第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の方針

当社グループの社是「人生はやまびこである」のもと、全従業員は「正しきことは正しく報われる」という創業者の信念を受け継ぎ、「誠実」「謙虚」「感謝」の心で行動することとしております。また、経営理念「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで社会になくてはならない企業として貢献します。」のもと、水産練製品・惣菜の製造販売及びきのこの生産販売を主体とした事業を展開し、常に「安全・安心な品質」と「お客さまに愛されるおいしさ」を追求することで事業の永続的な発展を図っております。

事業の展開に当たっては、法令の遵守、人権の尊重、公正な取引及び商品・サービスの安全・安心に取り組むとともにお客さま、お取引先さま、株主・投資家の皆さま及び従業員並びに地域社会から満足していただけるよう次の基本方針のもと企業価値の向上に努め、当社グループの一層の発展を目指してまいります。

① すべての事業分野において品質保証体制の強化を図り、お客さまに安全で安心な商品・サービスの提供を行ってまいります。

② 水産練製品・惣菜事業のマーケティング機能を強化することにより、お客さまに信頼され、愛され、感動される商品を開発、提供しブランド価値の向上を図ってまいります。

③ きのこ事業の技術研究並びに商品開発を強化し、事業規模及び事業領域の拡大を目指してまいります。

 

(2)超長期ビジョン

当社グループでは、30年後のありたい姿で 

ある“ICHIMASA30ビジョン” (2016~2045

年度)を次のとおり制定し、30年後のありたい姿から今を変革していくというバックキャスティング思考をもとにグループ経営を行っております。

 ①「“安全・安心”に“健康・環境”と

 “心の豊かさ”をプラスして世界中に日

  本の“食”で貢献するグローバル企 

  業」

 ②「常に技術を探求し、未来に向けてあ

  らゆる“食”の情報を発信する食品バ 

  イオ企業」

 ③「あらゆるステークホルダーの皆さま

  に“食”を中心に“幸せ”と“喜び” 

  をお届けするあたたかい企業」


 

 

(3)第一次中期経営計画の総括

当社グループでは、2016年7月から2021年6月までの5か年の第一次中期経営計画を「成長基盤創りの5年」と位置づけ、財務基盤を強化するとともに、海外事業の構築にも積極的に取り組んでまいりました。

第一次中期経営計画の総括は、次のとおりであります。

 

1)定量目標の達成状況(第一次中期経営計画最終年度数値目標:連結ベース)

項目

2021年6月期数値目標

実績

連結売上高

370億円

   347億円(未達成)

連結営業利益

14億円

    17億円(達成)

自己資本利益率(ROE)

7.5%

       21.7%(達成)

 

当連結会計年度の連結売上高は346億89百万円、連結営業利益は17億35百万円、自己資本利益率は21.7%となりました。

なお、自己資本利益率には中国きのこ事業の清算にともなう清算益及び税効果会計等の税金費用の減少による増益要因を含んでおります。

 

第一次中期経営計画期間中のセグメントの状況は、次のとおりであります。

 

(水産練製品・惣菜事業)

主力商品群のカニ風味かまぼこは、原料の白身魚のたんぱく質の効能がメディアに取り上げられ、主力商品の「サラダスティック」は、姉妹品を継続的に発売し、SNSなどを通じてファンづくりに努めた結果、企業・商品認知度も向上し、計画期間を通じて売上が伸長いたしました。価格の高騰が続くうなぎの代替品としての「うなる美味しさ うな次郎」は、消費者にサステナブルな意識が徐々に浸透するなかで支持を拡げました。計画期間の後半では新型コロナウイルス感染予防のための外出自粛や巣ごもり需要の増加により、どの料理にも簡単に使える汎用性の高い「ちくわ」や調理が簡単で長期保存が可能な「レトルトおでん」の販売が伸長いたしました。 

一方、暖冬化傾向が続いていることや食の多様化が進むなかで、全般的におでん需要が不芳であったことから「揚物」の売上高は、計画期間を通じて低調に推移し、加えて収益力強化や効率化の観点から、不採算アイテムの削減を予算を大きく上回って実施したことから、売上高は想定を下回りました。

海外輸出は、北米、香港、中近東等を中心に大きく増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大により海外での外食需要が落ち込んだことから、最終的には想定を下回りました。

