第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、次の3要素をグループ理念体系と位置づけております。グループ理念体系により、めざす方向性を明確にし、一貫性をもった事業活動による成長を図っております。

『創業理念』

日本中の家庭が幸福であり、そこにはいつも温かい家庭の味ハウスがある。~幸せな家庭のマーク~

『グループ理念』

食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。

『ハウスの意(こころ)』

社是(「誠意・創意・熱意を持とう。」)・ハウス十論で構成

 

(2)経営環境

国内では、市場の成熟化や世帯構成の変化などを背景に食の外部化が大きく進展すると共に、総人口や生産年齢人口の減少などにより雇用・労働環境が大きな変化を迎えております。一方、海外では、健康志向が高まる米国や市場ポテンシャルの大きい中国やアセアンなど、市場のさらなる成長が見込まれます。同時に、二酸化炭素や廃棄物の削減をはじめとした地球環境問題などの、グローバルな社会課題の解決に向けた取組への要請が強まっております。

さらに、足元では、米中貿易摩擦や、国際的に広がりを見せる新型コロナウイルスの社会生活や経済に与える影響などにも引き続き注視する必要があります。

このような経営環境へ対応していくため、当社グループは、既存の成熟事業領域での収益力強化や国内・海外成長事業領域への投資、また社会的な課題への取組を進めるとともに、足元の状況を鑑み、事業基盤の強化に努め、生活者のライフラインを支える「食」の一翼を担う企業グループとして事業活動の維持に取り組んでまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 第六次中期計画最終年度である2021年3月期における目標とする経営指標は、次のとおりです。

 

第六次中期計画最終年度

(2021年3月期)目標

売  上  高

3,100億円

営 業 利 益

220億円

A  T  O

(総資産回転率)

0.87回

R  O  S

(売上高営業利益率)

7.1%

R  O  A

(総資産経常利益率)

6.2%

R  O  E

(自己資本当期純利益率)

5.4%

 

なお、2021年3月期は当社グループにとって2018年4月からの3年間を対象とする第六次中期計画の最終年度にあたり、中期計画2年間については、第3の柱の育成に課題を残した健康食品事業を除き、利益面では概ね計画通りに進捗してまいりましたものの、最終年度目標に対しては当社グループの事業に及ぼす新型コロナウイルスの影響が大きく、未達を見込んでおります。

このような環境ではありますが、“「食で健康」クオリティ企業への変革”という第六次中期計画で掲げるハウス食品グループのめざす姿の実現に向けて、企業市民として果たすべき「3つの責任」(お客さまに対して、社員とその家族に対して、社会に対して)の全てにおいて、クオリティ企業への変革に向けた取組を推進するとともに、既存の成熟事業領域での生産性向上による収益力強化と国内外の成長事業領域への経営資源の重点配分に取り組んでまいります。

「2021年3月期業績予想」は、次のとおりであります。

 

(連結業績)

 

2021年3月期業績予想

第六次中期計画

最終年度目標

対最終年度目標

売  上  高

2,900億円

3,100億円

△200億円

営 業 利 益

155億円

220億円

△65億円

 

(セグメント別業績)

 

2021年3月期業績予想

第六次中期計画

最終年度目標

対最終年度目標

香辛・調味加工食品事業

 

 

 

 

売  上  高

1,490億円

1,540億円

△50億円

 

営 業 利 益

137億円

140億円

△3億円

健康食品事業

 

 

 

 

売  上  高

250億円

360億円

△110億円

 

営 業 利 益

0億円

20億円

△20億円

海外食品事業

 

 

 

 

売  上  高

350億円

340億円

10億円

 

営 業 利 益

40億円

46億円

△6億円

外食事業

 

 

 

 

売  上  高

454億円

560億円

△106億円

 

営 業 利 益

△19億円

11億円

△30億円

その他食品関連事業

 

 

 

 

売  上  高

438億円

430億円

8億円

 

営 業 利 益

16億円

18億円

△2億円

調整額

 

 

 

 

売  上  高

△82億円

△130億円

48億円

 

営 業 利 益

△19億円

△15億円

△4億円

 

次期の経営環境については、新型コロナウイルスの国際的な感染拡大により、サプライチェーンの不全や消費の減退等による国際経済の大幅な減速が懸念されます。当社グループにおいても影響は国内外の各事業に及び、家庭内食の需要拡大が見込まれる一方、外出自粛に伴う業務用製品や機能性飲料の販売機会の減少、外食事業の売上高の減少など、消費行動の変化による影響が広範囲に及ぶことが見込まれます。これらの影響は、事業セグメント毎に影響の程度は異なるものの、上期については影響が大きく、下期にかけて徐々に収束に向かうと仮定して連結業績予想を算出しております。

 

(事業セグメント別の前提)

香辛・調味加工食品事業

BtoC事業は家庭内食機会の増加の影響を受ける一方、BtoB事業はマイナス影響を受ける(家庭用事業の需要拡大、業務用事業の販売機会の減少)

健康食品事業

「ウコンの力」等、機能性飲料の販売機会の減少

海外食品事業

米国:感染拡大防止のためNJ工場の操業を一時停止(4月30日~5月8日)、その他施策面で影響を受ける

中国:「在宅経済」による家庭用製品の需要拡大、業務用需要の低迷

タイ:夜間外出禁止令等による機能性飲料の販売機会の減少

外食事業

消費減速や外出自粛に伴う国内外店舗の売上減少

その他食品関連事業

商社事業において外食需要の減少が影響

 

