文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、次の3要素をグループ理念体系と位置づけております。グループ理念体系により、めざす方向性を明確にし、一貫性をもった事業活動による成長を図っております。
『創業理念』
日本中の家庭が幸福であり、そこにはいつも温かい家庭の味ハウスがある。~幸せな家庭のマーク~
『グループ理念』
食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。
『ハウスの意(こころ)』
社是(「誠意・創意・熱意を持とう。」)・ハウス十論で構成
当社グループを取り巻く経営環境は、国内成熟市場における世帯構成や生活者の食スタイルの変化、国際情勢の不確実性の高まりや新興国の需要増を背景とした原材料動向に注意を要するなど、予断を許さない状況が続くものと想定しております。
このような見通しのなか、当社グループは、2018年4月から新たにスタートした第六次中期計画において、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をハウス食品グループのめざす姿と位置づけ、事業面だけではなく、より幅広い視点からクオリティ企業への変革を進めるとともに、前中期計画期間中に新たにグループに迎えた各社の異文化・複数のビジネスモデルの融合、グローバル展開のスピードアップ、グループシナジーの創出に取り組んでまいります。
第六次中期計画最終年度である2021年3月期において、連結売上高3,100億円、連結営業利益220億円、ROS7.1%をめざしております。
①グループ経営について
グループ全体としてシナジーを高め、企業価値と収益力を向上させるために、以下の事項の推進・強化に取り組んでまいります。
1)中期計画の概要
当社グループでは、3年ごとに中期計画を策定し、事業の方向性を明確にしたうえで、具体的行動計画の策定と実践に取り組んでおります。2018年4月から新たにスタートした第六次中期計画では、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をハウス食品グループのめざす姿と位置づけ、事業面だけではなく、グループ理念のベースとなる (a)お客さまに対して (b)社員とその家族に対して (c)社会に対して の「3つの責任」の全てにおいて、次のとおりクオリティ企業への変革を進めるための取組を推進しております。
(a)お客さまに対する取組
事業を通じて、「食で健康」をお客さまにお届けすることを責任としております。「国内成熟市場におけるイノベーションの創出」と「海外成長市場における事業展開の加速」の2つをテーマに、バリューチェーン革新とR&D変革に取り組み、自ら新しい価値を創出する力を強化してまいります。
第六次中期計画における、各事業セグメントおよび新規事業の主なテーマは次のとおりです。
|
セグメント |
主なテーマ |
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香辛・調味加工食品事業 |
収益構造モデルの変革 ~ルウ事業集中からの脱却~ |
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健康食品事業 |
経営資源の選択と集中による構造改革と新しい柱の立ち上げ |
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海外食品事業 |
「成長加速化」と「収益確保」の両輪を推進し、グループを牽引 |
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外食事業 |
成長軌道に向けた経営基盤強化と、魅力あふれる企業への進化 |
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その他食品関連事業 |
食品企業物流プラットフォーム(F-LINE)推進、 |
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新規事業 |
暗黙知の集積から形式知の獲得へ(涙の出ないタマネギの事業化他) |
(b)社員とその家族に対する取組
多様性を受け入れ、活かし、育み、個性を活かした活躍ができるステージの創出に取り組むことを責任としております。「働き方変革の実行」と「多様な人材の獲得と活躍できる場づくり」の2つの取組を進め、ダイバーシティの実現をめざしてまいります。
食事業を通じて人と地球の健康に貢献し、持続可能な社会を実現することを責任としております。
当社グループでは、CSRを「笑顔とつながりをつくり、未来へとつなげる」=“ Creating Smiles & Relationships ”ととらえ、CSR活動を通じて「循環型モデルの構築」と「健康長寿社会の実現」をめざしてまいります。
2)事業投資計画
第六次中期計画の期間中に、収益基盤強化のためのグループ最適生産体制の投資に300億円、グループ成長牽引のための海外成長投資に100億円、その他の新規事業投資に200億円の、計600億円の事業投資を計画しております。
当社グループは、内部統制システムを、コーポレート・ガバナンス体制の充実と企業理念・経営目標の実現・達成のための仕組みととらえ、企業価値のさらなる向上と持続的な発展をめざし、グループ経営の視点でリスクマネジメント、コンプライアンスを含めたガバナンス体制の構築と運用の強化を図っております。会社機関におきましては、社外取締役を2名体制とし、経営戦略機関に対する監督機能の強化に注力しております。また、社外監査役3名を含む5名の監査役体制で、取締役の職務執行の監査を行っており、常勤監査役2名は、主要なグループ会社の非常勤監査役を兼務することにより、グループにおける監査役監査の実効性の確保に努めております。また、社外取締役を委員長とし、委員の半数以上を社外役員で構成する「報酬等諮問委員会」を設置し、取締役および監査役の報酬決定の手続きに、客観性と透明性を確保しております。
