第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

 

(1) 業績

当連結会計年度における経営環境は、海外経済の不確実性の高まりなどを背景とした景気下振れが懸念されたものの、全体では緩やかな回復基調が続きました。食品業界におきましては、消費マインドの停滞や原材料価格の上昇など、依然として先行き不透明な状況が続くなか、安全・安心への取組、お客様の生活スタイルの変化への対応などが求められております。

このような環境下におきまして、当社グループは、当連結会計年度より開始した第五次中期計画において“「食で健康」クオリティ企業への変革”をテーマに、国内事業の収益力強化と新規需要の創出、海外事業の成長加速に向けた施策を進めております。

売上面につきましては、香辛・調味加工食品事業、健康食品事業の国内コア2事業が減収となりましたが、海外食品事業の伸長や平成27年12月に㈱壱番屋を連結子会社化した影響などにより、当連結会計年度の売上高は2,418億93百万円前期比4.5%の増収となりました。

利益面につきましては、各事業が収益力強化に向けた取組を進めたことで、営業利益は107億75百万円前期比24.0%の増益となりました。経常利益は121億52百万円前期比10.9%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、㈱壱番屋株式の追加取得に伴って発生した段階取得に係る差益を特別利益に計上いたしましたことなどから226億32百万円前期比224.6%の増益となりました。なお、第4四半期連結会計期間より㈱壱番屋のれん等の償却を開始しております。

 

セグメント別の業績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。

 

<香辛・調味加工食品事業>

当事業セグメントは、「食の外部化」などの事業を取り巻く環境変化に対し、「より健康、より上質、より簡便、より適量」にフォーカスした製品・サービスの提供を通じて、「既存領域の強化」および「新規領域の展開」に取り組んでまいりました。

当期は、平成27年2月に実施したルウカレーなどの主力製品における製品価格改定後の新しい値ごろの早期浸透、および国内成熟市場におけるマーケティングコストの効率的運用、コスト削減などの収益基盤の維持強化に注力いたしました。

以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,200億18百万円前期比2.2%の減収営業利益は79億24百万円前期比19.0%の増益となりました。

 

<健康食品事業>

当事業セグメントは、コストコントロールの徹底による主力製品の収益改善と成長に向けた仕込みに取り組んでまいりました。

当期は、「ウコンの力」シリーズの再構築、「C1000」シリーズのチャネル対応強化に注力し、「ウコンの力」は通期減収となりましたものの、お客様の飲用シーンに近づいたプロモーションが奏功した下期は前年同期を上回るなど回復傾向にあります。

当事業セグメントの売上高は、販売受託製品の大幅減や一部製品の終売影響もあり345億23百万円前期比7.2%の減収となりましたものの、営業利益は、新製品・バラエティ製品の市場導入に伴うコストが嵩んだ前期に対して、当期は経費の効果的運用を徹底したことなどから、13億98百万円前期比94.9%の増益となりました。

 

 

<海外食品事業> ※海外事業から名称変更

当事業セグメントは、重点3エリア(米国・中国・東南アジア)における事業拡大のスピードアップと収益力強化に取り組んでまいりました。なお、外食事業セグメント新設に伴い、当事業セグメントに含まれておりました海外で展開するレストラン事業を外食事業へ移管しております。

米国事業は多様な販売チャネルに応じた製品展開を着実に進めたことで「HOUSE TOFU」ブランドの浸透が進み、増収増益となりました。

中国事業は、家庭用・業務用の両面から力強い成長を続けておりますが、日本式カレーライスの一層の定着に向けて積極的なコスト投下を図っており、増収減益となりました。

東南アジア事業は、タイにおける機能性飲料事業を中心に事業基盤の構築に注力しております。なお、東南アジアのグループ会社は決算日の変更により、当期は9カ月の変則決算となっております。

以上の結果、海外食品事業の売上高は185億77百万円前期比4.4%の増収営業利益は13億81百万円前期比38.1%の増益となりました。

 

