第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、顧客第一主義のもと「お客様により良い商品、サービスを提供することにより喜びと満足のある生活に貢献する」ことを経営理念としております。「安全でおいしい商品」「確実なサービス」をお客様にお届けし、お客様から支持されることによって信頼される企業グループを目指しております。そしてこれらにより利益ある成長を目指して企業価値を高めることが、社会、株主、従業員等すべてのステークホルダーの利益増大につながると認識しております。

 

(2) 経営戦略等

 当社は2020年~2022年3月期3ヵ年中期経営計画の成果と課題を踏まえて、2022年5月13日に2023年~2025年

3月期3ヵ年中期経営計画(以下「3ヵ年中期経営計画」という。)を発表いたしました。

 事業を取り巻くリスクの高まりを覚悟する中で、SDGsを強く意識し、当社が食を通じた社会課題解決に貢献する企業であるために、新たな事業領域へ挑戦し、世界基準で社会・環境の重点課題に取り組み、会社の発展を促し、社会の一員として持続可能な社会づくりへの貢献を推進してまいります。

 このような中、3ヵ年中期経営計画では、次の4つの基本戦略を掲げ、当社の創業100年を見据え、「5つの笑顔(お客様、社会、次世代、地球、社員)を届けることで社会の中で信頼され、必要とされ続ける企業グループ」という目指すべき姿の実現に向けて、「将来の成長に向けた礎を築く3年間」と位置づけ、「飽くなき進化」をテーマに部門の垣根を越えた取り組みを行ってまいります。

 

① 新たなる食文化・食生活の創造

・「既存主力商品」のさらなる成長

・「新たな需要を見据えた商品」の開発

・「新たな事業領域」への挑戦

 

② 海外展開の深化

・米国・メキシコにおける物量シェアの改善と営業利益率の向上

・ブラジル国内自社生産に向け販路拡大の継続

・インド事業の黒字化に向けた生産・販売の強化

 

③ 経営基盤の強化

・開発力の強化

・販売経路・方法の見直し

・ガバナンスの整備

・次世代の人材育成

・IT・AIの整備

 

④ 社会課題・環境への対応

・持続可能な社会の実現と企業価値の向上

 

(3) 経営環境

 当社グループが4つの基本戦略策定にあたり、認識している経営環境は次のとおりであります。

① 新たなる食文化・食生活の創造

 当社グループは、マーケティング強化により、新たな事業領域である「健康やわらか食」並びに「魚惣菜冷食」への展開を図っていきます。「健康やわらか食」では高齢化社会、健康志向等の社会課題を解消する新機軸商品で既存事業を一層強化します。「魚惣菜冷食」では水産食品事業と低温食品事業の強みを引き出し、新たな魚食習慣を創出することで次の成長に繋げていきます。様々な社会課題があるなか、グループ力を結集し、新たな価値・商品を創出していくことが企業として必要不可欠と考えております。

 

② 海外展開の深化

 米国・メキシコでの持続的成長に向けた取り組み、今後の成長を目指すブラジル、インドでの取り組みに集中することにより、海外での中長期における着実な成長路線を確立します。米国では販売チャネル別の戦略強化の取り組みを積極化します。新商品の市場投入を進めるとともに、若者世代への浸透を考えたマーケティング活動も強化させます。メキシコではカップ麺のシェアアップは継続した上で、袋麺の販売強化に取り組みます。ブラジルでは現地向けの新商品の開発、若者世代へのプロモーション強化等を通じて、販路拡大に取り組みます。インドではさらなる認知度アップを目指し、高付加価値商品の投入等を通じて、生産・販売の強化に取り組みます。

 

③ 経営基盤の強化

 「食」の事業を通じた「5つの笑顔」を実現するために、これまでの強みを土台に、開発力、営業力の強化、ガバナンスの整備、人材育成と最先端の機械設備を常に意識した経営基盤の強化に取り組みます。「これからの時代」に適合した企業経営基盤の構築が企業として必要不可欠と考えております。

 

④ 社会課題・環境への対応

 持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すことが必要不可欠と認識し、気候変動への対応等、社会課題・環境に対して重点課題を定め、中長期の目標を設定し、課題の解決に取り組みます。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは3ヵ年中期経営計画の目標達成に向けて、基本戦略として掲げた施策に着実に取り組むとともに、消費者の変化、取引先の変化、事業を取巻く環境の変化にしっかりと対応し、当社グループの中長期ビジョンである「5つの笑顔」をお届けできる会社を目指して、一層の成長を目指してまいります。

