第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、次の3要素をグループ理念体系と位置づけております。グループ理念体系により、めざす方向性を明確にし、一貫性をもった事業活動による成長を図っております。

『創業理念』

日本中の家庭が幸福であり、そこにはいつも温かい家庭の味ハウスがある。~幸せな家庭のマーク~

『グループ理念』

食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。

『ハウスの意(こころ)』

社是(「誠意・創意・熱意を持とう。」)・ハウス十論で構成

 

(2)経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、国内成熟市場における世帯構成や生活者の食スタイルの変化に加え、2019年10月に控える消費増税や国際情勢の不確実性の高まりが消費マインドに与える影響、また国際的な需要の高まりを背景とした原材料価格の上昇懸念など、市場環境は変化が早く、今後も先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。

このような見通しのなか、当社グループは、2018年4月からスタートした第六次中期計画において、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をハウス食品グループのめざす姿と位置づけ、企業市民として果たすべき「3つの責任」(お客さまに対して、社員とその家族に対して、社会に対して)の全てにおいて、クオリティ企業への変革に向けた具体的な取組を推進しております。

 

(3)目標とする経営指標

第六次中期計画最終年度である2021年3月期における目標とする経営指標は、次のとおりです。

 

第六次中期計画最終年度
(2021年3月期)目標

売  上  高

3,100億円

営 業 利 益

220億円

A  T  O

(総資産回転率)

0.87回

R  O  S

(売上高営業利益率)

7.1%

R  O  A

(総資産経常利益率)

6.2%

R  O  E

(自己資本当期純利益率)

5.4%

 

 

(4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

①グループ経営について

グループ全体としてシナジーを高め、企業価値と収益力を向上させるために、以下の事項の推進・強化に取り組んでまいります。

 

 

1)中期計画の概要

当社グループでは、3年ごとに中期計画を策定し、事業の方向性を明確にしたうえで、具体的行動計画の策定と実践に取り組んでおります。2018年4月からスタートした第六次中期計画では、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をハウス食品グループのめざす姿と位置づけ、事業面だけではなく、グループ理念のベースとなる (a)お客さまに対して (b)社員とその家族に対して (c)社会に対して の「3つの責任」の全てにおいて、次のとおりクオリティ企業への変革を進めるための取組を推進しております。

(a)お客さまに対する取組

事業を通じて、「食で健康」をお客さまにお届けすることを責任としております。「国内成熟市場におけるイノベーションの創出」と「海外成長市場における事業展開の加速」の2つをテーマに、バリューチェーン革新とR&D変革に取り組み、自ら新しい価値を創出する力を強化してまいります。

第六次中期計画における、各事業セグメントおよび新規事業の主なテーマは次のとおりです。

セグメント

主なテーマ

香辛・調味加工食品事業

◇収益構造モデルの変革 ~ルウ事業集中からの脱却~

・食の外部化対応:レトルトカレーの収益力向上、温度帯の提案力強化

・グループ横断取組「GOT」(スパイス調達変革、生産最適化、スパイスBtoB体制構築)の推進によるコスト競争力強化、新価値創出の実現とスパイスBtoB事業の基盤確立

健康食品事業

◇経営資源の選択と集中による構造改革と強みを活かした健康戦略素材の事業化

・既存事業の収益力強化:損益構造改善・事業戦略の再構築

・五次中計で取り組んだR&Dテーマ(健康戦略素材)の確実な事業化

海外食品事業

◇「成長加速化」と「収益確保」の両輪を推進し、グループを牽引

・米国:豆腐生産供給体制の拡充と大豆新事業創出

・中国:生産能力増強によるカレー事業拡大と事業インフラ構築

・アセアン:機能性飲料拡大、日式カレーの需要創造

外食事業

◇成長軌道に向けた経営基盤強化

・国内事業の収益維持:外食としての魅力向上と収益基盤の再構築

・海外事業の拡大:成長ドライバーとしての飛躍(300店舗体制へ)

その他食品関連事業

◇物流事業:F-LINE推進により、業界共通インフラを構築し、持続可能な物流体制を構築

◇総菜事業:サラダ・総菜事業を中心とした収益力向上

◇商社機能:独自能力を磨くことで収益基盤を強化

新規事業

◇暗黙知の集積から形式知の獲得へ

・「涙の出ないタマネギ」、「乳酸菌」の事業化

・CVCとの連携推進

 

