第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、顧客第一主義のもと「お客様により良い商品、サービスを提供することにより喜びと満足のある生活に貢献する」ことを経営理念としております。「安全でおいしい商品」「確実なサービス」をお客様にお届けし、お客様から支持されることによって信頼される企業グループを目指しております。そしてこれらにより利益ある成長を目指して企業価値を高めることが、社会、株主、従業員等すべてのステークホルダーの利益増大につながると認識しております。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、安定した財務基盤確立のため、連結経常利益の増加を図ることを第一として考えております。業務改革による生産性向上やコスト削減、高付加価値商品の開発、キャッシュ・フロー経営の重視を徹底してまいります。

 

(3) 経営環境

 次期(2020年3月期)の見通しについては、輸出や生産の一部に弱さがみられるものの、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかに回復していくことが期待されますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。

 当食品業界におきましては、個人消費は持ち直しの動きが見られるものの、消費者の生活防衛意識や低価格志向が続く中で、市場環境は引き続き厳しい状況にあります。また、食の安全・安心等企業の社会的責任がますます求められていくものと考えております。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題

 2020年3月期からの3ヵ年中期経営計画において、3つの基本戦略を定め、持続可能な企業価値向上への取組みを実施してまいります。

 

① 需要を引き出す新たな価値創造

・既存ブランドの弛まぬ進化による価値の拡大

・既存事業の連携による新たな価値の創造

・技術開発と社会課題分析の融合による新たな価値の創造

・新規事業への進出による価値の上乗せ

 

② 海外展開の深化

・米国・メキシコにおける新たな食文化の提案

・中南米における物流増加と生産体制再編による稼ぐ力の改善

・インド事業の現地への更なる浸透と安定成長サイクルの構築

 

③ 経営基盤の強化

・安全・安心の更なる向上

・自動化推進・労働生産性の向上

・バリューチェーンの効率化

・健康経営の推進を軸にした組織・人材の活性化への取り組み

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況

 当社グループは、加工食品を中心とした食品製造販売業を営んでおります。そのため、家畜伝染病、残留農薬問題等の食品に係る諸問題の発生が、輸入量の減少、仕入価格の高騰、消費の低迷等を引き起こし売上高等に影響を与える可能性があります。当社グループは消費者の不信を取り除き、安心して購入していただけるようにISOの認証取得及び製品情報管理システムの構築等を積極的に推進するとともに、より一層の原材料等の管理体制の強化を図っておりますが、自然又は人為的な諸問題により影響を受ける可能性があります。

 また、食品業界全体が、依然として商品単価の変動が続き、販売競争がますます厳しくなっております。このような厳しい販売競争に対応するために、当社グループは、生産・物流体制の再構築を進め、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進しておりますが、所得の伸び悩み等から消費者心理の低迷等消費動向に影響を受ける可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動

 当社グループの中には北米の連結子会社があり、特にマルチャン,INC.は連結売上高に占める割合が10%を超える重要な連結子会社であります。また、水産食品事業においては海外の連結子会社をはじめ輸出入取引を行っております。

 このような中、輸出入取引においては為替レートの変動によるリスクをヘッジすることを目的として、為替予約等を行い為替の変動による影響を最小限にしております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合には当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼします。

 また、当社グループは連結財務諸表作成のため連結決算日の直物為替相場により円貨に換算しており、期初に想定した為替レートに対する変動が当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼします。

 

(3) 市場環境

 当社グループの事業の中心となっている国内即席麺事業等において、特に即席麺類の分野では業界全体で年間何百種類という新製品が発売されており、商品サイクルが非常に短い状況となっております。このような状況下で、当社グループにおいても消費者の健康志向の高まり等消費者ニーズにあった製品開発に注力しております。

 当社グループが業界や消費者ニーズの変化を十分に予測できず、消費者に受け入れられる魅力ある新製品の開発ができない場合には、将来の成長と収益性を低下させる可能性があります。

 

