第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の減速に伴う経済情勢への影響が懸念されるなか、雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方で、個人消費につきましては、一部の生活必需品等の値上がりや実質賃金の伸び悩みなどにより、消費者マインドに足踏みが見られるなど、景気の先行きは楽観できない状況が続いております。 

 

加工食品事業におきましては、お客様の低価格志向や競合他社との価格競争激化、世界保健機関(WHO)の研究機関であるIARCの加工肉等に関する発表及び報道による影響などから、非常に厳しい環境が続いております。また、食肉事業につきましては、豚肉は、出荷頭数の回復傾向などから、相場は比較的安定してきておりますが、牛肉は、出荷頭数が継続して減少し、相場が高値で推移するなど、食肉全体では、依然として厳しい環境下にあります。 
 

このような状況のなか、当社グループは、お客様に、より安全でより安心して召し上がっていただける食品を提供する総合食品メーカーとして、真に社会的存在価値が認められる企業を目指し、「基盤事業の強化」「多角化戦略の推進」「ローコスト経営の促進」などの基本方針を軸に企業活動を推進してまいりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比3.3%増2,295億43百万円、営業利益は同52.7%増41億68百万円、経常利益は同45.1%増45億43百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同44.9%増26億17百万円となりました。

 

〔セグメントの概況〕

① 加工食品事業

ハム・ソーセージ部門では、昨年発売20周年を迎えた「燻製屋熟成あらびきウインナー」などの主力商品を中心に、「日本の食卓応援!キャンペーン」などの販売促進を実施し売上拡大に努めました。また、こだわりの旨さと使いやすい形態をご提案した「燻(いぶし)特級ベーコン」「炙(あぶり)ばら焼豚」が好調に推移しました。中元・歳暮ギフトにつきましては、2015年度モンドセレクション食品部門において最高金賞を受賞しました商品を中心に詰め合わせた「王覇」「煌彩」シリーズなどの売上拡大を図りましたものの、加工肉等に関するIARCの発表及び報道などの影響を受けました。競合他社との販売競争激化のなか、当部門の売上高は前連結会計年度比2.3%の減収となりました。 

 

調理加工食品部門では、韓国家庭料理チゲの素「スンドゥブ」シリーズは、暖冬の影響などもあり伸び悩みましたが、冷製・温製タイプの「Soup BIZ(スープビズ)」シリーズの投入などにより、スープ類全体の底上げを図りました。また、海藻の旨みを含んだこだわりの塩を使用した「淡路島の藻塩使用 から揚げ」などが堅調に推移したほか、本格的な味に仕上げたカレーやハヤシの「シェフの匠」シリーズを積極的に拡販し売上拡大に努めました。デザート・飲料類につきましては、人気商品の「SWEET CAFE」シリーズやブラックタピオカ入り飲料の「TAPIOCA TIME」シリーズなどが引き続き好調に推移しました。以上のことから、当部門の売上高は前連結会計年度比10.8%の増収となりました。

 

 以上の結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比3.2%増1,619億52百万円となりました。営業利益は、合理化によるコスト削減効果や原材料価格・エネルギーコストの低下もあり、前連結会計年度比90.4%増35億90百万円となりました。

 

 

② 食肉事業

豚肉につきましては、相場が比較的安定して推移するなか、国産、輸入豚肉共に販売数量の拡大を図り、売上高を維持しました。牛肉につきましては、国内外共に生産量の減少から相場が高値で推移するなか、国産牛肉の拡販などにより、売上高は堅調に推移しました。
 
 以上の結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比3.4%増672億25百万円となりました。営業利益は、輸入冷凍牛肉の一部商品の相場が大幅に下落した影響から、前連結会計年度比35.9%減の4億26百万円となりました。

 

③ その他事業

その他事業の売上高は前連結会計年度比1.0%増の3億65百万円、営業利益は前連結会計年度比15.1%減の1億51百万円となりました。
 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増 減 額

