第3 【第三者割当の場合の特記事項】
1 【割当予定先の状況】
(注) 提出者と割当予定先との間の関係の欄は、別途時点を明記していない限り、本有価証券届出書提出日(2021年3月11日)現在のものであります。
当社グループは、飲料事業、珍味事業、インターネット通信販売事業及びその他の事業を行っており、当社は飲料事業及び珍味事業を主力としており、グループ全体では子会社の営むインターネット通信販売事業を主力としております。
飲料事業においては、日本初の水出しパック麦茶「フジミネラル麦茶」を中心に、ウーロン茶、杜仲茶、消費者の健康志向に対応した「ごぼう茶」等の健康茶製品を取り扱っております。
珍味事業においては、中国に所在する100%生産子会社にて生産するビーフジャーキーを取り扱っております。
飲料事業は、日本初の水出しパック麦茶であることと、過去のテレビコマーシャルによるブランド力で販売力を維持してきたものの、少子化で主顧客層である子持ち世帯が減少していること、大型ペットボトル飲料の低廉化等によりパック麦茶市場が縮小し、コモディティ化が進んだことから、価格競争に依存した厳しい市場と化していることに加え、当社商品のブランド認知層が高齢化し、採算の悪化が続いております。ごぼう茶は、当社が市場を開拓した商品で高い付加価値のある新規商品ということで既存商品に対して高い粗利率を有していることから一定の利益も確保しておりますが、競合商品の出現等により環境が悪化しております。
珍味事業のビーフジャーキーは、醤油風味で欧米人向けとは異なる柔らかい食感等、既存にはない日本人好みの商品で市場を開拓いたしました。自動化が難しい商品であるものの、国内工場に比して人件費が低廉な中国子会社の工場での低コストな生産により価格競争力もある商品となり、発売当初は大手コンビニエンスストアや駅構内売店で取扱いを受ける等一定の市場を確保して参りました。しかし、競合他社が当社商品をベンチマークした商品を投入してきたことに加え、中国の人件費上昇等に伴って製造コストも上昇し、競争力が低下、全国展開する大手スーパーマーケットや大手コンビニエンスストア、駅構内売店、大手ディスカウントストアでの取扱いが終了する等で販売数量が激減し、業績が悪化した状態が続いております。
既存事業が厳しい状況の中、当社は2017年9月に第三者割当による行使価額修正条項付第1回新株予約権の発行を実施し、その調達資金で、商品開発や販売促進活動を行う一方で、Eコマース事業を行う株式会社新日本機能食品(東京都渋谷区神宮前一丁目5番8号、代表取締役:小林憲司)及び外食店舗事業を行う株式会社エムアンドオペレーション(所在地:東京都大田区田園調布一丁目10番26号、代表取締役:櫻井寛)の子会社化等、事業領域を拡大することで会社の事業継続性を高める活動を展開して参りました。
しかし、外食店舗事業は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて大幅な損失を計上することが見込まれるようになったことから事業から撤退するに至りました。更に、インターネット通信販売事業は競争環境の激化や想定を超える販売促進費・配送料等の高騰により所期の計画には及ばず子会社化に伴い発生したのれんについて2020年3月期において減損損失282百万円を計上し、当社グループはこれらの損失計上に伴い、債務超過に転落いたしました。
このような状況において当社としては、当社グループが長期安定的に事業を継続していくため、借入金の返済資金や運転資金を調達することが不可欠であるものと判断いたしました。また、当社グループは債務超過を当年度末までに解消することができない場合、当社が上場する東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場の上場廃止基準に抵触いたしますが、先ず上場の廃止は、投資家保護の観点からも避けるべきであり、グループ全体の採算は一部で改善しつつあるものの債務超過を解消するには至らないと見込まれることから、増資による資金調達が最善の方法であると判断し、エクイティ・ファイナンスを選択しました。公募増資につきましては、当社は前記のとおり長期間にわたり損失を計上しており、また、業績悪化により当社株価及び出来高が低迷していることからも、公募増資の引受先を見つけるのは困難であり、仮に引受先を見つけることができたとしても当社及び当社株主にとって不利な条件での発行となる可能性が高いこと等の理由から、他の資金調達の方法は当社にとって最善の方法とはいえないと考えております。
一方、本第三者割当は、有利発行に該当しない価格での発行であり、また、上記の様な厳しい環境の中、比較的短期間に割当予定先から必要資金の出資意向を受けることができました。