(4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

中期計画の概要

当社グループでは、3年ごとに中期計画を策定し、事業の方向性を明確にしたうえで、具体的行動計画の策定と実践に取り組んでおります。

第六次中期計画では、自らのイノベーションにより、新しい価値を提供できる会社へ事業構造を変革するべく“「食で健康」クオリティ企業への変革”をハウス食品グループのめざす姿と位置づけ、事業面だけではなく、グループ理念のベースとなる 1)お客さまに対して 2)社員とその家族に対して 3)社会に対してという、企業市民として果たすべき「3つの責任」の全てにおいて、クオリティ企業への変革を進めるための以下の取組を推進しております。

 

1)お客さまに対する取組

事業を通じて、「食で健康」をお客さまにお届けすることを責任としております。「国内成熟市場におけるイノベーションの創出」と「海外成長市場における事業展開の加速」の2つをテーマに、バリューチェーン革新とR&D変革に取り組み、自ら新しい価値を創出する力を強化するとともに、海外事業の成長拡大と事業基盤の強化に取り組んでまいります。

第六次中期計画における、各事業セグメントおよび新規事業の主なテーマは次のとおりです。

 

セグメント

主なテーマ

香辛・調味加工食品事業

◇収益構造モデルの変革 ~ルウ事業集中からの脱却~

食の外部化対応:レトルトカレーの収益力向上、温度帯の提案力強化

グループ横断取組「GOT」(スパイス調達変革、生産最適化、スパイスBtoB体制構築)の推進によるコスト競争力強化、新価値創出の実現とスパイスBtoB事業の基盤確立

健康食品事業

経営資源の選択と集中による構造改革と強みを活かした健康戦略素材の事業化

既存事業の収益力強化:損益構造改善・事業戦略の再構築

第五次中期計画で取り組んだR&Dテーマ(健康戦略素材)の確実な事業化

海外食品事業

「成長加速化」と「収益確保」の両輪を推進し、グループを牽引

米国:豆腐生産供給体制の拡充と大豆新事業創出

中国:生産能力増強によるカレー事業拡大と事業インフラ構築

アセアン:機能性飲料拡大、日式カレーの需要創造

外食事業

成長軌道に向けた経営基盤強化

国内事業の収益維持:外食としての魅力向上と収益基盤の再構築

海外事業の拡大:同セグメントの成長ドライバーとしての飛躍(300店舗体制へ)

その他食品関連事業

◇物流事業:F-LINE推進により、業界共通インフラを構築し、持続可能な物流体制を構築

◇総菜事業:サラダ・総菜事業を中心とした収益力向上

◇商社機能:独自能力を磨くことで収益基盤を強化

新規事業

◇暗黙知の集積から形式知の獲得へ

「涙の出ないタマネギ」、「乳酸菌」の事業化

CVCとの連携推進

 

2)社員とその家族に対する取組

多様性を受け入れ、活かし、育み、個性を活かした活躍ができるステージの創出に取り組むことを責任としております。「働き方変革の実行」と「多彩な人材の獲得と活躍できる場づくり」の2つの取組を進め、ダイバーシティの実現をめざしてまいります。

 

3)社会に対する取組

食事業を通じて人と地球の健康に貢献し、持続可能な社会を実現することを責任としております。当社グループでは、CSRを「笑顔とつながりをつくり、未来へとつなげる」=“Creating Smiles & Relationships”ととらえ、CSR活動を通じて「循環型モデルの構築」と「健康長寿社会の実現」をめざしてまいります。

なお、「循環型モデルの構築」では、限りある資源の有効活用に取り組み、2030年には国内の二酸化炭素を25%削減(2013年比)し、また廃棄物を16.5%削減(2013年比)することを目標としております。

 

②事業投資計画

第六次中期計画の期間中に、収益基盤強化のためのグループ最適生産体制の投資に300億円、グループ成長牽引のための海外成長投資に100億円、その他の新規事業投資に200億円の、計600億円の事業投資を計画しております。

 

③コーポレート・ガバナンス

当社グループは、内部統制システムを、コーポレート・ガバナンス体制の充実と企業理念・経営目標の実現・達成のための仕組みととらえ、企業価値のさらなる向上と持続的な発展をめざし、グループ経営の視点でリスクマネジメント、コンプライアンスを含めたガバナンス体制の構築と運用の強化を図っております。会社機関におきましては、社外取締役を2名体制とし、経営戦略機関に対する監督機能の強化に注力しております。また、社外監査役3名を含む5名の監査役体制で、取締役の職務執行の監査を行っており、常勤監査役2名は、主要なグループ会社の非常勤監査役を兼務することにより、グループにおける監査役監査の実効性の確保に努めております。また、独立社外取締役を委員長とし、委員の半数以上を独立役員で構成する、報酬等諮問委員会を設置し、取締役および監査役の報酬決定の手続きに、客観性と透明性を確保しております。

内部統制システムがグループとして有効に機能するよう、今後も継続的な改善に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループはグループ理念「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」の実現に向けて、“「食で健康」クオリティ企業への変革”を第六次中期計画における当社グループがめざす姿と位置づけ、企業市民として果たすべき「3つの責任」(お客さまに対して、社員とその家族に対して、社会に対して)に基づくクオリティ企業への変革を進めるための取組を推進しております。

当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは問題視されていないリスクの影響を将来受ける可能性があります。当社グループは、これらのリスク発生(顕在化)の可能性を認識し、発生の抑制・回避に努めております。また、リスクが顕在化した際には、経営および事業リスクの最小化に取り組んでまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)お客様に対する責任に関連するリスク