<外食事業>

平成27年12月に㈱壱番屋株式の51%を取得して連結子会社化したことに伴い、第4四半期連結会計期間より新たに連結に組み入れております。

(平成28年3月期 連結対象期間)

新規連結組み入れ

㈱壱番屋

2015年12月~2016年2月(3か月)

 

 

レストラン事業のうち、当社が㈱壱番屋のフランチャイジーとして運営するアジアレストラン事業は、中国都市部を中心に競争環境が激しさを増すなか、着実な店舗展開と店舗品質の向上に努め、増収増益となりました。

 

以上の結果、外食事業の売上高は、㈱壱番屋の新規連結効果が大きく寄与し、183億12百万円前期比172.9%の増収、営業利益は連結効果が寄与した一方、のれん等の償却を開始したことにより、44百万円となりました。

 

<その他食品関連事業>

当事業セグメントは、各機能の強化とグループ間シナジーの追求による、グループとしての総合力の向上に努めてまいりました。

運送・倉庫事業を営むハウス物流サービス㈱は、事業構造の見直しと製品輸送力のアップ、抜本的コストダウン活動の推進などによる収益構造の再構築に取り組んだ結果、前連結会計年度に発生した営業損失を解消し、黒字に転換しております。

一方、コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営む㈱デリカシェフが、総菜新工場稼働に伴う初期コストが当初想定以上に嵩んだことから営業損失となり、当事業セグメントの利益を押し下げております。

以上の他、食材の輸入・販売等を営む㈱ヴォークス・トレーディングにおいて、前期は決算日変更に伴う10カ月の変則決算であった影響もあり、その他食品関連事業の売上高は627億18百万円前期比7.0%の増収営業利益は1億1百万円(前期は営業損失7億80百万円)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー125億18百万円に対し、「子会社株式の取得」「有価証券の取得」「有価証券の売却」などの投資活動によるキャッシュ・フロー△83億8百万円、「短期借入れ」「短期借入金の返済」「配当金の支払」などの財務活動によるキャッシュ・フロー△37億43百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は441億56百万円となり、期首残高より3億23百万円増加いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は125億18百万円前期比+40億90百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益281億2百万円、段階取得に係る差益138億51百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増加は、税金等調整前当期純利益の増加(前期比+162億8百万円)、たな卸資産の増減額(前期比+16億79百万円)、段階取得に係る差損益の増加(前期比△138億51百万円)、投資有価証券売却損益の増加(前期比△18億22百万円)などが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は83億8百万円前期比△36億29百万円)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出165億56百万円、投資有価証券の取得による支出65億1百万円、有形固定資産の取得による支出55億1百万円、有価証券の取得による支出34億24百万円、有価証券の売却による収入184億98百万円、投資有価証券の売却による収入57億88百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加(前期比△165億56百万円)、定期預金の払戻による収入の減少(前期比△57億20百万円)、有価証券の売却による収入の増加(前期比+108億68百万円)、有形固定資産の取得による支出の減少(前期比+32億9百万円)、定期預金の預入による支出の減少(前期比+30億9百万円)などが要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は37億43百万円前期比+68億45百万円)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出752億69百万円、配当金の支払額30億76百万円、短期借入れによる収入753億60百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増加は、短期借入れによる収入の増加(前期比+164億70百万円)、自己株式の取得による支出の減少(前期比+54億89百万円)、短期借入金の返済による支出の増加(前期比△157億14百万円)などが要因であります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

香辛・調味加工食品事業

108,235

△3.5

健康食品事業

32,070

△3.2

海外食品事業

14,623

+9.9

外食事業

3,177

その他食品関連事業

18,928

+12.1

合計

177,033

+0.9

 

(注) 1.金額は販売価格により算出しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度より、各セグメントへの配分方法および区分方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(2) 受注状況

主要製品の受注生産は行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

香辛・調味加工食品事業

120,018

△2.2

健康食品事業

34,523

△7.2

海外食品事業

18,577

+4.4

外食事業

18,312

+172.9

その他食品関連事業

62,718

+7.0

小計

254,148

+4.6

調整(消去)

