第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に改善の遅れも見られるものの、緩やかな回復基調が続いておりますが、アジア新興国を中心とした経済成長の減速や英国のEU離脱問題等により海外経済の不確実性が高まり、依然として景気の先行きは不透明な状態が続いております。

 当食品業界においては、少子高齢化や単身世帯の増加傾向の影響を受け、コンビニエンスストアを含めて弁当・惣菜の需要が拡大するなど、消費者の食行動や購買行動に変化がみられています。また、消費者の食の安全面に対する意識はより一段と高まり、当業界は今まで以上に品質管理の強化への対応、環境問題への対応等企業の社会的責任がますます求められております。

 このような状況の中、当社グループは「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で「食を通じて社会に貢献する」「お客様に安全で安心な食品とサービスを提供する」ことを責務と考え取組むとともに、厳しい販売競争に対応するため、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進してまいりました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は382,678百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は29,486百万円(前年同期比4.1%増)、経常利益は31,147百万円(前年同期比5.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,837百万円(前年同期比13.5%増)となりました。

 なお、当連結会計年度の為替換算レートは112.19円/米ドル(前連結会計年度は、112.62円/米ドル)であります。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① 水産食品事業

 水産食品事業は、漁獲量減少の影響やコンビニエンスストア向けをはじめとする国内市場の競争の激化により、売上高は31,413百万円(前年同期比5.0%減)となりました。セグメント利益は、魚卵やえび等一部魚種の原料価格の改善が進み、190百万円(前年同期はセグメント損失171百万円)となりました。

② 海外即席麺事業

 海外即席麺事業は、米国では量販店での特売や新商品投入等の需要喚起を行いましたが、厳しい販売環境が継続しており減収となりました。メキシコでは現地通貨安が続いておりますが、量販店等での販促活動を積極的に行い増収となりました。その結果、売上高は73,035百万円(前年同期比5.6%減)となりました。セグメント利益は、原材料費の減少はありましたが、販売促進費、人件費の増加等により、11,810百万円(前年同期比2.7%減)となりました。

③ 国内即席麺事業

 国内即席麺事業は、カップ麺では基幹商品である「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」を中心とした和風麺シリーズや「マルちゃん正麺 カップ」が好調に推移したほか、主力商品の「麺づくり」や、オープンプライス商品の「ごつ盛り」が引き続き堅調に推移しました。袋麺は、市場全体が厳しい環境の中、「マルちゃん正麺」シリーズで発売5周年を記念したキャンペーンの実施や新フレーバーを投入するなど需要喚起に努めましたが、減収となりました。その結果、売上高は126,069百万円(前年同期比1.8%増)となりました。セグメント利益は、8月に竣工した関西工場の稼働に伴う減価償却費や販売促進費の増加はありましたが、売上増に加え、原材料費、物流コスト等が減少したことにより、10,048百万円(前年同期比0.4%増)となりました。

④ 低温食品事業

 低温食品事業は、生麺類では主力商品の「マルちゃん焼そば3人前」シリーズが好調に推移したほか、レンジ調理商品の「レンジで麺上手」シリーズや新商品の2食タイプ焼そば「極み太麺」シリーズが好調に推移しました。チルド・冷凍食品類では、主力商品のしゅうまいやワンタンは増収となりましたが、冷凍食品は販売競争が激化し減収となりました。その結果、売上高は67,525百万円(前年同期比0.7%減)となりました。セグメント利益は、主力商品の伸長による利益の増加、原材料価格の低下に加え、不採算商品の見直しなど収益強化への取組みにより、4,943百万円(前年同期比28.3%増)となりました。

⑤ 加工食品事業

 加工食品事業は、主力の米飯とフリーズドライ製品が好調に推移しました。米飯は、品質に対する認知度上昇のほか、備蓄需要の増加やライフスタイルの変化により喫食機会が増加している中、積極的な販促活動を実施したことにより増収となりました。フリーズドライ製品は、主力の5食入り袋スープが量販店で好調に推移したことに加え、新製品を中心にコンビニエンスストアへの導入も進みました。その結果、売上高は21,498百万円(前年同期比8.7%増)、セグメント利益は、原料米価格が上昇したことにより、728百万円(前年同期比17.5%減)となりました。