① 国内市場動向

当社グループ売上高の8割以上を国内販売が占めており、国内景気の動向や人口の減少が長期的な消費の低迷や市場縮小、販売競争の激化に繋がるリスクがあります。当社グループのコア事業のうち、香辛・調味加工食品事業はルウカレー等の調理型製品が売上高の大半を占めておりますが、食の外部化の進展による中長期的な市場縮小のリスクがあるほか、健康食品事業の主力ブランドである「ウコンの力」については、生活者のライフスタイルの変化による市場縮小のリスクがあります。こうした変化への対応が遅れることで提供価値が毀損するリスクがあります

<主要な対策>

当社グループは、既存の成熟事業領域での生産性向上による収益力強化と国内外の成長事業領域への経営資源の重点配分に取り組んでおります。

・時短調理等のライフスタイルの変化に対応した製品・サービスの拡充、提案力の強化

・バリューチェーン上の展開領域を、従来のBtoCを中心とした領域からスパイスを軸に川上から川下まで拡大

・米国、中国、アセアンを重点エリアとした海外事業展開の加速

・グループ独自の技術やCVC等の外部共創を活用した新規事業の創出

 

② 事業拡大

当社グループは、2013年の持株会社体制移行後、2015年に㈱壱番屋を、2016年に㈱ギャバンをグループに迎えるなどバリューチェーンの拡大を進めております。また、第六次中期計画では新規事業創出に向けた投資枠を設定し、国内外において事業・資本提携を推進しております。

結果、企業買収に伴うのれんや無形資産を相当額計上しておりますが、こうした資産が事業計画の未達や市場環境の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローを生み出せない場合、また当初想定したシナジーが得られない場合、減損損失が生じる等、業績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

<主要な対策>

・経営会議における投資計画の検証(財務的視点での妥当性、事業戦略視点での収益性や成長性リスク等)

・グループ最適視点でのシナジー実現に向け、グループ横断取組(重点領域:調達・生産・BtoB)の推進等、バリューチェーンの共有化・効率化による競争力強化、価値提供力の向上

・グループPDCA会議等を通じた事業会社中期計画のモニタリング

 

③ 技術革新への対応の遅れ

成熟した食品産業においては、既存の事業競合に加え、異業種参入や新技術の台頭により競争環境も多様化しております。当社グループは、お客様や社会が直面する課題の解決に繋がるR&D機能の強化やデジタル化への対応に努めておりますが、こうした対応が遅れた場合、当社グループの競争優位性が低下し、既存事業や提供価値が陳腐化するリスクがあります。

<主要な対策>

・R&D重点領域および重点テーマの設定と経営資源の集中投下

・イノベーション創出力と実現力向上に向けた意識改革、風土醸成

・グループ企業間の技術課題の解決だけでなく、事業創造をめざしたバリューチェーン間の連携強化

・オープンイノベーションを通じた共創戦略の推進

・デジタルバリューネットワークの構築による新しい価値の創造

④ 海外事業展開

当社グループは進出各国においてカレー製品、豆腐製品、機能性飲料等の事業を展開しておりますが、食は元来保守的なものであり、当社グループの提供する製品・サービスが進出各国の食文化へ浸透、定着が想定を下回ることで事業計画の遅れや減損損失が生じ、業績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。また、ブランドや事業規模に見合う経営基盤の構築、整備が進まない場合やカントリーリスクが顕在化した場合に、利益創出力の低下、ガバナンス不全等が生じ、業績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

<主要な対策>

・日本式食文化の早期浸透をめざした米国、中国、アセアン重点3エリアへの経営資源の集中

・グローバル人材の確保や現地雇用の増員、進出各エリアでの生産供給体制の増強、合弁パートナーとの連携強化等による事業基盤の強化

・グループ本社と海外事業会社が連携した事業規模に応じたリスクマネジメント体制の構築、整備

 

⑤ 食の安全・安心

製品、サービスの品質トラブル発生に伴う企業ブランドの毀損、社会的信用の失墜、対応に係るコスト増加のリスクがあります。

<主要な対策>

・グループ品質保証会議・グループ品質保証責任者会議を中心としたグループ全体での品質保証体制の強化、推進

・グループ会社の特性に応じたISO9001やFSSC22000等の国際的な品質・食品安全マネジメントシステムの取得

・法規制やお客様の食品安全への関心事などに関連する品質リスク情報のマネジメント

・食の安全・安心をテーマとした学習会を通じた人材育成、組織風土の醸成

・お客様の声を反映する活動を通じた、商品設計から販売に至る各工程における品質保証の向上

・製品パッケージやWEBを通じた分かりやすい情報開示の徹底

 

(2)社員とその家族に対する責任に関連するリスク

① 多様性のある人材の確保・育成

当社グループの中長期的な成長には多様な価値観や専門性を持つ社員一人ひとりの活躍が欠かせません。グループ各社の特性や成長ステージに応じた人材を適切に確保・育成出来ないことや、文化や価値観の多様性を尊重する組織風土が醸成できないことは、イノベーション創出力の毀損、事業における機会損失だけでなく、優秀な人材の流出が起こるリスクがあります。

<主要な対策>

・多様な個性を持つ社員一人ひとりが能力を発揮できる人事制度の整備や仕事の進め方の変革(新しいワークスタイルの導入)

・性別、国籍、キャリア、障がいの有無などを問わず、多彩な人材が活躍できる組織風土づくり

・グループ内外での人材交流の推進、人材育成プロセスの強化

・差別やハラスメントのないコンプライアンスを順守する職場環境づくり

 

(3)社会に対する責任に関連するリスク

① 持続可能な原材料調達

当社グループはスパイスをはじめ様々な原材料を世界各国から調達しております。これらの調達にあたっては、国際的な需要の拡大に伴う食資源の調達競争の激化や需給動向の変化、気候変動や地政学的リスク、バリューチェーンの各段階における社会・環境問題への対応の遅れ等により、安定的な調達の不全やコストの増加、社会的信用の失墜等に繋がるリスクがあります。