利益面については、世界的に水産練製品需要が拡大したことから、すり身価格は計画期間を通じて上昇し、原価上昇の要因となり、厳しい状況が続きました。このような状況下、計画期間を通じて生産効率の向上を目指した生産ラインの人員配置の効率化や収益構造改革委員会によるコスト削減活動、不採算アイテムの削減や連結子会社であるマルス蒲鉾工業株式会社の清算など、収益・財務基盤の改善強化を図ってまいりました。しかしながら、売上高が想定を下回ったことから、営業利益も想定を下回りました。

(きのこ事業)

鍋物需要の最盛期の暖冬化傾向は、まいたけの需要にも少なからず影響を及ぼし、計画期間の後半には他社生産能力の増強によりまいたけ市場の需給バランスに大きな変動が生じつつあると推定されます。一方、まいたけは健康志向の高まりに加えて、メディアで免疫力向上や高血糖改善といった機能性効果が取り上げられ、そのなかで当社グループは、お取引先さまに対してコロナ禍で増加する家庭内での調理需要に対するメニュー提案を強化した結果、売上高は想定を上回りました。また、連結子会社である一正農業科技(常州)有限公司は、2019年11月に生産を停止し、2021年5月に清算を完了するなど、不採算部門の解消により収益性が改善されたこともあり、営業利益は想定を上回りました。

(その他)

運送事業においては、お取引先さまの合理化による物流コスト削減が進むなか、輸送ニーズに対応すべく、安全や環境により一層配慮した物流品質向上に努めてまいりました。倉庫事業においては、新規貨物の獲得を推進するとともに効率的な保管体制の構築により収益向上に努めてまいりましたが、売上高・利益ともに想定を下回りました。

(主な財務指標)

最終年度の主な財務指標は、次のとおりであります。

上記のとおり、各セグメントとともに効率化、生産性向上やコスト削減など収益力強化に取り組むとともに不採算であった連結子会社2社を清算したことにより、営業利益率は計画期間初年度の3.8%から5.0%となりました。

また、計画期間を通じて、有利子負債の圧縮等を進めたことにより、自己資本比率は43.7%から61.2%に上昇、D/Eレシオは0.78から0.29に低減いたしました。

 

 

2)基本方針「成長基盤創り」「お客さまが中心」の主な取組み、成果と課題

   「成長基盤創り」

主な取組み

成果と課題

①収益力強化に向けた事業構造の展開

・主力商品のリニューアル継続による付加価値向上と拡販

・生産アイテム削減、工場内人員配置の見直し及び生産効率化

・収益構造改革委員会設置による経費見直し

・カニかま群を重点的に拡販強化、シーズンに合わせた姉妹品を6品発売し売上伸長

・生産アイテムは64品削減し、生産効率化を推進

・収益構造改革委員会を設置し、原価・一般管理費項目を中心に削減可能性を洗出し、コスト削減実施中

②コア事業の収益拡大と競争優位性の実現

・減塩製品ラインナップ充実とサステナブルな商品の開発

・国産原材料にこだわった商品開発と拡販

・技術研究部の新設によりサステナブル商品の開発強化

・「純」シリーズを9品発売しラインナップ増加

 

③リスク・リターンに根ざした戦略的な投資実行

・経営会議、取締役会における経済合理性を検証した投資判断

・長期的視点に立った議論や投資判断を実施し、合理化・省人化された本社第二工場建設を決議

④人事、人財育成体制の強化とダイバーシティの推進

・ライフ・ワーク・バランスの充実に向けた取組み

・教育研修プログラムの充実による人財育成

・女性幹部育成のための研修実施

・年間休日を増加、全部署テレワーク推進による新型コロナ対策を推進

・eラーニング、オープン型研修等どこでも自発的に能力開発できる環境整備

・女性幹部育成を積極的に実施し、女性管理職比率は6.4%

⑤海外戦略の進展

・インドネシア合弁会社設立、海外での水産練製品事業拡大

・インドネシア合弁会社から北米、香港、中近東等への輸出を開始し順調に輸出量増加中

⑥コーポレート・ガバナンスの浸透

・監査等委員会による経営の監督

・取締役会の実効性評価によるコーポレート・ガバナンスの一層の充実

・報告等の簡素化による議論すべき時間の確保と取締役会実効性評価による取締役会運営の刷新

・中長期的経営の方向性に関する議論を実施

 

 

 

    「お客さまが中心」

主な取組み

成果と課題

①“全てはお客さまのために”の徹底と発想力アップ

・「サラダフィッシュ」での新しいたんぱく摂取提案

・「サラダスティック」姉妹品を継続販売(SNSで話題)