 

(b)社員とその家族に対する取組

多様性を受け入れ、活かし、育み、個性を活かした活躍ができるステージの創出に取り組むことを責任としております。「働き方変革の実行」と「多彩な人材の獲得と活躍できる場づくり」の2つの取組を進め、ダイバーシティの実現をめざしてまいります。

 

(c)社会に対する取組

食事業を通じて人と地球の健康に貢献し、持続可能な社会を実現することを責任としております。

当社グループでは、CSRを「笑顔とつながりをつくり、未来へとつなげる」=“ Creating Smiles & Relationships ”ととらえ、CSR活動を通じて「循環型モデルの構築」と「健康長寿社会の実現」をめざしてまいります。

 

2)事業投資計画

第六次中期計画の期間中に、収益基盤強化のためのグループ最適生産体制の投資に300億円、グループ成長牽引のための海外成長投資に100億円、その他の新規事業投資に200億円の、計600億円の事業投資を計画しております。

 

 

3)コーポレート・ガバナンス

当社グループは、内部統制システムを、コーポレート・ガバナンス体制の充実と企業理念・経営目標の実現・達成のための仕組みととらえ、企業価値のさらなる向上と持続的な発展をめざし、グループ経営の視点でリスクマネジメント、コンプライアンスを含めたガバナンス体制の構築と運用の強化を図っております。会社機関におきましては、社外取締役を2名体制とし、経営戦略機関に対する監督機能の強化に注力しております。また、社外監査役3名を含む5名の監査役体制で、取締役の職務執行の監査を行っており、常勤監査役2名は、主要なグループ会社の非常勤監査役を兼務することにより、グループにおける監査役監査の実効性の確保に努めております。また、独立社外取締役を委員長とし、委員の半数以上を独立役員で構成する報酬等諮問委員会を設置し、取締役および監査役の報酬決定の手続きに、客観性と透明性を確保しております。

内部統制システムがグループとして有効に機能するよう、今後も継続的な改善に取り組んでまいります。

 

②買収防衛策について

1)基本方針の内容

当社は、当社の企業価値の源泉が、当社グループが長年にわたって培ってきた経営資源に存することに鑑み、特定の者またはグループが当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式を取得することにより、このような当社グループの企業価値または株主のみなさまの共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令および定款によって許容される限度において当社グループの企業価値および株主のみなさまの共同の利益の確保・向上のための相当措置を講じることを、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたします。

 

2)基本方針実現のための取組
(a)基本方針の実現に資する特別な取組

基本方針の実現に資する特別な取組につきましては、前記「①グループ経営について」に記載のとおりでございます。

 

(b)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組

当社は、2007年2月9日開催の当社取締役会において、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入することを決定し、同年6月27日開催の当社第61期定時株主総会において、株主のみなさまのご承認をいただきました。

その後、2010年6月25日開催の当社第64期定時株主総会および2013年6月26日開催の当社第67期定時株主総会において、一部所要の変更を行ったうえで買収防衛策を継続することをご承認いただいております。その後、有効期間満了にあたり、2016年6月28日開催の当社第70期定時株主総会において、基本的内容を維持したまま、継続することについてご承認いただきました(以下、当社第70期定時株主総会においてご承認いただいた買収防衛策を「本プラン」といいます。)。

本プランでは、当社グループの企業価値および株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大量取得行為が行われる場合に、大量取得行為を行おうとする者(以下「大量取得者」といいます。)に対し、〔1〕事前に大量取得行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求め、〔2〕大量取得行為についての情報収集および検討等を行う時間を確保したうえで、〔3〕株主のみなさまへの当社経営陣の計画や代替案等の提示、および大量取得者との交渉を行っていくための手続を定めております。

大量取得者が、本プランの手続きを遵守しない場合や、大量取得者によって提供された情報から、その大量取得行為により当社グループの企業価値または株主共同の利益が害されるおそれがあると認められ、新株予約権の無償割当てなどの対抗措置を発動することが相当であると独立委員会が判断した場合には、独立委員会は当社取締役会に対して対抗措置の発動を勧告します。