<主要な対策>

・川上領域の取組強化に向けた各種施策の遂行(産地多様化による安定調達、技術開発や品質向上等における調達地との協働取組の推進、サプライヤーへのモニタリング強化)

・生産地の環境、人権、経済等に配慮した原材料調達の推進(パーム油、紙から取組を開始)

② 気候変動

気候変動は世界規模で影響を与える問題であり、国内外でバリューチェーンを構築する当社グループにとって重要な課題と認識し対策を実施しておりますが、気温の上昇や異常気象、自然災害等によって原材料の調達不全やコスト増、生産停止等の事業活動の分断が生じるリスクがあります。また、脱炭素への対応が不足または遅れることで、生産コストの上昇や事業活動の制限、企業価値の毀損が生じるリスクがあります。

<主要な対策>

・環境投資判断基準の策定による環境負荷低減に向けた投資の促進

・サプライチェーン全体での環境負荷の把握(スコープ3への対応)

・食品ロスや工程ロスの低減(飼料肥料化・フードバンク・廃棄抑制・原料使い切り技術確立)、環境に配慮した容器包装の開発等への取組による資源循環、再資源化の促進

・再生可能エネルギーへのシフト

 

③ 天候要因、大規模自然災害、重篤な疾病の流行

当社グループの事業は、冷夏・猛暑・暖冬などの天候要因や、大規模な自然災害の発生・重篤な感染症の大流行により、業績・財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。

<主要な対策>

・大規模災害発生、重篤な感染症の大流行に際して、食品企業の使命として人命の安全を確保しながらも製品供給を果たすための生産・供給体制の整備等の危機管理体制の構築

・国内外グループ会社における、事業特性や事業規模に応じた事業継続計画(BCP)の策定と定期的な訓練等を通じた見直しの実施

<新型コロナウイルス感染拡大による影響>

新型コロナウイルスの感染拡大に関しましては、サプライチェーンの不全や消費の減退等による経済の大幅な減速が懸念されます。当社グループでは、社員の安全を確保し、在宅勤務の徹底、WEB会議・電話会議等を推進することで感染の広がりを抑えることに貢献すると共に、お客様のライフラインを支える「食」の一翼を担う企業グループとして、国内外で商品・サービスの継続的提供に努めております。当社グループへの事業影響につきましては国内外の各事業に及び、家庭内食の需要拡大が見込まれる一方、外出自粛に伴う業務用製品や機能性飲料の販売機会の減少、外食事業の売上高の減少など、消費行動の変化による影響が広範囲に及ぶことが見込まれます。

 

(4)その他共通のリスク

① 法的規制とソフトロー

当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法などの各種規制や、海外進出先における現地法令などの適用を受けております。各主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の順守に万全の体制で臨んでおりますが、予期しえない法的規制の強化、新たな規制などによって事業活動が制限される可能性がある他、法令違反や社会的要請に反する行動等による処罰や事業活動の制限を受けた場合の対応コストの増加、社会的信用の失墜により企業価値が毀損するリスクがあります。

<主要な対策>

・グループ共通の価値観である「ハウスウェイ」や行動原則である「ハウス食品グループCSR方針」「ハウス食品グループ行動指針」に基づく、役員・社員一人ひとりの関係各国における法令・国際ルールの順守、現地の人権、文化、伝統、慣習の尊重による友好的な関係の維持、促進

・ハウス食品グループの取締役等で構成される「グループCSR委員会」を通じて、グループ全体のCSR関連重要テーマの取組状況のモニタリング、レビューを実施するとともに、CSR重要テーマと位置づけるコンプライアンスについては、「コンプライアンス推進委員会」を設置し、各社の課題解決を推進

・コンプライアンス上の問題の早期発見、解決に向けた「グループ共通コンプライアンス・ヘルプライン」の整備、周知徹底

 

② 為替変動

当社グループが海外から調達する原材料において、中長期的な為替変動の影響を受ける可能性があります。また、当社グループの連結損益における海外事業構成比は、売上高で2割未満の水準ではありますが、当社グループは海外事業を成長領域と位置づけ、海外事業展開の加速に取り組んでおり、今後重要性が高まることを見込んでおります。連結財務諸表作成のため、展開各エリアの現地通貨で作成された財務諸表を円換算しており、中長期的な為替変動が当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 情報セキュリティ

当社グループは、開発・生産・物流・販売などの情報や、販売促進キャンペーン、通信販売などによる多数のお客さまの個人情報をコンピュータにより管理しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の整備とルールの徹底に努めております。しかしながら、災害によってソフトウェアや機器が被災した場合のシステム作動不能や内部情報の消失、想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウィルス感染などによって、システム障害や情報漏洩、改ざんなどの被害を受ける可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績・財政状態や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。

<主要な対策>

・当社グループの情報セキュリティを包括的に管理するための体制整備と継続的な強化

・ソフトウェアや機器でのシステムセキュリティ対策、社員教育や訓練の実施

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当社グループは、2018年4月からスタートした第六次中期計画において、“「食で健康」クオリティ企業への変革”をハウス食品グループのめざす姿と位置づけ、2年目である当期も、企業市民として果たすべき「3つの責任」(お客様に対して、社員とその家族に対して、社会に対して)の全てにおいて、クオリティ企業への変革に向けた取組を推進しております。

・「3つの責任」重点取組テーマ

お客様に対して

国内成熟市場におけるイノベーションの創出と海外成長市場における事業展開の加速

(バリューチェーン革新、R&D変革、海外事業の成長拡大と事業基盤の強化)

社員とその家族に

対して

ダイバーシティの実現と生産性の向上

(働き方変革の実行、多彩な人材の獲得と活躍できる場づくり)

