第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営理念及び中期経営計画

当社グループでは、「おいしさと楽しさ」をモットーに、消費者ニーズに応える商品づくりを通じ、健康で豊かな食文化の向上に貢献し、顧客、取引先、社会に信頼され、そして従業員、株主、企業それぞれが充足することをめざしていくことを企業理念としております。中食業界で事業を展開する当社グループを取り巻く環境は、少子高齢化をはじめとした社会環境の変化や業態を超えた競争の激化、また消費者ニーズの多様化など厳しい環境が続いております。

このような環境下において当社グループは、企業理念をめざす姿と捉え、「継続的な売上成長」「コスト競争力の強化」「人材の育成」「環境への取り組み」を基本戦略とする中期経営計画(平成28年3月期~平成32年3月期)を策定し、計画達成に向け活動を進めております。

 

(2) 対処すべき課題

①継続的な売上成長の確保

当事業年度は、開発部門にカテゴリー別のチームを組織し、「真菜ごころ」弁当や各商品のブラッシュアップを行い、お弁当の売上が前期比7%増となるなど、売上の成長につながりました。また、麺やチルド惣菜などの新しいカテゴリーでの開発に取り組み、チルド惣菜4アイテムを商品化することができました。

今後は、開発部門だけでなく、製造部門にいたるまで調理技術の向上を図るために、有名店シェフによる調理指導や大学教授による調理方法の勉強会を行うとともに、「おいしさ」を追求した調理加工を行うため、最新機器を積極的に活用していくなど、お客様をはじめお取引先様に喜ばれる「味」を追求してまいります。

②コスト競争力の向上

当事業年度は、食材・包材アイテムの集約とオートメーション化を継続するとともに、生産工程の整備と人員配置の最適化を図り、労務費が前年比0.8%改善するなど、生産効率の向上に取り組みました。

今後は、安定した価格で原材料を調達できるよう、主要材料の調達方法における契約内容の見直しに取り組み、一層のコスト競争力の向上を目指します。

③現場力強化に向けた人材育成

当事業年度は、生産性の向上にともなう労働時間の低減など従業員の健康を守る職場環境の整備や従業員の評価制度の見直しによる現場力の向上に努めました。

また、各工場の資材担当者や品質管理担当者による組織横断的な勉強会を毎月実施し、現場力の向上に取り組みました。

今後は、人員の確保に努めるとともに、現場において中心となる中堅社員などに対し研修を行い、人材の育成を図ってまいります。

④環境負荷の軽減

企業としての社会的使命を果たすべく、食材ロス削減による廃棄量の削減に取り組み、月当たり約20tの廃棄物の削減を行うとともに、月600tの水道使用量を削減できる高周波解凍機の導入やCO2排出量の見える化による削減などに取り組みました。

今後は、継続して食材ロス削減による廃棄量の削減に取り組むとともに、排水の水質向上のため、バイオ式排水処理装置の導入を行うなど、環境負荷軽減に努めてまいります。

 

上記の取り組みにより、第49期(平成31年3月期)は連結売上高480億円、営業利益10億5千万円、経常利益10億5千万円、親会社株主に帰属する当期純利益7億2千万円を見込んでおります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる事項は以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものでありますが、リスクはこれに限定されるものではありません。

①食品の安全性の問題 

当社グループでは、「安全・安心」に注力した商品作りを徹底し、トレーサビリティを強化するとともに、国際認証基準となる食品安全システムであるISO9001またはISO22000、FSSC22000に基づく安全性の確保に向けた基本の徹底を行い、良品づくりに注力しております。

しかしながら、上記の取り組みの範囲を超えた食材の根本に関わる問題が発生した場合、または、当社グループ製品に直接関係がない場合であっても、風評などにより社会的信用度が低下するなどの事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

②事業環境について

当社グループの属する中食業界では、市場規模は拡大傾向にあるものの、取引先であるコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア等において業態の垣根を越えた統合・再編の加速により競争が激化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、「おいしさと楽しさ」をモットーに当社グループならではの商品開発を進め、顧客ニーズの多様化やライフスタイルに合った商品を提供することに注力しておりますが、少子高齢化の進展によって若年層の顧客は減少傾向にあります。当社グループの予測を超え、商品開発が顧客ニーズ等に合わなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③災害等について