内部統制システムがグループとして有効に機能するよう、今後も継続的な改善に取り組んでまいります。
②買収防衛策について
当社は、当社の企業価値の源泉が、当社グループが長年にわたって培ってきた経営資源に存することに鑑み、特定の者またはグループが当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式を取得することにより、このような当社グループの企業価値または株主のみなさまの共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令および定款によって許容される限度において当社グループの企業価値および株主のみなさまの共同の利益の確保・向上のための相当措置を講じることを、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたします。
基本方針の実現に資する特別な取組につきましては、前記「①グループ経営について」に記載のとおりでございます。
当社は、2007年2月9日開催の当社取締役会において、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入することを決定し、同年6月27日開催の当社第61期定時株主総会において、株主のみなさまのご承認をいただきました。
その後、2010年6月25日開催の当社第64期定時株主総会および2013年6月26日開催の当社第67期定時株主総会において、一部所要の変更を行ったうえで買収防衛策を継続することをご承認いただいております(以下、当社第67期定時株主総会においてご承認いただいた買収防衛策を「本プラン」といいます。)。その後、有効期間満了にあたり、2016年6月28日開催の当社第70期定時株主総会で、基本的内容を維持したまま、本プランを継続することについてご承認いただきました。
本プランでは、当社グループの企業価値および株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大量取得行為が行われる場合に、大量取得行為を行おうとする者(以下「大量取得者」といいます。)に対し、〔1〕事前に大量取得行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求め、〔2〕大量取得行為についての情報収集および検討等を行う時間を確保したうえで、〔3〕株主のみなさまへの当社経営陣の計画や代替案等の提示、および大量取得者との交渉を行っていくための手続を定めております。
大量取得者が、本プランの手続きを遵守しない場合や、大量取得者によって提供された情報から、その大量取得行為により当社グループの企業価値または株主共同の利益が害されるおそれがあると認められ、新株予約権の無償割当てなどの対抗措置を発動することが相当であると独立委員会が判断した場合には、独立委員会は当社取締役会に対して対抗措置の発動を勧告します。
独立委員会からこのような勧告がなされ、対抗措置として新株予約権の無償割当てを実施する場合、当社取締役会は、その時点における当社以外の全ての株主のみなさまに対して、その保有する株式1株に対し1個の新株予約権を、無償で割り当てます。この新株予約権には、大量取得者による行使は認められないという行使条件と、当社が大量取得者以外の者から当社株式の交付と引換えに新株予約権を取得することができるという内容の取得条項を付すことがあり得るとされており、また、時価より格段に安い価格で行使することが可能とされています。
大量取得者以外の株主のみなさまがこの新株予約権を行使し、行使価額の払込みをすれば、新株予約権1個当たり当社株式1株を受け取ることとなり、その一方、大量取得者はこれを行使することができない結果、大量取得者が保有する当社株式は希釈化されることになります。
また、当社は、大量取得者以外の株主のみなさまからこの新株予約権を取得し、それと引換えに当社普通株式を交付することがあり、この場合には、大量取得者以外の株主のみなさまは行使価額の払込みをすることなく、当社普通株式を受け取ることになります。
一方、独立委員会は、対抗措置を発動させることが当社グループの企業価値および株主共同の利益の確保・向上に望ましいか否かの判断が困難である場合には、株主総会において対抗措置の発動の要否や内容の意思確認を行うよう、当社取締役会に対して勧告し、また、大量取得者が対抗措置の発動要件に該当しない、もしくは対抗措置を発動することが相当でないと判断した場合には、対抗措置を発動しないよう、当社取締役会に対して勧告します。
さらに独立委員会は、対抗措置の発動の是非について判断に至らない場合には、原則30日間を限度として評価期間を延長することもあります。
これらの独立委員会の勧告や決定は、適切に株主のみなさまに情報開示されるとともに、当社取締役会は、この独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
なお、本プランの有効期間は、当社第70期定時株主総会の終結の時から2019年3月期に係る定時株主総会の終結の時までの約3年間となっております。
当社グループの中期計画は、当社グループの企業価値・株主共同の利益を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、また、本プランは、前記2)に記載のとおり、その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされ、かつ、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、当社取締役会としては、いずれも当社の基本方針に沿うものであると判断しております。