△12,256

合計

241,893

+4.5

 

(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。

2.当連結会計年度より、各セグメントへの配分方法および区分方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

3.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

加藤産業㈱

32,332

14.0

31,485

13.0

三菱食品㈱

23,454

10.1

21,630

8.9

 

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

 

 

(1) グループ経営について

グループ全体としてシナジーを高め、企業価値と収益力を向上させるために、以下の事項の推進・強化に取り組んでまいります。

 

(中期計画)

当社グループでは、3年ごとに中期計画を策定し、事業の方向性を明確にしたうえで、具体的行動計画の策定と実践に取り組んでおります。

平成27年4月からスタートした第五次中期計画では、2020年(平成32年)に向けた目指す事業フレームを想定したうえで、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をテーマとして、具体的取組を策定・実行しております。

なお、平成27年12月には、従来持分法適用会社でありました㈱壱番屋の株式を追加取得して連結子会社とし、カレーの世界のさらなる広がりに向けた体制を強化いたしました。

 

第五次中期計画の基本的な考え方は次のとおりです。

①事業戦略

「香辛・調味加工食品事業」と「健康食品事業」では、既存事業の深掘による収益力強化を図ってまいります。また、バリューチェーン型事業との連携を図りながら、成熟市場のなかで新しい価値を創出し、お客さまにご提供する事業の立ち上げにチャレンジしてまいります。

「海外食品事業」では、米国・中国・東南アジアの各エリアの収益基盤強化を進めるとともに、成長市場でのスピードアップを優先し、事業拡大を図ってまいります。
 また、第4四半期連結会計期間から新たな事業セグメントとして追加した「外食事業」においては、㈱壱番屋をグループに迎え、メーカーとレストランという異なる業態の両社が協働を進めることで、国内外でカレーの持つ価値をさらに高めてまいります。

②グループ理念の実現

「お客さま」「社員とその家族」「社会」のそれぞれに対する責任を同時遂行する企業市民として、グループ理念の実現に向け、一貫性を持った取組を推進してまいります。

③機能強化

中期計画・業績・投資計画やR&DテーマについてPDCAを廻す仕組みを強化し、計画の達成に拘りを持って遂行してまいります。また、原材料の調達や製法改善などで新たな取組を進め、コスト競争力をさらに高めてまいります。

④資本政策

当社グループでは従来より、連結配当性向30%以上を基準とした安定的な配当を目指すことを、利益配分の基本方針としておりました。しかし、当期より㈱壱番屋を連結子会社化したことに伴い、当期を含めて当面の間、㈱壱番屋株式の追加取得に伴って発生した段階取得に係る差益、のれんや無形固定資産の償却により、現金の動きを伴わない損益の変動が大きくなることが見込まれます。
 このため、利益配分の基準となる原資からこのような変動要因を除いた方が「安定的配当」を具現化できるものと考え、当期より利益配分の基本方針を「企業結合に伴い発生する特別利益やのれん償却の影響を除く連結配当性向30%以上を基準とした安定的な配当を継続する」ことに修正いたします。
 また、借入を含めた事業投資の上限枠を設定し、余剰資金を有効に活用した新たな事業展開を図ってまいります。

 

 

 

(品質保証体制)

当社グループは、食品メーカーとして常に安全・安心な製品をお届けするよう、品質に関する基準や方針を適宜見直すとともに、食の品質に関わる情報共有と課題検討の場として、外部有識者を交えたグループ品質保証会議を開催しております。また、お客さまに安心して使っていただける製品を継続してお届けするため、お客さまの声を反映させた品質向上への取組を通じ、当社グループのものづくりの力の一層の強化に努めてまいります。

 

(コーポレート・ガバナンス)