社会に対して

当社グループが考えるCSR(Creating Smiles & Relationships)活動を通じた循環型モデルの構築と健康長寿社会の実現

 

「お客様」に対するテーマでは、ハウス食品㈱のレトルト製品製造ライン増設や米国豆腐事業の生産能力増強、ハウスウェルネスフーズ㈱の研究拠点を千葉研究センターに統合することによるR&Dの機能強化など、既存事業の収益力と価値創出力の強化に向けた取組を遂行いたしました。「社員とその家族」に対するテーマでは、「働き方変革」を通じた生産性向上に繋がる組織風土の醸成に取り組んだほか、「社会」に対するテーマでは、循環型モデルの構築に向けて新たに環境投資判断基準を策定するなど、「3つの責任」それぞれで重点取組を推進しております。

 

当連結会計年度の売上高は、海外食品事業がタイを中心に事業規模を拡大したほか、香辛・調味加工食品事業、外食事業も前年を上回りましたが、健康食品事業の苦戦やその他食品関連事業において主要物流事業をF-LINE㈱へ譲渡した影響もあり、2,936億82百万円、前期比1.0%の減収となりました。

営業利益については、健康食品事業の苦戦や物流事業の譲渡による影響はあったものの、香辛・調味加工食品事業や海外食品事業、外食事業が連結業績への貢献度を高めたことで、190億5百万円、前期比8.2%の増益となりました。

営業外収益は29億18百万円、前期比13.7%の増加となりました。営業外収益の主な増加要因は、持分法による投資利益の増加によるものであります。また、営業外費用は11億27百万円、前期比9.8%の増加となりました。営業外費用の主な増加要因は、為替差損が増加したことによるものであります。この結果、経常利益は207億97百万円、前期比8.9%の増益となりました。

特別利益は23億59百万円、前期比47.2%の減少となりました。主な減少要因は、投資有価証券売却益が減少したことによるものであります。また、特別損失は24億74百万円、前期比94.3%の増加となりました。主な増加要因は、貸倒引当金繰入額の増加によるものであります。以上の結果、税金等調整前当期純利益は206億82百万円、前期比7.2%の減益となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は114億58百万円、前期比16.8%の減益となりました。

また、1株当たり当期純利益金額は113円73銭、自己資本利益率は4.6%となりました。

 

 結果、当社が重視する経営指標は次のとおりとなりました。

 

2019年3月期

2020年3月期

ATO(総資産回転率)

0.79回

0.80回

ROS(売上高営業利益率)

5.9%

6.5%

ROA(総資産営業利益率)

4.7%

5.1%

ROE(自己資本当期純利益率)

5.5%

4.6%

 

 セグメント別の経営成績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。

事業の種類別

セグメント

売上高

営業利益

(セグメント利益又は損失(△))

金額

(百万円)

前期比

(%)

業績予想比

(%)

金額

(百万円)

前期比

(%)

業績予想比

(%)

香辛・調味加工食品事業

144,996

102.7

99.2

14,111

111.4

106.1

健康食品事業

27,890

90.3

93.0

521

36.7

43.4

海外食品事業

29,734

113.0

98.1

4,098

114.3

102.4

外食事業

52,498

100.8

100.0

202

その他食品関連事業

46,296

74.8

102.2

1,791

87.6

99.5

小計

301,415

96.5

99.1

20,723

108.2

104.1

調整(消去)

△7,733

△1,717

合計

293,682

99.0

98.9

19,005

108.2

102.7

(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。

 

<香辛・調味加工食品事業>

ハウス食品㈱は、国内市場が成熟の度合いを深めるなかで、収益構造モデルの変革に取り組み、既存事業の強化と新価値創造に取り組んでおります。既存事業においては、「食の外部化」への対応強化の一環として2019年8月にレトルト製品の製造ラインを稼働させたほか、大容量ねりスパイスやパーソナル食品の育成等、お客様のライフスタイルの変化に即した提案力および収益力強化に取り組みました。下期に入り消費税増税によるマーケットの冷え込みもあり苦戦いたしましたが、2月中旬以降新型コロナウイルス感染拡大の影響が顕在化し、家庭内食への需要が極大化したことから、増収増益を確保いたしました。

当事業セグメントに属する㈱ギャバンは主力のペッパーを中心に国内外とも底堅い推移となりました。マロニー㈱は暖冬要因もあり鍋需要が振るわず、軟調な推移となりました。

以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,449億96百万円、前期比2.7%の増収となりました。営業利益は、成長投資に伴う減価償却費の増加が負担とはなりましたが、141億11百万円、前期比11.4%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は9.7%となり、前期より0.8pt向上いたしました。

 

<健康食品事業>

ハウスウェルネスフーズ㈱は、基幹ブランド「ウコンの力」が飲酒環境の変化や年度末にかけての新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、非常に厳しい販売環境が続き、業績が悪化しております。このような市場環境のなか、将来に向けた事業基盤の再構築を進めており、当期は持続的な成長を見込むゼリー製品および「1日分のビタミン」の内製化を進める一方で、競争力の維持確保が難しいPET製品の事業縮小を進めております。また、戦略的健康素材と位置づける「乳酸菌L-137」の事業化に取り組むほか、機能性表示食品「ネルノダ」の育成に努めました。

以上の結果、健康食品事業の売上高は278億90百万円、前期比9.7%の減収となりました。営業利益は、主要ブランドの減収による影響が大きく、5億21百万円、前期比63.3%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は1.9%となり、前期より2.7pt減少いたしました。

 