営業活動によるキャッシュ・フロー

5,609

11,613

6,003

投資活動によるキャッシュ・フロー

△3,853

△2,943

909

財務活動によるキャッシュ・フロー

△2,733

△5,592

△2,858

現金及び現金同等物の増減額

△974

3,078

4,053

現金及び現金同等物期末残高

13,922

17,001

3,078

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上やたな卸資産の減少などによる運転資金の改善などから、116億13百万円増加しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、生産設備の増強・合理化や品質向上のための固定資産の取得による支出などから、29億43百万円減少しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済や配当金の支払いなどから、55億92百万円減少しました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末から30億78百万円増加し、170億1百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(屯)

前年同期比(%)

加工食品事業

199,925

6.8

食肉事業

11,543

△2.2

その他

合計

211,468

6.3

 

 

(2) 受注状況

当社グループは、主として消費動向の予測に基づく見込み生産によっております。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

加工食品事業

161,952

3.2

食肉事業

67,225

3.4

その他

365

1.0

合計

229,543

3.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

食肉加工業界を取り巻く環境は、個人消費に改善の兆しが見られるものの、少子高齢化に伴う国内消費構造の変化や、競合他社との販売競争激化など、依然として厳しい状況が続いております。当社グループでは、こうした外部環境の変化やコストの増減要因を的確に分析し、商品開発や販売政策に反映させ、収益力の向上に努めてまいります。更に、商品開発力の強化・充実を図り基盤事業の拡大につなげ、企業価値の最大化を目指してまいります。また、社会に信頼され、貢献する企業であり続けるために、品質保証体制の更なる強化、コンプライアンスの徹底、及び地球環境に配慮した事業活動を推進してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。

なお、記載内容のうち将来に関する事項は、本書提出日(平成28年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。 

 

(1) 安全性のリスク

食の安全・安心に係わる問題において、いわゆるフードテロの発生など新たな課題が発生しており、消費者の品質や安全確保への要求は一段と高まってきております。当社グループでは、HACCP管理システムなどの総合衛生管理体制の確立や、品質保証部門による厳しい品質管理体制を構築しております。今後とも、安全性確保の取組みを一層強化し、品質向上に努めてまいります。しかしながら、社会全般にわたる品質問題など予測が困難な事故や社会的混乱など、上記の取組みの範囲を超えた事象が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市況変動のリスク

当社グループが主に取り扱っている販売用食肉や、ハム・ソーセージ及び調理加工食品の原材料となる畜産物は、疫病の発生や輸入豚肉・輸入牛肉を対象としたセーフガードの発動により、仕入数量の制限や仕入価格の上昇の懸念があるほか、国際的な需給の変化などによる市況変動の影響を受けております。
 また、包装資材などの製造経費、運送費等は、原油価格の変動の影響を受けております。これらの市況が高騰した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 これらの市況変動リスクに対し、当社グループは、原料調達ルートの分散化などによる安定的な原材料の確保、高付加価値製品の開発等に努めております。

 

 

 

(3) 為替変動のリスク

当社グループは、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ地域等の海外から原材料・商品等の輸入業務を行っており、これらの国の現地通貨に対する為替相場の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

これらの為替変動リスクに対し、当社グループは、一部円建てでの輸入を行うとともに、外貨建ての輸入取引につきましては、先物外国為替契約を利用してリスクの軽減に努めております。

 

 

(4) 公的規制や自然災害等のリスク

当社グループは、食品衛生法、JAS法等の「食の安全・安心」に関する法規制や環境・リサイクル関連法規など、各種法的規制の適用を受けております。当社グループといたしましては、各主管部門と法務部門が連携して、関連諸法規の遵守に万全の体制で臨んでおりますが、将来において、これらの法的規制が変更された場合、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、地震・水害等の自然災害により、国内外の製造拠点や事業所が損害を被った場合には、事業活動の中断による売上高の減少や、設備の修復費用が発生するなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 資産の時価変動のリスク

営業活動のために必要な不動産や有価証券などの資産を保有しておりますが、今後の時価の変動により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 退職給付債務のリスク

当社及び一部の連結子会社は、退職給付制度として確定給付企業年金制度などを採用しております。年金資産の時価の変動や、運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、お客様に安全で安心な商品を提供することを基本に、おいしさの追求とともに、健康志向の高まりや生活の多様化に対応した商品開発に取り組みました。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は7億42百万円であり、主として加工食品事業の研究開発活動に支出したものであります。

 

