第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、経済政策を背景に緩やかな回復基調が続きましたが、個人消費は年明け以降の株価急落や世界経済の先行き懸念により足踏みが見られる状況となり、中食業界で事業を展開する当社グループの経営環境は引き続き厳しいものとなりました。

こうした状況下、主要取引先である株式会社ファミリーマートやスーパーマーケットにおいて、主力の弁当や調理パン、寿司の売上高が増加しました。また、鮮度に徹底的こだわり、納品までの時間を短縮し食品添加物を削減した「2種の雑穀おにぎり彩りランチ」や「手作りそぼろ弁当」などの商品の研究開発を行い、販売を開始いたしました。

生産面では、安全・安心な商品を提供するため、高性能の金属検出器の導入や工場内の室温を適正に管理する温度管理システムを導入する一方で、新しく組織した生産管理部による知覚品質向上やFSSC22000の運用定着の取り組み、また導入した機器を効果的に使用するためにメーカーと連携した工場巡回や研修会を行うなど、ソフトとハードの両面から取り組みました。

コスト面におきましては、人員不足に起因する生産性の悪化、また広島工場及び千葉工場での炊飯設備の入替え工事に伴う費用が嵩みましたが、製品アイテムの集約、ロスの削減、製造ラインの一部直結化など設備投資による省人化により、積極的に製造コストの増加を抑える取り組みを行いました。

この結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は前期比22億8千1百万円増の444億1千3百万円、経常利益は前期比1億4千万円減の12億5千1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比1億1千7百万円増の7億9千9百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは15億9千9百万円の収入(前年同期比7億5千7百万円収入減)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益11億9千4百万円、減価償却費9億6千9百万円、法人税等の支払額6億1千1百万円によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、13億1千5百万円の支出(前年同期比2億8千9百万円支出増)となりました。これは、主として有形固定資産の取得12億8千8百万円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億8千8百万円の収入(前年同期比9億2千3百万円支出減)となりました。これは、主として借入れによる収入12億円、借入金の返済による支出5億3千万円、配当金の支払額1億8千8百万円及び自己株式の取得による支出1億9千2百万円によるものであります。

この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、24億5千2百万円(前年同期比5億7千2百万円増)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

 

品目

金額(百万円)

前年同期比(%)

弁当類

17,823

105.4

おにぎり類

12,386

101.5

調理パン類

5,982

111.4

寿司類

4,199

110.2

その他

3,386

108.0

43,778

105.7

 

(注) 1 金額は、販売価格(出荷価格)により表示しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当社グループは、受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造・出荷しておりますので、受注ならびに受注残高についての記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

 

品目

金額(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

弁当類

17,823

105.4

おにぎり類

12,381

101.4

調理パン類

5,980

111.4

寿司類

4,203

110.4

その他

3,386

108.0

小計

43,776

105.7

仕入商品

637

91.2

合計

44,413

105.4

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱ファミリーマート

23,214

55.1

24,956

56.2

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、「継続的な売上成長」「コスト競争力の強化」「人材の育成」「環境への取り組み」を基本戦略とする中期経営計画(平成28年3月期~平成32年3月期)に取り組んでおり、計画達成に向け、以下の課題に対処してまいります。

①継続的な売上成長の確保

中期経営計画の初年度となる当事業年度においては、宅配弁当や「2種の雑穀おにぎり彩りランチ」、「手作りそぼろ弁当」の販売開始をはじめ、製造から納品までの時間の短縮や食品添加物の削減など、鮮度に徹底的にこだわった商品の開発を行いました。なお、高齢化社会に向けた健康の維持・増進を図る商品については継続して研究しております。

今後は、消費者ニーズに沿った、安全・安心で手作り感、フレッシュ感あふれる商品の開発や健康志向に応じた食材の使用やさらなる添加物の削減に取り組むとともに、得意先から要求される生産能力の実現を目指すことにより、継続的な売上成長に努めてまいります。

②コスト競争力の向上

当事業年度は、購買部主導により精米、海苔、鶏肉など主要食材の価格管理を行うとともに、調達の際の運搬方法の見直しなどによりコストの上昇を抑えました。また、生産機器を導入しラインへの直結化などを行うことで生産効率の向上を図りました。

今後は、食材・包材アイテムの徹底した集約を協力業者と協働して行い、大ロット生産を目指すとともに、新設した専門部署にてオートメーション化を推進し、品質の向上に加え省人化を図ることによりコスト競争力の向上を目指してまいります。