独立委員会委員3名の略歴は以下のとおりであります。
砂川 伸幸(いさがわ のぶゆき)
(略 歴)
1966年生まれ
1989年4月 新日本証券株式会社(現みずほ証券株式会社)入社
1995年3月 神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了
1995年4月 神戸大学経営学部助手
1998年4月 神戸大学経営学部助教授
1999年4月 神戸大学大学院経営学研究科助教授
2007年4月 神戸大学大学院経営学研究科教授
2016年4月 京都大学経営管理大学院教授(現)
小林 正明(こばやし まさあき)
(略 歴)
1946年生まれ
1970年4月 日本国有鉄道入社
2001年6月 日本貨物鉄道株式会社取締役
2002年6月 同社常務取締役
2004年6月 同社代表取締役専務
2006年6月 同社代表取締役副社長
2007年6月 同社代表取締役社長
2012年6月 同社取締役会長
2013年6月 同社相談役
2015年6月 同社特別顧問(現)
蒲野 宏之(かまの ひろゆき)
(略 歴)
1945年生まれ
1971年4月 外務省入省
1981年4月 弁護士登録
1988年10月 蒲野綜合法律事務所代表弁護士(現)
2009年4月 東京弁護士会副会長
2013年4月 日本弁護士連合会常務理事
2015年6月 当社社外監査役(現)
当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがありま
す。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは問題視されていないリスク
の影響を将来受ける可能性があります。
なお、当社グループは、これらのリスク発生(顕在化)の可能性を認識し、発生の抑制・回避および発生時、経
営および事業リスクの最小化に努めてまいります。
(1)食品の安全性の問題
食品業界におきましては、消費者の品質に対する要求は一段と高まってきております。当社では、製品品質を保
証する専門部署である品質保証統括部を中心にしたトレーサビリティの仕組みの構築をはじめ、外部有識者を交え
たグループ品質保証会議の開催など品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、社会全般にわたる品質
問題など、上記の取組の範囲を超えた事象が発生し、当社グループ製品のイメージが低下するなどの事態が発生し
た場合、または当社グループ製品に直接関係がない場合であっても、風評などにより当社グループ製品のイメージ
が低下するなどの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
(2)気候変動や自然災害・重篤な感染症の大流行
当社グループの事業は、冷夏・猛暑・暖冬などの天候要因や、大規模な自然災害の発生・重篤な感染症の大流行により、業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
大規模災害発生・重篤な感染症の大流行に際しては、直ちに対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築するとともに、食品企業の使命として製品支援・製品供給を第一に考え、生産・供給体制を整備いたします。また、当社グループで災害発生による損害が発生した場合に、いち早く事業を復旧するため、毎年、事業継続計画を見直しております。
(3)原材料の調達および価格の変動
当社グループ製品の主要原材料は、小麦粉・香辛料などの農産物および包材に使用する石油化学製品などであり、原産地での異常気象や紛争の発生、法律または規制の予期しない変更などにより安定調達が困難になるリスクや、さらに需給関係や相場の変動などによる価格高騰で製造コストが上昇し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
また、当社グループは、原材料の一部を海外から調達しており、為替変動の影響を受ける可能性があります。中
長期的な為替変動は、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
(4)海外事業におけるリスク
当社グループは、米国・中国・台湾・韓国・タイ・ベトナム・インドネシア・マレーシアなど海外において、豆
腐製品、カレー製品などの製造・販売、レストランのチェーン展開など食品関連の諸事業を行っております。これ
らの国々での景気後退・政治的問題、テロまたは紛争、食品の安全性を脅かす事態の発生などにより、当社グルー
プの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
(5)外食事業におけるリスク
外食事業は、マーケット規模の横ばい傾向が続く中、外食の店舗間だけでなく、コンビニエンスストアやスーパ
ーマーケットなどとの業態の垣根を越えた競争が激しさを増してきております。当社グループが、お客様のニーズ
にあったメニューや付加価値の高いサービスを提供できない場合には売上高は減少し、当社グループの経営成績に
影響を及ぼす可能性があります。
(6)保有資産の価値変動
当社グループは、事業用設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする様々な有形・無形の
固定資産を保有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状