当社グループは、内部統制システムを、コーポレート・ガバナンス体制の充実と企業理念・経営目標の実現・達成のための仕組みととらえ、企業価値のさらなる向上と持続的な発展をめざし、グループ経営の視点でリスクマネジメント、コンプライアンスを含めたガバナンス体制の構築と運用の強化を図っております。平成27年6月より上場会社に対し導入された「コーポレートガバナンス・コード」を、ガバナンス体制を見直すよい機会ととらえ、よりよいガバナンス体制に向けた検討を進めております。会社機関におきましては、平成28年6月28日開催の第70期定時株主総会にて、社外取締役を1名から2名に増員し、経営戦略機関に対する監督機能の強化に注力しております。また、社外監査役3名を含む5名の監査役体制で、取締役の職務執行の監査を行っており、常勤監査役2名は、主要なグループ会社の非常勤監査役を兼務することにより、グループにおける監査役監査の実効性の確保に努めております。

内部統制システムがグループとして有効に機能するよう、今後も継続的な改善に取り組んでまいります。

 

(社会的責任)

当社グループは、食を通じてお客様、社員とその家族、社会といったステークホルダーへの責任を果たし、人とつながり、笑顔ある暮らしを皆さまと共に創るグッドパートナーを目指し、社員全員で推進するCSR活動に取り組んでおります。

環境活動におきましては、「環境理念」と「行動指針」に基づきハウス食品グループ環境方針を策定、環境マネジメントシステムであるISO14001を導入し、本業における環境活動を推進しております。

また、社会貢献活動におきましては、「ハウス食品グループの資産を活用し、社会課題の解決に貢献し続ける」活動を推進、国際社会や地域社会との調和を図りながら、ステークホルダーの皆さまとの信頼関係を構築・維持し、より良い社会の実現に貢献してまいります。

 

(2) 買収防衛策について

1. 基本方針の内容

当社は、当社の企業価値の源泉が、当社グループが長年にわたって培ってきた経営資源に存することに鑑み、特定の者またはグループが当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式を取得することにより、このような当社グループの企業価値または株主のみなさまの共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令および定款によって許容される限度において当社グループの企業価値および株主のみなさまの共同の利益の確保・向上のための相当措置を講じることを、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたします。

 

2. 基本方針実現のための取組
(a) 基本方針の実現に資する特別な取組

基本方針の実現に資する特別な取組につきましては、前記「(1) グループ経営について」に記載のとおりでございます。

 

 

(b) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組

当社は、平成19年2月9日開催の当社取締役会において、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入することを決定し、同年6月27日開催の第61期定時株主総会において、株主のみなさまのご承認をいただきました。

その後、平成22年6月25日開催の第64期定時株主総会および平成25年6月26日開催の当社第67期定時株主総会において、一部所要の変更を行ったうえで買収防衛策を継続することをご承認いただいております(以下、当社第67期定時株主総会においてご承認いただいた買収防衛策を「本プラン」といいます。)。その後、有効期間満了にあたり、平成28年6月28日開催の第70期定時株主総会で、基本的内容を維持したまま、本プランを継続することについてご承認いただきました。

本プランでは、当社株式の20%以上を取得しようとする者が従うべき手続きを定めています。具体的には、当社株式の20%以上の大量取得行為を行おうとする者(以下「大量取得者」といいます。)は、大量取得行為の実行に先立ち、必要な情報を当社に対して提供していただきます。この情報が提供されますと、当社経営陣から独立した社外監査役および社外の有識者などによって組織される独立委員会が、適宜当社取締役会に対しても、大量取得行為の内容に対する意見や代替案の提供を要求いたします。独立委員会は、大量取得者と当社取締役会の双方から情報を受領した後、最長90日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社の全ての株券などの買付けが行われる場合は最長60日間)、外部専門家の助言を得ながら、大量取得行為の内容や当社取締役会の代替案について検討し、当社取締役会を通じて、大量取得者と協議、交渉を行います。また、当社取締役会は、適宜株主のみなさまへの情報開示などを行います。

 

大量取得者が、本プランの手続きに従わない場合や、大量取得者によって提供された情報から、その大量取得行為により当社グループの企業価値または株主共同の利益が害されるおそれがあると認められ、新株予約権の無償割当てなどの対抗措置を発動することが相当であると独立委員会が判断した場合には、独立委員会は当社取締役会に対して対抗措置の発動を勧告します。