⑥ 冷蔵事業

 冷蔵事業は、平成28年3月の福岡アイランドシティ物流センターの稼働効果や積極的な営業活動により新規顧客等の保管・配送取扱いが増加し、売上高は16,874百万円(前年同期比4.1%増)となりました。セグメント利益は、福岡アイランドシティ物流センター関連費用の増加はありましたが、売上増に加え、省エネ活動への取組みによる動力費削減等が寄与し、1,687百万円(前年同期比2.0%増)となりました。

⑦ その他

 その他は、主に弁当・惣菜事業であります。売上高は46,261百万円(前年同期比2.9%増)、セグメント利益は1,058百万円(前年同期比184.8%増)となりました。

 

なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ4,281百万円減少し、23,228百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ382百万円増加し、33,644百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1,851百万円減少し、30,843百万円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出は増加しましたが、定期預金の払戻による収入が増加したことによるものであります。

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ857百万円増加し、6,770百万円となりました。これは主に、配当金の支払額が増加したことによるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

 水産食品事業

8,318

107.99

 海外即席麺事業

73,488

94.67

 国内即席麺事業

98,479

100.37

 低温食品事業

43,411

99.12

 加工食品事業

22,243

102.21

 その他

40,137

102.16

合計

286,078

99.23

(注)1 金額は、販売価格によっております。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

 加工食品事業

0

12.39

 その他

30,042

105.19

1

28.34

合計

30,042

105.18

1

28.19

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   2 当社製品は主として見込生産によって製造されております。

   3 受注生産を行っている主な連結子会社は、フクシマフーズ㈱、㈱フレッシュダイナー、ミツワデイリー㈱、㈱シマヤであります。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

 水産食品事業

31,413

94.97

 海外即席麺事業

73,035

94.43

 国内即席麺事業

126,069

101.77

 低温食品事業

67,525

99.34

 加工食品事業

21,498

108.67

 冷蔵事業

16,874

104.12

 その他

46,261

102.85

合計

382,678

99.84

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

 三井物産㈱

99,099

25.86

96,619

25.25

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、顧客第一主義のもと「お客様により良い商品、サービスを提供することにより喜びと満足のある生活に貢献する」ことを経営理念としております。「安全でおいしい商品」「確実なサービス」をお客様にお届けし、お客様から支持されることによって信頼される企業グループを目指しております。そしてこれらにより利益ある成長を目指して企業価値を高めることが、社会、株主、従業員等すべてのステークホルダーの利益増大につながると認識しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、平成29年3月期からの3年間を対象とする3ヵ年中期経営計画を策定し、その最終年度である平成31年3月期において、売上高430,000百万円、営業利益30,500百万円(売上高営業利益率7.1%)、経常利益31,500百万円をそれぞれ達成することを目標としております。

 

(3)経営環境

 次期(平成30年3月期)の見通しについては、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかに回復していくことが期待されますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。

 当食品業界においては、個人消費は持ち直しの動きが見られるものの、消費者の生活防衛意識や低価格志向が続く中で、市場環境は引き続き厳しい状況にあります。また、食の安全・安心等企業の社会的責任がますます求められていくものと考えております。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題

 平成29年3月期からの3ヵ年中期経営計画において、4つの基本戦略を定め、持続可能な企業価値向上への取組みを実施してまいります。

 

① カテゴリーNo.1商品の育成

・ロングセラー商品の弛まぬ改善

 将来にわたりお客様に満足感を提供し続けるため、継続的な品質向上・改善を行う。

・新たなる食文化の創造

 今までにない感動・品質を実現する新商品発売等、食による快適な生活を提供する。

・カテゴリー別、エリア別戦略の実行

 食に対する多様なニーズに適応した、商品戦略・エリア戦略により、シェアアップを図る。

② 海外展開の加速

・アメリカ、メキシコでの持続的成長

 外部環境変化に適応した新たな施策を実行し、市場拡大を図る。

・中南米での即席麺事業拡大加速

 各国別の商品戦略・プロモーションを実行し、市場開拓を進める。

・インドでの即席麺事業開始

 現地生産体制による、差別化商品の開発・発売を開始する。

③ 事業の選択と集中と連携

・伸長カテゴリーへの積極的な設備投資

 国内外での競争力を維持・強化するため、生産体制の再構築を進める。

・低収益カテゴリーの見直し

 付加価値商品の開発などの売上拡大策とともに、原価低減や生産性向上に取組む。

・グループシナジー創出への取組み

 食に関する幅広い事業を行う強みを高めるため、グループ全体最適に繋がる取組みを進める。

④ 経営基盤の進化

・組織力、人材力の強化

 品質保証体制強化、ガバナンス向上、ダイバーシティ・CSR活動推進に優先的に取組む。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況