 なお、4つの基本戦略に基づいたセグメント別の取り組みは次のとおりであります。

① 水産食品事業

・簡便、個食、健康等の価値を付与した商品の強化による魚離れの原因解消

・国内、海外工場の再編により、競争力の高い商品を供給する仕組みの構築

・仕入、製造・加工、物流、販売の見直しによる資産(在庫)の効率化

 

② 海外即席麺事業

・世代別、エリア別に、消費者・小売・競合の状況を踏まえた拡販によるシェア取り戻し

・労働者確保、生産体制の再考により製造数量増、物流費・動力費の上昇抑制を図る

・ノンフライ麺等、健康意識への高まりや環境に配慮した商品の提案等新カテゴリー発掘

 

③ 国内即席麺事業

・既存主力商品(「赤いきつねうどん」、「緑のたぬき天そば」、「麺づくり」等)のさらなる強化

・価値訴求型商品(「マルちゃんZUBAAAN!」等)の育成と開発推進

 

④ 低温食品事業

・既存主力商品(「マルちゃん焼そば3人前」)の商品・販売施策強化によるさらなる成長

・価値訴求型商品の育成

・簡便商品・健康訴求商品(「パリパリ無限シリーズ」)の強化

・冷凍麺・冷凍食品の市場拡大への対応

 

⑤ 加工食品事業

・備蓄需要等、商品特性を最大限に活かした、商品企画・販売施策の実行による売上の拡大

・たんぱく質強化等、健康カテゴリーの強化

・具材の開発等、他部門との連携強化

・原料価格上昇への対応や、生産の効率化等、収益基盤の安定化に向けた取り組みの推進

 

⑥ 冷蔵事業

・食品を中心とした取扱いの拡大と共に食品以外の取扱い拡大にも挑戦

・働きやすい、利用しやすい冷蔵倉庫の環境整備を目指し、効率化や省力化への取り組みを推進

・持続可能な事業として、環境負荷低減となるフロン冷媒設備の更新に関する取り組みを推進

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益であります。

 3ヵ年中期経営計画の最終年度である2025年3月期において、売上高430,000百万円、営業利益42,000百万円を目指します。

 セグメント別の売上高及び営業利益の目標は次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(百万円)

営業利益(百万円)

 水産食品事業

29,200

400

 海外即席麺事業

159,000

22,000

 国内即席麺事業

104,800

11,000

 低温食品事業

56,000

6,100

 加工食品事業

22,000

500

 冷蔵事業

23,000

2,100

 その他

36,000

800

 調整額

△900

合計

430,000

42,000

 

(6) 3ヵ年中期経営計画の達成状況

 「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。

 

(7) 2024年3月期の取り組み

 2024年3月期につきましては、原材料費や動力費等のコストアップの影響が見込まれますが、当社の創業100年を見据え、「5つの笑顔(お客様、社会、次世代、地球、社員)を届けることで社会の中で信頼され、必要とされ続ける企業グループ」という目指すべき姿の実現に向けて、「将来の成長に向けた礎を築く3年間」と位置づけ、「飽くなき進化」をテーマに部門の垣根を越えた取り組みを行ってまいります。

 なお、2024年3月期における取り組みは次のとおりであります。

① 新たなる食文化・食生活の創造

・発売45周年を迎える「赤いきつねうどん」等、和風カップ麺の商品企画とプロモーションを強化いたします。

・即席麺・生麺・冷凍麺で展開している「焼そば」において、商品・企画でシナジーを発揮する取り組みを開始し、商品ラインナップの強みを活かした「焼そば」の活性化を図ります。

・社会課題解決の受け皿として、継続して拡大している冷凍食品市場の需要に応えるため、魚惣菜冷食・冷凍麺事業への投資を行います。

・継続して拡大しているフリーズドライスープ市場の需要に応えるため、フリーズドライ事業への投資を行います。

 

② 海外展開の深化

・米国・メキシコでは、即席麺の総需要拡大とシェア回復の施策を講じ、南米各国では、即席麺の浸透や競合状況に合わせた展開等、エリア別の取り組みを行います。

・若者世代への需要喚起や、環境に配慮した紙カップへの移行等を含め、新カテゴリー創出を進めることで、顧客層開拓・市場拡大と次世代へのマルチャンブランド強化に取り組みます。

・生産体制を強化し、需要増加に応じた製造数量の増加と物流効率化を図るため、工場拡大を視野に入れた投資を行います。

 

③ 経営基盤の強化

・東洋水産グループの経営基盤の強化を支えるため、引き続き設備投資を行います。

 なお、主な設備投資の予定につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載のとおりであります。

 