独立委員会からこのような勧告がなされ、対抗措置として新株予約権の無償割当てを実施する場合、当社取締役会は、その時点における当社以外の全ての株主のみなさまに対して、その保有する株式1株に対し1個の新株予約権を、無償で割り当てます。この新株予約権には、大量取得者による行使は認められないという行使条件と、当社が大量取得者以外の者から当社株式の交付と引換えに新株予約権を取得することができるという内容の取得条項を付すことがあり得るとされており、また、時価より格段に安い価格で行使することが可能とされています。

大量取得者以外の株主のみなさまがこの新株予約権を行使し、行使価額の払込みをすれば、新株予約権1個あたり当社株式1株を受け取ることとなり、その一方、大量取得者はこれを行使することができない結果、大量取得者が保有する当社株式は希釈化されることになります。

また、当社は、大量取得者以外の株主のみなさまからこの新株予約権を取得し、それと引換えに当社普通株式を交付することがあり、この場合には、大量取得者以外の株主のみなさまは行使価額の払込みをすることなく、当社普通株式を受け取ることになります。

一方、独立委員会は、対抗措置を発動させることが当社グループの企業価値および株主共同の利益の確保・向上に望ましいか否かの判断が困難である場合には、株主総会において対抗措置の発動の要否や内容の意思確認を行うよう、当社取締役会に対して勧告し、また、大量取得者が対抗措置の発動要件に該当しない、もしくは対抗措置を発動することが相当でないと判断した場合には、対抗措置を発動しないよう、当社取締役会に対して勧告します。

さらに独立委員会は、対抗措置の発動の是非について判断に至らない場合には、原則30日間を限度として評価期間を延長することもあります。

これらの独立委員会の勧告や決定は、適切に株主のみなさまに情報開示されるとともに、当社取締役会は、この独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。

なお、本プランの有効期間は、第70期定時株主総会の終結の時から平成31年3月期に係る定時株主総会の終結の時までの約3年間となっております。

 

 

3. 具体的取組に対する当社取締役会の判断およびその理由

当社グループの中期計画は、当社グループの企業価値・株主共同の利益を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、また、本プランは、前記2.に記載のとおり、その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされ、かつ、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、当社取締役会としては、いずれも当社の基本方針に沿うものであると判断しております。

 

※独立委員会委員略歴

独立委員会委員3名の略歴は以下のとおりであります。

 

砂川 伸幸(いさがわ のぶゆき)

(略 歴)

昭和41年生まれ

平成元年4月 新日本証券株式会社入社

平成7年3月 神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了

平成7年4月 神戸大学経営学部助手

平成10年4月 神戸大学経営学部助教授

平成11年4月 神戸大学大学院経営学研究科助教授

平成19年4月 神戸大学大学院経営学研究科教授

平成28年4月 京都大学経営管理大学院教授(現)

 

小林 正明(こばやし まさあき)

(略 歴)

昭和21年生まれ

昭和45年4月 日本国有鉄道入社

平成13年6月 日本貨物鉄道株式会社取締役

平成14年6月 同社常務取締役

平成16年6月 同社代表取締役専務

平成18年6月 同社代表取締役副社長

平成19年6月 同社代表取締役社長

平成24年6月 同社取締役会長

平成25年6月 同社相談役

平成27年6月 同社特別顧問(現)

 

蒲野 宏之(かまの ひろゆき)

(略 歴)

昭和20年生まれ

昭和46年4月 外務省入省

昭和56年4月 弁護士登録

昭和63年10月 蒲野綜合法律事務所代表弁護士(現)

平成21年4月 東京弁護士会副会長

平成25年4月 日本弁護士連合会常務理事

平成27年6月 当社社外監査役(現)

 

 

4 【事業等のリスク】

 

