第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費に足踏みが見られるなか、雇用・所得環境の改善などを背景に景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、海外経済の不確実性や為替相場の変動による国内経済への影響も懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況で推移しました。 

 

加工食品事業につきましては、お客様の節約志向を重視する消費傾向はより顕著となり、国内市場の成熟化を背景に価格競争が一層激しくなるなど厳しい環境が続きました。食肉事業につきましては、国産牛肉の相場は出荷頭数の減少から前年に比べて総じて高値で推移する一方、米国産牛肉の相場は前年を下回り、豚肉相場も国産・米国産ともに全体的に安定して推移しました。 
 

このような状況のなか、当社グループは、お客様に、より安全でより安心して召し上がっていただける食品を提供する総合食品メーカーとして、真に社会的存在価値が認められる企業を目指し、「基盤事業の強化」「多角化戦略の推進」「ローコスト経営の促進」などの基本方針を軸に企業活動を推進してまいりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比1.3%増2,324億36百万円、営業利益は同13.0%増47億10百万円、経常利益は同18.4%増53億78百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同25.5%増32億84百万円となりました。

 

〔セグメントの概況〕

① 加工食品事業

ハム・ソーセージ部門では、平成28年4月にリニューアル発売した「燻製屋熟成あらびきウインナー」などの主力商品を中心に、各種キャンペーンの積極的な展開や販売拡大を図りました。また、「燻(いぶし)特級ベーコン」「炙(あぶり)ばら焼豚」は、お客様のご好評を頂き好調に推移しましたほか、国産豚肉を使用した「金燻・銀薫あらびきウインナー」などの新商品を投入しました。中元・歳暮ギフトにつきましては、モンドセレクション食品部門において最高金賞を受賞しました商品を中心に詰め合わせた「王覇」「煌彩」シリーズなどの売上拡大に努めました。これらの施策を行いましたが、お客様の節約志向を背景に販売競争が激化するなど厳しい環境のなか、当部門の売上高は前連結会計年度比2.4%の減収となりました。

 

調理加工食品部門では、「淡路島の藻塩使用 から揚げ」の売上高が好調のほか、「柚子こしょうチキン」や「わさびチキン」などの様々な風味のチキン惣菜を提案し拡販に努めました。また、「ビストロ倶楽部 ビーフカレー」シリーズを中心にレトルトカレー商品の売上高が堅調に推移しました。デザート・飲料類につきましては、「SWEET CAFE」シリーズやブラックタピオカ入り飲料の「TAPIOCA TIME」シリーズなどを中心に販売促進を実施し順調に売上を伸ばしました。以上のことから、当部門の売上高は前連結会計年度比4.5%の増収となりました。

 

 以上の結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比0.7%増1,630億57百万円となりました。営業利益は、原材料価格・エネルギーコストの低下や合理化によるコスト削減などに努めましたが、主力のハム・ソーセージ部門の売上高減少などから前連結会計年度比20.7%減28億48百万円となりました。

 

 

② 食肉事業

牛肉につきましては、国内相場の高値が続くなか、国産牛肉は販売数量が伸び悩んだことから売上高が低調に推移しましたが、米国産チルド牛肉は積極的な拡販により販売数量が伸長し、売上高も好調に推移しました。豚肉につきましては、全体的に相場が安定して推移するなか、国産豚肉・輸入豚肉ともに販売数量の拡大に努め、売上高は総じて前年を上回りました。
 
 以上の結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比3.0%増692億19百万円となりました。営業利益は、前期に相場が大幅に下落した輸入冷凍牛肉の収益改善や、収益性の高い輸入食肉販売の取り組みが奏功し、前連結会計年度を大きく上回る16億82百万円となりました。

 

③ その他事業

その他事業の売上高は前連結会計年度比56.1%減の1億60百万円、営業利益は前連結会計年度比18.4%増の1億79百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増 減 額

営業活動によるキャッシュ・フロー

11,613

8,758

△2,854

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,943

△5,716

△2,772

財務活動によるキャッシュ・フロー

△5,592

△3,672

1,920

現金及び現金同等物の増減額

3,078

△630

△3,708

現金及び現金同等物期末残高

17,001

16,370

△630

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の増加による減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益の計上などから、87億58百万円増加しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、生産設備の増強・合理化や品質向上のための固定資産の取得による支出などから、57億16百万円減少しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済や配当金の支払いなどから、36億72百万円減少しました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末から6億30百万円減少し、163億70百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(屯)

前年同期比(%)

加工食品事業

207,637

3.9

食肉事業

11,979

3.8

その他

合計

219,617

3.9

 

 

(2) 受注状況

当社グループは、主として消費動向の予測に基づく見込み生産によっております。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