況になるなどその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
(7)法的規制などの影響
当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、環境・リサイクル関連法規など
の各種規制や、海外進出先における現地法令などの適用を受けております。当社グループといたしましては各主管
部門と法務部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、法的規制の強化、新たな規制など
によって事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
(8)情報・システム管理におけるリスク
当社グループは、開発・生産・物流・販売などの情報や、販売促進キャンペーン、通信販売などによる多数のお
客さまの個人情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の
保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、災害によってソフト
ウェアや機器が被災した場合のシステム作動不能や内部情報の消失、想定を超えた技術による不正アクセスや予測
不能のコンピュータウィルス感染などによって、システム障害や情報漏洩、改ざんなどの被害を受ける可能性があ
ります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあ
ります。
当連結会計年度における経営環境は、海外における政治・経済の不確実性や地政学的リスクが大きな影を落としました。国内においては、所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続く一方、生産年齢人口減少の影響もあり、雇用環境は厳しさを増してきております。
食品業界においては、市場の成熟化が進展する中、多様化する食ニーズへの対応、新しい価値の提供が求められております。
当期は、当社グループにとって第五次中期計画の最終年度にあたり、“「食で健康」クオリティ企業への変革”に向けて、国内既存事業の収益力強化と新規需要の創出、海外事業の成長加速に向けた取組を推進いたしました。
結果、グループ全体の売上高は、健康食品事業において主力製品が低調であったことから苦戦したものの、香辛・調味加工食品事業、海外食品事業の伸長などにより、2,918億97百万円、前期比2.8%の増収となりました。
利益面では、増収効果やグループ各社の収益力向上に向けた取組が寄与し、営業利益は162億88百万円、前期比32.3%の増益となりました。
営業外収益は22億96百万円、前期比11.9%の減少となりました。営業外収益の主な減少要因は、為替差益や受取配当金の減少によるものであります。また、営業外費用は13億76百万円、前期比42.1%の増加となりました。営業外費用の主な増加要因は、為替差損が増加したことによるものであります。この結果、経常利益は172億7百万円、前期比23.3%の増益となりました。
特別利益は9億93百万円、前期比50.5%の減少となりました。主な減少要因は、投資有価証券売却益が増加した一方で、前連結会計年度に㈱ギャバンを子会社化した影響による負ののれん発生益や段階取得に係る差益が減少したことなどによるものであります。また、特別損失は11億86百万円、前期比20.3%の減少となりました。主な減少要因は、減損損失の減少によるものであります。以上の結果、税金等調整前当期純利益は170億14百万円、前期比17.6%の増益となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は93億53百万円、前期比7.7%の増益となりました。
また、1株当たり当期純利益金額は91円02銭、自己資本利益率は3.8%となりました。
なお、当期の2017年8月にはマロニー㈱の株式を取得、同社を連結子会社として香辛・調味加工食品事業セグメントに組み入れております。
セグメント別の経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。
当事業セグメントは、「食の外部化」などの事業を取り巻く環境変化に対し、「より健康、より上質、より簡便、より適量」にフォーカスした製品・サービスの提供を通じて、「既存領域の強化」および「新規領域の展開」に取り組みました。
カレー類は、「食の外部化」の影響もあり、調理型のルウカレーは前年を下回る推移となりましたが、堅調な中食・外食ニーズを取り込んだレトルトカレーや業務用製品が伸長し、トータルでは前年を上回りました。加えて、ルウシチュー、スパイス、スナックも売上を伸ばしております。
以上に加え、㈱ギャバンやマロニー㈱の新規連結効果も寄与し、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,399億37百万円、前期比6.0%の増収となりました。営業利益はハウス食品㈱を中心とした既存事業の収益改善が寄与し、120億81百万円、前期比22.2%の増益となりました。
<健康食品事業>
当事業セグメントは、主力製品の収益力改善と成長に向けた仕込みに取り組みましたものの、依然厳しい状況が続きました。
機能性スパイス事業では、主力の「ウコンの力」がお客様の飲酒シーンが多様化する中で苦戦が続き、セグメント業績を押し下げる大きな要因となりました。
ビタミン事業では、「C1000」シリーズは前年を下回りましたが、ビタミンの提供領域拡大に向け注力する「1日分のビタミン」が着実に拡大し、全体では前年並みの実績を確保いたしました。
以上の結果、健康食品事業の売上高は315億99百万円、前期比5.1%の減収となりました。営業利益は主力製品の苦戦の影響により、9億7百万円、前期比32.0%の減益となりました。