当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、当社グループは、これらのリスク発生(顕在化)の可能性を認識し、発生の抑制・回避および発生時の対応に努めてまいります。

 (1)食品の安全性の問題

食品業界におきましては、消費者の品質に対する要求は一段と高まってきております。当社では、製品品質を保証する専門部署である品質保証統括部を中心にしたトレーサビリティの仕組みの構築をはじめ、外部有識者を交えたグループ品質保証会議の開催など品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、社会全般にわたる品質問題など、上記の取組の範囲を超えた事象が発生し、当社グループ製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、または当社グループ製品に直接関係がない場合であっても、風評などにより当社グループ製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 (2)天候や自然災害・重篤な感染症の大流行

当社グループの事業は、冷夏・猛暑・暖冬などの天候要因や、大規模な自然災害の発生・重篤な感染症の大流行により、業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

大規模災害発生・重篤な感染症の大流行に際しては、直ちに対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築するとともに、食品企業の使命として製品支援・製品供給を第一に考え、生産・供給体制を整備いたします。また、当社グループで災害発生による損害が発生した場合に、いち早く事業を復旧するため、毎年、事業継続計画を見直しております。

 (3)原材料の調達および価格の変動

当社グループ製品の主要原材料は、小麦粉・香辛料などの農産物および包材に使用する石油化学製品などであり、原産地での異常気象や紛争の発生、法律または規制の予期しない変更などにより安定調達が困難になるリスクや、さらに需給関係や相場の変動などによる価格高騰で製造コストが上昇し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

また、当社グループは、原材料の一部を海外から調達しており、為替変動の影響を受ける可能性があります。中長期的な為替変動は、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 (4)海外事業におけるリスク

当社グループは、米国・中国・台湾・韓国・タイ・ベトナムなど海外において、豆腐製品、カレー製品などの製造・販売、レストランのチェーン展開など食品関連の諸事業を行っております。これらの国々での景気後退・政治的問題、食品の安全性を脅かす事態の発生などにより、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 (5)外食事業におけるリスク

外食事業は、マーケット規模の横ばい傾向が続く中、外食の店舗間だけでなく、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどとの業態の垣根を越えた競争が激しさを増してきております。当社グループが、お客様のニーズにあったメニューや付加価値の高いサービスを提供できない場合には売上高は減少し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 (6)保有資産の価値変動

当社グループは、事業用設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする様々な有形・無形の固定資産を保有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなどその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 (7)法的規制などの影響

当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、環境・リサイクル関連法規などの各種規制や、海外進出先における現地法令などの適用を受けております。当社グループといたしましては各主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、法的規制の強化、新たな規制などによって事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 

 (8)情報・システム管理におけるリスク

当社グループは、開発・生産・物流・販売などの情報や、販売促進キャンペーン、通信販売などによる多数のお客さまの個人情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、災害によってソフトウェアや機器が被災した場合のシステム作動不能や内部情報の消失、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウィルス感染などによって、システム障害や情報漏洩、改ざんなどの被害を受ける可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

 

1.香辛・調味加工食品事業、健康食品事業、海外食品事業

当社グループ(当社および当社の関係会社)は、“新価値創造、健康とおいしさ発信企業”として、常にお客さまから学び続け、お客さまの立場に立った製品開発を基本方針とした研究開発活動を行っております。

当社グループにおきましては、当社の中央研究所(千葉県四街道市、東京都千代田区)、ハウス食品㈱の開発研究所(千葉県四街道市)、ハウスウェルネスフーズ㈱の開発研究所(兵庫県伊丹市、千葉県四街道市)の3研究所が、研究開発活動を担っており、「新たな需要の創造」と「確かな設計」の両立を目指し、変化する社会にあって安心してご使用いただけ、ご満足をいただける食品を創出するために、広範な研究開発を実施しております。

 

(1) 研究開発取組姿勢
①製品開発・技術開発分野

製品開発・技術開発分野では、お客さまのニーズやウォンツにお応えできる「新しい価値」を有した製品づくりに努めるとともに、お客さまの食生活と健康に貢献するべく、「よりおいしく、より簡便に、より健康に」にこだわりを持ち、品質の一層の向上に努め、独自性のある技術に裏打ちされた製品の開発に取り組んでおります。

