第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第1四半期連結累計期間(2024年1月~3月)における日本国内の経済環境は、コロナ禍明けにより経済活動も緩やかに正常化に向かっております。人流も回復傾向にあり、景気も緩やかな持ち直しの動きがみられました。しかしながら、資源価格や為替の変動により、物価の上昇、円安の進行、人件費の高騰なども懸念されており、社会全体は依然として先行き不透明な状況が続いております。

 

このような環境のもと、当社グループは“We make people happy.”「アイスクリームを通じて、人々に幸せをお届けします。」を企業理念に、全てのお客様に高品質で美味しいアイスクリームと“FUN(楽しいこと、嬉しいこと、感動すること)”に満ちたひとときを提供し、日本で最も愛され親しまれるチェーンを目指すとともに、企業の継続的成長の維持と、企業価値の増大に努めています。

また、当連結会計年度は、当社グループの長期経営計画(ブランドパワー強化・デジタル化・スマート31・販売拠点拡大)の4期目にあたります。その中で当第1四半期連結累計期間では、以下の様に昨年更新した記録をさらに塗り替えております。

・当社グループにおける第1四半期連結累計期間の売上高が55億63百万円と過去最高を記録。

・第1四半期連結累計期間の国内総小売売上高が117億40百万円と過去最高を記録。

・31ヶ月連続、既存店売上高増を達成。

また、引き続き、先ずお客様や従業員の安全を第一に考えた衛生管理の徹底として工場・店舗における感染防止に取り組むとともに、当社グループの長期経営計画(ブランドパワー強化・デジタル化・スマート31・販売拠点拡大)を推進しています。

 

<ブランドパワー強化>

ブランドパワー強化として、お客様のデマンドに合わせたマーケティング、サーティワンらしいプロモーションを行いました。具体的には、毎月の「新作フレーバー」として専門店ならではの魅力的なアイスクリームを新発売し、選ぶ楽しさを提供するとともに、商品ラインナップを強化いたしました。

世間でも話題となっている“謎解き”をモチーフとした「アイスクリームセット」を販売し、お客様からの支持を得ました。また、昨年、お子様から好評だった「サーティワンパスポート」をリニューアルして、更にお子様に喜んでいただきました。ひなまつりでは「すみっこぐらし」、昨年リニューアルをしてお客様から高い評価を受けているハッピーフレンズでは「ドラえもん」とのコラボレーションの実現にも成功しました。

新店舗デザインでは「F1(Flavor 1st)」、「MOMENTS」導入による店舗イメージの刷新を進めるため、店舗の全面改装を34店実施し、新店舗を含めた新デザインの導入店舗数を557店舗(ToGo店舗含む)としました。

 

<デジタル化>

デジタル化施策としては、予約受付も取り入れたモバイルオーダーを推進したことで、お客様の利便性向上に努めています。また、コミュニケーションツールの会員制アプリ「31Club」の会員数が、772万人を超えました。会員の購入額は売上全体の33%を占めており、会員でない方に比べ購入額も30%以上多くなっています。

 

<スマート31>

スマート31施策として、サプライチェーン・マネジメントの最適化で昨今のコスト上昇を抑制しております。当社の組織に関しては、引き続きリモートによる就業やペーパーレス、従業員福利厚生の拡充など働き方改革による最適化を行っています。また、オフィスや生産工場、そして店舗でも、エネルギーの効率的な使用に努めております。また、2工場における食品残渣の削減、電気使用量の削減も図っております。

 

<販売拠点拡大>

店舗戦略として、新規商業施設への出店強化を継続するとともに、立地や利用シーンの多様化に着目した持ち帰り専門店「ToGo店舗」は現在、主要都市を中心に16店舗出店しております。その結果、当期末国内店舗数1,013店舗と前年同期末と同数になっています。また、大学の学生食堂や社員食堂、野球場や行楽地、水族館やサービスエリアへの出店など、消費者の購入機会を増やすよう積極的に取り組んだ結果、当期末の国内ポーションカップ販売等拠点(通常店舗と異なる販売拠点)数は343ヶ所、更に台湾・ハワイで、当社が運営する海外店舗数は25店舗となります。これにより国内外合わせて当期末の当社総販売拠点数は1,381ヶ所と前年同期末と比べ57ヶ所増加となっています。

 

当社グループにおける当第1四半期連結累計期間の売上高は、同期間過去最高の小売売上高を記録したことに牽引され、過去最高の55億63百万円(前年同期比112.5%)となりました。小売売上高も長期経営計画の4本の柱を中心に、お客様から高い人気を誇るキャラクターとのコラボレーションの実現やデマンド戦略に沿ったプロモーションの実施により、来店客数が増加したため計画を上回り、過去最高を記録しました。

売上原価は28億66百万円(前年同期比117.8%)となりました。原料費の高騰並びに円安の影響に伴う売上原価の増加がありましたが、サプライヤーと協働して品質を保ちつつ原料調達コストを抑制したことと、工場での製造管理の最適化や生産スピード向上による製造原価低減を進めたことにより、売上の伸長に比べて売上原価の抑制が図られております。しかしながら昨今の原材料の高騰により昨年対比では原価率が2.3%上昇したため、売上総利益は26億96百万円(前年同期比107.3%)となりました。

販売費及び一般管理費については、新作フレーバーの告知強化を行ったことや、積極的なデジタル広告の出稿、売上が増加したことによる物流費等の販売費の増加、販売拠点拡大のための活動費の増加などにより、前年と比べて1億18百万円増加したことで、24億23百万円となりましたが、小売売上高及び当社の卸売上高を伸ばすことが出来たことにより販管費率を減少することができ、営業利益率を押し上げる事が出来ました。

以上の結果、営業利益は2億73百万円(前年同期比131.9%)となりました。これは、外的要因とビジネス成長に伴うコスト上昇を加味した通期連結業績予想の当第1四半期目標を上回るものです。

また、経常利益は2億77百万円(前年同期比120.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億63百万円(前年同期比102.2%)となりますが、こちらも通期連結業績予想の当第1四半期目標を上回っております。

 

なお、当社グループはアイスクリーム製品の製造及び販売等を行う単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

(2)財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末に比べ12億43百万円減少の201億7百万円となりました。これは主に、例年通りの配当金及び税金の支払いにより、現金及び預金が減少したことによるものであります。

総負債は前連結会計年度末に比べ12億68百万円減少の77億10百万円となりました。これは主に、未払金の減少によるものであります。

純資産は前連結会計年度末に比べ24百万円増加の123億96百万円となりました。これは主に、円安により為替換算調整勘定がプラスに働いたことによるものであります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。 

 

 

(4)研究開発活動

当社は、バスキン・ロビンス・フランチャイジング エルエルシーと“ライセンスおよび技術援助契約”を締結しており、アイスクリーム研究開発については同社で実施しているため、研究開発費は発生しておりません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。