独立委員会からこのような勧告がなされ、対抗措置として新株予約権の無償割当てを実施する場合、当社取締役会は、その時点における当社以外の全ての株主のみなさまに対して、その保有する株式1株に対し1個の新株予約権を、無償で割り当てます。この新株予約権には、大量取得者による行使は認められないという行使条件と、当社が大量取得者以外の者から当社株式の交付と引換えに新株予約権を取得することができるという内容の取得条項を付すことがあり得るとされており、また、時価より格段に安い価格で行使することが可能とされています。

大量取得者以外の株主のみなさまがこの新株予約権を行使し、行使価額の払込みをすれば、新株予約権1個当たり当社株式1株を受け取ることとなり、その一方、大量取得者はこれを行使することができない結果、大量取得者が保有する当社株式は希釈化されることになります。

また、当社は、大量取得者以外の株主のみなさまからこの新株予約権を取得し、それと引換えに当社普通株式を交付することがあり、この場合には、大量取得者以外の株主のみなさまは行使価額の払込みをすることなく、当社普通株式を受け取ることになります。

一方、独立委員会は、対抗措置を発動させることが当社グループの企業価値および株主共同の利益の確保・向上に望ましいか否かの判断が困難である場合には、株主総会において対抗措置の発動の要否や内容の意思確認を行うよう、当社取締役会に対して勧告し、また、大量取得者が対抗措置の発動要件に該当しない、もしくは対抗措置を発動することが相当でないと判断した場合には、対抗措置を発動しないよう、当社取締役会に対して勧告します。

さらに独立委員会は、対抗措置の発動の是非について判断に至らない場合には、原則30日間を限度として評価期間を延長することもあります。

これらの独立委員会の勧告や決定は、適切に株主のみなさまに情報開示されるとともに、当社取締役会は、この独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。

なお、本プランの有効期間は、当社第70期定時株主総会終結の時から2019年3月期に係る定時株主総会終結の時までの約3年間となっております。

 

3)具体的取組に対する当社取締役会の判断およびその理由

当社グループの中期計画は、当社グループの企業価値・株主共同の利益を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、また、本プランは、前記2)に記載のとおり、その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされ、かつ、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、当社取締役会としては、いずれも当社の基本方針に沿うものであると判断しております。

 

4)買収防衛策の非継続(廃止)について

当社は、2007年6月27日開催の当社第61期定時株主総会において、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入することを株主のみなさまにご承認いただきました。その後、直近では2016年6月28日開催の当社第70期定時株主総会において、本プランを継続することについてご承認いただきました。

当社は、2007年の買収防衛策の導入以降も、中期計画の着実な実行による企業価値の向上、増配や自己株式取得など株主還元の充実、コーポレートガバナンスの強化に積極的に取り組んでまいりました。2019年6月25日開催の当社第73期定時株主総会終結の時をもって本プランの有効期間の満了を迎えるにあたり、今後の本プランの取扱いについて慎重に検討してまいりました結果、当社を取り巻く経営環境の変化や買収防衛策の最近の動向、金融商品取引法による大量取得行為に関する規制が浸透し、株主のみなさまが適切な判断をするための必要な情報や時間を確保する本プランの導入目的が一定程度担保されるようになったこと等を踏まえ、当社グループの企業価値向上や株主共同の利益の確保・向上の観点で、本プランの必要性が相対的に低下したものと判断し、2019年5月13日開催の当社取締役会の決議により、当社第73期定時株主総会終結の時をもって、本プランを継続せず、廃止いたしました。 

なお、当社は、本プラン廃止後も引き続き、当社グループの企業価値向上や株主共同の利益の確保・向上に取り組むとともに、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対し、株主のみなさまが当該行為の是非を適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主のみなさまの検討のための情報と時間の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法およびその他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

 

当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは問題視されていないリスクの影響を将来受ける可能性があります。

なお、当社グループは、これらのリスク発生(顕在化)の可能性を認識し、発生の抑制・回避に努めております。また、リスクが顕在化した際には、経営および事業リスクの最小化に取り組んでまいります。