以上より、既存株主に対する希薄化の影響を考慮しても、本第三者割当により資金調達を行うことが合理的であると判断し、本第三者割当を決定いたしました。
今回の調達資金は、前記「4 新規発行による手取金の使途 (2)手取金の使途」に記載の使途に充当し、財務基盤の強化を図っていく考えです。
当社は、第三者割当の方法が最善の手段であると判断し、当社の経営環境、経営方針及び本第三者割当の目的等をご理解いただける割当予定先の候補先の選定を続けて参りました。当社が自発的に引き受けて頂ける候補先に検討をお願いすることに加え、前述した当社の窮状から、従来お取引のあった先のほか、これまで面識のなかった先からの照会もあり、少なくない先と資金調達についてお話をさせて頂きました。然しながら、複数の割当候補先と資金調達の調整を重ねていく中で、その多くは、過半数を超える株式保有比率や役員派遣、既存の当社会社組織や業務体制に対して強い意見の反映を求めるものが多く、当社の経営方針とは相いれないもので、引受先の選定には時間を要することとなりました。そんな中、2019年7月に当社の新株式及び新株予約権の割当先となっていただいたNexus Bank株式会社(旧商号:SAMURAI&J PARTNERS株式会社)より、2020年7月に、本新株式の割当予定先である辛澤氏の紹介を受けました。辛氏は大阪市に在住し、不動産や投資を行う会社を経営しており、近年は国内の公開会社への投資も行っている投資家です。当社が中国に子会社を有していることから辛氏の中国における不動産や小売店に関する知見やコネクションを活かすことができるのではないかと考えたNexus Bank株式会社の100%子会社であるSAMURAI証券株式会社の代表取締役社長である山口慶一氏から同氏の紹介を受けました。辛氏からは、当社支配権の一定以上の確保や、複数人の役員派遣といった条件を提示されたことから、当初は同氏を割当予定先とすることは想定していなかったものの、その後継続して情報交換を行っていく中で、辛氏は当社の生産子会社のある中国国内において有力なコネクションを有しており、かつ当社グループの事業に対する理解が非常に深く、当社の事業を黒字化することについて自身の知見等を活かした様々なアイデアを有しており、親身になって今後の発展に寄与して頂けるものと確信し、本新株式の割当予定先として選定することといたしました。なお辛氏からは、現時点ではその人数や具体的内容は確定していないものの、複数人の役員派遣を行う意向がある旨を確認しております。
当社普通株式 4,369,000株
割当予定先からは、本第三者割当により取得する当社株式を中・長期的に保有する方針であることを口頭で確認しております。
当社は、割当予定先から、割当予定先が払込期日から2年以内に本第三者割当により発行される株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に対して書面により報告すること、当社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること、及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定です。
本新株式の払込みに要する財産の存在については、辛氏はその資産管理会社であるMENTELLE INVESTMENTS LIMITED(所在地:Harney Westwood & Riegels, P O Box 71,craigmuir Chambers, Road Town, Toetola VG1110, British Virgin Islands、Director:Xin Ze(辛澤)。以下「MENTELLE社」といいます。)との間で金銭消費貸借契約(締結日:2021年3月8日、借入期間:5年間、年利1%、担保・保証:なし)を結んでおり、同社からの借入れによって調達する予定である旨を確認しております。当社は、MENTELLE社の銀行口座の残高証明書の写しを受領し、2021年2月25日現在で十分な流動資産を保有していることを確認の上、MENTELLE社の代表者でもある辛氏からのヒアリングにより、かかる流動資産を現金化の上で辛氏に対する貸付原資とする予定であることを確認しました。辛氏が払込みに要する資金を保有していると当社が判断した理由といたしましては、上記残高証明書により、辛氏が、払込みに必要な流動資産を保有しているMENTELLE社から本新株式の払込みに要する財産の借入が可能であることを確認できたことによるものであります。
