第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、顧客第一主義のもと「お客様により良い商品、サービスを提供することにより喜びと満足のある生活に貢献する」ことを経営理念としております。「安全でおいしい商品」「確実なサービス」をお客様にお届けし、お客様から支持されることによって信頼される企業グループを目指しております。そしてこれらにより利益ある成長を目指して企業価値を高めることが、社会、株主、従業員等すべてのステークホルダーの利益増大につながると認識しております。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、安定した財務基盤確立のため、連結経常利益の増加を図ることを第一として考えております。業務改革による生産性向上やコスト削減、高付加価値商品の開発、キャッシュ・フロー経営の重視を徹底してまいります。

 

(3) 経営環境

 次期(平成31年3月期)の見通しについては、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかに回復していくことが期待されますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。

 当食品業界においては、個人消費は持ち直しの動きが見られるものの、消費者の生活防衛意識や低価格志向が続く中で、市場環境は引き続き厳しい状況にあります。また、食の安全・安心等企業の社会的責任がますます求められていくものと考えております。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題

 平成29年3月期からの3ヵ年中期経営計画において、4つの基本戦略を定め、持続可能な企業価値向上への取組みを実施してまいります。

 

① カテゴリーNo.1商品の育成

・ロングセラー商品の弛まぬ改善

 将来にわたりお客様に満足感を提供し続けるため、継続的な品質向上・改善を行う。

・新たなる食文化の創造

 今までにない感動・品質を実現する新商品発売等、食による快適な生活を提供する。

・カテゴリー別、エリア別戦略の実行

 食に対する多様なニーズに適応した、商品戦略・エリア戦略により、シェアアップを図る。

② 海外展開の加速

・アメリカ、メキシコでの持続的成長

 外部環境変化に適応した新たな施策を実行し、市場拡大を図る。

・中南米での即席麺事業拡大加速

 各国別の商品戦略・プロモーションを実行し、市場開拓を進める。

・インドでの即席麺事業開始

 現地生産体制による、差別化商品の開発・発売を開始する。

③ 事業の選択と集中と連携

・伸長カテゴリーへの積極的な設備投資

 国内外での競争力を維持・強化するため、生産体制の再構築を進める。

・低収益カテゴリーの見直し

 付加価値商品の開発などの売上拡大策とともに、原価低減や生産性向上に取組む。

・グループシナジー創出への取組み

 食に関する幅広い事業を行う強みを高めるため、グループ全体最適に繋がる取組みを進める。

④ 経営基盤の進化

・組織力、人材力の強化

 品質保証体制強化、ガバナンス向上、ダイバーシティ・CSR活動推進に優先的に取組む。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況

 当社グループは、加工食品を中心とした食品製造販売業を営んでおります。そのため、家畜伝染病、残留農薬問題等の食品に係る諸問題の発生が、輸入量の減少、仕入価格の高騰、消費の低迷等を引き起こし売上高等に影響を与える可能性があります。当社グループは消費者の不信を取り除き、安心して購入していただけるようにISOの認証取得及び製品情報管理システムの構築等を積極的に推進するとともに、より一層の原材料等の管理体制の強化を図っておりますが、自然又は人為的な諸問題により影響を受ける可能性があります。

 また、食品業界全体が、依然として商品単価の変動が続き、販売競争がますます厳しくなっております。このような厳しい販売競争に対応するために、当社グループは、生産・物流体制の再構築を進め、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進しておりますが、所得の伸び悩み等から消費者心理の低迷等消費動向に影響を受ける可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動

 当社グループの中には北米の連結子会社があり、特にマルチャン,INC.は連結売上高に占める割合が10%を超える重要な連結子会社であります。また、水産食品事業においては海外の連結子会社をはじめ輸出入取引を行っております。

 このような中、輸出入取引においては為替レートの変動によるリスクをヘッジすることを目的として、為替予約等を行い為替の変動による影響を最小限にしております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合には当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼします。

 また、当社グループは連結財務諸表作成のため連結決算日の直物為替相場により円貨に換算しており、期初に想定した為替レートに対する変動が当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼします。

 

(3) 市場環境

 当社グループの事業の中心となっている国内即席麺事業等において、特に即席麺類の分野では業界全体で年間何百種類という新製品が発売されており、商品サイクルが非常に短い状況となっております。このような状況下で、当社グループにおいても消費者の健康志向の高まり等消費者ニーズにあった製品開発に注力しております。