 (1)食品の安全性の問題

食品業界におきましては、消費者の品質に対する要求は一段と高まってきております。当社では、製品品質を保証する専門部署である品質保証統括部を中心にしたトレーサビリティの仕組みの構築をはじめ、外部有識者を交えたグループ品質保証会議の開催など品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、社会全般にわたる品質問題など、上記の取組の範囲を超えた事象が発生し、当社グループ製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、または当社グループ製品に直接関係がない場合であっても、風評などにより当社グループ製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 (2)気候変動や自然災害・重篤な感染症の大流行

当社グループの事業は、冷夏・猛暑・暖冬などの天候要因や、大規模な自然災害の発生・重篤な感染症の大流行により、業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

大規模災害発生・重篤な感染症の大流行に際しては、直ちに対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築するとともに、食品企業の使命として製品支援・製品供給を第一に考え、生産・供給体制を整備いたします。また、当社グループで災害発生による損害が発生した場合に、いち早く事業を復旧するため、毎年、事業継続計画を見直しております。

 (3)原材料の調達および価格の変動

当社グループ製品の主要原材料は、小麦粉・香辛料などの農産物および包材に使用する石油化学製品、紙などの原材料であり、原産地での異常気象や紛争の発生、法律または規制の予期しえない変更などにより安定調達が困難になるリスクや、さらに需給関係や相場の変動などによる価格高騰で製造コストが上昇し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

また、当社グループは、原材料の一部を海外から調達しており、為替変動の影響を受ける可能性があります。中長期的な為替変動は、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 (4)保有資産の価値変動

当社グループは、事業用設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする様々な有形・無形の固定資産を保有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなどその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 (5)法的規制などの影響

当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法などの各種規制や、海外進出先における現地法令などの適用を受けております。当社グループといたしましては各主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、法的規制の強化、新たな規制などによって事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 (6)環境におけるリスク

当社グループは、国内及び海外の環境基準を順守しており、それらには大気汚染、二酸化炭素の排出、廃液の排出、産業廃棄物の取り扱いや処理に関するものが含まれております。当社グループといたしましては将来の法的規制の強化、新たな規制などによって事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績・財政状態や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。

 

 (7)情報漏洩・システム管理におけるリスク

当社グループは、開発・生産・物流・販売などの情報や、販売促進キャンペーン、通信販売などによる多数のお客さまの個人情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、災害によってソフトウェアや機器が被災した場合のシステム作動不能や内部情報の消失、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウィルス感染などによって、システム障害や情報漏洩、改ざんなどの被害を受ける可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。

 (8)海外事業展開におけるリスク

当社グループは、米国・中国・台湾・韓国・タイ・ベトナム・インドネシア・マレーシアなど海外において、豆腐製品、カレー製品などの製造・販売、農産物の輸出入、香辛料の加工・輸出入、レストランのチェーン展開など食品関連の諸事業を行っております。これらの国々での景気後退・政治的問題、テロまたは紛争、食品の安全性を脅かす事態の発生などにより、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 (9)外食事業におけるリスク

外食事業は、マーケット規模の横ばい傾向が続く中、外食の店舗間だけでなく、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどとの業態の垣根を越えた競争が激しさを増してきております。当社グループが、お客様のニーズにあったメニューや付加価値の高いサービスを提供できない場合には売上高は減少し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当社グループは、2018年4月からスタートした第六次中期計画において、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をハウス食品グループのめざす姿と位置づけ、企業市民として果たすべき「3つの責任」(お客様に対して、社員とその家族に対して、社会に対して)の全てにおいて、クオリティ企業への変革に向けた取組を推進しております。

・「3つの責任」重点取組テーマ

お客様に対して

国内成熟市場におけるイノベーションの創出と海外成長市場における事業展開の加速

(バリューチェーン革新、R&D変革、海外事業の成長拡大と事業基盤の強化)

社員とその家族に対して

ダイバーシティの実現と生産性の向上

(働き方変革の実行、多彩な人材の獲得と活躍できる場づくり)

社会に対して

当社グループが考えるCSR(Creating Smiles & Relationships)活動を通じた循環型モデルの構築と健康長寿社会の実現

 

 

 

当連結会計年度の売上高は、健康食品事業は前年を下回ったものの、海外食品事業が進出各エリアで事業規模を拡大したほか、香辛・調味加工食品事業、外食事業、その他食品関連事業も堅調に推移したことにより、2,966億95百万円前期比1.6%の増収となりました。