<海外食品事業>
当事業セグメントは、重点3エリア(米国・中国・アセアン)における事業拡大のスピードアップと収益力強化に取り組んでおり、それぞれ事業拡大を進めました。
米国では、豆腐および豆腐関連製品が主力のアジア系マーケットの拡大に加え、米系マーケットにおいても、健康意識の高まりに対応した顧客層の拡大が奏功し、好調な推移となりました。
中国では、「カレーの人民食化」に向けて、前期の販売体制の再構築に加え、当下期には家庭用製品の価格改定を実施するなど、事業基盤の強化を図りました。
アセアンでは、タイにおいて機能性飲料「C-vitt」の市場浸透が進みました。また前期事業化したインドネシアでのハラール認証カレー事業は業務用市場へのアプローチを開始いたしました。
以上の結果、海外食品事業の売上高は228億55百万円、前期比13.6%の増収、営業利益は28億47百万円、前期比69.3%の増益となりました。
<外食事業>
当事業セグメントは、国内外でのカレーレストランの運営を通じて、お客様とカレーライスの接点の多様化とメニューの更なる深耕に取り組んでおります。
㈱壱番屋は、国内では全店ベースの売上高は前期比2.9%増、既存店ベースの売上高は同1.8%増と堅調に推移いたしました。一方利益面では、人件費や業務用米を中心とした食材原価の上昇等により前期比では微減となりました。
海外では、競争が激しさを増す環境下において、これまで当社が㈱壱番屋のフランチャイジーとして展開しておりました中国、台湾におけるレストラン事業を㈱壱番屋へ移管し、収益力ならびに競争力の強化に努めました。
以上の結果、外食事業の売上高は519億74百万円、前期比1.2%の増収、営業利益は㈱壱番屋を連結対象子会社とした際に発生したのれんや無形固定資産の償却が重く、4億6百万円の損失(前期は営業損失4億24百万円)となりました。
<その他食品関連事業>
当事業セグメントは、各社の機能強化の追求によるグループ総合力の向上に努めております。
運送・倉庫事業を営むハウス物流サービス㈱は、厳しい物流環境の中、食品企業による共同取組「F-LINE」の全国展開を見据え、事業の最適化、再構築に取り組み、増益を確保しております。
コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営む㈱デリカシェフは、開発力強化・生産性改善に取り組んだ結果、収益性は大幅に改善いたしました。
㈱ヴォークス・トレーディングは、グループ協働取組の推進、調達・販売力の一層の強化に継続して注力した結果、増益を確保いたしました。
以上の結果、その他食品関連事業の売上高は610億24百万円、前期比1.8%の減収、営業利益は各社の収益力改善の成果が表れ、18億65百万円、前期比159.5%の増益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
香辛・調味加工食品事業 |
123,829 |
+5.7 |
|
健康食品事業 |
30,074 |
△6.8 |
|
海外食品事業 |
14,815 |
+9.2 |
|
外食事業 |
12,618 |
△0.7 |
|
その他食品関連事業 |
18,903 |
+0.9 |
|
合計 |
200,238 |
+3.0 |
(注) 1.金額は販売価格により算出しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
主要製品の受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
香辛・調味加工食品事業 |
139,937 |
+6.0 |
|
健康食品事業 |
31,599 |
△5.1 |
|
海外食品事業 |
22,855 |
+13.6 |
|
外食事業 |
51,974 |
+1.2 |
|
その他食品関連事業 |
61,024 |
△1.8 |
|
小計 |
307,389 |
+2.8 |
|
調整(消去) |
△15,492 |
|
|
合計 |
291,897 |
+2.8 |
(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。
2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
加藤産業㈱ |
32,992 |
11.6 |
34,072 |
11.7 |
|
三菱食品㈱ |
21,002 |
7.4 |
21,389 |
7.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて261億15百万円増加し3,800億3百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて83億5百万円増加し1,439億17百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて178億10百万円増加し2,360億85百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が32億5百万円、現金及び預金が30億47百万円、有価証券が12億18百万円増加したことなどによるものです。
固定資産の増加の主な要因は、のれんが35億63百万円減少した一方で、投資有価証券が149億70百万円、退職給付に係る資産が36億23百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて90億11百万円増加し962億84百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて52億円増加し566億92百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて38億11百万円増加し395億92百万円となりました。