(4) 販売価格

 当社グループの国内即席麺事業等においては、末端の小売価格の変動に伴い、当社グループの卸売価格が影響を受けることがあります。また、各分野におけるシェアの確保等販売競争の厳しさが増す中で、値引リベート、特売費等の販売促進費が増加し、収益を圧迫する要因となっております。既存競合先間の提携等により市場におけるシェアが大きく変動するようなことが起これば、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの水産食品事業は、漁獲量等により市場価格が変動し、これが販売価格にも影響を与え、これにより当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。また、国内即席麺事業等の一部の原材料(小麦粉、米等)も同様に収穫高等による市場価格の変動の影響を受け、これが製造コストに影響し、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製品事故

 当社グループは、ISOの認証取得、製品情報管理システムの構築、トレサビリティ管理等安全な食品作りに積極的に取り組んでおりますが、原材料の腐敗や農薬等の問題、製造工程での異物の混入、アレルゲン問題、流通段階での破袋等によるカビの発生等、製品事故が発生する可能性があります。当社グループにおいてもこれら製品事故を未然に防ぐための設備の充実、管理体制の強化等を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。そのため製造物責任賠償保険等にも加入しております。

 万が一製造物責任賠償につながるような大規模な製品事故が発生した場合には、製品回収等多額のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、それによる売上高の減少等当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の海外での委託製造

 当社グループの水産食品及び冷凍食品類の一部の製品において、海外の会社に製造を委託し、製品を仕入れております。その際に各製造委託会社が所在する国により、食品衛生等に関する法的基準の相違、食品衛生に対する意識の違いから、日本における食品衛生等の法的基準に適合しない農薬等の薬品使用等による製品事故が発生する可能性があります。また、当社グループにおいてもこれらを未然に防ぐために日本の基準の教育・指導の徹底、現地での立会い及び製品検査等の強化を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。

 日本の食品衛生等に関する法的基準に適合しない製品が発生した場合には、製品回収及び廃棄処理等の多額のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、それによる売上高の減少等当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 天候及び自然災害の影響

 当社グループの販売する製品には猛暑、冷夏、暖冬等の天候により売上高に影響を受けるものがあります。また、製造拠点における大規模な地震や台風等の自然災害により生産設備に損害を被った場合、並びに、それらに起因する電力供給量の低下等のインフラ使用制限等の影響を受けた場合、操業中断による製造能力低下に伴う売上高の減少、設備の修復費用の増加等により当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報システム

 当社グループでは適切なシステム管理体制をとっております。当社グループではコンピュータウイルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、予測不能のウイルスの侵入、情報システムへの不正アクセス及び運用上のトラブル等により情報システムに障害が発生する可能性があります。その場合、顧客対応に支障をきたし、それに伴う費用発生等により当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 公的規制

 当社グループは各事業活動において食品衛生、食品規格、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、環境、リサイクル関連等の法規制の適用を受けており、当社グループはこれら規制を遵守しております。不測の事態でこれら規制を遵守することが出来なかった場合、事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

(1) 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産の一部に弱さがみられるものの、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しましたが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や海外経済の不確実性、金融資本市場の変動により景気が下振れするリスクも依然として存在しております。

 当食品業界においては、少子高齢化や単身世帯の増加傾向の影響を受け、コンビニエンスストアを含めて弁当・惣菜の需要が拡大する等、消費者の食行動や購買行動に変化がみられています。また、消費者の食の安全面に対する意識はより一段と高まり、当業界は今まで以上に品質管理の強化への対応、環境問題への対応等企業の社会的責任がますます求められております。

 このような状況の中、当社グループは「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で「食を通じて社会に貢献する」「お客様に安全で安心な食品とサービスを提供する」ことを責務と考え取組むとともに、厳しい販売競争に対応するため、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進してまいりました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は401,064百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は23,661百万円(前年同期比11.2%減)、経常利益は26,169百万円(前年同期比8.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18,438百万円(前年同期比0.0%増)となりました。

 なお、当連結会計年度の為替換算レートは111.00円/米ドル(前連結会計年度は、106.25円/米ドル)であります。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① 水産食品事業

 水産食品事業は、主力商品の鮭鱒等における継続的な魚価高騰や国内外の近海魚の漁獲不良による魚価高騰が見られる中、適正価格での販売に努めましたが、競争の激化もあり販売数量が減少しました。その結果、売上高は29,998百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益は158百万円(前年同期比45.2%減)となりました。