 当社グループが業界や消費者ニーズの変化を十分に予測できず、消費者に受け入れられる魅力ある新製品の開発ができない場合には、将来の成長と収益性を低下させる可能性があります。

 

(4) 販売価格

 当社グループの国内即席麺事業等においては、末端の小売価格の変動に伴い、当社グループの卸売価格が影響を受けることがあります。また、各分野におけるシェアの確保等販売競争の厳しさが増す中で、値引リベート、特売費等の販売促進費が増加し、収益を圧迫する要因となっております。既存競合先間の提携等により市場におけるシェアが大きく変動するようなことが起これば、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの水産食品事業は、漁獲量等により市場価格が変動し、これが販売価格にも影響を与え、これにより当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。また、国内即席麺事業等の一部の原材料(小麦粉、米等)も同様に収穫高等による市場価格の変動の影響を受け、これが製造コストに影響し、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製品事故

 当社グループは、ISOの認証取得、製品情報管理システムの構築、トレサビリティ管理等安全な食品作りに積極的に取り組んでおりますが、原材料の腐敗や農薬等の問題、製造工程での異物の混入、アレルゲン問題、流通段階での破袋等によるカビの発生等、製品事故が発生する可能性があります。当社グループにおいてもこれら製品事故を未然に防ぐための設備の充実、管理体制の強化等を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。そのため製造物責任賠償保険等にも加入しております。

 万が一製造物責任賠償につながるような大規模な製品事故が発生した場合には、製品回収等多額のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、それによる売上高の減少等当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の海外での委託製造

 当社グループの水産食品及び冷凍食品類の一部の製品において、海外の会社に製造を委託し、製品を仕入れております。その際に各製造委託会社が所在する国により、食品衛生等に関する法的基準の相違、食品衛生に対する意識の違いから、日本における食品衛生等の法的基準に適合しない農薬等の薬品使用等による製品事故が発生する可能性があります。また、当社グループにおいてもこれらを未然に防ぐために日本の基準の教育・指導の徹底、現地での立会い及び製品検査等の強化を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。

 日本の食品衛生等に関する法的基準に適合しない製品が発生した場合には、製品回収及び廃棄処理等の多額のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、それによる売上高の減少等当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 天候及び自然災害の影響

 当社グループの販売する製品には猛暑、冷夏、暖冬等の天候により売上高に影響を受けるものがあります。また、製造拠点における大規模な地震や台風等の自然災害により生産設備に損害を被った場合、並びに、それらに起因する電力供給量の低下等のインフラ使用制限等の影響を受けた場合、操業中断による製造能力低下に伴う売上高の減少、設備の修復費用の増加等により当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報システム

 当社グループでは適切なシステム管理体制をとっております。当社グループではコンピュータウイルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、予測不能のウイルスの侵入、情報システムへの不正アクセス及び運用上のトラブル等により情報システムに障害が発生する可能性があります。その場合、顧客対応に支障をきたし、それに伴う費用発生等により当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 公的規制

 当社グループは各事業活動において食品衛生、食品規格、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、環境、リサイクル関連等の法規制の適用を受けており、当社グループはこれら規制を遵守しております。不測の事態でこれら規制を遵守することが出来なかった場合、事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移しましたが、アジア新興国を中心とした経済成長の減速等により海外経済の不確実性が高まり、依然として景気の先行きは不透明な状態が続いております。

 当食品業界においては、少子高齢化や単身世帯の増加傾向の影響を受け、コンビニエンスストアを含めて弁当・惣菜の需要が拡大する等、消費者の食行動や購買行動に変化がみられています。また、消費者の食の安全面に対する意識はより一段と高まり、当業界は今まで以上に品質管理の強化への対応、環境問題への対応等企業の社会的責任がますます求められております。

 このような状況の中、当社グループは「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で「食を通じて社会に貢献する」「お客様に安全で安心な食品とサービスを提供する」ことを責務と考え取組むとともに、厳しい販売競争に対応するため、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進してまいりました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は388,797百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は26,652百万円(前年同期比9.6%減)、経常利益は28,571百万円(前年同期比8.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18,431百万円(前年同期比11.5%減)となりました。