④ 社会課題・環境への対応

・気候変動に対応するため、CO2排出量等、環境への影響度の計測と把握に注力いたします。

・食品ロスを削減するため、賞味期限の延長等に取り組みます。

・認証パーム油への代替等、サステナブル原料への切り替えを推進いたします。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 東洋水産グループは、「やる気と誠意」の精神を基本とし、「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」のスローガンのもと、ステークホルダーの皆さまが笑顔になれるよう、商品・サービスを継続的に改善いたします。また、サプライチェーン全体で自然環境や資源の保護に配慮し、持続可能な社会の実現に向け取り組みます。

 

(1)ガバナンス

 東洋水産グループの持続的な成長と持続可能な社会の実現には、「食」の事業を通じた「5つの笑顔(お客様、社会、次世代、地球、社員)」の実現とSDGsへの貢献が必要不可欠と考えております。

 これらの実現のため、東洋水産グループでは、サステナビリティに関する事柄について、該当する部署の担当取締役が適宜把握及びチェックできる体制を整備しております。そして、代表取締役が全体を統括する体制を構築することで、的確迅速な企業意思の決定ができるよう取り組んでおります。

 

(2)戦略

① 持続可能な社会の実現を目指し、全ての業務分野で、CO2等の温室効果ガスや廃棄物の削減、水使用量の削減

や水質の適切な管理、省エネ・省資源等を通じて環境負荷の低減に努めるとともに、環境に配慮した商品・サービスの提供や、生物多様性の保全を推進します。

② 人材育成の強化を図るため、社員一人ひとりがチャレンジ精神とコンプライアンス意識をもって行動できるよ

う人材育成に取り組みます。

③ ダイバーシティの推進を図るため、全ての社員が能力を発揮し、いきいきと活躍できる環境づくりに取り組み

ます。

 

(3)リスク管理

 東洋水産グループのリスク管理については、当社の事業継続や安定的発展を目的に、各部にて業務執行における

リスクを洗い出し、自部門に内在するリスクの把握・分析・評価を行い、適切な対策を検討し、対応しておりま

す。また、定期的に監査を行い、当グループにおけるリスク管理の状況を把握し、経営層に逐次報告しておりま

す。

① 持続可能な調達を実現するため、東洋水産グループでは、社会的責任を果たすべく環境・社会・人権等に配慮

した持続可能な資材の調達を推進しております。主として、パーム油の調達に関する方針の遵守、水産エコラベルへの取り組み、グリーン購入の推進等を行っております。

  また、環境対応の推進を促すため、東洋水産グループでは、事業活動による環境負荷の低減に考慮した取り組

みの推進等、環境を保全するための取り組みを実施しております。主として、地球温暖化対策、生物多様性及び水資源の保全、産業廃棄物の削減・管理、食品ロス削減等を行っております。

② 人材育成について、企業が業績を上げ、維持、発展していくためには、社員の成長が欠かせません。東洋水産

グループにおいて社員教育は重要な経営課題と捉え、社員の成長を支援する制度を整えております。

  社員の成長を図る上で重要なのは、一人ひとりが自発的に成長していきたいという気持ちを生み出すことだと

考えております。職場での職務遂行を通じて業務に必要な知識や経験、企業文化、組織マインドを育む「OJT」や、組織上の役割・期待に応じて求められる能力や意識の向上を図る「集合型研修・勉強会」を通じ、学びの意識を高めております。そして成長意欲の高い社員の能力開発を支援し、将来の東洋水産グループを担う人材の育成に取り組んでおります。

③ ダイバーシティの推進について、東洋水産グループでは、社員一人ひとりの違いを尊重し、多様な考えや経験

を活かすことが持続的な会社の成長に重要であると考えております。ダイバーシティ推進を重要な経営戦略と捉え、2016年には、ダイバーシティ推進に関する担当部署を設置しております。今後も「東洋水産グループのダイバーシティに関する基本方針」に基づき、様々な施策に取り組んでまいります。

 

(4)指標及び目標

① 持続可能な社会の実現を目指し、東洋水産グループでは、「2030年度東洋水産グループ環境目標」を設定して

おり、2022年度における実績は下記のとおりであります。

 

0102010_001.png

 

② 人材育成の強化を図るため、下記のとおり各年代別の教育制度を構築、実施しております。

 

0102010_002.png

 

③ ダイバーシティの推進を図るため、2018年4月から2023年3月までの5年間において目標を設定しておりまし

た。なお、目標と実績は下記のとおりであります。

 