② 海外即席麺事業

 海外即席麺事業は、米国では新学期セールや大陳企画等の店頭販促の強化、SNS等を活用したマーケティング活動の強化により、主力商品の袋麺「Ramen」シリーズ、カップ麺「Instant Lunch」シリーズが好調に推移したことに加え、新フレーバーを積極投入した「Yakisoba」シリーズ、主力量販店で導入が増えた「Bowl」シリーズも上乗せとなり、増収となりました。メキシコでは現地通貨の為替レートが安定して推移する中、主力商品であるカップ麺が好調に推移し、増収となりました。その結果、売上高は83,786百万円(前年同期比14.7%増)、セグメント利益は、販売数量の増加、販促費の抑制等の増益要因はありましたが、原材料費や人件費、物流費の増加により9,582百万円(前年同期比3.9%減)となりました。

③ 国内即席麺事業

 国内即席麺事業は、カップ麺では発売40周年記念のプロモーションを実施した「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」等の和風シリーズに加え、新商品を発売した「MARUCHAN QTTA」シリーズや「ごつ盛り」シリーズの拡販に努めた結果、ほぼ前年並みで推移しました。袋麺では「マルちゃん正麺」シリーズで新フレーバーを投入する等需要喚起に努めましたが、減収となりました。その結果、売上高は127,570百万円(前年同期比1.1%減)、セグメント利益は、物流費、原材料費等の増加により7,860百万円(前年同期比5.4%減)となりました。

④ 低温食品事業

 低温食品事業は、生麺では主力商品の「マルちゃん焼そば3人前」シリーズが堅調に推移したことに加え、野菜がおいしく食べられる新商品「パリパリ無限」シリーズ、水でほぐすだけの新商品「つるやか」シリーズ、前年度に立ち上げた「コクの一滴」シリーズが大きく伸長したことにより増収となりました。チルド・冷凍食品類ではコラボレート商品や期間限定商品等の新商品、市販用の「冷凍麺焼そば」が好調に推移しました。その結果、売上高は69,189百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント利益は、原材料費等の増加により4,543百万円(前年同期比13.8%減)となりました。

⑤ 加工食品事業

 加工食品事業は、米飯やフリーズドライ製品ではライフスタイルの変化に伴う喫食機会の増加によって市場が拡大する中、新工場稼働により生産能力の向上を実現しました。このような中、新商品の発売や既存商品リニューアル、消費者キャンペーンを実施する等積極的に販促活動を行ったことにより増収となりました。その結果、売上高は22,667百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント損失は、新工場稼働に伴う減価償却費等の増加により977百万円(前年同期はセグメント利益133百万円)となりました。

⑥ 冷蔵事業

 冷蔵事業は、2018年3月に操業を開始した平和島冷蔵庫が順調に稼働していることに加え、積極的な営業活動により、新規及び既存顧客に対する冷凍食品を中心とした取扱いや通関・運送等の付帯業務の取扱いが堅調に推移しました。その結果、売上高は18,463百万円(前年同期比4.6%増)、セグメント利益は、2019年1月に稼働した埼玉杉戸物流センター及び神戸物流センターに伴う減価償却費等の増加により1,609百万円(前年同期比20.9%減)となりました。

⑦ その他

 その他は、主に弁当・惣菜事業であります。売上高は49,388百万円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益は1,484百万円(前年同期比26.5%増)となりました。

 

 また、当連結会計年度における経営成績の状況とそれらの要因は次のとおりであります。

① 為替変動の影響

 前連結会計年度からの為替レートの変動により、当連結会計年度の売上高は3,585百万円の増加、営業利益は332百万円の増加と試算されます。ただし、この試算は、当連結会計年度の外貨建の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を前連結会計年度末の直物為替相場により円貨に換算して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格の変更の影響は考慮されておりません。

② 売上高

 連結売上高は、前連結会計年度に比べ3.2%増収の401,064百万円となりました。これは主に、海外即席麺事業等が増収となったことによるものであります。

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、原材料価格の高騰等の影響により、前連結会計年度に比べ5.3%増加し、254,754百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、運送費及び保管費、販売促進費が増加したこと等から前連結会計年度に比べ2.1%増加し、122,648百万円となりました。