 なお、当連結会計年度の為替換算レートは106.25円/米ドル(前連結会計年度は、112.19円/米ドル)であります。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① 水産食品事業

 水産食品事業は、漁獲量減少や国内市場の競争激化に伴い環境が厳しさを増す中、各取引先への営業強化と仕入政策の見直しに取組みました。更に、商品力のある魚卵、鮭鱒製品を中心に販売が好調に推移したことにより、増収となりました。その結果、売上高は32,021百万円(前年同期比1.9%増)、セグメント利益は、原材料価格が高騰する中、適正価格での販売に努めたことにより、288百万円(前年同期比51.4%増)となりました。

② 海外即席麺事業

 海外即席麺事業は、米国では各取引先との取組み強化として、大陳企画、クーポン企画等を積極的に実施したことにより増収となりました。メキシコでは問屋ルートの受注が順調に進んだことや大手量販店における特売実施により増収となりました。その結果、円高の影響を受けた中で、売上高は73,048百万円(前年同期比0.0%増)、セグメント利益は、人件費や運賃の増加等により、9,976百万円(前年同期比15.5%減)となりました。

③ 国内即席麺事業

 国内即席麺事業は、カップ麺では主力商品の「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」「ごつ盛り」及び発売25周年を機にリニューアルを実施した「麺づくり」等が好調に推移するとともに、平成29年3月に発売した「MARUCHAN QTTA」も順調に推移し、増収となりました。袋麺では市場全体が厳しい環境の中、「マルちゃん正麺」シリーズでは新フレーバーの発売や消費者キャンペーンの実施等需要喚起に努めましたが、減収となりました。その結果、売上高は129,008百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は、宣伝費や減価償却費の増加等により、8,311百万円(前年同期比17.3%減)となりました。

④ 低温食品事業

 低温食品事業は、生麺では主力商品の「マルちゃん焼そば3人前」シリーズは前年並みとなりましたが、平成29年2月に発売した2食入り焼そば「マルちゃん焼そば極み太麺」シリーズが順調に推移したほか、2食入り生ラーメンの新商品「コクの一滴」シリーズの導入も進み、増収となりました。チルド食品では「マルちゃん焼そばシュウマイ」や「マルちゃんスープワンタン」、新発売した「マルちゃん焼そばギョウザ」が好調に推移しました。冷凍食品では新商品を投入した「ライスバーガー」や「珍々亭油そば」が好調に推移し、増収となりました。その結果、売上高は68,626百万円(前年同期比1.6%増)、セグメント利益は5,271百万円(前年同期比6.6%増)となりました。

⑤ 加工食品事業

 加工食品事業は、米飯では玄米ごはん等のレトルト米飯が好調に推移しましたが、製造工場における生産能力の増強が完了する間の安定供給のために、一時的な販売調整を実施した影響により減収となりました。フリーズドライ製品では新規導入店舗の拡大、新商品の発売により増収となりました。その結果、売上高は21,329百万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は、新工場稼動に伴う減価償却費等の増加により、133百万円(前年同期比81.6%減)となりました。

 

⑥ 冷蔵事業

 冷蔵事業は、積極的に新規顧客の獲得を進めるとともに、既存顧客との取組み強化にも努め、更に、運送・通関サービスの強化も図ったことにより増収となりました。その結果、売上高は17,656百万円(前年同期比4.6%増)、セグメント利益は、運賃や保管料等が増加しましたが、業務効率化による経費削減が寄与し、2,034百万円(前年同期比20.6%増)となりました。

⑦ その他

 その他は、主に弁当・惣菜事業であります。売上高は47,106百万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益は1,173百万円(前年同期比10.8%増)となりました。

 

なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

 水産食品事業

9,408

113.11

 海外即席麺事業

72,310

98.40

 国内即席麺事業

101,884

103.46

 低温食品事業

44,860

103.34

 加工食品事業

22,842

102.70

 その他

40,392

100.64

合計

291,699

101.97

(注)1 金額は、販売価格によっております。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

 その他

30,978

103.12

5

355.95

合計

30,978

103.12

5

355.95

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   2 当社製品は主として見込生産によって製造されております。

