当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間(2024年1月~6月)における日本国内の経済環境は、円安や好調なインバウンド需要が企業業績を押し上げ、日経平均株価が1989年以来の最高値を更新するなど、景気の緩やかな回復が見られました。しかしながら、資源エネルギー価格の変動と異常気象が農畜産物へ与える影響は深刻であり、賃上げ実現に向けた価格転嫁も業界内随所で行われているため、当社グループが属する食品業界は舵取りが大変難しい状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループは“We make people happy.”「アイスクリームを通じて、人々に幸せをお届けします。」を企業理念に、全てのお客様に高品質で美味しいアイスクリームと“FUN(楽しいこと、嬉しいこと、感動すること)”に満ちたひとときを提供し、日本で最も愛され親しまれるチェーンを目指すとともに、企業の継続的成長の維持と、企業価値の増大に努めています。
また、当連結会計年度は、当社グループの長期経営計画(ブランドパワー強化・デジタル化・スマート31・販売拠点拡大)の4期目にあたります。その中で当中間連結会計期間では、以下のように昨年更新した記録をさらに塗り替えております。
・当社グループにおける当中間連結会計期間の売上高が141億98百万円と過去最高を記録。
・当中間連結会計期間の国内総小売売上高が293億21百万円と過去最高を記録。
・一店舗当たりの小売売上高が28百万円と過去最高を記録。
・34ヶ月連続、既存店売上高増を達成。
・上半期過去最高の税引前利益15億10百万円を達成。
また、引き続き、先ずお客様や従業員の安全を第一に考えた衛生管理の徹底として工場・店舗における感染防止に取り組むとともに、当社グループの長期経営計画(ブランドパワー強化・デジタル化・スマート31・販売拠点拡大)を推進しています。
<ブランドパワー強化>
ブランドパワー強化として、お客様のデマンドに合わせたマーケティング、サーティワンらしいプロモーションを展開しました。具体的には、毎月の「新作フレーバー」として専門店ならではの魅力的なアイスクリームを新発売し、選ぶ楽しさを提供するとともに、商品ラインナップを強化いたしました。
世間で話題となっている“謎解き”をモチーフとした「アイスクリームセット」を販売し、お客様からの支持を得ました。また、昨年お子様から好評だった「サーティワンパスポート」をリニューアルし、さらにお子様に喜んでいただいております。ひなまつりでは「すみっこぐらし」、リニューアル後に高い評価を得ているハッピーフレンズでは「ドラえもん」とのコラボレーションを実現しました。さらに、幅広い世代に人気の「名探偵コナン」との初のコラボレーションを成功させ、新たなお客様の獲得にも繋がっています。また、トリプルポップを+100円で10個まで増やすことが出来る「よくばりフェス」では、予測をはるかに上回る数のお客様が来店し、多数のご注文をいただきました。
新店舗デザインでは「F1(Flavor 1st)」、「MOMENTS」導入による店舗イメージの刷新を進めるため、店舗の全面改装を78店実施し、新店舗を含めた新デザインの導入店舗数を623店舗(ToGo店舗含む)としました。
<デジタル化>
デジタル化施策としては、予約受付も取り入れたモバイルオーダーを推進したことで、お客様の利便性向上に努めています。また、コミュニケーションツールの会員制アプリ「31Club」の会員数が、830万人を超えました。会員の購入額は売上全体の36%を占めており、会員でない方に比べ購入額も30%以上多くなっています。
<スマート31>
スマート31施策として、サプライチェーン・マネジメントの最適化で昨今のコスト上昇を抑制しております。当社の組織に関しては、引き続きリモートによる就業やペーパーレス、従業員福利厚生の拡充など働き方改革による最適化を行っています。また、オフィスや生産工場、そして店舗でも、エネルギーの効率的な使用に努めております。また、2工場における食品残渣の削減、電気使用量の削減も図っております。
<販売拠点拡大>
店舗戦略として、新規商業施設への出店強化を継続するとともに、立地や利用シーンの多様化に着目した持ち帰り専門店「ToGo店舗」は現在、主要都市を中心に20店舗出店しております。その結果、当中間連結会計期間末国内店舗数1,029店舗と前年同期末に比べ13店舗の純増となっています。また、大学の学生食堂や社員食堂、野球場や行楽地、水族館やサービスエリアへの出店など、消費者の購入機会を増やすよう積極的に取り組んだ結果、当中間連結会計期間末の国内ポーションカップその他販売等拠点(通常店舗と異なる販売拠点)数は363ヶ所、さらに台湾・ハワイで、当社が運営する海外店舗数は28店舗となります。これにより国内外合わせて当中間連結会計期間末の当社総販売拠点数は1,420ヶ所と前年同期末と比べ73ヶ所増加となっています。