流動負債の増加の主な要因は、未払金が17億29百万円、未払法人税等が16億51百万円、支払手形及び買掛金が12億93百万円増加したことなどによるものです。
固定負債の増加の主な要因は、退職給付に係る負債が9億93百万円減少した一方で、繰延税金負債が33億70百万円、長期預り保証金が11億35百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、保有する投資有価証券の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したことや、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したこと、退職給付に係る調整累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べて171億4百万円増加の2,837億19百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.5%から66.3%となり、1株当たり純資産が2,289円43銭から2,450円71銭となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー236億8百万円に対し、「子会社株式の取得」「有価証券の取得」「有価証券の売却」などの投資活動によるキャッシュ・フロー△137億39百万円、「短期借入れ」「短期借入金の返済」「配当金の支払」などの財務活動によるキャッシュ・フロー△53億17百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は602億2百万円となり、期首残高より46億8百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は236億8百万円(前期比+23億10百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益170億14百万円などによるものであります。
また、前連結会計年度に比べての増加は、税金等調整前当期純利益の増加(前期比+25億44百万円)、負ののれん発生益の減少(前期比+9億61百万円)、投資有価証券売却損益の増加(前期比△6億19百万円)、減損損失の減少(前期比△3億64百万円)、減価償却費の減少(前期比△2億19百万円)などが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は137億39百万円(前期比△115億70百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出101億53百万円、投資有価証券の取得による支出84億84百万円、有価証券の取得による支出50億円、有価証券の売却による収入83億36百万円などによるものであります。
また、前連結会計年度に比べての減少は、投資有価証券の取得による支出の増加(前期比△63億71百万円)、有価証券の取得による支出の増加(前期比△40億円)、有形固定資産の取得による支出の増加(前期比△31億80百万円)、有価証券の売却による収入の減少(前期比△21億64百万円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の減少(前期比+31億92百万円)などが要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は53億17百万円(前期比+20億71百万円)となりました。これは主に配当金の支払額35億96百万円、非支配株主への配当金の支払額8億72百万円、リース債務の返済による支出7億35百万円などによるものであります。
また、前連結会計年度に比べての増加は、短期借入金の返済による支出の減少(前期比+65億42百万円)、連結の範囲の変更を伴わない子会社出資金の取得による支出の減少(前期比+9億41百万円)、子会社の自己株式の取得による支出の減少(前期比+9億2百万円)、短期借入金による収入の減少(前期比△50億83百万円)、子会社が所有する親会社株式の売却による収入の減少(前期比△10億9百万円)などが要因であります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(3) キャッシュ・フローに記載のとおりであります。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
|
|
2014年3月期 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
76.4 |
76.9 |
65.5 |
66.5 |
66.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
66.3 |
90.5 |
61.7 |
70.5 |
95.6 |
|
キャッシュ・フロー対 |
148.8 |
143.5 |
117.3 |
64.9 |
62.6 |
|
有利子負債比率(%) |
|||||
|
インタレスト・カバレッジ・ |
40.3 |
63.6 |
122.7 |
252.8 |
263.5 |
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式数を控除)により算出しております。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
該当事項はありません。