・「スポちく」の販売(ちくわでの運動後のたんぱく摂取)

・日本かまぼこ協会のフィッシュプロテインマークを22品に貼付し、たんぱく摂取の効能を広くアピール中

・「サラダスティック」の姉妹品6品発売し商品認知度向上

・「スポちく」は今後常温商品での販売を検討

 

②愛され、感動される商品の開発と領域拡大

・おいしい減塩商品の開発(減塩ラインナップ11種)

・サステナブル商品の開発(「うなる美味しさ うな次郎」)

・減塩ラインナップ13種に2種増加

・健康課題については引続き研究開発中

・サステナブル商品の領域拡大、商用化を研究・推進

 

国内外での“ICHIMASA”ブランドの強化

・ホームページやSNS等での情報発信の強化、マーケティング機能(お客さまニーズの把握)の強化

・個人投資家向けIR実施

・SNS等フォロワー数は約9.5万人に増加

・企業認知度約5%アップ

・コロナ禍により個人投資家向けIRは未開催、今後ネット配信での実施検討

 

④社会変化や多様化する市場ニーズへの「変化対応力」の強化

・サプライチェーンとの協働、継続的改善への取組強化

・お取引先さまへ「いちまさ通信」を通じて当社グループ情報や食品業界の法改正などを定期的に発信

・「一正やまびこ会」にてHACCPに関するウェビナー開催

 

 

 

 

(4) ESG経営宣言(2021年7月1日制定)

当社グループは、事業活動を通じて「持続可能な社会の実現への貢献と企業価値向上を両立する」ことを目指したESG経営を推進するために、「一正蒲鉾株式会社 ESG経営宣言」を制定いたしました。この宣言は「社是」「社訓」とともに全従業員の考え方・行動の根幹となるものです。SDGsに示されている環境・社会問題をはじめとするサステナビリティ(持続可能性)な視点を事業活動に取り込み、サステナブルな課題の解決に取り組んでまいります。

 

「一正蒲鉾株式会社 ESG経営宣言」

当社グループは「人生はやまびこである 正しきことは正しく報われる」という
  創業者 野崎正平の信念を受け継ぎ、環境・社会の課題解決に取り組み、
「持続可能な社会の実現への貢献と企業価値向上を両立する」ESG経営を推進します

 

■人と組織を大切にします
■食の安全・安心と新たな価値をお届けします
■「海の命」「山の命」を守り、自然の「恵み」を大切に活用します
■地球温暖化防止に向けた取組みを進めます
■すべてのステークホルダーの皆さまとの協働を重視した経営を行います
■透明性の高い健全経営を行います

 

 

(5)第二次中期経営計画

当社グループでは、2021年7月から2026年6月までの5か年を第二次中期経営計画「成長軌道への5年」と位置づけ、引き続き収益力、財務基盤の強化に取り組むとともに、海外事業の更なる拡大を図ってまいります。

 

1)経営基本方針

「国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステージ「成長軌道」を確実に実現する。」

・国内マーケットは少子高齢化のもと縮小が予想されるが、商品力、生産力、販売力に磨きをかけ、競争優位性を実現しシェア拡大を目指す。

・海外マーケットでは成長マーケットを分析し、水産練製品・惣菜事業、きのこ事業ともに拡販を推進する。

 

2)全社戦略と主な戦術・施策

上記の経営基本方針のもと、5つの重要戦略キーワードから全社戦略を設定し、全従業員が戦略実行に向けた戦術を策定し、施策を実行してまいります。 

全社戦略

主な戦術・施策

①「変革」と「創造」

 持続的成長と働きがい向上のために人財投資を積極的に行うとともに、「変革」と「創造」を基軸とした考動を通じ経営環境の変化を克服します。

 

 

・IWS(いちまさワークスタイル)、新しい働き方の確立

・働きがいのある・働きやすい・多様な人財が活躍する会社づくり

・風通しが良く誰もが自由に発想し、創造的な意見が飛び交う組織風土への変革

・成長する意志ある誰もが成長できる能力開発環境の構築

・すり身原料にとらわれない商品の研究開発

・魚肉たんぱく、まいたけの機能性共同研究

②「選択」と「集中」

 水産練製品・惣菜事業は商品・市場・生産等の「選択」と「集中」を徹底し、魚肉たんぱく製品の強みを活かした攻めの販売施策を通じ国内において圧倒的な基盤をつくります。

 