当社グループにおける当中間連結会計期間の売上高は、同期間過去最高の小売売上高を記録したことに牽引され、過去最高の141億98百万円(前年同期比126.1%)となりました。小売売上高も長期経営計画の4本の柱を中心に、お客様から高い人気を誇るキャラクターとのコラボレーションの実現やデマンド戦略に沿ったプロモーションの実施により、来店客数が増加したことにより、過去最高を記録しました。
売上原価は69億40百万円(前年同期比126.2%)となりました。原料費の高騰並びに円安の影響に伴う売上原価の増加がありましたが、サプライヤーと協働して品質を保ちつつ原料調達コストを抑制したことと、工場での製造管理の最適化や生産スピード向上による製造原価低減を進めたことにより、売上の伸長に比べて売上原価の抑制が図られており、売上総利益は72億58百万円(前年同期比126.0%)となりました。
販売費及び一般管理費については、新作フレーバーの告知強化を行ったことや、積極的なデジタル広告の出稿、売上が増加したことによる物流費等の販売費の増加、販売拠点拡大のための活動費の増加などにより、前年と比べて7億79百万円増加したことで、57億36百万円となりましたが、小売売上高及び当社の卸売上高を伸ばすことが出来たことにより販管費率を減少することが出来、営業利益率を押し上げることが出来ました。
以上の結果、営業利益は15億21百万円(前年同期比189.0%)となりました。これは、外的要因とビジネス成長に伴うコスト上昇を加味した通期連結業績予想の当中間連結会計期間目標を上回るものです。
また、経常利益は15億38百万円(前年同期比181.8%)、親会社株主に帰属する中間純利益は9億82百万円(前年同期比176.4%)となりますが、こちらも通期連結業績予想の当中間連結会計期間目標を上回っております。
なお、当社グループはアイスクリーム製品の製造及び販売等を行う単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末に比べ16億7百万円増加の229億58百万円となりました。これは主に、神戸三木工場の生産設備増強に向けた建設仮勘定の増加が4億41百万円、売上が好調であるための売掛金の増加が4億1百万円あったことによるものです。
総負債は前連結会計年度末に比べ7億11百万円増加の96億90百万円となりました。これは主に、盛夏期に向けた広告宣伝費の投入等による未払金の増加3億98百万円によるものです。
純資産は前連結会計年度末に比べ8億95百万円増加の132億67百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益が9億82百万円あったことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は66億18百万円となり、期首残高からの増加額は2億43百万円でありました。
営業活動から得られた資金は、17億19百万円(前年同期は11億48百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益15億10百万円及び減価償却費が5億86百万円ありましたが、売上債権の増加額が3億94百万円あったことによるものです。
投資活動に使用した資金は、11億98百万円(前年同期は9億48百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が10億50百万円あったことによるものです。
財務活動に使用した資金は、3億7百万円(前年同期は2億59百万円の使用)となりました。これは、配当金の支払いが1億92百万円、長期借入金の返済による支出が1億15百万円あったことによるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社は、バスキン・ロビンス・フランチャイジング エルエルシーと“ライセンス及び技術援助契約”を締結しており、アイスクリーム研究開発については同社で実施しているため、研究開発費は発生しておりません。
ライセンス及び技術援助契約
当社は、米国のバスキン・ロビンス・フランチャイジング エルエルシーとの間で次の内容の「ライセンス及び技術援助契約」を締結しております。