④ 営業利益

 営業利益は、上記のとおり、売上原価が増加した結果、前連結会計年度に比べ11.2%減益の23,661百万円となりました。

⑤ 営業外損益

 営業外収益は、受取利息が増加したこと等から前連結会計年度に比べ17.1%増加し、3,221百万円となりました。

 営業外費用は、為替差損が減少したこと等から前連結会計年度に比べ14.2%減少し、713百万円となりました。

⑥ 特別損益

 特別利益は、補助金収入が増加したこと等から前連結会計年度に比べ57.2%増加し、1,137百万円となりました。

 特別損失は、固定資産除売却損が減少したこと等から前連結会計年度に比べ30.3%減少し、1,400百万円となりました。

⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ0.0%増益の18,438百万円となりました。

 これにより、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の180.47円に対し、当連結会計年度は180.54円となりました。

 

(2) 財政状態の状況

 当社グループの総資産は390,190百万円で、前連結会計年度に比べ18,347百万円(4.9%)増加しました。

 当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。

① 流動資産

 流動資産は、前連結会計年度に比べ2,534百万円(1.3%)増加し、203,298百万円となりました。これは主に、有価証券が11,000百万円減少しましたが、現金及び預金が10,510百万円、商品及び製品が887百万円、原材料及び貯蔵品が1,508百万円増加したことによるものであります。

② 固定資産

 固定資産は、前連結会計年度に比べ15,813百万円(9.2%)増加し、186,891百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が2,583百万円減少しましたが、建物及び構築物が13,996百万円、機械装置及び運搬具が5,083百万円増加したことによるものであります。

③ 流動負債

 流動負債は、前連結会計年度に比べ795百万円(1.5%)増加し、53,870百万円となりました。これは主に、その他流動負債が810百万円増加したことによるものであります。

④ 固定負債

 固定負債は、前連結会計年度に比べ705百万円(2.5%)増加し、28,590百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が1,044百万円増加したことによるものであります。

⑤ 純資産

 純資産は、前連結会計年度に比べ16,847百万円(5.8%)増加し、307,729百万円となりました。これは主に、利益剰余金が12,311百万円、為替換算調整勘定が3,996百万円増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ2,123百万円減少し、23,286百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ1,657百万円増加し、31,028百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が減少しましたが、法人税等の支払額が減少したことによるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ6,973百万円増加し、27,358百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ318百万円減少し、6,163百万円となりました。これは主に、短期借入れによる収入が増加し、短期借入金の返済による支出が減少したことによるものであります。

(4) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

 水産食品事業

9,601

102.04

 海外即席麺事業

71,352

98.68

 国内即席麺事業

101,222

99.35

 低温食品事業

45,048

100.42

 加工食品事業

23,025

100.80

 その他

42,030

104.05

合計

292,280

100.20

(注)1 金額は、販売価格によっております。

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

 その他

34,373

110.96

3

67.79

合計

34,373

110.96

3

67.79

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   2 当社製品は主として見込生産によって製造されております。

   3 受注生産を行っている主な連結子会社は、㈱フレッシュダイナー、ミツワデイリー㈱、㈱シマヤであります。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

 水産食品事業

29,998

93.69

 海外即席麺事業

83,786

114.70

 国内即席麺事業

127,570

98.89

 低温食品事業

69,189

100.82

 加工食品事業

22,667

106.27

 冷蔵事業

18,463

104.57

 その他

49,388

104.84

合計

401,064

103.16

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

 三井物産㈱

99,288

25.54

100,570

25.08

   2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、2017年3月期からの3ヵ年中期経営計画で定めた4つの基本戦略に継続して取組んでまいりました。経営者の視点による4つの基本戦略の成果と課題は以下のとおりであります。

① カテゴリーNo.1商品の育成

 国内即席麺事業及び低温食品事業は、主力ロングセラー商品の成長持続と新商品の上乗せにより、カップ麺・生麺では過去最高の売上高を更新し、市場シェアも拡大しました。加工食品事業は、米飯・フリーズドライ製品では市場拡大を上回る成長を達成する等の成果を実現しました。