割当予定先である辛氏からは、反社会的勢力とは一切関係がないことを聴取しております。また、第三者調査機関である株式会社JPリサーチ&コンサルティング(所在地:東京都港区虎ノ門三丁目7番12号、代表取締役古野啓介)の調査により、反社会的勢力との関係性を示す情報は確認されなかったとの報告を受けており、当社はその調査結果資料を確認いたしました。加えて、当社が独自に行ったインターネット検索による辛氏に関する報道や評判等の調査結果も踏まえて、当社は、割当予定先が反社会的勢力と関わりがないものと判断しております。以上により、当社は、割当予定先は反社会的勢力とは一切関係がないと判断し、これに係る確認書を株式会社東京証券取引所に提出しております。
2 【株券等の譲渡制限】
該当事項はありません。
3 【発行条件に関する事項】
本第三者割当により発行する本新株式の発行価額につきましては、割当予定先との協議により、本第三者割当に係る発行決議日の直前取引日である2021年3月10日の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値(以下「終値」といいます。)である114円の90%に相当する金額の1円未満の端数を切り上げた金額である103円といたしました。
発行決議日の直前取引日における終値を基準として採用することとしましたのは、直近の株価が現時点における当社の客観的企業価値を適正に反映していると判断したためです。また、10%というディスカウント率については、本第三者割当は当社の債務超過を解消し上場廃止を免れるために必要不可欠であることから、当社グループの企業価値の存続ひいては既存株主に皆様の利益向上に資するとの判断のもと、割当予定先と慎重な交渉の上、決定いたしました。
なお、当該払込金額は、発行決議日の直前取引日までの1ヶ月間(2021年2月12日から2021年3月10日)の終値の単純平均値117円(円未満切捨て)に対し11.97%のディスカウント(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するディスカウント率又はプレミアム率の数値の計算について同様に計算しております。)、発行決議日の直前取引日までの3ヶ月間(2020年12月11日から2021年3月10日)における終値の単純平均値107円(円未満切捨て)に対し3.74%のディスカウント、発行決議日の直前取引日までの6ヶ月間(2020年9月11日から2021年3月10日)における終値の単純平均値105円(円未満切捨て)に対し1.90%のディスカウントとなっております。
当該発行価額は、払込金額を原則として取締役会決議日の直前日の価額に0.9を乗じた額以上の価額であることとしつつ、直前日までの価額又は売買高の状況等を勘案し、当該決議の日から払込金額を決定するために適当な期間(最長6ヶ月)をさかのぼった日から当該決議の直前日までの間の平均の価額に0.9を乗じた額以上の価額とすることができるものとする日本証券業協会「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(2010年4月1日制定)に準拠して算定されていることから、割当予定先にとって特に有利な金額ではないと判断しております。この判断に基づいて、当社取締役会は、本新株式の発行条件について十分に討議、検討を行い、当社取締役全員の賛成により本新株式の発行につき決議いたしました。
なお、当社監査等委員会から、本新株式の払込金額は、当社の債務超過の解消を目的としつつ、既存株主の利益に対する合理的かつ慎重な配慮に基づき決定されており、また、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」に準拠したものであるため、割当予定先に特に有利な金額ではなく適法であるという趣旨の意見を得ております。
本第三者割当により発行される本新株式の発行数は4,369,000株(議決権数43,690個)であり、2020年9月30日現在の当社発行済株式総数7,068,300株(議決権総数70,650個)を分母とする希薄化率は61.81%(議決権ベースでの希薄化率は61.84%)に相当します。
しかしながら、本第三者割当は、当社の債務超過を解消するのみならず、ベジタリア株式会社との提携や、割当予定先である辛氏による協力のもと当社の収益を向上させることを企図して行われるものであり、既存株主に皆様の利益向上に資すると考えております。また、割当予定先は当社株式を中・長期的に保有する方針であり、今回の発行数量及びこれによる株式の希薄化の規模並びに流通市場への影響はかかる目的達成のうえで、合理的であると判断いたしました。