③現場力強化に向けた人材育成

当事業年度は、フルタイムやパートタイムなど多様な働き方への対応を行うとともに、職場環境改善チームによる面談の実施や外国人採用担当者や現場担当者の選任により、多国籍な人材へのケアやアルバイトからの社員登用による処遇改善等、従業員が働きやすい環境の整備に取り組みました。なお、次世代幹部の育成に向けた研修制度については、引き続き検討しております。

今後は人員の確保に努める一方、風通しの良い組織の構築やアルバイト従業員への評価制度の導入によるモチベーションの向上など、定着率の向上に取り組んでまいります。
また、人材の育成に向けた研修制度については、実効的な教育となるよう取り組んでまいります。

④環境負荷の軽減

当事業年度は、食物残渣の削減、飼料化や堆肥化に加え再生可能資源RPFへの分別をすすめるなど廃棄物のリサイクル化に取り組むとともに、新規生産機器の導入により省エネ効果の向上を図ってまいりました。

今後は、食品ロスへの取り組み意識が高まるなか、食材や製品残の廃棄ルール遵守の徹底を行う一方、廃棄量管理の強化を図り、低炭素社会の実現に向け企業としての社会的責任を果たすべく、環境負荷の軽減を図ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループでは、定期的にリスクアセスメントを実施し、リスクの抽出及び評価を行い、リスクを認識したうえで、重要性や喫緊性に応じて優先順位を付け対策を立案し、改善状況をモニタリングしております。

この仕組みにより認識したリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、以下に記載しております。

ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。

当社グループの事業、業績及び財政状況は、これらのリスクのいずれによっても影響を受ける可能性がありますが、当社グループはリスク発生の可能性を認識したうえで、発生を回避するための対策を講じるとともに、発生した場合には、迅速に適切な対応に努めてまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①食品の安全性の問題 

近年食品業界におきましては、製品に対する異物混入など、食の安全性を揺るがす問題が発生しました。
当社グループでは、「安全・安心」に注力した商品作りを徹底し、トレーサビリティを強化するとともに、ISO9001またはISO22000、FSSC22000に基づく安全性の確保に向けた基本の徹底を行い、良品づくりに注力しております。また、廃棄食材、残製品の横流し問題が報じられ、当社でも廃棄処分に関するルールの徹底を強化するなどの取り組みを行っております。

しかしながら、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、または、当社グループ製品に直接関係がない場合であっても、風評などにより当社グループ製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

②事業環境について

当社グループの属する中食業界では、市場規模は拡大傾向にあるものの、取引先であるコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア等において業態の垣根を越えた再編の加速に加え、競争の激化がすすむなど厳しい経営環境となっております。

当社グループでは、「おいしさと楽しさ」をモットーに徹底的な鮮度の追求を行い、当社グループならではの商品開発を進め、顧客ニーズの多様化やライフスタイルに合った商品を提供することに注力しております。

しかしながら、当社グループの予測を超えた事業環境の変化が発生した場合または商品開発が顧客ニーズ等に合わなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③自然災害について

当社グループは、関東から東海・関西及び中四国地区のエリアで8工場が稼働しております。これらの地域において、大規模な地震や台風などの自然災害が発生した場合、電気、ガス、水道等のライフラインの供給停止や生産設備への被害により、工場の稼働が困難に陥ったり、コンピューターネットワークのシステム遮断・障害が発生することが考えられ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④主要得意先との取引について

当社グループの売上高は、株式会社ファミリーマートが全体の半分以上を占めており、同社の出店政策や価格政策などの経営戦略が変更になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、同社との取引関係をより強固なものとするため、製品の開発、品質の向上などに努めております。なお、株式会社ファミリーマート向けの販売実績は、2[生産、受注及び販売の状況](3) 販売実績の脚注1に記載のとおりであります。

⑤原材料等購入価格の高騰について

当社グループ製品の主要原材料は、米・野菜などの農産物・畜産物であり、購入価格は商品価格相場に大きく影響されます。また、原油価格等外的な要因により、仕入価格が変動する可能性がある原材料があります。