   3 受注生産を行っている主な連結子会社は、㈱フレッシュダイナー、ミツワデイリー㈱、㈱シマヤであります。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

 水産食品事業

32,021

101.93

 海外即席麺事業

73,048

100.02

 国内即席麺事業

129,008

102.33

 低温食品事業

68,626

101.63

 加工食品事業

21,329

99.22

 冷蔵事業

17,656

104.63

 その他

47,106

101.83

合計

388,797

101.60

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

 三井物産㈱

96,619

25.25

99,288

25.54

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 

 当連結会計年度の財政状態の分析

 当社グループの総資産は373,483百万円で、前連結会計年度に比べ12,409百万円(3.4%)増加しました。当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

① 流動資産

 流動資産は、前連結会計年度に比べ5,100百万円(2.6%)増加し、202,414百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が3,846百万円、商品及び製品が2,603百万円増加したことによるものであります。

② 固定資産

 固定資産は、前連結会計年度に比べ7,309百万円(4.5%)増加し、171,069百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が6,518百万円、投資有価証券が1,626百万円増加したことによるものであります。

③ 流動負債

 流動負債は、前連結会計年度に比べ2,860百万円(5.7%)増加し、53,079百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,697百万円、未払費用が1,369百万円増加したことによるものであります。

④ 固定負債

 固定負債は、前連結会計年度に比べ462百万円(1.6%)増加し、29,522百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が385百万円増加したことによるものであります。

⑤ 純資産

 純資産は、前連結会計年度に比べ9,086百万円(3.2%)増加し、290,881百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が4,568百万円減少しましたが、利益剰余金が12,303百万円増加したことによるものであります。

 

 当連結会計年度の経営成績の分析

① 為替変動の影響

 前連結会計年度からの為替レートの変動により、当連結会計年度の売上高は4,083百万円の減少、営業利益は312百万円の減少と試算されます。ただし、この試算は、当連結会計年度の外貨建の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を前連結会計年度末の直物為替相場により円貨に換算して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格の変更の影響は考慮されておりません。

② 売上高

 連結売上高は、前連結会計年度に比べ1.6%増収の388,797百万円となりました。これは主に、国内即席麺事業、低温食品事業等が増収となったことによります。

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、原材料価格の高騰等の影響により、前連結会計年度に比べ1.8%増加し、241,990百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、運送費及び保管費、販売促進費が増加したこと等から前連結会計年度に比べ4.0%増加し、120,154百万円となりました。

④ 営業利益

 営業利益は、上記のとおり、売上原価が増加した結果、前連結会計年度に比べ9.6%減益の26,652百万円となりました。

⑤ 営業外損益

 営業外収益は、受取利息が増加したこと等から前連結会計年度に比べ7.4%増加し、2,751百万円となりました。

 営業外費用は、貸倒引当金繰入額が減少したこと等から前連結会計年度に比べ7.6%減少し、832百万円となりました。

⑥ 特別損益

 特別利益は、補助金収入が減少したこと等から前連結会計年度に比べ51.0%減少し、723百万円となりました。

 特別損失は、減損損失が減少したこと等から前連結会計年度に比べ7.2%減少し、2,008百万円となりました。

⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ11.5%減益の18,431百万円となりました。

 これにより、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の204.03円に対し、当連結会計年度は180.47円となりました。

 キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ2,181百万円増加し、25,409百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ4,274百万円減少し、29,370百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が減少し、売上債権が増加したことによるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ10,459百万円減少し、20,384百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加しましたが、有価証券の取得による支出が減少したことによるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ287百万円減少し、6,482百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が減少したことによるものであります。

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、平成29年3月期からの3ヵ年中期経営計画で定めた4つの基本戦略に継続して取組んでおり、主力事業でのシェアアップ、海外新規エリアでの事業開始、新たな成長に向けた設備投資の実行等いくつかの成果が得られました。しかし、利益面については、当社グループの主力事業である国内即席麺事業、海外即席麺事業、加工食品事業を中心に、販売費及び一般管理費、原材料費及び物流費の増加等の影響を受けております。そのため、平成31年3月期においては、単年度の業績目標として、売上高405,000百万円、営業利益25,500百万円、経常利益27,500百万円の達成、上乗せを目指しております。