なお、本第三者割当により、当社普通株式について25%以上の希薄化が生じます。このため、経営者から一定程度独立した者として、当社と利害関係のない社外有識者である弁護士の高橋明人氏(高橋・片山法律事務所)及び安藤拓郎氏(中村・安藤法律事務所)並びに当社の監査等委員である社外取締役かつ独立役員に指定されている砂越豊氏の3名によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、資金調達の必要性、希薄化の規模の合理性、資金調達手法の妥当性及び割当予定先の妥当性等について慎重に審議いただき、本第三者割当による資金調達の必要性及び相当性並びに本第三者割当の払込金額が割当予定先に特に有利でないことに係る適法性が認められるとの意見を受領の上、発行を決議しております。
4 【大規模な第三者割当に関する事項】
本第三者割当により発行される本新株式の発行数4,369,000株に係る割当議決権数は43,690個となり、当社の総議決権数70,650個(2020年9月30日現在)に占める割合が61.84%となり、割当議決権数が総株主の議決権数の25%以上となることから、「企業内容等の開示に関する内閣府令 第2号様式 記載上の注意(23-6)」に規定する大規模な第三者割当に該当いたします。
5 【第三者割当後の大株主の状況】
(注) 1 「割当前の所有株式数」及び「割当前の総議決権数に対する所有議決権数の割合」につきましては、割当予定先を除いて、2020年9月30日現在の株主名簿に基づき記載しております。
2 「割当後の所有株式数」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」については、2020年9月30日現在の所有株式数及び所有議決権数に、本新株式の発行数である4,369,000株及び当該株数に係る議決権数(43,690個)を加算した数に基づき算出しております。
3 「割当前の総議決権数に対する所有議決権数の割合」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、小数点第3位を四捨五入しております。
6 【大規模な第三者割当の必要性】
本第三者割当は、本新株式の発行数4,369,000株に係る議決権数の総議決権数に占める割合が61.84%となり、大規模な第三者割当に該当しますが、前記「4 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」記載の具体的な資金使途に係る資金を調達するために必要な資金調達であり、中長期的な企業価値向上を通じて既存株主の皆様の利益に資するものと判断しております。本第三者割当による資金調達により、既存株主の皆様には一時的に大規模な株式の希薄化による既存株主持分割合への影響を招くことになりますが、上記の具体的な資金使途に調達資金を充当することによって、今後の当社の存続及び発展に寄与するものと考えており、既存株主の皆様のメリットがデメリットを上回り、当社としては、中長期的には当社の企業価値の向上につながり、株主の皆様の利益に資するものと考えております。
上記「4 大規模な第三者割当に関する事項」に記載のとおり、本第三者割当による本新株式の発行数4,369,000株に係る議決権数43,690個については、当社の総議決権数70,650個(2020年9月30日現在)に占める割合が61.84%となり、25%以上の希薄化が生じます。
今般の資金調達は、このような希薄化を伴いますが、当社は上記「第1 募集要項 4 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載した各資金使途に充当する予定であり、これは当社の企業価値の向上を実現し、財務状況を改善し、売上及び利益を向上させるとともに、業績の拡大に寄与するものであって、中長期的な観点から当社の既存株主の皆様の利益に貢献できるものと判断しています。また、本第三者割当により発行される株式の短期的な売却は想定していないことを割当予定先から確認しているという事情からすれば、本第三者割当が市場へ及ぼす影響は、ある程度抑えられるものと考えております。当社は、以上の点に加え、下記の当社及び当社の経営者から独立した者からの意見も踏まえ、本第三者割当により資金調達を行うことが、当社が取り得る資金調達方法の中で最良の選択肢であるとの結論に至りました。なお、当社取締役会におけるこれらの判断に対して、社外取締役から反対意見は表明されておりません。