目標

実績

(1)月給者の女性採用比率を30%以上とする

2022年度実績 19%で未達

(2)女性社員の離職率を男性社員と同等水準にする

2018年度と比較し男女差2.6ポイント縮小

(3)管理職に占める女性社員の比率を向上する

2018年度と比較し0.5ポイント向上

 

  また、ダイバーシティの更なる推進を目指し、2023年4月から2026年3月までの3年間において下記のとおり

新たな目標を設定いたしました。

 

目標

(1)女性社員の平均勤続年数を14年以上とする

(2)男性の育児休業取得率を25%以上とする

(3)女性の管理職比率の向上

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 短期・中期の視点から経営戦略・経営成績等に影響を与える可能性のある重要なリスク

① 経済状況

 当社グループは、加工食品を中心とした食品製造販売業を営んでおります。そのため、家畜伝染病、残留農薬問題等の食品に係る諸問題の発生が、輸入量の減少、仕入価格の高騰、消費の低迷等を引き起こし売上高等に影響を与える可能性があります。当社グループは消費者の不信を取り除き、安心して購入していただけるようにISOの認証取得及び製品情報管理システムの構築等を積極的に推進するとともに、より一層の原材料等の管理体制の強化を図っておりますが、自然又は人為的な諸問題により影響を受ける可能性があります。

 また、食品業界全体が、依然として商品単価の変動が続き、販売競争がますます厳しくなっております。このような厳しい販売競争に対応するために、当社グループは、生産・物流体制の再構築を進め、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進しておりますが、所得の伸び悩み等から消費者心理の低迷等消費動向に影響を受ける可能性があります。

 

② 為替レートの変動

 当社グループは、米州に連結子会社があり、特に米国のマルチャン,INC.及びメキシコのマルチャン デ メヒコ,S.A. de C.V.は連結売上高に占める割合が10%を超える重要な連結子会社であります。また、水産食品事業においては海外の連結子会社をはじめ輸出入取引を行っております。

 このような中、輸出入取引においては為替レートの変動によるリスクをヘッジすることを目的として、為替予約等を行い為替の変動による影響を最小限にしております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合には当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループは連結財務諸表作成のため連結決算日の直物為替相場により円貨に換算しており、期初に想定した為替レートに対する変動が当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

③ 市場環境

 当社グループの事業の中心となっている国内即席麺事業等において、特に即席麺類の分野では業界全体で年間何百種類という新商品が発売されており、商品サイクルが非常に短い状況となっております。このような状況下で、当社グループにおいても消費者の健康志向の高まり等消費者ニーズにあった商品開発に注力しております。

 当社グループが業界や消費者ニーズの変化を十分に予測できず、消費者に受け入れられる魅力ある新商品の開発ができない場合には、将来の成長と収益性を低下させる可能性があります。

 

④ 販売価格

 当社グループの国内即席麺事業等においては、末端の小売価格の変動に伴い、当社グループの卸売価格が影響を受けることがあります。また、各分野におけるシェアの確保等販売競争の厳しさが増す中で、値引リベート、特売費等の販売促進費が増加し、収益を圧迫する要因となっております。既存競合先間の提携等により市場におけるシェアが大きく変動するようなことが起これば、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、原材料価格や動力費等の上昇を補うため、価格改定を行うことがあり、その反動として販売数量が減少する可能性があります。

 当社グループの水産食品事業は、漁獲量等により市場価格が変動し、これが販売価格にも影響を与え、これにより当社グループの収益に影響を与える可能性があります。また、国内即席麺事業等の一部の原材料(小麦粉等)や加工食品事業に含まれる米飯事業の米価も同様に収穫高等による市場価格の変動の影響を受け、これが製造コストに影響し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 製品事故

 当社グループは、ISOの認証取得、製品情報管理システムの構築、トレサビリティ管理等安全な食品作りに積極的に取り組んでおりますが、原材料の腐敗や農薬等の問題、製造工程での異物の混入、アレルゲン問題、流通段階での破袋等によるカビの発生等、製品事故が発生する可能性があります。当社グループにおいてもこれらの製品事故を未然に防ぐための設備の充実、管理体制の強化等を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。そのため製造物責任賠償保険等にも加入しております。

 万が一製造物責任賠償につながるような大規模な製品事故が発生した場合には、製品回収等多額のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、それによる売上高の減少等当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 天候及び自然災害等の影響

 当社グループの販売する製品には猛暑、冷夏、暖冬等の天候により売上高に影響を受けるものがあります。また、製造拠点における大規模な地震や台風等の自然災害により生産設備に損害を被った場合、並びに、それらに起因する電力供給量の低下等のインフラ使用制限等の影響を受けた場合、操業中断による製造能力低下に伴う売上高の減少、設備の修復費用の増加等により当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 情報システム