加工食品事業

163,057

0.7

食肉事業

69,219

3.0

その他

160

△56.1

合計

232,436

1.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループの経営理念は、「日々の活動に精一杯の真心を込め、誠意を尽くすことにより、社会に貢献すること」であります。総合食品メーカーとして、より安全でより安心な食品を提供させていただくことを使命として、常にお客様のニーズを最大限に尊重し、新鮮でより良い食品と価値あるサービスをお届けしております。また、経営資源の有効活用と収益性の向上により企業価値を高めるとともに、株主様、お客様、お取引先様など当社を取り巻くすべての人々に感謝し、真に社会的価値が認められる丸大食品グループを目指して活動しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、平成29年4月を起点とする中期経営計画(平成29年4月1日~平成32年3月31日)を策定しており、本計画の遂行により、最終年度にあたる平成32年3月期の連結業績を、

 

① 連結売上高   2,600億円(平成29年3月期比 11.9%増加)

② 連結営業利益率  2.5% (平成29年3月期比  0.5%増加)

  連結営業利益    65億円(平成29年3月期比 38.0%増加)

 

に成長させることを目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中期経営計画(平成29年4月1日~平成32年3月31日)において、以下の5つの基本方針を設定し、グループを挙げて計画を推進いたします。

 

① 基幹事業の拡大と次なる柱の育成   既存事業の育成・強化と新規分野への参入

② 商品開発力、技術力の強化      グループ間技術力の向上と商品開発力の強化

③ ローコスト経営の促進        企業体質の強化と収益の視える化

④ 人材の育成             人事制度の再構築と従業員のスキルアップ

⑤ 社会的責任の遂行          ガバナンス体制の強化とリスク管理の徹底

 

また、各セグメントのカテゴリー別戦略は、以下のとおりであります。

 

① 加工食品事業

お客様のニーズを満たした品揃えや、素材や工程など安全性を徹底的に追求し、魅力ある商品をお届けいたします。また、多様化するライフスタイルに合わせて調理の利便性を高め、お客様が食べる楽しさを感じて頂けるよう、取り組んでまいります。

 

 

② 食肉事業

安全で高品質なものを厳選し、素材の特徴を生かした新鮮な商品をお届けします。また、お客様のニーズに対応した商品へと加工し、量販店や外食店等、様々なチャネルのお客様のご要望にお応えできるよう、取り組んでまいります。

 

(4) 経営環境及び会社の対処すべき課題

食肉加工業界を取り巻く環境につきましては、景気は緩やかな回復が期待されるものの、少子高齢化に伴う国内消費構造の変化や、競合他社との販売競争激化など、依然として厳しい状況が続いております。当社グループでは、こうした外部環境の変化やコストの増減要因を的確に分析し、商品開発や販売政策に反映させ、収益力の向上に努めるとともに、中期経営計画の遂行により、企業価値の最大化を目指してまいります。また、社会に信頼され、貢献する企業であり続けるために、品質保証体制の更なる強化、コンプライアンスの徹底、及び地球環境に配慮した事業活動を推進してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。

なお、記載内容のうち将来に関する事項は、本書提出日(平成29年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。 

 

(1) 安全性のリスク

食の安全・安心に係わる問題において、いわゆるフードテロの発生など新たな課題が発生しており、消費者の品質や安全確保への要求は一段と高まってきております。当社グループでは、HACCP管理システムなどの総合衛生管理体制の確立や、品質保証部門による厳しい品質管理体制を構築しております。今後とも、安全性確保の取組みを一層強化し、品質向上に努めてまいります。しかしながら、社会全般にわたる品質問題など予測が困難な事故や社会的混乱など、上記の取組みの範囲を超えた事象が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市況変動のリスク

当社グループが主に取り扱っている販売用食肉や、ハム・ソーセージ及び調理加工食品の原材料となる畜産物は、疫病の発生や輸入豚肉・輸入牛肉を対象としたセーフガードの発動により、仕入数量の制限や仕入価格の上昇の懸念があるほか、国際的な需給の変化などによる市況変動の影響を受けております。
 また、包装資材などの製造経費、運送費等は、原油価格の変動の影響を受けております。これらの市況が高騰した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 これらの市況変動リスクに対し、当社グループは、原料調達ルートの分散化などによる安定的な原材料の確保、高付加価値製品の開発等に努めております。

 

 

 

(3) 為替変動のリスク

当社グループは、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ地域等の海外から原材料・商品等の輸入業務を行っており、これらの国の現地通貨に対する為替相場の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

これらの為替変動リスクに対し、当社グループは、一部円建てでの輸入を行うとともに、外貨建ての輸入取引につきましては、先物外国為替契約を利用してリスクの軽減に努めております。

 