営業利益は、外食事業において業務用米の価格上昇や人件費増による影響がありましたが、海外食品事業の増収効果に加え、香辛・調味加工食品事業、健康食品事業においてマーケティングコストの効果的運用を徹底したことで、175億59百万円前期比7.8%の増益となりました。

営業外収益は25億66百万円前期比11.8%の増加となりました。営業外収益の主な増加要因は、為替差益や受取配当金の増加によるものであります。また、営業外費用は10億26百万円前期比25.5%の減少となりました。営業外費用の主な減少要因は、為替差損が減少したことによるものであります。この結果、経常利益は191億円前期比11.0%の増益となりました。

特別利益は44億70百万円前期比350.3%の増加となりました。主な増加要因は、投資有価証券売却益が増加したことによるものであります。また、特別損失は12億73百万円前期比7.4%の増加となりました。主な増加要因は、固定資産除却損の増加によるものであります。以上の結果、税金等調整前当期純利益は222億97百万円前期比31.0%の増益となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は137億67百万円前期比47.2%の増益となりました。

また、1株当たり当期純利益金額は134円32銭、自己資本利益率は5.5%となりました。 

なお、機動的な資本政策を遂行すると共に、資本効率の向上と株主還元の充実を図るため、当第4四半期連結会計期間において自己株式の取得および消却を行っております。

 

結果、当社が重視する経営指標は次のとおりとなりました。

 

2018年3月期

2019年3月期

ATO(総資産回転率)

0.80回

0.79回

ROS(売上高営業利益率)

5.6%

5.9%

ROA(総資産経常利益率)

4.7%

5.1%

ROE(自己資本当期純利益率)

3.8%

5.5%

 

 

セグメント別の経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。

事業の種類別

売上高

営業利益
(セグメント利益又は損失(△))

セグメント

金額(百万円)

前期比(%)

金額(百万円)

前期比(%)

香辛・調味加工食品事業

141,225

100.9

12,669

104.9

健康食品事業

30,899

97.8

1,421

156.6

海外食品事業

26,317

115.1

3,584

125.9

外食事業

52,083

100.2

△561

その他食品関連事業

61,882

101.4

2,045

109.6

小計

312,406

101.6

19,159

110.8

調整(消去)

△15,710

△1,599

合計

296,695

101.6

17,559

107.8

 

(注) 1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。

 

 

<香辛・調味加工食品事業>

ハウス食品㈱のカレー製品群については、「食の外部化」の影響もあり、調理型のルウ製品は前年を下回ったものの、調理済みのレトルト製品や業務用製品が販売を伸ばし、トータルでは前年並みの実績を確保いたしました。なお、伸長が続くレトルト製品市場に対する供給体制を再構築するため、関東工場に生産ライン新設を決定し、2019年夏ごろの稼働をめざして準備を進めております。その他製品群では、新製品の効果もあり、デザートやラーメンが前年を上回りました。一方、喫食機会の増加に取り組むルウシチューは、冬場の天候要因もあり軟調に推移いたしました。

また、㈱ギャバンも底堅く推移し、当事業セグメントの増益に寄与いたしました。

以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,412億25百万円前期比0.9%の増収、営業利益は126億69百万円前期比4.9%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は9.0%となり、前期より0.3pt向上いたしました。

 

<健康食品事業>

機能性スパイス事業は、お客様の飲酒シーンの多様化を背景に、主力ブランド「ウコンの力」の漸減傾向が続きました。その中で、肝機能の数値が気になり始めた方に向けた「クルクミン&ビサクロン」を2019年2月に、睡眠の質を向上したい方に向けた「ネルノダ」を同3月に発売するなど、期末にかけて2つの機能性表示食品の販売を開始して、健康価値提供の増強に努めております。

ビタミン事業は、「C1000」シリーズは低調に推移いたしましたが、ゼリー製品が牽引する「1日分のビタミン」が伸長し、事業全体では前年並みの実績を確保いたしました。なお、2019年度中に口栓付きパウチゼリー製品の内製化を計画しております。

また、当連結会計年度より当社グループ独自技術による「乳酸菌L-137」の本格的な事業展開を開始し、機能訴求および認知向上に努めております。

以上の結果、健康食品事業の売上高は308億99百万円前期比2.2%の減収となりました。営業利益は、マーケティングコストの効果的運用を徹底したことにより、14億21百万円前期比56.6%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は4.6%となり、前期より1.7pt向上いたしました。