 当社グループでは適切なシステム管理体制をとっております。当社グループではコンピュータウイルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、予測不能のウイルスの侵入、情報システムへの不正アクセス及び運用上のトラブル等により情報システムに障害が発生する可能性があります。その場合、顧客対応に支障をきたし、それに伴う費用発生等により当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(2) 中期・長期の視点から経営戦略・経営成績等に影響を与える可能性のあるリスク

① 製品の海外での委託製造

 当社グループの水産食品及び冷凍食品類の一部の製品において、海外の会社に製造を委託し、製品を仕入れております。その際に各製造委託会社が所在する国により、食品衛生等に関する法的基準の相違、食品衛生に対する意識の違いから、日本における食品衛生等の法的基準に適合しない農薬等の薬品使用等による製品事故が発生する可能性があります。また、当社グループにおいてもこれらを未然に防ぐために日本の基準の教育・指導の徹底、現地での立会い及び製品検査等の強化を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。

 日本の食品衛生等に関する法的基準に適合しない製品が発生した場合には、製品回収及び廃棄処理等の多額の費用の発生や当社グループの評価に影響を与え、それによる将来の売上高減少等当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

② 公的規制

 当社グループは各事業活動において食品衛生、食品規格、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、環境、リサイクル関連等の法規制の適用を受けており、当社グループはこれらの規制を遵守しております。不測の事態でこれらの規制を遵守することが出来なかった場合、事業活動が制限される可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありました。先行きにつきましては、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、持ち直しに向かうことが期待されますが、物価上昇や供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。

 このような状況の中、当社グループは「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で「食を通じて社会に貢献する」「お客様に安全で安心な食品とサービスを提供する」ことを責務と考え取り組むとともに、厳しい販売競争に対応するため、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進してまいりました。

 この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は435,786百万円(前年同期比20.6%増)、営業利益は40,330百万円(前年同期比35.6%増)、経常利益は43,724百万円(前年同期比37.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は33,126百万円(前年同期比47.8%増)となりました。

 なお、当連結会計年度の為替換算レートは133.54円/米ドル(前連結会計年度は122.41円/米ドル)であります。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① 水産食品事業

 水産食品事業は、経済活動の正常化が進んだことにより、コンビニエンスストア、外食・業務用の需要が回復したことで販売が好調に推移しました。その結果、売上高は28,526百万円(前年同期比14.0%増)、セグメント利益は、売上高の増加はあったものの、原材料、エネルギーコスト等の高騰や急激な円安の影響によるコスト高を補いきれず46百万円(前年同期比71.5%減)となりました。

 

② 海外即席麺事業

 海外即席麺事業は、製造コストの上昇等により価格改定を実施いたしましたが、インフレ率が高水準に推移していることによる節約志向の高まり等から即席麺の需要が高い状況で継続し、米国は袋麺では主力商品「Ramen」シリーズが増収となり、カップ麺では主力商品の「Instant Lunch」シリーズを始め、「Yakisoba」シリーズ、「Bowl」シリーズも好調に推移したことで増収となりました。メキシコにおいても、主力商品のカップ麺、袋麺ともに好調に推移したことにより増収となりました。その結果、売上高は178,374百万円(前年同期比56.1%増)、セグメント利益は、主原料価格高騰による原材料費増加や人件費増加等による製造コストの上昇がありましたが、販売数量増加や価格改定効果による売上高増加等により26,113百万円(前年同期比159.6%増)となりました。

 

③ 国内即席麺事業

 国内即席麺事業は、6月の価格改定後に一時的に販売が落ち込みましたが、秋冬の需要期に入り改定後の価格が浸透したことで回復に転じました。そのような中、カップ麺では「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」「麺づくり」シリーズ等の主力商品を秋冬需要期に向けてリニューアルし、プロモーションを強化したことで増収となりました。袋麺では主力商品の「マルちゃん正麺」シリーズ、新商品の「マルちゃんZUBAAAN!」シリーズの販売に注力し、増収となりました。その結果、売上高は97,635百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益は、原材料費、動力費、広告宣伝費等の増加の影響により6,708百万円(前年同期比38.2%減)となりました。

 