(4) 公的規制や自然災害等のリスク

当社グループは、食品衛生法、JAS法等の「食の安全・安心」に関する法規制や環境・リサイクル関連法規など、各種法的規制の適用を受けております。当社グループといたしましては、各主管部門と法務部門が連携して、関連諸法規の遵守に万全の体制で臨んでおりますが、将来において、これらの法的規制が変更された場合、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、地震・水害等の自然災害により、国内外の製造拠点や事業所が損害を被った場合には、事業活動の中断による売上高の減少や、設備の修復費用が発生するなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 資産の時価変動のリスク

営業活動のために必要な不動産や有価証券などの資産を保有しておりますが、今後の時価の変動により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 退職給付債務のリスク

当社及び一部の連結子会社は、退職給付制度として確定給付企業年金制度などを採用しております。年金資産の時価の変動や、運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、お客様に安全で安心な商品を提供することを基本に、おいしさの追求とともに、健康志向の高まりや生活の多様化に対応した商品開発に取り組みました。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は8億48百万円であり、主として加工食品事業の研究開発活動に支出したものであります。

 

(加工食品事業)

ハム・ソーセージ部門では、国産豚肉(豚脂肪を除く)を使用した風味の異なる2種類のあらびきウインナーとして、国産の桜チップで燻したスモークタイプの「金燻あらびきウインナー」とスパイスの薫りが豊かなホワイトタイプの「銀薫あらびきウインナー」を発売しました。また、健康志向への取り組みとして、「うす塩切落し生ハム」をリニューアルし、一般の長期熟成生ハム(日本食品標準成分表2015)に比べ塩分を30%カット(従来は15%)しました。

 

調理加工食品部門では、湘南エリアで人気の「しらすピザ」をご家庭で手軽にお楽しみいただける商品として、別包装の「しらす」をご家庭でトッピングする「湘南ピッツェリア しらすピザ」や、麺にからめて食べる具入りソースの「汁なし担々麺の具」や「台湾まぜそばの具」などの「麺流」シリーズを発売しました。デザート品目については、主力商品の「SWEET CAFE」シリーズに、カフェイン量を97%カットした「SWEET CAFE 珈琲ゼリー カフェインレス」を発売しました。

 

中央研究所では、「機能性リン脂質」に関する研究への取り組みに注力しております。その中でも、超高齢社会を迎えるにあたり、認知症、特にアルツハイマー型認知症予防が期待できる「機能性リン脂質」の「プラズマローゲン」に着目して九州大学と共同研究を実施してまいりました。この研究成果により、国産の親鶏から「プラズマローゲン」を安定的に供給する製造方法を開発し、「プラズマローゲン」の食品素材の販売を開始しております。引き続き「プラズマローゲン」の有効性評価を行うとともに、研究成果を活用した健康食品素材・健康食品の開発に取り組んでまいります。

 

(食肉事業及びその他)

  特記すべき内容はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

(1) 財政状態の分析

① 資産

当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金が6億30百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が12億86百万円増加したことや有形固定資産が37億50百万円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ48億17百万円増加し、1,293億39百万円となりました。

 

② 負債

当連結会計年度末における負債は、有利子負債が6億14百万円減少しましたが、支払手形及び買掛金が14億89百万円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ8億49百万円増加し、530億49百万円となりました。

 

③ 純資産

当連結会計年度末における純資産は、剰余金9億19百万円の配当がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益32億84百万円を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べ39億67百万円増加し、762億90百万円となりました。

 

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末から0.8%上昇し、58.6%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ28億93百万円1.3%)の増収となり、2,324億36百万円(前連結会計年度は2,295億43百万円)となりました。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加などにより、前連結会計年度に比べ13億95百万円増加し、1,784億69百万円(前連結会計年度は1,770億74百万円)となりました。 

販売費及び一般管理費は、コスト削減に努めましたが、売上高増加に伴う配送費の増加などにより、前連結会計年度に比べ9億56百万円増加し、492億56百万円前連結会計年度は483億円)となりました。

 

③ 営業外損益

当連結会計年度の営業外損益は、助成金収入の増加や為替差損の減少などにより、営業外収益から営業外費用を差し引いた純額が、6億67百万円の利益の計上(前連結会計年度は3億74百万円の利益計上)となりました。

 

④ 特別損益

当連結会計年度の特別損益は、投資有価証券売却益が増加しましたが、特別退職金の計上などにより、特別利益から特別損失を差し引いた純額が、6億5百万円の損失の計上(前連結会計年度は7億49百万円の損失計上)となりました。

 

以上の結果、営業利益が47億10百万円(前連結会計年度は41億68百万円)、経常利益が53億78百万円(同 45億43百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が32億84百万円(同26億17百万円)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。