 

<海外食品事業>

米国豆腐事業は、アジア系市場が堅調に推移する中、健康志向の高まりを背景に米系市場や業務用が伸長し増収となりました。利益面では労務費や物流費の高騰に加え、生産能力の逼迫による影響も重荷となりましたが、増収効果や2018年7月からの価格改定効果が寄与し増益を確保いたしました。

中国カレー事業は、家庭用製品を中心とした重点都市の深掘り、業務用製品を中心とした間口の拡大に取組み、増収増益となりました。なお、2018年9月から浙江工場の稼働を開始し、上海・大連・浙江の3工場体制を構築いたしました。

タイにおける機能性飲料事業は、合弁パートナーであるオソサファ社による「C-vitt」生産能力の増強等、旺盛な需要に応える対応を進めた結果、マーケットへの配荷が進み増収増益となりました。

以上の結果、海外食品事業の売上高は263億17百万円前期比15.1%の増収営業利益は35億84百万円前期比25.9%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は13.6%となり、前期より1.2pt向上いたしました。

 

 

<外食事業>

㈱壱番屋は、売上面は堅調に推移いたしましたが、厳しい雇用環境の中で人件費が上昇したことに加え、業務用米を中心とする食材価格の上昇、修繕費等の製造コストの増加から営業減益となりました。㈱壱番屋国内店舗における直営店とフランチャイズ店を合算した売上状況は、全店ベースで前期比2.2%増、既存店ベースで同2.1%増となりました。

㈱壱番屋の当連結会計年度末における店舗数は、国内1,305店舗(純増+6店)、海外172店舗(純増+18店)となりました。なお、当連結会計年度はベトナム、イギリスに新規出店による進出を果たし、両国とも順調なスタートを切っております。

以上の結果、㈱壱番屋とその他外食子会社を含めた外食事業の売上高は520億83百万円前期比0.2%の増収、営業利益は㈱壱番屋を連結対象子会社とした際に発生したのれんや無形固定資産の償却負担が大きく、5億61百万円の損失となり、前期からは1億55百万円の減益となりました。結果、売上高営業利益率は△1.1%となり、前期より0.3pt減少いたしました。

 

<その他食品関連事業>

運送・倉庫事業を営むハウス物流サービス㈱は、食品企業による共同取組「F-LINE」の2019年4月からの全国展開を見据え、事業最適化に取り組んだ結果、減収ながらも増益を確保いたしました。なお、4月の吸収分割により、同社の運送事業および倉庫事業はF-LINE㈱へ承継され、吸収分割の対象となっていない受注、構内荷受事業はハウス物流サービス㈱で業務を継続してまいります。

コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営む㈱デリカシェフは、人手不足に伴い労務費が増加傾向にある中、開発力強化と生産性改善に注力し、増収増益となりました。

農産物・食品等の輸出入および販売を営む㈱ヴォークス・トレーディングは、基幹事業の収益力を強化するとともに、高品質原料のソリューション提案に取り組み、増収増益となりました。

以上の結果、その他食品関連事業の売上高は618億82百万円前期比1.4%の増収営業利益は20億45百万円、前期比9.6%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は3.3%となり、前期より0.2pt向上いたしました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

香辛・調味加工食品事業

125,803

+1.6

健康食品事業

31,021

+3.2

海外食品事業

15,957

+7.7

外食事業

12,599

△0.1

その他食品関連事業

19,669

+4.1

合計

205,050

+2.4

 

(注) 1.金額は販売価格により算出しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

② 受注状況

主要製品の受注生産は行っておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

香辛・調味加工食品事業

141,225

+0.9

健康食品事業

30,899

△2.2

海外食品事業

26,317

+15.1

外食事業

52,083

+0.2

その他食品関連事業

61,882

+1.4

小計

312,406

+1.6

調整(消去)

△15,710

合計

296,695

+1.6

 

(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。

2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

加藤産業㈱

34,072

11.7

34,384

11.6

三菱食品㈱

21,389

7.3

20,755

7.0

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 財政状態

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて78億39百万円減少3,710億25百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて35億10百万円増加1,447億55百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて113億49百万円減少2,262億69百万円となりました。