④ 低温食品事業

 低温食品事業は、製造コストが上昇する中、安全・安心で高品質な商品を安定的に供給するため、生麺、冷凍麺等の価格改定を4月に実施いたしました。そのような中、生麺では主力商品の「マルちゃん焼そば3人前」シリーズ、「マルちゃん玉うどん3食入り」シリーズを中心に拡売に努めました。冷凍食品では行楽や観光の回復による需要増や惣菜ルートの新規開拓等により業務用商品が伸長いたしました。その結果、売上高は52,837百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益は、原材料費や動力費等の増加の影響により5,060百万円(前年同期比20.6%減)となりました。

 

⑤ 加工食品事業

 加工食品事業は、米飯商品は年間を通じて需要が高い状況が継続しており、無菌米飯、レトルト米飯とも好調に推移したことで増収となりました。フリーズドライ商品も同様に需要が高い状況が継続しており、主力商品である「素材のチカラ」シリーズを中心に販売が好調に推移したことで増収となりました。その結果、売上高は20,328百万円(前年同期比4.3%増)、セグメント利益は、減価償却費や人件費の減少はあったものの、原材料費や動力費の増加の影響により124百万円(前年同期比46.2%減)となりました。

 

⑥ 冷蔵事業

 冷蔵事業は、新型コロナウイルス感染症や世界的な物流の混乱による影響から経済活動の正常化が進んだことにより、保管品や配送品の取扱いが増加しました。また、冷蔵倉庫料金の価格改定にも努めたことで増収となりました。その結果、売上高は22,888百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は、商品取扱い増加や冷蔵倉庫料金の価格改定による増収はあったものの、エネルギー価格の上昇による動力費や運送費の増加、人手不足や物価上昇の影響による人件費や補修費等の経費の増加を補いきれず1,851百万円(前年同期比21.0%減)となりました。

 

⑦ その他

 その他は、主に弁当・惣菜事業であります。売上高は35,196百万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は652百万円(前年同期比14.9%減)となりました。

 

 また、当連結会計年度における経営成績の状況とそれらの要因は次のとおりであります。

① 為替変動の影響

 前連結会計年度からの為替レートの変動により、当連結会計年度の売上高は14,866百万円の増加、営業利益は1,807百万円の増加と試算されます。ただし、この試算は、当連結会計年度の外貨建の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を前連結会計年度末の直物為替相場により円貨に換算して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格の変更の影響は考慮されておりません。

 

② 売上高

 連結売上高は、前連結会計年度に比べ20.6%増収の435,786百万円となりました。これは主に、海外即席麺事業が増収となったことによるものであります。

 

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、原材料価格及び動力費が上昇してきたことにより、前連結会計年度に比べ20.9%増加し、327,744百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、運送費及び保管費が増加したこと等から前連結会計年度に比べ11.4%増加し、67,712百万円となりました。

 

④ 営業利益

 営業利益は、上記のとおり、主に海外即席麺事業が増収となった結果、前連結会計年度に比べ35.6%増益の40,330百万円となりました。

 

⑤ 営業外損益

 営業外収益は、受取利息が増加したこと等から前連結会計年度に比べ62.1%増加し、4,002百万円となりました。

 営業外費用は、為替差損が生じたこと等から前連結会計年度に比べ63.4%増加し、607百万円となりました。

 

⑥ 特別損益

 特別利益は、補助金収入が減少したこと等から前連結会計年度に比べ37.6%減少し、268百万円となりました。

 特別損失は、災害による損失が減少したこと等から前連結会計年度に比べ34.3%減少し、445百万円となりました。

 

⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ47.8%増益の33,126百万円となりました。

 これにより、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の219.48円に対し、当連結会計年度は324.36円となりました。

(2) 財政状態の状況

 当社グループの当連結会計年度末における総資産は497,083百万円で、前連結会計年度末に比べ42,412百万円(9.3%)増加しました。

 当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。

① 流動資産

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ21,670百万円(8.2%)増加し、285,076百万円となりました。これは主に、現金及び預金が11,091百万円、原材料及び貯蔵品が4,951百万円増加したことによるものであります。

 

② 固定資産

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ20,741百万円(10.8%)増加し、212,006百万円となりました。これは主に、長期預金が18,000百万円増加したことによるものであります。

 

③ 流動負債

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ5,609百万円(9.5%)増加し、64,648百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が3,868百万円、未払費用が1,486百万円増加したことによるものであります。

 

④ 固定負債

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ803百万円(2.8%)減少し、27,683百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が1,264百万円減少したことによるものであります。

 