1.香辛・調味加工食品事業、健康食品事業、海外食品事業
当社グループ(当社および当社の関係会社)は、“「食で健康」クオリティ企業への変革”というテーマを掲げております。国内市場で長年にわたりご愛顧をいただいている各製品ブランド力の維持・強化に努めると共に、成熟した市場の中で「食で健康」という領域にフォーカスし、お客さまの立場に立った新しい価値をご提供し続けることができるよう、研究開発活動を行っております。
当社グループにおきましては、当社の中央研究所をグループ研究戦略の推進機能の拡充および、グループR&D部門、技術関連部門、グループ企業との連携強化を狙いとして、研究開発本部(千葉県四街道市、東京都千代田区)と名称変更いたしました。研究開発本部、ハウス食品㈱の開発研究所(千葉県四街道市)、ハウスウェルネスフーズ㈱の開発研究所(兵庫県伊丹市、千葉県四街道市)の3部門が、研究開発活動を担っており、「新たな需要の創造」と「確かな設計」の両立を目指し、変化する社会にあって安心してご使用いただけ、ご満足をいただける食品を創出するために、広範な研究開発を実施しております。
製品開発・技術開発分野では、お客さまのニーズやウォンツにお応えできる「新しい価値」を有した製品づくりに努めるとともに、お客さまの食生活と健康に貢献するべく、「よりおいしく、より簡便に、より健康に」にこだわりを持ち、品質の一層の向上に努め、独自性のある技術に裏打ちされた製品の開発に取り組んでおります。
香辛・調味加工食品事業におきましては、お客様の根底にある時短・簡便ニーズにおける食卓のワンディッシュ化への対応として、ごはんにかける専用シチューの素「シチューオンライス」を開発いたしました。大人の男性にも食べざかりのお子様にも満足いただける、ごはんに合う食べごたえあるワンディッシュメニューをご家庭でお楽しみいただけます。また、外食を中心に盛り上がりを見せているエスニック料理は、今後は家庭内で作りたいというニーズが拡大すると予測しています。そこで全国約16万の加盟店を持つ飲食店情報サイト「ぐるなび」協力のもと、日本で人気のエスニック料理専門店のシェフから直接指導を受け、こだわりの調理技法や風味作りを生かした本格的な味わいをお届けするエスニック調味料シリーズ「エスニックガーデン」を開発いたしました。
健康食品事業におきましては、伸長著しいゼリー市場に対応し、「PERFECT VITAMIN 1日分のビタミンゼリー」シリーズの追加ラインナップとして、「ピーチ味」と「マスカット味」を開発いたしました。これにより「グレープフルーツ味」と合わせて3種類の味覚バラエティで、幅広いお客様のビタミン補給&小腹満たしニーズにお応えします。
基礎研究分野では、食品科学のみならず、生化学、植物育種・栽培学、化学工学、生理学など多方面からの研究を行い、高水準の技術保有に努めております。特に、製品および使用原料の安全性確保の観点から、油脂中に含まれ健康リスクが懸念される3-MCPD脂肪酸エステルとグリシドール脂肪酸エステル、および食物アレルゲンを中心とした分析技術の強化・研究に注力しております。当連結会計年度は、平成29年度「安全な農林水産物安定供給のためのレギュラトリーサイエンス研究」委託事業において、「油脂を用いた加熱調理が、食材中の3-MCPD脂肪酸エステル類及びグリシドール脂肪酸エステル類の生成に及ぼす影響を把握するための分析法の開発」に取組み、当社で開発した方法がより簡便に欧州食品安全機関(EFSA)指定の方法と同等の分析結果を出すことを示すなどの成果を出しました。また、当社で開発した方法は日本油化学会の基準油脂分析試験法に収載されました。この他、胡椒の産地識別法や、加工食品中の虫異物同定法についての学会発表を行ない、虫異物同定法については日本食品衛生学会より優秀発表賞を受賞いたしました。
また、タマネギ催涙因子に関する研究についても、引き続き内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において、千葉大学と連携して精力的に共同研究を進めています。タマネギ研究の成果といたしましては、涙の出ないタマネギ(スマイルボール)の販売は、数量限定ながら、販売地域をさらに拡大いたしました。今後もおいしさや機能性を保有した付加価値タマネギの研究開発・販売を進めてまいります。
健康維持に必要なビタミンや、さまざまな生理機能があるといわれるスパイスに加え、近年その健康維持への効果が期待されている乳酸菌につきまして、これらの効果を検証するための試験、ならびに、新しい作用を見出すための基礎研究を継続して精力的に取り組んでおります。当連結会計年度では、「飲料に配合する葉酸(ビタミンB9)の安定化に関する研究」「ウコンエキスの作用に関する研究」および「免疫賦活作用を有する乳酸菌L-137の畜産分野での応用研究」につきまして、科学的に確認した一連の研究として、学術誌に論文が掲載されました。
当社グループの3つの研究所は、基礎研究・機能性研究、製品開発、技術開発、容器包装開発、お客様生活研究、海外技術拠点統括、研究企画、運営の各部門で構成しており、それぞれの部門において専門的な研究開発活動に取り組む一方、情報ネットワークを活用し、研究所間の垣根を越えて、お互いが有機的に連携して相乗効果を高めるよう努めております。また、海外事業における製品開発サポート体制も継続的に強化しております。
組織をフラットな小グループ制とし、柔軟性ある運用により市場の変化と商品の多様化にフレキシブルに対応するとともに、保有技術を目に見えるサービスにいかに具現化していくかというこだわりを持って運営にあたっております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は3,955百万円であります。
2.外食事業、その他食品関連事業
特に記載すべき事項はありません。