 今後については、ロングセラー商品の永続的な成長に向け、継続的なブランド強化策の実行や健康カテゴリー等の社会課題解決商品の強化等を実施してまいります。

② 海外展開の加速

 海外即席麺事業は、米国ではメキシコへの輸出販売ルート正常化を実行しました。また、インドでは即席麺事業の製造・販売を開始し、ブラジルでは現地法人の設立と現地委託生産を開始する等の成果を実現しました。

 今後については、米国での即席麺市場活性化への取組み、メキシコでの持続的成長に向けた袋麺強化、ブラジルを中心とした中南米での展開強化、インドでの継続的な取組みを実施するとともに、製造・物流コスト上昇への対応等を実施してまいります。

③ 事業の選択と集中と連携

 国内即席麺事業は、2016年8月に関西工場の稼動を開始しました。加工食品事業は、2018年1月に甲府東洋㈱フリーズドライ製品工場の稼動を開始し、2017年5月より着手しているフクシマフーズ㈱米飯新工場(仮称)は2019年6月に完成予定であります。冷蔵事業は、2019年1月に神戸物流センター及び埼北東洋㈱埼玉杉戸物流センターの稼動を開始しました。これらの伸長カテゴリーへの積極的な設備投資により、国内での競争力を維持・強化するとともに、最適生産体制への取組みを実現する等の成果を実現しました。

 今後については、新規設備を活用した確かな規模の拡大、採算性の低いカテゴリーの底上げ、労働力不足・人件費高騰への対応及び国内の技術を活用した海外での展開等を実施してまいります。

④ 経営基盤の進化

 ダイバーシティ推進室を設置し、働き方改革に向けた社内環境の整備に進捗しました。また、生産・製造に関する技術伝承等の人材育成の強化等の成果を実現しました。

 今後については、2018年8月に移転・新設した総合研究所の活用、健康経営の推進、ESG等非財務情報の開示・共有、品質保証体制の更なる強化等を実施してまいります。

 

 このような状況の中、当社グループでは2020年3月期からの新たな3ヵ年中期経営計画を定めております。①需要を引き出す新たな価値創造、②海外展開の深化、③経営基盤の強化の3つの基本戦略に取組み、これまで推進してきた投資を確実に成果につなげるとともに、環境変化を見据え、新たな成長機会を掴むことにチャレンジし、将来の持続的かつ安定した成長に繋げてまいります。

 なお、セグメント別の取組みは次のとおりであります。

① 水産食品事業

・簡便、個食、健康等の価値を付与した製品の強化による魚離れの原因解消

・海外工場の再編等、競争力の高い原材料を国内に供給する仕組みの構築

・仕入、製造・加工、物流、販売の見直しによる資産(在庫)の効率化

② 海外即席麺事業

・国別、エリア別に消費者、小売、競合他社の状況を踏まえた商品戦略・販売戦略の実行

・ノンフライ麺等の日本の技術を応用した製品の市場投入による新たな食文化の提案

・生産体制再編を進め、人件費・物流費の上昇抑制を図る

③ 国内即席麺事業

・「カテゴリーNo.1戦略」を更に強化

・新規技術の取入れとターゲットに合わせた開発

・海外輸出、ECチャネルでの販売強化

④ 低温食品事業

・既存主力ブランドの強化

・新たな喫食シーンを創造する商品の開発

・業務用チャネルへの商品提案強化

・冷凍麺、冷凍食品の市場拡大への対応

⑤ 加工食品事業

・製造能力アップを最大限に活かした商品企画・販売施策の実行による売上高の拡大

・機能性表示食品等健康カテゴリーの強化

・具材の開発等他部門との連携強化

・原材料価格上昇への対応や生産の効率化等収益基盤の安定化に向けた取組み

⑥ 冷蔵事業

・営業活動の強化により、庫腹量増加以上の規模拡大を目指す

・省力化、省人化等コスト圧縮の取組み

・3PLの推進に向けた社内連携強化

・計画的なフロン冷媒設備の更新

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは2020年3月期からの3ヵ年中期経営計画において、営業キャッシュ・フローは3ヵ年合計で115,000百万円を計画しており、資金調達の方法につきましては、全て自己資金を充当する予定であります。この資金の使途につきましては、株主還元、更新投資及び成長投資等に使用する予定であります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、総合研究所を軸として、グループ各社の研究開発部門と連携し、多様化する消費者の嗜好や時代のニーズに合った食品の開発に取り組んでおります。