⑤ 純資産

 純資産は、前連結会計年度末に比べ37,605百万円(10.2%)増加し、404,750百万円となりました。これは主に、利益剰余金が23,934百万円、為替換算調整勘定が11,976百万円増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ8,216百万円増加し、37,567百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ8,738百万円増加し、42,031百万円となりました。これは主に、棚卸資産の増加により資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ2,103百万円減少し、25,204百万円となりました。これは主に、有価証券の売却及び償還による収入が増加したことによるものであります。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ22百万円増加し、9,619百万円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出が増加したことによるものであります。

(4) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

 水産食品事業

12,050

228.3

 海外即席麺事業

144,889

151.2

 国内即席麺事業

112,825

105.6

 低温食品事業

51,007

105.8

 加工食品事業

28,409

107.8

 その他

33,172

101.2

合計

382,354

121.3

(注)1 金額は、販売価格によっております。

 

② 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

 その他

29,194

105.5

合計

29,194

105.5

(注)1 当社製品は主として見込生産によって製造されております。

   2 受注生産を行っている主な連結子会社は、㈱フレッシュダイナー、ミツワデイリー㈱、㈱シマヤであります。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

 水産食品事業

28,526

114.0

 海外即席麺事業

178,374

156.1

 国内即席麺事業

97,635

102.2

 低温食品事業

52,837

103.0

 加工食品事業

20,328

104.3

 冷蔵事業

22,888

103.4

 その他

35,196

104.2

合計

435,786

120.6

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

 三井物産㈱

114,748

31.7

119,537

27.4

 

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を売上高、営業利益としており、3ヵ年中期経営計画の最終年度である2025年3月期において、売上高430,000百万円、営業利益42,000百万円を目指しております。

 3ヵ年中期経営計画の初年度である2023年3月期の達成状況は次のとおりであります。

 売上高は計画比30,786百万円増の435,786百万円、営業利益は計画比3,830百万円増の40,330百万円となりました。売上高、営業利益共に海外即席麺事業が牽引し、過去最高の売上高、営業利益を達成いたしました。

 また、3ヵ年中期経営計画の当連結会計年度における達成状況をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

① 売上高

セグメントの名称

2023年3月期計画(百万円)

2023年3月期実績(百万円)

2023年3月期計画比(百万円)

 水産食品事業

26,300

28,526

2,226

 海外即席麺事業

148,200

178,374

30,174

 国内即席麺事業

101,000

97,635

△3,364

 低温食品事業

53,200

52,837

△362

 加工食品事業

20,000

20,328

328

 冷蔵事業

22,300

22,888

588

 その他

34,000

35,196

1,196

合計

405,000

435,786

30,786

 

② 営業利益

セグメントの名称

2023年3月期計画(百万円)

2023年3月期実績(百万円)

2023年3月期計画比(百万円)

 水産食品事業

300

46

△253

 海外即席麺事業

17,700

26,113

8,413

 国内即席麺事業

9,500

6,708

△2,791

 低温食品事業

6,600

5,060

△1,539

 加工食品事業

300

124

△175

 冷蔵事業

2,100

1,851

△248

 その他

700

652

△47

 調整額

△700

△225

474

合計

36,500

40,330

3,830

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループは、3ヵ年中期経営計画において、3ヵ年合計で約30,000百万円以上の株主還元、約30,000百万円の更新投資、約50,000百万円以上の成長投資、約10,000百万円の経営基盤強化投資等を予定しております。その所要資金については、3ヵ年合計で120,000百万円を計画している営業キャッシュ・フロー等の自己資金を充当する予定であります。

 なお、セグメント別の成長投資の考え方は次のとおりであります。

 

① 水産食品事業

 加工度を高めた水産食品投入に向けた魚惣菜冷食設備への投資を行います。

 

② 海外即席麺事業

 生産体制を強化し、需要増加に応じた製造数量の増加と物流効率化を図るため、工場拡大を視野に入れた投資を行います。

 

③ 国内即席麺事業

 既存主力商品のさらなる強化を見据えた投資を引き続き行います。

 

④ 低温食品事業

 生麺の西日本拠点の整備を目的とした投資を行います。

 

⑤ 加工食品事業

 主にフリーズドライ商品の供給能力向上を目的とした投資を行います。

 

⑥ 冷蔵事業

 主に関東地区における設備の増強と環境に配慮した自然冷媒への切り替えを目的とした投資を行います。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、総合研究所が中心となりグループ各社の研究開発部門と連携し、水産食品、即席麺、低温食品、加工食品等多様な商品の開発を行っております。

 研究開発におきましては、「Smiles for All.」というスローガンに基づき、安心・安全を第一においしさの探求はもちろん、昨今の、内食需要の高まり・働き方の変化・持続可能な社会の実現といった社会的要請に対し、簡便・個食・時短等を追求した商品や環境へ配慮した商品の研究・開発に取り組みました。また、将来を見据えた新たな価値の創造のための基礎研究開発や社会的課題の解決・環境保全への取り組みを進めました。