本第三者割当による本新株式の発行数4,369,000株に係る議決権数43,690個は、当社の総議決権数70,650個(2020年9月30日現在)に占める割合が61.84%と25%以上となることから、「企業内容等の開示に関する内閣府令 第2号様式 記載上の注意(23-6)」に規定する大規模な第三者割当に該当いたします。
当社は、現在の当社の財務状況及び迅速に本第三者割当による資金調達を実施する必要があることに鑑みると、本第三者割当に係る株主総会決議に係る株主の意思確認の手続きを経る場合には、臨時株主総会決議に係るまでにおよそ2ヶ月程度の日数を要すること、また、臨時株主総会の開催に伴う費用についても相応のコストを伴うことを踏まえ、総合的に勘案した結果、経営者から一定程度独立した特別委員会より第三者割当による新株の発行の必要性及び相当性並びに本第三者割当の払込金額が割当予定先に特に有利でないことに係る適法性に関する意見を入手することといたしました。
このため、「3 発行条件に関する事項 (2) 発行数量及び株式の希薄化の規模の合理性に関する考え方」に記載する本特別委員会を設置し、第三者割当による新株の発行の必要性及び相当性並びに本第三者割当の払込金額が割当予定先に特に有利でないことに係る適法性に関する客観的な意見を求め、以下の内容の意見書を2021年3月11日に入手しております。なお、本特別委員会の意見の概要は以下のとおりです。
本第三者割当増資の必要性及び相当性、並びに本第三者割当増資の払込金額が割当予定先に特に有利でないことに係る適法性について、いずれも問題がないと考えます。
(1) 必要性
貴社の説明によれば、向こう約1.5年間の資金繰り計画に基づき、約4.5億円(諸費用差引前)の資金調達が必要とのことです。
調達した資金の使途、資金計画については、以下の通りとのことです。
「①ベジタリア株式会社の新株予約権付社債取得資金」:約1.0億円
今後成長が期待される「フードテック」、「アグリテック」、「ヘルスケアテック」の分野における知見とネットワーク、事業開発・投資実績を保有するベジタリア株式会社との連携により、貴社における新規事業展開、M&A又は資本・業務提携、投資を推進し、貴社の企業価値の向上実現を狙うとのことです。
「②借入金の返済資金」:約0.45億円
借入金の返済を行うことで、財務基盤の健全化を図るとともに、支払利息の削減を見込むとのことです。
「③運転資金」:約2.75億円
2021年3月末時点における貴社の債務超過を解消するためには、4.5億円程度の資本増強が必要とのことです。本第三者割当増資により2021年3月末時点における債務超過の解消が見込まれる一方で、貴社の収益が向上するまでには一定程度の時間を要するとのことであり、調達した資金のうち約2.75億円については、仕入費用、販売促進費用、人件費等の運転資金に充当するとのことです。
以上の通り、これらの資金需要に基づき、調達した資金の使途、資金計画について、具体的な必要金額、また具体的な支出時期等を前提として今般の本第三者割当増資の実施について検討が行われているものと考えます。
貴社によれば、調達した資金を上記の資金使途に用いることにより、まずは2021年3月末時点における貴社の債務超過の解消を見込むとともに、あわせて財務基盤の健全化を図り、また仕入費用、販売促進費用、人件費等の運転資金を確保することで、安定した事業運営及び事業投資が可能となる環境の整備を目指すとのことです。
これらの点に関する貴社による説明及び貴社が特別委員会に提示した資料の内容について特に不合理な点も見出せず、本第三者割当増資が、喫緊の課題である2021年3月末時点における貴社の債務超過の解消を図るためのものであり、また貴社における中長期的な財務基盤の安定に向けられたもの、さらには貴社の事業成長戦略の推進及び競争力強化に向けられたものとして、貴社における合理的な資金調達の必要性が認められると考えます。
(2) 相当性
(i) 他の資金調達手段との比較
貴社の説明によれば、2020年3月期において減損損失を計上したことで、貴社グループは債務超過の状況に陥ったとのことです。かかる状況において貴社としては、貴社グループが長期安定的に事業を継続していくため、借入金の返済資金や運転資金を調達することが不可欠であると判断したとのことです。