当社グループは、関東から東海・関西及び中四国地区のエリアで8工場が稼働しております。これらの地域において、大規模な地震や台風などの自然災害や大規模な事故が発生した場合、電気、ガス、水道等のライフラインの供給停止や生産設備への被害、また物流の遮断やコンピューターネットワークのシステム遮断・障害の発生により、製造や供給が困難に陥いることが考えられ、また、天候不順等により原材料の生産地にて不作が生じた場合、調達価格の上昇や供給不足を招くリスクを有しており、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④特定の取引先への依存について

当社グループの売上高は、株式会社ファミリーマートが全体の半分以上を占めており、同社の出店政策や価格政策などの経営戦略が変更になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、同社との取引関係をより強固なものとするため、製品の開発、品質の向上などに努めております。なお、株式会社ファミリーマート向けの販売実績は、「3 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 (c)販売実績 (注)1」に記載のとおりであります。

⑤原材料等購入価格の高騰について

当社グループ製品の主要原材料は、米・野菜などの農産物・畜産物であり、購入価格は商品価格相場に大きく影響されます。また、天候不順や為替レートなど外的な要因により、仕入価格が変動する可能性がある原材料があります。

これらの影響を吸収できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥人材の確保について

当社グループでは、2,000名を超えるパートタイム・アルバイト労働者が従事しており、良品作りを支える重要な戦力となっており、今後の少子高齢化や労働人口の減少のなかで人材の確保は、大変重要な事項になると考えております。

今後、製造現場をはじめとする人材獲得競争の激化により人材確保が計画通りに進まなかった場合、また、最低賃金の引き上げや労働条件などの環境に変化があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、生産・販売・管理等の情報をコンピューターにより管理しております。コンピューターウイルス感染によるシステム障害やハッキングによる被害及び外部への社内情報の漏えいが発生しないようセキュリティに万全の対策を講じております。

また、運用面においてはデータの消失に備えたバックアップを行うとともに、アクセス権限の設定、パスワード管理等により情報漏えいの防止に努めております。

しかしながら、当社グループの取組みの範囲を超える事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧固定資産の減損について

当社グループは、事業の用に供するさまざまな有形固定資産を有しておりますが、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用により、時価の下落や将来のキャッシュ・フローの状況によっては、これらの資産の減損処理が必要となる場合があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑨法的規制について

当社グループの営んでいる事業に関する主たる法的規制には「食品衛生法」「食品表示法」「水質汚濁防止法」「製造物責任法」などがあり、これらの遵守に万全を期しています。

しかしながら、より厳格な法規制が導入されたり、規制当局の法令解釈が従来よりも厳しくなるなどにより多大な法的責任、不利な措置が課された場合や法的手続きへの対応に多大なコストがかかる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、経済政策等を背景に緩やかな回復基調が続きましたが、新興国等の景気下振れリスクや海外の地政学的リスクなど不確実な状況で推移いたしました。また、消費マインドは持ち直しの動きが見られるものの限定的であり、中食業界で事業を展開する当社グループの経営環境は引き続き厳しい状況となりました。

こうした状況下、当社グループは中期経営計画(平成28年3月期~平成32年3月期)における4つの基本戦略、「継続的な売上成長」、「コスト競争力の強化」、「人材の育成」、「環境への取り組み」に基づき目標達成に向け取り組んでおります。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(a) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億3千万円増加し、212億6千4百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1億7千2百万円減少し、97億3千6百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億2百万円増加し、115億2千8百万円となりました。

 

(b) 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高473億円(前年同期比2.7%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益10億3千2百万円(前年同期比5.5%増)、経常利益10億3千4百万円(前年同期比9.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6億9千2百万円(前年同期比4.6%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は13億9千2百万円と、前連結会計年度末と比較して8億2千2百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は17億6千6百万円(前連結会計年度は15億8千1百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10億1千6百万円減価償却費10億8千1百万円、売上債権の増加額1億6千1百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は19億6千4百万円(前連結会計年度は22億9千7百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出19億1千7百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は6億2千3百万円(前連結会計年度は4億7千8百万円の収入)となりました。これは主に、借入れによる収入11億円、借入金の返済による支出13億7千7百万円、自己株式の取得による支出1億4千6百万円、配当金の支払額1億8千9百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