① カテゴリーNo.1商品の育成

 国内市場は、少子高齢化や働く女性の増加、世帯人数の減少等による人や社会の変化が続く中、食を通じた社会課題の解決を目指し、「新たなる食文化の創造」に取組んでおります。

 国内即席麺事業では、個食・簡便ニーズの高まりによる市場拡大が続くカップ麺カテゴリーの販売を強化しました。ノンフライカップ麺「麺づくり」は発売25周年を機にリニューアルを実施し、縦型カップ麺市場には「MARUCHAN QTTA」を新規投入した結果、過去最高の売上高となり、市場におけるシェアも向上しました。

 低温食品事業では、世帯人数の減少等に着目した2食入り焼そば「マルちゃん焼そば極み太麺」や2食入り生ラーメンの新商品「コクの一滴」シリーズの販売を強化しました。その結果、焼そば、生ラーメンカテゴリーにおけるシェアは向上しました。今後はうどん、そばカテゴリーにおいて、水で戻すだけで食べられる「つるやか」シリーズの展開を強化します。また、チルド食品、冷凍食品カテゴリーにおいても、簡便性、健康志向、こだわり等の価値を付与した商品の投入を進めます。

 加工食品事業では、品質に対する認知度上昇や備蓄需要の増加、ライフスタイルの変化に伴い喫食機会が増加している米飯、フリーズドライカテゴリーの強化を引き続き進めます。当社グループは、市場拡大が続く両カテゴリーに対して積極的な設備投資を実施しております。フリーズドライでは、平成30年1月より甲府東洋㈱フリーズドライ工場が稼働し、米飯では、平成31年6月にフクシマフーズ㈱米飯新工場が完成予定であります。

② 海外展開の加速

 当社グループは、米国に4工場体制の製造拠点を持ち、米国国内での販売、メキシコ・中南米への輸出販売を行っております。また、平成28年11月よりインド南部チェンナイでの即席袋麺の生産を開始し、平成29年9月にはブラジルでの現地法人を設立し、海外での展開エリアの拡大を進めました。今後は米国・メキシコにおいては、市場拡大に向け、マーケティング強化、新商品投入による健康志向への対応等、新たな需要獲得に向けた取組みを進めます。インドや南米においては、将来の収益源として、地域ごとの状況を踏まえた取組みを進めます。

③ 事業の選択と集中と連携

 伸張カテゴリーへの積極的な設備投資、低収益カテゴリーの見直し、グループシナジー創出への取組みを進めております。

 伸張カテゴリーへの積極的な設備投資については、国内即席麺事業、海外即席麺事業、加工食品事業における米飯、フリーズドライ、冷蔵事業の冷蔵庫に集中した投資計画を進めております。冷蔵事業においては、積極的な設備投資の実行により、国内保管能力は約14%上昇し、60万トンを超えることになります。そのため、国内のアイスクリーム・冷凍食品需要拡大や流通の物流再編ニーズの取込みを進めます。

 低収益カテゴリーの見直しについては、水産食品事業において、取扱い魚種の絞り込み、在庫圧縮に向けた取組みにより、営業黒字が確保できる体制を整えました。

 グループシナジー創出への取組みについては、水産原材料の即席麺、加工食品への供給や国内の技術力を活かした商品の海外展開を推進します。

④ 経営基盤の進化

 当社グループは、「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で、事業を通じた「5つの笑顔」の実現を目指しております。これらは、平成27年9月に国際連合にて採決された「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方とも一致しております。「食」に関連する事業を通じ、新たな価値創造・社会課題の解決・環境保全活動に貢献していきます。

 また、平成30年8月に完成を予定している新総合研究所を起点として、今後の新商品開発、技術の深堀り、安全保証体制の強化に取組みます。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性

 4つの基本戦略の取組みにより、3ヵ年中期経営計画にて予定した3年間で約100,000百万円の営業キャッシュ・フローは、3年間で約97,000百万円と計画に近い水準となります。

 また、当社グループの3ヵ年中期経営計画にて予定した設備投資の進捗につきましては、「第3 設備の状況 2.主要な設備の状況」及び「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 なお、これらの設備投資につきましては、全て自己資金を充当する予定であります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、当社の研究開発機関である総合研究所を軸として、グループ各社の研究開発部門と連携し、多様化する消費者の嗜好や時代のニーズに合った食品の開発を目的として研究開発に取組んでおります。