この点、貴社グループは債務超過を2021年3月末までに解消することができない場合、貴社が株式を上場する東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場の上場廃止基準に抵触することとなるところ、上場の廃止は投資家保護の観点からも避けるべきであり、またグループ全体の採算は一部で改善しつつあるものの債務超過を解消するには至らないと見込まれることから、増資による資金調達が最善の方法であると判断し、エクイティ・ファイナンスを選択したとのことです。なお、公募増資については、貴社が長期間にわたり損失を計上しており、また、業績悪化により貴社株価及び出来高が低迷していることから、公募増資の引受先を見つけるのは困難であり、仮に引受先を見つけることができたとしても貴社及び貴社株主にとって不利な条件での発行となる可能性が高いこと等の理由から、公募増資を含めた他の資金調達の方法は貴社にとって最善の方法とはいえないと考えているとのことです。
上記に関し、公募増資や株主割当等の他の資金調達手法については、いずれも過大な手続きと時間を要し、また資金調達の確実性がないと言えることから、本第三者割当増資が現時点における貴社の資金調達手段として最も適切であると判断したとの貴社の説明及び決定には合理性が認められると考えます。また、金融機関からの借入れ等の方法による資金調達についても、有利子負債の圧縮による財務体質の改善という貴社の取組みに沿うものとは言い難いと考えられます。
以上の通りであり、特別委員会としては、他の資金調達手段との比較という観点で、本第三者割当増資の合理性が認められると考えます。
(ii) 割当予定先について
貴社の説明によれば、割当予定先について、2019年7月に貴社の新株式及び新株予約権の割当先となったSAMURAI&J PARTNERS株式会社(現商号:Nexus Bank株式会社)から紹介を受けたものであるとのことです。また、割当予定先は近年において国内の公開会社への投資も行っている投資家であるとのことです。
貴社において、割当予定先から、同人が反社会的勢力とは一切関係がないことを聴取するとともに、第三者調査機関(株式会社JPリサーチ&コンサルティング)の調査により、同人について反社会的勢力との関係性を示す情報は確認されなかったとの報告を受け、貴社において当該調査結果資料を確認して割当予定先の社会的信用力を確認しているとのことです。
さらに、貴社は、割当予定先が今般の増資を引き受けるにあたっての経済的信用力、すなわち本新株式の払込みに要する財産の存在について、同人が同人の資産管理会社との間で金銭消費貸借契約を締結し、同社からの借入れによって本新株式の払込みに要する財産を調達する予定である旨を確認しているとのことです。この点に関し、貴社は上記割当予定先の資産管理会社の銀行口座の残高証明書の写しをもって同社が十分な流動資産を保有していることを確認するとともに、同資産管理会社の代表者である割当予定先からのヒアリングにより、当該流動資産を現金化の上で同社が割当予定先に対する貸付原資とする予定であることを確認し、本第三者割当増資にかかる払込みの確実性に問題は無いと判断しているとのことです。
特別委員会としても、上記の各説明について特段不合理な点は見出せないと考えており、これらの点を踏まえ、貴社において当該割当予定先を選定したことの合理性が認められるものと考えられます。
(iii) 発行条件について
特別委員会は、本第三者割当増資における発行条件の合理性を検討するに際し、本新株式の発行価額がどのように算出されたかについて確認を行うこととし、当該発行価額が貴社株式の直近の市場価格、より具体的には本第三者割当増資に係る貴社取締役会決議の直前営業日の貴社株式の価額(同日の取引市場における終値)を参考にして決定されたものであるとの説明を受けています。この点、貴社株式の直近の市場価格は、市場における公正な取引を通じて決定された合理的な価格であると考えられ、これを基準として今般の本第三者割当増資に係る発行価額を決定することは合理的なものであると考えます。また、その他の発行条件についての貴社からの説明についても、特に不合理な点を見出しておりません。さらに、本第三者割当増資の手続きについては、貴社のリーガルアドバイザーである外部の法律事務所における弁護士から適宜助言等を得ているとのことであり、プロセスの面においても特段の不備を見出しておりません。
(iv) 希薄化について
本第三者割当増資により貴社の既存株主の持株比率及び議決権比率に大きな希薄化が生じるものの、本第三者割当増資により調達した資金は、主に①ベジタリア株式会社の新株予約権付社債取得資金、②借入金の返済資金及び③運転資金に用いられるものであり、これらによる具体的な効果として期待、想定される内容に照らせば、本第三者割当増資は、まずは2021年3月末時点における貴社の債務超過を解消し、さらに貴社における中長期的な財務基盤の安定、また貴社の事業成長戦略の推進、ひいては貴社の企業価値の向上にそれぞれ資するものであり、経営上の合理性を有するものであると考えられます。