流動資産の増加の主な要因は、有価証券が15億71百万円減少した一方で、商品及び製品が28億17百万円、現金及び預金が18億54百万円増加したことなどによるものです。

固定資産の減少の主な要因は、投資有価証券が103億68百万円、のれんが34億20百万円減少したことなどによるものです。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて32億64百万円減少918億81百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて13億41百万円減少553億8百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて19億23百万円減少365億73百万円となりました。

流動負債の減少の主な要因は、短期借入金が21億9百万円、未払法人税等が8億28百万円減少したことなどによるものです。

固定負債の減少の主な要因は、長期預り保証金が11億35百万円増加した一方で、繰延税金負債が23億37百万円、役員退職慰労引当金が2億96百万円、リース債務が2億48百万円減少したことなどによるものです。

当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加した一方で、保有する投資有価証券の売却によりその他有価証券評価差額金が減少したことや、為替換算調整勘定が減少したことなどから、前連結会計年度末と比べて45億75百万円減少2,791億44百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.5%から66.6%となり、1株当たり純資産が2,450円71銭から2,454円34銭となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー209億13百万円に対し、「有形固定資産の取得」「有価証券の売却」などの投資活動によるキャッシュ・フロー△10億8百万円、「短期借入れ」「短期借入金の返済」「自己株式の取得」などの財務活動によるキャッシュ・フロー△173億17百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は624億95百万円となり、期首残高より22億93百万円増加いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は209億13百万円前期比△26億95百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益222億97百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、投資有価証券売却損益の増加(前期比△35億19百万円)、法人税等の支払額の増加(前期比△28億26百万円)、たな卸資産の増減額の増加(前期比△22億65百万円)、税金等調整前当期純利益の増加(前期比+52億83百万円)などが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は10億8百万円前期比+127億31百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出95億43百万円、投資有価証券の取得による支出60億95百万円、有価証券の取得による支出10億円、有価証券の売却による収入85億78百万円、投資有価証券の売却による収入73億58百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増加は、投資有価証券の売却による収入の増加(前期比+57億22百万円)、有価証券の取得による支出の減少(前期比+40億円)、投資有価証券の取得による支出の減少(前期比+23億90百万円)などが要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は173億17百万円前期比△120億円)となりました。これは主に自己株式の取得による支出87億73百万円、配当金の支払額43億16百万円、非支配株主への配当金の支払額12億45百万円などによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての減少は、自己株式の取得による支出の増加(前期比△87億67百万円)、短期借入れによる収入の減少(前期比△14億45百万円)、短期借入金の返済による支出の増加(前期比△8億58百万円)、配当金の支払額の増加(前期比△7億20百万円)などが要因であります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用ならびに当社グループの設備投資および改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。

また、当社および国内子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

 該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

 

1.香辛・調味加工食品事業、健康食品事業、海外食品事業

当社グループ(当社および当社の関係会社)は、“「食で健康」クオリティ企業への変革”というテーマを掲げております。国内市場で長年にわたりご愛顧をいただいている各製品ブランド力の維持・強化に努めると共に、成熟した市場の中で「食で健康」という領域にフォーカスし、お客さまの立場に立った新しい価値をご提供し続けることができるよう、研究開発活動を行っております。

当社グループにおきましては、当社の研究開発本部、ハウス食品㈱の開発研究所(千葉県四街道市)、ハウスウェルネスフーズ㈱の開発研究所(千葉県四街道市、兵庫県伊丹市)の3部門が、研究開発活動を担っており、「新たな需要の創造」と「確かな設計」の両立を目指し、変化する社会にあって安心してご使用いただけ、ご満足をいただける食品を創出するために、広範な研究開発を実施しております。

 

(1) 研究開発取組姿勢
①製品開発・技術開発分野

製品開発・技術開発分野では、お客さまのニーズやウォンツにお応えできる「新しい価値」を有した製品づくりに努めるとともに、お客さまの食生活と健康に貢献するべく、「よりおいしく、より簡便に、より健康に」にこだわりを持ち、品質の一層の向上に努め、独自性のある技術に裏打ちされた製品の開発に取り組んでおります。