 近年、消費者の食品に対する意識がより一層高まる中、「安全・安心」を第一に、おいしさにこだわった商品づくりを進めることは勿論、多様化する市場に向けて、より簡便性を追求した商品や健康志向の高まりに対応した商品の開発にも注力しております。

 当連結会計年度においては、群馬県館林市の関東工場隣接地に総合研究所を新設し、東京都江東区より移転しました。当施設は、“新たなる食文化創造”をテーマに掲げ、充実した設備と環境の下、多様な人材の知恵や経験、そして技術を結集させることで、次期中期経営計画へ繋がる研究開発・品質保証体制の充実を進め、新たな価値創造、社会課題の解決、環境保全活動への貢献に取り組んでおります。

 研究開発活動の主な内容は、次のとおりであります。

 

 水産食品事業は、DHA・EPAを豊富に含む天然キハダマグロを原料に手軽さとヘルシーさを両立させた「サラダツナ」や、魚本来の鮮度感にこだわった「しっとり熟成鮭」「さんまの塩焼き」、持続的社会の実現の一貫として取り組んでいるMSC認証取得たらこ原料使用の「炙り明太子」を商品化しました。

 海外即席麺事業は、主力商品である即席麺において、米国では「Yakisoba Korean BBQ」等を発売し、アジア系フレーバーの商品の拡充を図り、メキシコでは新しいカテゴリーのパスタ「Ottima」を発売し、新形態、高付加価値商品への参入へ向け、開発を進めました。

 国内即席麺事業は、「生麺うまいまま製法」による袋麺「マルちゃん正麺」シリーズをリニューアルし、乾燥麺でありながら麺本来の風味となめらかさでコシのある“麺”を、より一層、生の食感に近づけました。また、細麺特有のコシを持った新開発の麺に、どこか懐かしさも感じる煮干しの風味が香るスープを合わせた「和風醤油味」を加え、ラインナップの充実を図りました。さらに、「マルちゃん正麺」シリーズ第3弾として、「生麺茹でてうまいまま製法」の麺を進化させた、湯切りタイプの「マルちゃん正麺カップ 焼そば」と「同 汁なし坦々麺」を商品化しました。

 低温食品事業は、チルド品では水でほぐすだけでつるつるとした喉ごしの良い食感を味わえる「つるやか」シリーズ「ざるそば」「稲庭風細うどん」「そうめん」を商品化、さらにスープをかけてほぐすだけの「ざるラーメン」「冷し中華(醤油だれ)」「同(ごまだれ)」の3品を加え、ラインナップの拡充を図りました。カット野菜と混ぜてその食感が楽しめる、新たな食べ方提案商品として開発した「パリパリ無限キャベツのもと」「同 もやしのもと」は、2018年度食品ヒット大賞の優秀ヒット賞を受賞しました。冷凍品では北海道の名店の味を再現した「麺屋彩未 味噌ラーメン」やスパイシーさが特長の「ゴーゴーカレー監修カレーまぜそば」、流水解凍し時間を置いても麺質の変化が少なく、なめらかさとコシを持続させた「涼自慢 そば」「同 うどん」「同 ラーメン」を商品化しました。

 加工食品事業は、簡便性を活かした商品や、健康志向・高齢化等社会の変化に対応した商品の開発を推進しております。米飯では健康食材として注目の高い雑穀等を使用した商品開発の他、多様な食形態にあわせ、内容量のバリエーション化を進めております。フリーズドライ製品では彩りの良さやおいしさを活かし、「素材のチカラ トマたまスープ(5食パック)」「食べるスープなめらか豆腐 四川風麻婆味」の他、だし茶漬けシリーズの拡充を図っております。ハム・ソーセージでは魚の風味を活かし、牛乳460ml分のカルシウムを含んだ「おさかなでつくったソーセージ4本束」を商品化しました。

 

 当連結会計年度における研究開発費は1,869百万円であります。なお、研究開発費については、セグメント別に関連付けることが困難であるため、その総額を記載しております。