これらを踏まえると、本第三者割当増資が貴社の株主価値の向上につながる蓋然性は非常に高いと思われ、貴社の株主にとっては希薄化を上回る効果があると評価できます。従って、貴社から受けた説明及び受領資料の内容を前提とする限り、本第三者割当増資による希薄化の程度に照らしてもなお合理性が認められるものと考えます。
(3) 本第三者割当増資の払込金額が割当予定先に特に有利でないことに係る適法性
貴社からの説明によれば、本第三者割当増資における本新株式の発行価額は、日本証券業協会が策定する自主ルールを踏まえて、本第三者割当増資に係る貴社取締役会決議の直前営業日の貴社株式の価額(同日の取引市場における終値)に0.9を乗じた額以上の価額であるとのことです。
この点、今般、割当予定先が相当程度まとまった金額での本第三者割当増資を引き受けるものであるところ、割当予定先の立場から見ると、貴社の経営について相当程度のリスクを引き受けるものであると言えることから、発行価額について相応のディスカウントが行われることは特段不合理では無いと考えられます。加えて、当該ディスカウントの率(割合)も、日本証券業協会が策定する自主ルールの内容に沿うものであると言え、現在の実務に照らして特段不合理なものでは無いと考えられます。(注1)(注2)
以上を踏まえて、本第三者割当増資の払込金額が割当予定先に特に有利でないことに係る適法性が確保されているものと考えます。
(注1)同自主ルールに関して、平成22年4月の指針の改正及び施行に先立ち、日本証券業協会における「第三者割当の取扱いに関するワーキング・グループ」が、同年2月10日付で「第三者割当のあり方等について -「第三者割当の取扱いに関するワーキング・グループ」報告書- 」を取りまとめた上で公表している。
この点、同報告書中において以下の各指摘が行われている。すなわち「「取締役会決議の直前日の価額に基づき払込金額を決定することが原則」との考え方について引き続き堅持する」、「基準となる価額の90%まで自動的にディスカウントして払込金額を決定できることを認めているものではなく、当該第三者割当増資等の目的や割当先の保有方針、発行決議時の相場環境等種々の要因を勘案して払込金額は決定されるべきこと」、「「指針に基づいて決定した」旨の表記だけでは払込金額の算定根拠とはなり得ないこと」。
これを本第三者割当増資について見ると、前記の通り2021年3月末時点における貴社の債務超過を解消するために資本増強が必要とのことであり、本第三者割当増資により2021年3月末時点における債務超過の解消が見込まれる一方で、貴社の収益が向上するまでには一定程度の時間を要するとのことであり、それ故に調達した資金の一部について、仕入費用、販売促進費用、人件費等の運転資金に充当することを予定しているとのことである。そのため、当特別委員会においても、割当予定先の立場から見た場合に、貴社の経営について相当程度のリスクを引き受けるものであると言えることから、発行価額について相応のディスカウントが行われることは特段不合理では無いと考えるものである。より具体的には、本件において90%までの自動的なディスカウントを行う趣旨のものではなく、貴社において合理的な割当先を選定するにあたり、割当先のリスクも考慮して今般のようないわゆる基準一杯のディスカウント率の合意に至ったものと整理している。
(注2)なお、本件では日本証券業協会「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日)「1.」「(1)」本文を参照したケースであると言え、同但書(すなわち「ただし、直近日又は直前日までの価額又は売買高の状況等を勘案し、当該決議の日から払込金額を決定するために適当な期間(最長6か月)をさかのぼった日から当該決議の直前日までの間の平均の価額に0.9を乗じた額以上の価額とすることができる。」)を参照するものではないと理解している。その上で、本第三者割当増資における本新株式の発行価額は、発行決議日の直前取引日までの1ヶ月間の貴社株式の終値の単純平均値に対して10%を若干超えるディスカウントとなる一方で、同3ヶ月間及び同6ヶ月間における終値の単純平均値及びに対しては、いずれも10%を大きく下回るディスカウントとなるとのことである。かかる状況は、本第三者割当増資の払込金額が割当予定先に特に有利でないことに係る適法性が確保されていることを補強する事情であると考えられる。
7 【株式併合等の予定の有無及び内容】
該当事項はありません。
8 【その他参考になる事項】
該当事項はありません。