 当社グループは、加工食品を中心とした食品製造販売業を営んでおります。そのため、家畜伝染病、残留農薬問題等の食品に係る諸問題の発生が、輸入量の減少、仕入価格の高騰、消費の低迷等を引き起こし売上高等に影響を与える可能性があります。当社グループは消費者の不信を取り除き、安心して購入していただけるようにISOの認証取得及び製品情報管理システムの構築等を積極的に推進するとともに、より一層の原材料等の管理体制の強化を図っておりますが、自然又は人為的な諸問題により影響を受ける可能性があります。

 また、食品業界全体が、依然として商品単価の変動が続き、販売競争がますます厳しくなっております。このような厳しい販売競争に対応するために、当社グループは、生産・物流体制の再構築を進め、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進しておりますが、所得の伸び悩み等から消費者心理の低迷等消費動向に影響を受ける可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動

 当社グループの中には北米の連結子会社があり、特にマルチャン,INC.は連結売上高に占める割合が10%を超える重要な連結子会社であります。また、水産食品事業においては海外の連結子会社をはじめ輸出入取引を行っております。

 このような中、輸出入取引においては為替レートの変動によるリスクをヘッジすることを目的として、為替予約等を行い為替の変動による影響を最小限にしております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合には当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼします。

 また、当社グループは連結財務諸表作成のため決算日の直物為替相場により円貨に換算しており、期初に想定した為替レートに対する変動が当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼします。

 

(3) 市場環境

 当社グループの事業の中心となっている国内即席麺事業等において、特に即席麺類の分野では業界全体で年間何百種類という新製品が販売されており、商品サイクルが非常に短い状況となっております。このような状況下で、当社グループにおいても消費者の健康志向の高まり等消費者ニーズにあった製品開発に注力しております。

 当社グループが業界や消費者ニーズの変化を十分に予測できず、消費者に受け入れられる魅力ある新製品の開発ができない場合には、将来の成長と収益性を低下させる可能性があります。

 

(4) 販売価格

 当社グループの国内即席麺事業等においては、末端の小売価格の変動に伴い、当社グループの卸売価格が影響を受けることがあります。また、各分野におけるシェアの確保等販売競争の厳しさが増す中で、値引リベート、特売費等の販売促進費が増加し、収益を圧迫する要因となっております。既存競合先間の提携等により市場におけるシェアが大きく変動するようなことが起これば、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの水産食品事業は、漁獲量等により市場価格が変動し、これが販売価格にも影響を与え、これにより当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。また、国内即席麺事業等の一部の原材料(小麦粉、米等)も同様に収穫高等による市場価格の変動の影響を受け、これが製造コストに影響し、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製品事故

 当社グループは、ISOの認証取得、製品情報管理システムの構築、トレサビリティ管理等安全な食品作りに積極的に取り組んでおりますが、原材料の腐敗や農薬等の問題、製造工程での異物の混入、アレルゲン問題、流通段階での破袋等によるカビの発生等、製品事故が発生する可能性があります。当社グループにおいてもこれら製品事故を未然に防ぐための設備の充実、管理体制の強化等を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。そのため製造物責任賠償保険等にも加入しております。

 万が一製造物責任賠償につながるような大規模な製品事故が発生した場合には、製品回収等多額のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、それによる売上高の減少等当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の海外での委託製造

 当社グループの水産食品及び冷凍食品類の一部の製品において、海外の会社に製造を委託し、製品を仕入れております。その際に各製造委託会社が所在する国により、食品衛生等に関する法的基準の相違、食品衛生に対する意識の違いから、日本における食品衛生等の法的基準に適合しない農薬等の薬品使用等による製品事故が発生する可能性があります。また、当社グループにおいてもこれらを未然に防ぐために日本の基準の教育・指導の徹底、現地での立会い及び製品検査等の強化を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。

 日本の食品衛生等に関する法的基準に適合しない製品が発生した場合には、製品回収及び廃棄処理等の多額のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、それによる売上高の減少等当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 天候及び自然災害の影響

 当社グループの販売する製品には猛暑、冷夏、暖冬等の天候により売上高に影響を受けるものがあります。また、製造拠点における大規模な地震や台風等の自然災害により生産設備に損害を被った場合、並びに、それらに起因する電力供給量の低下等のインフラ使用制限等の影響を受けた場合、操業中断による製造能力低下に伴う売上高の減少、設備の修復費用の増加等により当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報システム