 最近の消費者の傾向として、よりこだわりを持った高品質商品等を求めており、これらの商品の開発に力を入れるとともに、近年の健康志向の高まりに対応した商品の開発にも注力しております。

 当連結会計年度においては、消費者の食品に対する「安全・安心」への意識がより一層高まる中、当社グループは「安全・安心」を第一に、素材本来のうまさを引き出すことにこだわりを持って商品開発を行ってまいりました。

 研究開発活動の主な内容は、次のとおりであります。

 

 水産食品事業は、今期は主にコンビニや量販店向け商品を中心に開発を行いました。おにぎりやお弁当用の具材並びに業務用具材等の開発において、当社独自の技術を用いて特徴を持った商品による差別化を図り、エビドリア用ムキエビ、焼きたらこ、炙り辛子明太子、焼き鮭フレーク等の商品を発売しました。

 海外即席麺事業は、主力製品である即席麺において、アジア系フレーバーの商品の拡充を図りました。また、新たな食文化を創造する新形態、高付加価値商品への参入へ向け開発を進めました。

 国内即席麺事業は、発売25周年を迎えた「麺づくり」を平成29年9月にリニューアルいたしました。今回は麺の製造工程を改良することで麺の滑らかさを向上させ、「麺づくり」の特長を更に進化させました。また、減塩をテーマとした通年発売商品「うまいつゆ塩分オフ きつねうどん」、「同 天ぷらそば」が特定非営利活動法人・日本高血圧学会減塩委員会の認定「第3回JSH減塩食品アワード」金賞を受賞しました。さらに、平成29年3月に新しい縦型カップ麺として発売した「MARUCHAN QTTA」シリーズにおいて、平成30年1月に新たなスナック系のフレーバーとして「MARUCHAN QTTA バーベキューチキン味」、「同 サワークリームオニオン味」、平成30年3月に「同 CURRYラーメン」を発売し、ラインナップの充実を図りました。

 低温食品事業は、チルド麺では、水でほぐすだけで簡単に食べられ、つるつるとしてのどごしのよい麺を “つるやか”というブランド名で、「つるやか ざるそば2食入」、「同 稲庭風細うどん2食入」、「同 うどん2食入」の3品を新発売しました。また、カット野菜と細かく砕いた揚げ麺を調味料と混ぜ合わせた新感覚の「パリパリ無限キャベツのもと」、「パリパリ無限もやしのもと」を新発売し、好評をいただいております。高価格帯ラーメンでは、「コクの一滴 芳醇コク醤油」、「同 濃厚まろやか味噌」、「同 深み醤油豚骨」、「同 旨み鶏だし塩」、「同 香味担々麺」を新発売し、販売が好評に推移しました。チルド惣菜では、「マルちゃん焼そば夏限定バーベキュー味シュウマイ」、「パンプキンシュウマイ」、「期間限定ローストチキン風シュウマイ」、「期間限定しょうが焼き風シュウマイ」、「鍋用シューマイ」等の特徴あるシュウマイを期間限定で発売し、活性化を図りました。業務用冷凍麺では、健康訴求商品として、「糖質40%カット中華麺」、「糖質カットめん タリオリーニ」を新発売しました。

 加工食品事業は、米飯では、機能性関与成分として、難消化性デキストリン(食物繊維)が1食当たり5g入った「玄米と麦のぞうすい まめ入り」、「同 きのこ入り」、「同 ひじき入り」、「同 鯛入り」を当社初の機能性表示食品としてリニューアル発売しました。フリーズドライでは、平成30年1月より稼動した甲府東洋㈱フリーズドライ工場で製造する新製品として、お湯を入れて混ぜるだけで具だくさんスープができあがる「朝の満足スープ 豆と雑穀3P」、「同 根菜と生姜3P」、「同 トマト酸辣湯3P」を新発売しました。調味料では、ごはんを豆腐に置き換えることでしっかり食べても糖質摂取量を減らすことができるをコンセプトに、「豆腐とつくる炒めごはんの素 醤油バター味」、「同 麻婆味」を新発売しました。

 

 当連結会計年度における研究開発費は1,486百万円であります。なお、研究開発費については、セグメント別に関連付けることが困難であるため、その総額を記載しております。