香辛・調味加工食品事業におきましては、塩分とカロリーに配慮(1皿当たり、当社「バーモントカレー」比 塩分30%オフ・カロリー30%オフ)しながらも、おいしいカレーを食べることができるカレールウ、ハウス「ヘルシーオカレー」を開発、平成18年3月にカロリーに配慮した「プライムカレー」シリーズ、昨年から今年にかけて「特定原材料7品目不使用」シリーズ、「ベジタベルカレー」(動物性原料不使用 (注)乳原料は除く)を発売するなど、従来のカレールウの魅力向上に加え、カレーのメニュー価値向上に取り組んでおります。また、東京・京橋のフランス料理店「シェ・イノ」料理長の古賀純二氏監修のもと、ソースを裏ごしするなどフランス料理の技法を用い、高級レストランで提供されるような欧風カレーを手軽に味わうことができるレトルトカレー、「カレーマルシェスペシャリテ」<イベリコ豚とマッシュルームのカレー>を開発いたしました。

健康食品事業におきましては、昨年から販売しご好評いただいているウコンエキス入り飲料「ウコンの力 レバープラス」をさらにスッキリとした後味にフレッシュアップするとともに、いつでもどこでも手軽で便利にご使用いただける「ウコンの力 レバープラス 粒タイプ」を開発いたしました。

 

 

②基礎研究分野

基礎研究分野では、食品科学のみならず、生化学、植物育種・栽培学、化学工学、生理学など多方面からの研究を行い、高水準の技術保有に努めております。特に、製品および使用原料の安全性確保の観点から、農薬、遺伝子組み換え体(GMO)、および食物アレルゲンを中心とした分析技術の強化・研究に注力しております。当連結会計年度は、油脂中に含まれ健康リスクが懸念されている3-MCPD脂肪酸エステルとグリシドール脂肪酸エステルについて、油脂を多く含有する加工食品での分析法を開発した研究成果などを、学会にて発表いたしました。

また、タマネギの催涙因子生成酵素の発見を契機として、タマネギ催涙因子に関する研究にも継続して精力的に取り組んでおり、当連結会計年度は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において千葉大学と実施している、タマネギに関する共同研究の内容を学会発表いたしました。タマネギ研究の成果といたしましては、催涙因子生成酵素の研究の過程で生まれた、涙の出ないタマネギ(スマイルボール)を東京にてテスト販売いたしました。今後も栽培に力を入れ、販売数量を増やしていく予定です。

健康維持に必要なビタミンや、さまざまな生理機能があるといわれるスパイスに加え、近年その健康維持への効果が期待されている乳酸菌につきまして、これらの効果を検証するための試験、ならびに、新しい作用を見出すための基礎研究を継続して精力的に取り組んでおります。当連結会計年度は、「ウコンエキスの作用に関する研究」および「乳酸菌L-137の免疫賦活作用の機序解明に関する研究」につきまして、科学的に確認した一連の研究を論文発表いたしました。

 

(2) 研究体制

当社グループの3つの研究所は、基礎研究・機能性研究、製品開発、技術開発、容器包装開発、お客様生活研究、海外技術拠点統括、研究企画、運営の各部門で構成しており、それぞれの部門において専門的な研究開発活動に取り組む一方、情報ネットワークを活用し、研究所間の垣根を越えて、お互いが有機的に連携して相乗効果を高めるよう努めております。また、海外事業における製品開発サポート体制も継続的に強化しております。

組織をフラットな小グループ制とし、柔軟性ある運用により市場の変化と商品の多様化にフレキシブルに対応するとともに、保有技術を目に見えるサービスにいかに具現化していくかというこだわりを持って運営にあたっております。

 

(3) 研究開発費

当連結会計年度における研究開発費の総額は3,510百万円であります。

 