 当社グループでは適切なシステム管理体制をとっております。当社グループではコンピュータウイルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、予測不能のウイルスの侵入、情報システムへの不正アクセス及び運用上のトラブル等により情報システムに障害が発生する可能性があります。その場合、顧客対応に支障をきたし、それに伴う費用発生等により当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 公的規制

 当社グループは各事業活動において食品衛生、食品規格、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、環境、リサイクル関連等の法規制の適用を受けており、当社グループはこれら規制を遵守しております。不測の事態でこれら規制を遵守することが出来なかった場合、事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成26年3月31日付で当社と味の素株式会社にて締結したナイジェリアにおける即席麺事業会社設立(マルちゃん味の素ナイジェリア社)の合弁事業契約について、平成28年10月14日付で解消いたしました。

 

6【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、当社研究開発機構を軸として、グループ各社の研究開発部門と連携し、多様化する消費者の嗜好や時代のニーズに合った食品の開発を目的として研究開発に取り組んでおります。

 最近の消費者の傾向として、よりこだわりを持った品質機能を商品に求めており、これらの商品の開発に力を入れるとともに、近年の健康志向の高まりに対応した商品の開発にも注力しております。

 当連結会計年度においては、消費者の食品に対する「安全・安心」への意識がより一層高まる中、当社グループは「安全・安心」を第一に、素材本来のうまさを引き出すことにこだわりを持って商品開発を行ってまいりました。

 研究開発活動の主な内容は、次のとおりであります。

 

 水産食品事業は、主にコンビニエンスストア向け商品、量販店向け商品を中心に開発を行いました。おにぎり用やお弁当用の具材並びに業務用具材などの開発を行い、当社独自の技術で特徴を持った商品化を通して差別化を図り、炙りたらこ、炙り辛子明太子、鮭フレークなどの商品を発売しました。

 海外即席麺事業は、主力製品である即席麺においてアジア系フレーバーの商品や、近年の健康志向の高まりを受けた減塩製品の拡充を図りました。また、新たなる食文化を創造する新形態、高付加価値商品への参入へ向け開発を進めました。

 国内即席麺事業は、「日々がんばっている若者を、“食”で応援したい。」そんな気持ちを込めて、新しい縦型カップ麺「MARUCHAN QTTA」を3月に新発売いたしました。しっかりとした食べ応えがあり、食べた後には「はぁ~、食った」と、ホッと一息入れて前向きな気持ちになれるカップ麺を目指しています。また、近年の健康志向の高まりを受け、塩分オフシリーズを通年発売商品として展開しています。8月にはうまいつゆシリーズとして、「塩分オフきつねうどん」、「同 天ぷらそば」を発売し、品揃えの充実を図りました。

 低温食品事業は、チルド麺では、「ニッポンのうまい!ラーメンプロジェクト」として、「佐野らーめん」、「信州王様中華そば」、「名古屋台湾ラーメン」、「広島汁なし担担麺」を新発売し、活性化を図りました。また、健康志向の高まりを受けて、「レンジで麺上手食塩ゼロうどん」、食塩を25%カットした「昔ながらの中華そばだし香る和風しょうゆ味」、「糖質30%カット北海道小麦使用中華麺1食入り」を発売しました。冷凍食品では、市販用冷凍調理麺として、汁なしラーメンの「珍々亭油そば」を発売し、販売が好調に推移しました。

 加工食品事業は、米飯では、1日に必要な食物繊維摂取量の3分の1が入った「玄米と麦のぞうすい豆入り」、「同 きのこ入り」、「同 ひじき入り」、「同 鯛入り」、「同 たけのこ入り」や、やわらかな食感で食べやすい「麦ごはん」を新発売しました。フリーズドライでは、スープに浸してほぐすだけで使用できる簡便性のある商品「これは便利!ラーメンの具ピリ辛担担味」を新発売しました。魚肉練り製品では、「フィッシュハンバーグ」、「えびハンバーグ」、「北海道産チーズ入りハンバーグ」を油をひかずにそのまま焼ける簡単で便利な商品にリニューアル発売いたしました。また、スモークチーズを使用したおつまみかまぼことして、「スモークチーズかまぼこペッパー&ガーリック」、「同 チョリソー風」を新発売しました。調味料では、従来のおいしさをそのままに塩分を控えめにした「塩分25%カットからだにやさしい焼豚チャーハンの素」、「同 五目チャーハンの素」を新発売しました。また、1人~3人までの少人数でも便利な固形鍋つゆの素の「お鍋にポン」シリーズに新たに「鶏だし味噌鍋つゆ」を発売し、ラインナップの充実を図りました。