 研究開発活動の主な内容は、次のとおりであります。

 

 水産食品事業は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット向け鮭フレークやたらこ、いくら等の業務用水産食品の開発のほか、“魚を手軽に”をコンセプトにした市販用冷凍魚惣菜「ChoiFish」ブランドで新たに「いかのガーリックバター醤油味」「鮭ハラスのおろしポン酢」を発売し、シリーズの拡充を図りました。

 海外即席麺事業は、主力商品である即席麺において、既存商品仕様を継続的に見直し、品質向上を図るとともに、新カテゴリーや高付加価値商品への参入に向けた開発を進めました。

 国内即席麺事業は、2022年6月で発売30周年を迎えた「麺づくり」ブランドをリニューアルいたしました。「つるっと食感 温水(おんすい)なめらか製法」で“生麺食感”をさらに追及した麺と“食欲をそそる香り”を付与した「新・香り立ちスープ」に改良し、より一層品質を向上させました。

 また、カップ容器のサイズ変更により、年間約36トンのプラスチック原料、174トンの紙原料が削減され(2021年度の「麺づくり」シリーズの製造数を元に算出)、省資源にも貢献いたしました。さらに、主力商品である「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」において、当社の強みである『だし』を活かしたつゆの改良を行い、これまで以上に風味をお楽しみいただける商品に仕上げ、リニューアルいたしました。

 低温食品事業は、2食焼そばブランドとしてご好評を頂いております「至福の食卓」シリーズで、「同 マルちゃん焼そば 丸鶏うま塩味」等の期間限定商品を発売し、ラインナップの更なる拡充を図りました。「麺上手」シリーズでは、“レンジでも茹でてもおいしい”という基本コンセプトはそのままに、健康系商品として、「同 塩分ゼロうどん」や半生麺を用いた「同 糖質オフ 鍋用ラーメン」「同 糖質30%オフ 豆乳ごまだれサラダ麺」をラインナップに加え、更なるブランドの強化を図りました。

 チルド食品の焼売と餃子では、“四季を感じる本格点心”をコンセプトにした新ブランド「季節の点心」シリーズを、また冷凍食品では、「ライスバーガー」シリーズに、ルーロー飯を再現した「同 ルーロー飯の味」と定番で幅広い世代に人気のある「同 黒豚生姜焼き」を発売しラインナップの充実を図りました。

 拡大傾向にある高齢者向け食品市場で、マルちゃんらしいおいしさをお届けしたいという思いで開発、昨年発売した業務用冷凍麺「マルちゃん やわらかソース焼そば(野菜入り)」が、2023年3月出荷分より、日本介護食品協議会の自主規格であるユニバーサルデザインフードの「容易にかめる」区分として登録され、発売いたしました。

 加工食品事業は、加工食品の利便性や簡便性、常温での長期保存性を活かした商品開発を推進しております。無菌包装米飯では、炊き立ての状態をそのままパックする、当社独自の製法で仕上げた「あったかごはん」シリーズの賞味期限を8ヶ月から10ヶ月に延長し、近年の社会課題の1つでもある食品ロス削減に配慮した仕様に変更いたしました。レトルト米飯では、シンプルで懐かしさも感じられる中華・洋風ごはんをコンセプトにした、トレー入り米飯「街かど食堂」シリーズで「同 ガーリックライス」を新発売し、品揃えを強化いたしました。

 フリーズドライ商品では、“カップ1杯、食べて満足”をコンセプトにしたカップ入りスープの「食べるスープ」ブランドの「7種の野菜」シリーズに「海鮮チゲ味」を加え、商品の拡充を図りました。調味料では、うどんと卵と一緒に混ぜるだけで、簡単に調理できる「釜玉うどんの素 焼あごだし風味」「同 和風カレー味」を発売いたしました。

 

 なお、上記以外にも事業の拡大やグローバル化への安全・安心への取り組みとして、国内外の各工場と連携し、製品検査や分析精度の向上・発展に取り組んでおります。また、健康への取り組みとして、各種減塩商品を上市いたしました。さらに、社会課題への取り組みとして、加工原料の再利用の取り組みや食品ロス削減をテーマに東京大学との取り組みを行っております。

 

 当連結会計年度における研究開発費は1,787百万円であります。なお、研究開発費については、セグメント別に関連付けることが困難であるため、その総額を記載しております。