<海外食品事業>

海外食品事業はグループの成長を担うコア育成事業として、重点3エリア(米国・中国・アセアン)で事業成長と収益基盤の強化に取り組んでおります。

米国豆腐事業は、近年の健康志向や環境意識を背景とした植物性タンパク市場の拡大とともに成長を持続したものの、土日稼働に伴う労務費増や一部原料の関税アップ等から、増収減益となりました。なお、当連結会計年度は強い需要拡大に対して生産能力が逼迫するなか、我慢の経営を強いられましたが、ロサンゼルス工場の新ラインが当期終了直後の本年1月に完成し、成長機会を取り込む体制を整えております。

中国カレー事業は、家庭用・業務用ともに成長を実現し、日本式カレーの着実な浸透は進めることが出来たものの、成長を支える営業人員の採用・育成が遅れたことで、前期の浙江工場稼働に伴うコスト増を吸収するには至らず、増収減益となりました。

タイ機能性飲料事業は、健康志向の高まりを背景とした旺盛な需要に支えられ、CVS等のモダントレードおよびトラディショナルトレードの双方で「C-vitt」の成長が続き、増収増益となりました。なお、同国では2019年10月から10%の物品税が課され、一部は価格改定で吸収したものの、損益改善への打ち手を講じてまいります。

以上の結果、海外食品事業の売上高は297億34百万円、前期比13.0%の増収、営業利益は40億98百万円、前期比14.3%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は13.8%となり、前期より0.2pt向上いたしました。

 

<外食事業>

㈱壱番屋は、期初となる2019年3月に価格改定を行った影響や海外子会社が堅調に推移したこと等から増収増益となりました。同社の国内既存店客数は2019年8月以降に発生した台風や豪雨のほか、10月からの消費増税の影響等により前期比1.5%減となる一方、客単価は価格改定の効果等により同2.1%増となっております。

なお、当事業セグメントの対象であったハウスフーズアメリカ社が運営する「カレーハウス」レストラン事業は、同社の経営資源を豆腐事業に集中するために2019年6月に事業譲渡を行っております。

以上の結果、㈱壱番屋とその他外食子会社を含めた外食事業の売上高は524億98百万円、前期比0.8%の増収となりました。営業利益は、㈱壱番屋を連結対象子会社とした際に発生したのれんや無形固定資産の償却負担があるものの、価格改定効果や海外子会社の収益伸長により2億2百万円と黒字に転換し、前期からは7億63百万円の増益となりました。結果、売上高営業利益率は0.4%となり、前期より1.5pt向上いたしました。

 

<その他食品関連事業>

コンビニエンスストア向けの総菜等製造事業を営む㈱デリカシェフは、雇用環境の悪化に伴う人件費の上昇影響はありましたが、開発力強化と生産性改善に注力し、収益性を向上しております。

農産物・食品等の輸出入および販売を営む㈱ヴォークス・トレーディングも、基幹事業の収益力強化や高付加価値製品の拡販に引き続き取り組み、増収増益を確保しております。

なお、当事業セグメントに属するハウス物流サービス㈱(当社連結対象子会社)は、2019年4月より同社の受注・構内荷受を除く主要物流事業をF-LINE㈱(同 持分法適用関連会社)へ譲渡しており、当期の当事業セグメントの売上高および営業利益を大きく押し下げる要因となっております。

以上の結果、その他食品関連事業の売上高は462億96百万円、前期比25.2%の減収、営業利益は17億91百万円、前期比12.4%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は3.9%となり、前期より0.6pt向上いたしました。

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

香辛・調味加工食品事業

127,149

+1.1

健康食品事業

25,926

△16.4

海外食品事業

15,674

△1.8

外食事業

13,804

+9.6

その他食品関連事業

20,820

+5.9

合計

203,373

△0.8

(注)1.金額は販売価格により算出しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

② 受注状況

主要製品の受注生産は行っておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

香辛・調味加工食品事業

144,996

+2.7

健康食品事業

27,890

△9.7

海外食品事業

29,734

+13.0

外食事業

52,498

+0.8

その他食品関連事業

46,296

△25.2

小計

301,415

△3.5

調整(消去)

△7,733

合計

293,682

△1.0

(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。

2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

加藤産業㈱

34,384

11.6

37,390

12.7

三菱食品㈱

20,755

7.0

20,958

7.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて38億31百万円減少し3,671億94百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて48億98百万円増加し1,496億53百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて87億29百万円減少し2,175億41百万円となりました。

 流動資産の増加の主な要因は、商品及び製品が22億55百万円減少した一方で、現金及び預金が39億40百万円、有価証券が38億10百万円増加したことなどによるものです。

 固定資産の減少の主な要因は、投資有価証券が62億90百万円、のれんが34億17百万円減少したことなどによるものです。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて56億17百万円減少し862億64百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて21億70百万円減少し531億38百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて34億47百万円減少し331億26百万円となりました。

 流動負債の減少の主な要因は、支払手形及び買掛金が14億72百万円、短期借入金が4億9百万円減少したことなどによるものです。

 固定負債の減少の主な要因は、繰延税金負債が17億16百万円、リース債務が13億19百万円減少したことなどによるものです。

 当連結会計年度末の純資産は、保有する投資有価証券の売却および時価下落によりその他有価証券評価差額金が減少したことや、退職給付に係る調整累計額が減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べて17億86百万円増加の2,809億30百万円となりました。

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.6%から67.7%となり、1株当たり純資産が2,454円34銭から2,469円20銭となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー242億18百万円に対し、「有形固定資産の取得」「有価証券の売却」などの投資活動によるキャッシュ・フロー△63億56百万円、「短期借入れ」「短期借入金の返済」「配当金の支払」などの財務活動によるキャッシュ・フロー△75億67百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は698億70百万円となり、期首残高より73億75百万円増加いたしました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は242億18百万円(前期比+33億6百万円)となりました。こ
れは主に税金等調整前当期純利益206億82百万円などによるものであります。