 

 当連結会計年度における研究開発費は1,551百万円であります。なお、研究開発費については、セグメント別に関連付けることが困難であるため、その総額を記載しております。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

 当社グループの総資産は361,074百万円で、前連結会計年度に比べ15,677百万円(4.5%)増加しました。当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

① 流動資産

 流動資産は、前連結会計年度に比べ10,225百万円(5.5%)増加し、197,314百万円となりました。これは主に、現金及び預金が4,644百万円、受取手形及び売掛金が1,415百万円、有価証券が4,000百万円増加したことによるものであります。

② 固定資産

固定資産は、前連結会計年度に比べ5,452百万円(3.4%)増加し、163,760百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が3,929百万円減少しましたが、建物及び構築物が5,312百万円、機械装置及び運搬具が3,217百万円、投資有価証券が1,584百万円増加したことによるものであります。

③ 流動負債

流動負債は、前連結会計年度に比べ270百万円(0.5%)減少し、50,219百万円となりました。これは主に、未払法人税等が446百万円減少したことによるものであります。

④ 固定負債

 固定負債は、前連結会計年度に比べ352百万円(1.2%)増加し、29,060百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が294百万円増加したことによるものであります。

⑤ 純資産

純資産は、前連結会計年度に比べ15,595百万円(5.9%)増加し、281,795百万円となりました。これは主に、利益剰余金が14,709百万円、その他有価証券評価差額金が931百万円増加したことによるものであります。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に改善の遅れも見られるものの、緩やかな回復基調が続いておりますが、アジア新興国を中心とした経済成長の減速や英国のEU離脱問題等により海外経済の不確実性が高まり、依然として景気の先行きは不透明な状態が続いております。

 当食品業界においては、少子高齢化や単身世帯の増加傾向の影響を受け、コンビニエンスストアを含めて弁当・惣菜の需要が拡大するなど、消費者の食行動や購買行動に変化がみられています。また、消費者の食の安全面に対する意識はより一段と高まり、当業界は今まで以上に品質管理の強化への対応、環境問題への対応等企業の社会的責任がますます求められております。

 このような経済環境下、当連結会計年度の業績は、売上高は382,678百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は29,486百万円(前年同期比4.1%増)、経常利益は31,147百万円(前年同期比5.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,837百万円(前年同期比13.5%増)となりました。

② 為替変動の影響

 前連結会計年度からの為替レートの変動により、当連結会計年度の売上高は279百万円の減少、営業利益は35百万円の減少と試算されます。ただし、この試算は、当連結会計年度の外貨建の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を前連結会計年度末の直物為替相場により円貨に換算して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格の変更の影響は考慮されておりません。

③ 売上高

 連結売上高は、前連結会計年度に比べ0.2%減収の382,678百万円となりました。これは主に、国内即席麺事業、加工食品事業等は増収となりましたが、海外即席麺事業等が減収となったことによります。

④ 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、原材料価格が安定してきたことにより、前連結会計年度に比べ1.2%減少し、237,692百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、販売促進費が増加したこと等から前連結会計年度に比べ0.9%増加し、115,499百万円となりました。

⑤ 営業利益

 営業利益は、上記のとおり、売上原価が減少した結果、前連結会計年度に比べ4.1%増益の29,486百万円となりました。

⑥ 営業外損益

 営業外収益は、受取利息が増加したこと等から前連結会計年度に比べ20.4%増加し、2,561百万円となりました。

 営業外費用は、為替差損が減少したこと等から前連結会計年度に比べ5.4%減少し、900百万円となりました。

⑦ 特別損益

 特別利益は、固定資産売却益が減少しましたが、補助金収入が増加したこと等から前連結会計年度に比べ36.7%増加し、1,479百万円となりました。

 特別損失は、固定資産除売却損が増加したこと等から前連結会計年度に比べ22.6%増加し、2,163百万円となりました。

⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ13.5%増益の20,837百万円となりました。

 これにより、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の179.81円に対し、当連結会計年度は204.03円となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。