(加工食品事業)

ハム・ソーセージ部門では、簡便性へのニーズが高まるなか、切らずにそのまま料理素材としてお使いいただける切落しタイプの「燻(いぶし)特級ベーコン」「炙(あぶり)ばら焼豚」を発売し、こだわりの旨さと使いやすい形態からご好評いただいております。健康志向への取組として、「うす塩フィッシュソーセージ」の改良を図り、血圧が高めの方の血圧を改善する効果を謳った機能性表示食品として申請中であります。また、新たな食シーンの創造として、おやつ感覚でお召しあがりいただける瀬戸内産レモン果汁パウダー入りの「チーズかまぼこ レモン味」を発売いたしました。

 

調理加工食品部門では、生姜の風味をきかせた「生姜チキン」、柚子こしょうのピリッとした風味を生かした鶏唐揚げ「柚子こしょうチキン」を開発しました。また、スパイスの香りとココナッツミルクのコクを生かした「シェフの匠 マッサマンカレー」やマンゴーチャツネの甘みとスパイスの香りが楽しめる「シェフの匠 ジャワ風ビーフカレー」など、独自の風味を生かした商品を開発しました。デザート品目については、リラックス効果のあるGABAを商品1個あたりに30㎎配合した機能性表示食品として、「リラックスカフェゼリー」を発売いたしました。

 

 

中央研究所では、「機能性リン脂質」に関する研究への取り組みに注力しております。厳密に管理された採卵鶏
(親鶏)から「機能性リン脂質」を安定的に生産する方法を確立するとともに、リン脂質(スフィンゴミエリン)
の抗メタボ効果、肌の保湿性や弾力性改善について研究を実施してまいりました。また、超高齢社会を迎えるにあ
たり、認知症、特にアルツハイマー型認知症予防が期待できるリン脂質(プラズマローゲン)に着目して九州大学
と共同研究を実施してまいりました。さらに、リン脂質(プラズマローゲン)を配合したソフトカプセルとスティックゼリーの試作を行い、安全性と安定性の評価を実施いたしました。引き続きプラズマローゲンの有効性の評価を中心とした研究に注力するとともに、研究成果を活用した健康食品・健康素材の開発に取り組んでまいります。

 

(食肉事業及びその他)

  特記すべき内容はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

(1) 財政状態の分析

① 資産

当連結会計年度末における総資産は、商品及び製品が28億20百万円減少しましたが、現金及び預金が30億78百万円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ6億13百万円増加し、1,245億22百万円となりました。

 

② 負債

当連結会計年度末における負債は、未払金が18億47百万円増加しましたが、有利子負債が28億57百万円減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ微減の521億99百万円となりました。

 

③ 純資産

当連結会計年度末における純資産は、剰余金9億27百万円の配当がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益26億17百万円を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べ6億14百万円増加し、723億22百万円となりました。

 

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末から0.3%上昇し、57.8%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ72億26百万円3.3%)の増収となり、2,295億43百万円(前連結会計年度は2,223億16百万円)となりました。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加などにより、前連結会計年度に比べ48億17百万円増加し、1,770億74百万円(前連結会計年度は1,722億56百万円)となりました。 

販売費及び一般管理費は、コスト削減に努めましたが、売上高増加に伴う配送費の増加などにより、前連結会計年度に比べ9億70百万円増加し、483億円前連結会計年度は473億29百万円)となりました。

 

③ 営業外損益

当連結会計年度の営業外損益は、営業外収益から営業外費用を差し引いた純額が、3億74百万円の利益の計上(前連結会計年度は4億1百万円の利益計上)となりましたが、為替差損の計上などにより、前連結会計年度と比べ26百万円の利益の減少となりました。

 

 

④ 特別損益

当連結会計年度の特別損益は、固定資産処分益の減少や関係会社整理損の計上などにより、特別利益から特別損失を差し引いた純額が、7億49百万円の損失の計上(前連結会計年度は2億44百万円の利益計上)となり、前連結会計年度と比べ9億93百万円の利益の減少となりました。

 

以上の結果、営業利益が41億68百万円(前連結会計年度は27億30百万円)、経常利益が45億43百万円(同 31億31百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が26億17百万円(同 18億5百万円)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。