香辛・調味加工食品事業におきましては、中価格帯でのポジション確保を進めるため、人気店の味わいを現地に行かずに楽しむことができるレトルトカレーシリーズ、ハウス「選ばれし人気店」シリーズを開発いたしました。本シリーズの製品は、株式会社カカクコムが運営するレストラン検索・予約サイト「食べログ」の口コミ評価が高い『カレー 百名店』に選定された店舗のこだわりの味わいを再現し、箱のままレンジ調理ができるパッケージを採用しておりますので、自宅で手軽にお楽しみいただけます。

健康食品事業におきましては、東南アジアの伝統的な発酵保存食である「なれずし」から発見された菌株 Lactobacillus plantarum L-137 を長年にわたり研究してきました。この独自の乳酸菌L-137を配合したBtoC製品として、パウダーやドリンク、ゼリー形態の「まもり高める乳酸菌L-137」シリーズを開発いたしました。

グループ横断の取り組みとして、乳酸菌L-137の加熱処理という素材加工技術による食品への加工や長期保存に強い特徴を活かし、「バーモントカレー」、「とんがりコーン」、「フルーチェ」、「うまかっちゃん(一部地域のみ)」に配合した製品を開発いたしました。

 
②基礎研究分野

基礎研究分野では、食品科学のみならず、生化学、植物育種・栽培学、化学工学、生理学など多方面からの研究を行い、高水準の技術保有に努めております。当連結会計年度では、弘前大学大学院医学研究科に共同研究講座「食と健康 科学講座」を開設し、食習慣による健康増進効果について、医学的な観点も踏まえた共同研究を開始いたしました。一方、製品および使用原料の安全性確保の観点から、油脂中に含まれ健康リスクが懸念される3-MCPD脂肪酸エステルとグリシドール脂肪酸エステル、および食物アレルゲン、異物などを中心とした分析技術の強化・研究に注力しております。当連結会計年度においては、弊社が開発した油脂含有食品中の3-MCPD脂肪酸エステルおよびグリシドール脂肪酸エステルの間接分析法に関する一連の研究成果が学会にも認められ、日本油化学会工業技術賞を受賞しました。加工食品中の虫異物同定法については、技術ライセンスを行ない、株式会社ファスマックから分析キット「虫異物同定用プライマー」として発売しました。同キットを使用し、ハウス食品分析テクノサービス㈱での受託分析も開始しています。また、タマネギ催涙因子に関する研究についても、引き続き内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において、千葉大学と連携して精力的に共同研究を進めました。タマネギ栽培研究におきましては、お客様にさらに高品質なスマイルボール(涙の出ないタマネギ)を安定的にお届けするだけでなく、生産者の方々にも最適な栽培方法を提供するため、栽培法の検討、品種改良を継続的に進めております。

 

健康維持の分野では、健康維持に必要なビタミンや、さまざまな生理機能があるといわれるスパイスに加え、近年その健康維持への効果が期待されている乳酸菌につきまして、これらの効果を検証するための試験、ならびに、新しい作用を見出すための基礎研究を継続して精力的に取り組んでおります。当連結会計年度では、ウコンエキスの「抗疲労効果」「肌保湿効果」「抗炎症作用機序」等の研究成果を、学術論文として発表いたしました。

 

(2) 研究体制・しくみ

当社グループの3つの研究所は、基礎研究・機能性研究、製品開発、技術開発、容器包装開発、お客様生活研究、グループ技術連携、研究企画、運営の各部門で構成しており、それぞれの部門において専門的な研究開発活動に取り組む一方、当連結会計年度より千葉研究センターのリノベーションPJの立ち上げ、HWF開発部門の千葉研究センターへの統合も行い、研究所間の垣根を越えて、お互いが有機的に連携して相乗効果を高める環境づくりを進めています。加えて、新規取組み One Day a Week(20%ルール)を開始し、イノベーション創出に向けた新たな活動を行っています。また、海外事業における製品開発サポート体制も継続的に強化しております。

組織をフラットな小グループ制とし、柔軟性ある運用により市場の変化と商品の多様化にフレキシブルに対応するとともに、保有技術を目に見えるサービスにいかに具現化していくかというこだわりを持って運営にあたっております。

 

(3) 研究開発費

当連結会計年度における研究開発費の総額は4,212百万円であります。

 

2.外食事業、その他食品関連事業

特に記載すべき事項はありません。