これらの影響を吸収できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

⑥人材の確保と育成について

当社グループの事業の成否は、製造、開発、販売、管理などあらゆる分野において優秀な人材を確保し育成することが重要な経営課題と位置づけ取組んでおります。

重要な戦力であり良品作りを支えているパートタイム・アルバイト従業員のモチベーション向上と定着を目的としたマネージャー制度の整備や社員への教育制度の充実を図ることで、人材の育成に努めております。

しかしながら、少子高齢化や労働人口の減少、また人材獲得競争の激化により人材確保が計画通りに進まなかった場合または熟練度の高い人材の流出が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦情報システムに関するリスク

当社グループは、生産・販売・管理等の情報をコンピューターにより管理しております。コンピューターウイルス感染によるシステム障害やハッキングによる被害及び外部への社内情報の漏えいが発生しないようセキュリティーに万全の対策を講じております。

また、運用面においてはデータの消失に備えたバックアップを行うとともに、アクセス権限の設定、パスワード管理等により情報漏えいの防止に努めております。

しかしながら、当社グループの取組みの範囲を超える事象が発生した場合またはシステムダウンが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧固定資産の減損について

当社グループは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産を有しておりますが、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用により、時価の下落や将来のキャッシュ・フローの状況によっては、これらの資産の減損処理が必要となる場合があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑨法的規制について

当社グループの営んでいる事業に関する主たる法的規制には「食品衛生法」「水質汚濁防止法」「製造物責任法」などがあり、これらの遵守に万全を期しています。

しかしながら、より厳格な法規制が導入されたり、規制当局の法令解釈が従来よりも厳しくなるなどにより多大な法的責任、不利な措置が課された場合や法的手続きへの対応に多大なコストが掛かる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動については、米飯製品の競争激化に伴う製品の多様化、ライフサイクルの短縮に対応するとともに、流通チャネルに適応した製品、鮮度への要求にも配慮した製品の開発に力をそそいでおります。

また、既存製品の改良・開発につきましては、ますます顕著になってくる消費者のライフスタイルの変化に適応する製品づくりを進めてまいります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は、現金及び預金と有形固定資産の増加を主因に前連結会計年度末と比較して11億2千3百万円増加し、198億4百万円となりました。負債は、一年内返済予定の長期借入金の増加等により前連結会計年度末と比較して6億6千9百万円増加し、92億3千3百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益7億9千9百万円を計上する一方、配当金の支払1億8千8百万円、自己株式の取得1億9千2百万円、新株予約権の増加4千8百万円等により前連結会計年度末と比較して4億5千4百万円増加し、105億7千万円となりました。

 

(2) 経営成績

(売上高)

当連結会計年度は、主要取引先である株式会社ファミリーマートへの売上高が増加するとともに、「2種の雑穀おにぎり彩りランチ」や「手作りそぼろ弁当」など、鮮度に徹底的こだわり、納品までの時間を短縮し食品添加物を削減した弁当の研究開発を行い、販売を開始し、スーパーマーケットやコンビニエンスストアにおいて主力の弁当や調理パン、寿司の売上が順調に伸びました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して22億8千1百万円増加し、444億1千3百万円となりました。 

(売上原価)

当連結会計年度は、製品アイテムの集約、ロスの削減、製造ラインの一部直結化など設備投資による省人化により、積極的に製造コストの増加を抑える取り組みを行いました。

(売上総利益)

以上の結果、売上総利益は、前連結会計年度と比較して2億7百万円増加し、91億5千7百万円となりました。 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、運送費の増加を主因に、前連結会計年度と比較して2億8千7百万円増加し、79億2千1百万円となりました。  

(営業外損益)

当連結会計年度の営業外損益は、前連結会計年度と比較して6千万円利益が減少いたしました。

 

(経常利益)

以上の結果、経常利益は、前連結会計年度と比較して1億4千万円減少し、12億5千1百万円となりました。なお、売上高経常利益率は2.8%となりました。 

(特別損益)

当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度と比較して1億5千万円損失が減少いたしました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して1億1千7百万増加し、7億9千9百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益は61円75銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、1 [業績等の概要] (2) キャッシュ・フローの状況を参照ください。

なお、キャッシュ・フロー関連指標のトレンドは、以下のとおりであります。

 

 

第43期

第44期

第45期

第46期

 

 

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率

(%)

55.0

56.5

54.0

53.0

時価ベースの自己資本比率

(%)

30.0

31.2

43.1

44.0

債務償還年数

(年)

1.2

1.6

0.8

1.6

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

(倍)

73.6

67.1

179.6

129.5

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利息を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。