 

品目

金額(百万円)

前年同期比(%)

弁当類

21,297

106.8

おにぎり類

13,104

105.3

調理パン類

5,927

97.9

寿司類

2,825

82.4

その他

3,613

101.0

46,768

102.9

 

(注) 1 金額は、販売価格(出荷価格)により表示しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(b) 受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造・出荷しておりますので、受注ならびに受注残高についての記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

 

品目

金額(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

弁当類

21,298

106.8

おにぎり類

13,100

105.3

調理パン類

5,929

98.0

寿司類

2,830

82.6

その他

3,614

101.0

小計

46,773

102.9

仕入商品

527

84.5

合計

47,300

102.7

 

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱ファミリーマート

25,222

54.8

26,363

55.7

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、212億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億3千万円増加しました。これは主に有形固定資産の増加によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は97億3千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億7千2百万円減少しました。これは主に1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は115億2千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億2百万円増加し、自己資本比率は、53.8%となりました。

 

(b) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ12億4千万円増加し、473億円(前年同期比2.7%増)となりました。これは主に、弁当において「真菜ごころ」ブランドへ集約することで販売を拡大するとともに、新規取引先の開拓や工場増築による生産能力の拡大が寄与し、コンビニエンスストアやスーパーマーケットを中心に、売上高が堅調に推移したことによるものであります。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ3億8千7百万円増加し、95億7千8百万円(前年同期比4.2%増)となりました。また、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加し、20.2%となりました。これは主に、精米や鶏肉、海苔等の原材料価格の値上がりや、人員不足に起因する人件費の増加等がありましたが、原材料の調達方法の見直し、製品アイテムの集約や類似食材の統合、生産工程の見直しや機械設備による省人化などコストの増加を抑える取り組みを積極的に行ったことによるものであります。

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ3億3千4百万円増加し、85億4千5百万円(前年同期比4.1%増)となりました。これは主に、物流コストの増加によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ5千3百万円増加し、10億3千2百万円(前年同期比5.5%増)となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ2千5百万円減少し、2千7百万円(前年同期比48.0%減)となりました。これは主に、受取配当金の減少によるものであります。

営業外費用は、前連結会計年度に比べ6千2百万円減少し、2千5百万円(前年同期比71.0%減)となりました。これは主に、支払手数料及び租税公課の減少によるものであります。

以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ9千万円増加し、10億3千4百万円(前年同期比9.5%増)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ0.1ポイント増加し、2.2%となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ5百万円減少し、4百万円(前年同期比55.7%減)となりました。これは主に、固定資産売却益の減少によるものであります。

特別損失は、前連結会計年度に比べ5百万円減少し、2千2百万円(前年同期比20.6%減)となりました。これは主に、固定資産除却損の減少によるものであります。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ3千万円増加し、6億9千2百万円(前年同期比4.6%増)となりました。

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

(a) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(b) 財務政策

当社グループは、運転資金及び設備投資など事業活動に必要な資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達することとしております。当連結会計年度末において、有利子負債は30億円であります。

今後も営業活動により得られるキャッシュ・フロー及び借入を基本に将来必要な資金を調達していく考えであります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、連結売上高及び連結経常利益率を重要な経営指標として位置付け、第50期を最終年度とする中期経営計画の数値目標(連結売上高550億円、連結経常利益率3.0%)の達成に向け取り組んでおります。

当連結会計年度における連結売上高は473億円であり、平成29年5月9日に開示しております連結売上高計画470億円に比べ、3億円の増加となりました。また、連結経常利益率は2.2%であり、連結経常利益率計画2.1%に比べ、0.1ポイントの増加となりました。引き続き当該目標の達成に向け邁進してまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動については、米飯製品の競争激化に伴う製品の多様化、ライフサイクルの短縮に対応するとともに、流通チャネルに適応した製品、鮮度への要求にも配慮した製品の開発に力をそそいでおります。

また、既存製品の改良・開発につきましては、ますます顕著になってくる消費者のライフスタイルの変化に適応する製品づくりを進めてまいります。