはん2合用、千葉県産黒豆ごはん、うすい豆のごはん、千葉県産丹波黒種黒豆、九州産西豊のポテトサラダ、とろろのだし汁

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

(流動資産)

 流動資産は、前連結会計年度末の38億90百万円に対し、7億20百万円増の46億10百万円(前年同期比18.5%増)となりました。主な要因は、現金及び預金の増加であります。

(固定資産)

 固定資産は、前連結会計年度末の38億45百万円に対し、1億62百万円減の36億82百万円(前年同期比4.2%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の減少であります。

 この結果、総資産は前連結会計年度末の77億35百万円に対し、5億58百万円増の82億93百万円(前年同期比

7.2%増)となりました。

(流動負債)

 流動負債は、前連結会計年度末の19億4百万円に対し、4億83百万円増の23億87百万円(前年同期比25.4%増)となりました。主な要因は、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金の増加であります。

(固定負債)

 固定負債は、前連結会計年度末の21億80百万円に対し、1億4百万円増の22億85百万円(前年同期比4.8%増)となりました。主な要因は、社債の増加であります。

 この結果、負債合計は前連結会計年度末の40億85百万円に対し、5億87百万円増の46億73百万円(前年同期比14.4%増)となりました。

(純資産)

 純資産合計は、前連結会計年度末の36億49百万円に対し、29百万円減の36億20百万円(前年同期比0.8%減)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上、配当金の支払、その他有価証券評価差額金の増加、退職給付に係る調整額の変動に伴う増加であります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要」に記載しております。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、105億38百万円(前年同期比70百万円増)となりました。製品別売上高としましては、非常食の売上が前連結会計年度を上回り、売上高全体で前年同期比100.7%となりました。

(営業損失)

 当連結会計年度は、退職給付費用の増加等を受け、営業損失は38百万円(前年同期は2億53百万円の損失)となりました。

(経常損失)

 当連結会計年度の営業損失に、受取利息や受取配当金などの営業外収益61百万円、たな卸資産廃棄損及び社債発行費などの営業外費用55百万円を加減致しました結果、経常損失は32百万円(前年同期は2億76百万円の損失)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損失)

 当連結会計年度の経常損失に、固定資産処分損等の特別損失2百万円を計上致しました結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は35百万円(前年同期は4億54百万円の損失)となり、これに法人税等合計30百万円を計上した結果、65百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前年同期は4億74百万円の損失)となりました。