 また、前連結会計年度に比べての増加は、たな卸資産の増減額の減少(前期比+45億67百万円)、投資有価証券売
却損益の減少(前期比+21億95百万円)、仕入債務の増減額の減少(前期比△16億25百万円)、税金等調整前当期純
利益の減少(前期比△16億15百万円)などが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は63億56百万円(前期比△53億48百万円)となりました。これ
は主に有形固定資産の取得による支出149億16百万円、投資有価証券の取得による支出31億62百万円、有価証券の取
得による支出20億円、有価証券の売却による収入85億49百万円、投資有価証券の売却による収入59億91百万円などに
よるものであります。

 また、前連結会計年度に比べての減少は、有形固定資産の取得による支出の増加(前期比△53億73百万円)、投資
有価証券の売却による収入の減少(前期比△13億67百万円)、定期預金の預入による支出の増加(前期比△11億36百
万円)、投資有価証券の取得による支出の減少(前期比+29億33百万円)などが要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は75億67百万円(前期比+97億50百万円)となりました。これ
は主に短期借入金の返済による支出353億82百万円、配当金の支払額45億32百万円、短期借入れによる収入348億46百
万円などによるものであります。

 また、前連結会計年度に比べての増加は、短期借入金の返済による支出の減少(前期比+261億92百万円)、自己
株式の取得による支出の減少(前期比+87億68百万円)、短期借入れによる収入の減少(前期比△245億2百万円)
などが要因であります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性について

(財務戦略の基本的な考え方)

当社グループは、財務体質の健全性の維持と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値向上のために資金を適切に配分することを財務戦略の基本方針としております。

財務体質の健全性の維持に関しては、「シングルA(安定的)」以上の信用格付の取得・維持を目指し、信用力および透明性の向上を図ります。

資金効率の向上に関しては、当社および国内子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、国内子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。

企業価値向上に関しては、第六次中期計画の期間中に、収益基盤強化のためのグループ最適生産体制の投資に300億円、グループ成長牽引のための海外成長投資に100億円、その他の新規事業投資に200億円の、計600億円の事業投資を計画しております。

なお、国際的に広がりを見せる新型コロナウイルスの社会生活や経済に与える影響などにも引き続き注視する必要がありますが、家庭内食への需要が極大化したこともあり、当社グループは財務体質の健全性を維持しております。食品企業の使命として人命の安全を確保しながらも製品供給を果たすため、今後も財務体質の健全性の維持および向上に努めてまいります。

 

(経営資源の配分に関する考え方)

当社グループは、適正な手元資金の水準について、事業上の資金を回収するまでの運転資金調達期間(売上高の約1.5か月分)の観点と不測の事態に対応できる安全資産の額の観点から検証し、適正な水準を設定しております。適正な水準を超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上のために既存の成熟事業領域での生産性向上による収益力強化と国内外の成長事業領域への経営資源の重点配分に取り組んでまいります。

 

(資金需要の主な内容)

当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用などがあります。投資活動に係る資金支出は、「食の外部化」への対応強化に向けたレトルト製品製造設備への投資、健康食品事業における持続的な成長を見込むゼリー製品製造設備への投資、米国における健康志向や環境意識の高まりを背景に強い需要の続く豆腐製品製造設備増設への投資、外食事業における軽減税率対応など経営環境の変化に向けた店舗POSシステムへの投資などがあります。また、既存の成熟事業領域だけでなく、「涙の出ないタマネギ」、「乳酸菌」の事業化やCVCとの連携推進など成長事業領域への投資があります。

 

(資金調達)

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローを内部的な資金の源泉と考えており、設備投資のための資金については、主として内部資金により充当することとしており、必要に応じて金融機関からの借入金や社債の発行等により充当することとしております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下の通りです。

 

(退職給付)

当社グループは、退職給付費用および債務の計算について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の期待運用収益率等が含まれます。経済環境や金融市場の変化などにより実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される退職給付費用や計上される退職給付に係る資産および負債に影響を及ぼします。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき合理的に判断しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、事業環境の変化などにより見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩され、税金費用を計上する可能性があります。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産の減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定に際して用いられる将来キャッシュ・フローを、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(中期経営計画や予算等)に基づき合理的な仮定を置いて計算しております。事業計画の未達や市場環境の変化などにより、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失が発生する可能性があります。

 

(商標権および契約関連無形資産)

当社グループは、㈱壱番屋を連結対象子会社とした際に計上した商標権および契約関連無形資産について、経済的耐用年数を見積り、その耐用年数にて定額法により償却しております。計上および計上後の減損検討に際しては将来キャッシュ・フロー、割引率など、多くの見積りや前提条件を使用しており、事業計画の未達や市場環境の変化などにより使用した見積りや前提条件に変更が生じた場合には、減損損失が発生する可能性があります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による会計上の見積りについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 追加情報」に記載しております。

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

1.香辛・調味加工食品事業、健康食品事業、海外食品事業

 当社グループ(当社および当社の関係会社)は、“「食で健康」クオリティ企業への変革”というテーマを掲げております。国内市場で長年にわたりご愛顧をいただいている各製品ブランド力の維持・強化に努めると共に、成熟した市場の中で「食で健康」という領域にフォーカスし、お客さまの立場に立った新しい価値をご提供し続けることができるよう、研究開発活動を行っております。

 当社グループにおきましては、研究開発本部、ハウス食品㈱の開発研究所(千葉県四街道市)、ハウスウェルネスフーズ㈱の開発研究所(千葉県四街道市、兵庫県伊丹市)の3部門が、研究開発活動を担っており、「新たな需要の創造」と「確かな設計」の両立を目指し、変化する社会にあって安心してご使用いただけ、ご満足をいただける食品を創出するために、広範な研究開発を実施しております。