2.外食事業、その他食品関連事業

特に記載すべき事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 財政状態の分析

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて632億78百万円増加3,494億27百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて41億87百万円減少1,189億47百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて674億64百万円増加2,304億80百万円となりました。

流動資産の減少の主な要因は、㈱壱番屋を子会社化した影響等により現金及び預金が172億22百万円、受取手形及び売掛金が24億46百万円増加した一方で、有価証券が245億68百万円減少したことなどによるものです。

固定資産の増加の主な要因は、㈱壱番屋の連結子会社化により既保有の同社株式について連結消去したことや売却等により投資有価証券が114億41百万円減少したほか、金利の影響等で退職給付に係る資産が68億18百万円減少した一方で、㈱壱番屋を子会社化した影響等により契約関連無形資産が287億53百万円、商標権が263億50百万円、のれんが160億66百万円、建物及び構築物が46億72百万円、土地が30億9百万円増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて244億5百万円増加890億98百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて45億11百万円増加508億14百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて198億94百万円増加382億84百万円となりました。

流動負債の増加の主な要因は、㈱壱番屋を子会社化した影響等により未払金が14億56百万円、未払法人税等が12億53百万円増加したことなどによるものです。

固定負債の増加の主な要因は、㈱壱番屋を子会社化した影響等により繰延税金負債が139億47百万円増加したほか、金利の影響等で退職給付に係る負債が37億7百万円増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末の純資産は、金利の影響等により退職給付に係る調整累計額が減少したほか、保有する投資有価証券の時価下降によりその他有価証券評価差額金が減少した一方で、㈱壱番屋を子会社化した影響等により非支配株主持分が増加したことや、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べて388億73百万円増加2,603億29百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の76.9%から65.5%となり、1株当たり純資産が2,140円27銭から2,231円86銭となりました。

 

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度における経営環境は、海外経済の不確実性の高まりなどを背景とした景気下振れが懸念されたものの、全体では緩やかな回復基調が続きました。食品業界におきましては、消費マインドの停滞や原材料価格の上昇など、依然として先行き不透明な状況が続くなか、安全・安心への取組、お客様の生活スタイルの変化への対応などが求められております。

このような環境下におきまして、当社グループは、当連結会計年度より開始した第五次中期計画において“「食で健康」クオリティ企業への変革”をテーマに、国内事業の収益力強化と新規需要の創出、海外事業の成長加速に向けた施策を進めております。

売上面につきましては、香辛・調味加工食品事業、健康食品事業の国内コア2事業が減収となりましたが、海外食品事業の伸長や平成27年12月に㈱壱番屋を連結子会社化した影響などにより、当連結会計年度の売上高は2,418億93百万円前期比4.5%の増収となりました。

利益面につきましては、各事業が収益力強化に向けた取組を進めたことで、営業利益は107億75百万円前期比24.0%の増益となりました。

営業外収益は21億77百万円前期比25.9%の減少営業外費用は8億1百万円前期比20.1%の増加となり、営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は13億76百万円の利益の計上となりました。営業外収益の主な減少要因は、為替差益や受取利息の減少によるものであります。また、営業外費用の主な増加要因は、為替差損や㈱壱番屋を子会社化した影響により賃貸費用が増加したことによるものであります。この結果、経常利益は121億52百万円前期比10.9%の増益となりました。

特別利益は170億13百万円前期比1,002.5%の増加となりました。主な増加要因は、㈱壱番屋株式の追加取得に伴って発生した段階取得に係る差益や投資有価証券売却益が増加したものであります。一方、特別損失は10億62百万円前期比75.1%の増加となりました。主な増加要因は、固定資産減損損失や固定資産除却損の増加によるものであります。以上の結果、税金等調整前当期純利益は281億2百万円前期比136.3%の増益となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は226億32百万円前期比224.6%の増益となりました。

また、1株当たり当期純利益金額は220円48銭、自己資本利益率は10.1%となりました。 

なお、事業別の売上および営業利益の概況につきましては、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」に記載しております。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」に記載しております。