 

(1)研究開発取組姿勢

① 製品開発・技術開発分野

 製品開発・技術開発分野では、日本の成熟市場では潜在化しやすいお客さまニーズを掘り起こし、「新しい価値」を有した製品づくりに努めるとともに、お客さまの食生活と健康に貢献するべく、「よりおいしく、より簡便に、より健康に」にこだわりを持ち、品質の一層の向上に努め、独自性のある技術に裏打ちされた製品の開発に取り組んでおります。

 香辛・調味加工食品事業におきましては、カレーのメニュー魅力のさらなる強化を目指し、お子様が独立されたご夫婦2人暮らしにちょうどよい量(2~3皿)の、炒めて作る新しいカレー、ハウス「ソテーカレー」を開発いたしました。ご夫婦2人でも「わざわざ作っても食べたい」と思っていただけるように、肉、野菜、果実の旨味と華やかなスパイスの香りが濃縮された、溶けやすいペーストタイプのカレールウに仕上げています。肉や旬の野菜などの具材をフライパンで炒め、ペーストルウと水を加えて加熱するとすぐにとろみがつくため、野菜の食感、彩りを損なうことなく、おいしいカレーが短時間で簡単に出来上がります。

 健康食品事業におきましては、日常生活や運動後の疲労感が気になる方に向け、C1000 ビタミンレモンシリーズ初の機能性表示食品「C1000 ビタミンレモンクエン酸味」を開発いたしました。機能性関与成分のクエン酸3000mgが含まれており、継続摂取によってお客様の健康をサポート。また、レモン果汁とクエン酸の強い酸味に炭酸を組み合わせた爽快な味わいをお楽しみいただけます。

 グループ横断の取り組みとして、乳酸菌L-137の加熱処理という素材加工技術による食品への加工や長期保存に強い特徴を活かし、マロニー株式会社の「プチプチ乾燥麺」シリーズの新たなラインナップとして「まもり高める乳酸菌L-137」が100億個入った「乳酸菌L-137 プチ!プチ!乾燥麺」を開発いたしました。

 

② 基礎研究分野

 基礎研究分野では、食品科学のみならず、生化学、植物育種・栽培学、化学工学、生理学など多方面からの研究を行い、高水準の技術保有に努めております。当連結会計年度では、弘前大学大学院医学研究科の共同研究講座「食と健康 科学講座」において、健康寿命延伸につながる新たな食スタイルを提案することを目指して、青森県の岩木健康増進プロジェクト健診・いきいき健診や沖縄県のやんばる版プロジェクト健診での味覚感受性試験や食生活アンケートを行ない、味覚や食生活と様々な健康指標との関連性の解析を進めました。一方で、製品および使用原料の安全性確保の観点から、油脂中に含まれ健康リスクが懸念される3-MCPD脂肪酸エステルとグリシドール脂肪酸エステルなどの食の安全にかかわる分析技術の強化・研究にも注力しております。当連結会計年度においては、弊社が開発した油脂含有食品中の3-MCPD脂肪酸エステル及びグリシドール脂肪酸エステルの間接分析法については、国内だけでなく海外の学会においてもその有用性が認められ、日本油化学会と米国油化学会のJointの基準法ならびに推奨法として登録されました。また、タマネギ催涙因子に関する研究については、昨年度までの内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)を終了した後、引き続き農水省の戦略的プロジェクト研究推進事業に参画して、農研機構と連携して精力的に共同研究を進めました。タマネギ栽培研究におきましては、お客様にさらに高品質なスマイルボール(涙の出ないタマネギ)を安定的にお届けするだけでなく、生産者の方々にも最適な栽培方法を提供するため、栽培法の検討、品種改良を継続的に進めております。ハーブ栽培研究につきましては、植物工場事業を行うファームシップ株式会社と共同研究を行い、バジルなどのハーブ類の栽培、生産技術開発を進めております。

 

 健康関連の分野では、健康維持に必要なビタミンや、さまざまな生理機能があるといわれるスパイスに加え、近年その健康維持への効果が期待されている乳酸菌につきまして、これらの効果を検証するための試験、ならびに、新しい作用を見出すための基礎研究を継続して精力的に取り組んでおります。当連結会計年度では、ウコンエキスについて「慢性炎症の改善」、乳酸菌L-137について「脂質代謝と炎症の改善」に関する研究成果を学術論文として発表いたしました。

 

(2)研究体制・しくみ

 当社グループの3つの研究所は、基礎研究・機能性研究、製品開発、技術開発、容器包装開発、お客様生活研究、グループ技術連携、研究企画、運営の各部門で構成しており、それぞれの部門において専門的な研究開発活動に取り組む一方、昨年度から行っていた千葉研究センターのリノベーション工事が完成し、部門間の垣根を越え、お互いが有機的に連携して相乗効果を高める環境づくりも進んでいます。その成果は、昨年度から開始した One Day a Week(20%ルール)において、共創の中から生まれたアイデアがクラウドファンディングなどを利用して公開されるなど、少しずつ形となっています。また、海外事業における製品開発サポート体制も継続的に強化しております。

 組織をフラットな小グループ制とし、柔軟性ある運用により市場の変化と商品の多様化にフレキシブルに対応するとともに、保有技術を目に見えるサービスにいかに具現化していくかというこだわりを持って運営にあたっております。

 

(3)研究開発費

 当連結会計年度における研究開発費の総額は4,465百万円であります。

 

2.外食事業、その他食品関連事業

 特に記載すべき事項はありません。