・魚肉たんぱく製品の強みを活かした主力商品のリニューアル継続やサステナブルな商品の開発強化

・主力商品である「サラダスティック」の販売強化と新設する本社第二工場の合理化・省人化・量産体制の確立

・販売・廃止の生産アイテム選択を着実に実施し、生産効率化・生産性向上と販売の強化・効率化の両立を実現

・販売地域の「選択」と「集中」による海外拡販強化

・多様な国際ニーズに対応した商品開発と市場開拓

③「デジタルトランスフォーメーション(DX)」

 全社で「DX」の推進に取り組み、ニューノーマルでの競争優位性を確立し、事業収益の最大化を実現します。

 

 

(顧客価値の創出)

・DXを活用した市場データの深度ある収集、分析と提供

・フードテックによる応用、実現の可能性の探求

(生産性向上・働き方改革)

・全社業務プロセスの見直しによるデータのデジタル化、業務の自動化・省人化推進

・DXによる新しい製造方法の研究開発

・スマートファクトリーを目指した生産データのデジタル化とデータの有効活用による生産性向上

・生産管理システムによる品質向上と効率化推進

・SFA・CRM、オンライン商談などによる営業活動の効率化

・ゼロトラストモデルによるサイバーセキュリティ対策構築

④「新規事業」

 「新規事業」への取組みは、第二次中期経営計画期間中に探索を行い事業化に着手します。

・水産練製品・惣菜事業+きのこ事業+「第3の事業」の主力3事業の構築を指向

・新規先担部署の設置

⑤「アライアンス」

  お取引先さまと強固かつ高品質な「アライアンス」体制を構築し、ともに環境・経済・社会等の変化に対応します。

・品質向上の技術・知的サポート実施

・「一正やまびこ会」等を通じたアライアンス活動の実施

・「いちまさ通信」による情報提供の継続

・運行管理システムの構築・運営

 

 

 

3)第二次中期経営計画最終年度数値目標(連結ベース)

 

項目

2026年6月期数値目標

売上高

   400億円(※)

営業利益

    26億円

自己資本利益率(ROE)

    10%

投下資本利益率(ROIC)

    9%

自己資本比率

    60%台

 

 ※収益認識に関する会計基準適用後の数値

当社グループの経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標は上記のとおりですが、各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(6)経営環境

① 国内外の市場環境

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年度の出生数は、過去最低を記録するなど少子化が加速しており、少子高齢化の進展や市場の成熟化などを要因に、これまでにない厳しい経営環境が予想されます。少子化の加速は生産年齢人口の減少を加速させ、労働力不足に対応する省人化・合理化投資費用が大きな課題となっております。また、先進国や新興国の水産練製品需要が伸長することで様々な原材料価格が高止まりするなかで、日本の購買力の低下は他国に買い負ける事態を招くなど、原材料の確保は経営の根幹を脅かしかねない重要な課題となりつつあります。一方、海外では国内同様に健康志向が高まる米国や西欧諸国などの先進国、成長を続ける中国、東南アジア諸国などの新興国で水産練製品需要が拡大し、市場の拡大余地があると考えられます。

 また、二酸化炭素の削減や食品ロスの削減など、持続可能な社会を実現するために、ESG経営の実践やSDGs目標の達成に向けた社会的な要請は日増しに強まっております。

 

② 新型コロナウイルス

 世界各国でワクチン接種が進んだことから、経済面では中国が新型コロナウイルス前の水準に回復し、米国も比較的早く回復する見込みであり、イギリスではマスクを外したウィズ・アフターコロナの生活様式への社会的実証実験を行うなど経済回復に向けた試みが始まっております。一方、日本を含めワクチン接種が遅れている国は経済回復に遅れが生じており、国ごとの回復スピードには差異が生じてきております。また、ワクチン接種が進んでいる国でも変異株の発生により感染が再拡大したり、ワクチン供給が少ない国では感染が拡大し続けるなど引続き深刻な状況が続いております。

 日本国内においては、新型コロナウイルスによる経済への影響は、宿泊・飲食業や製造業といった業種間の差異が存在していることや、外食産業の需要減少による業務用商品の販売が低迷するなど、今後の動向を予測することが難しい状況になっております。

 

(7)対処すべき課題

① 国内市場

 国内では少子高齢化の進展に加え、食の多様化、洋風化、ライフスタイルの変化などにより水産練製品市場は全体として伸び悩んでおり、国内各メーカーにとって新たな需要を創出するための商品開発、カニ風味かまぼこを中心に需要が拡大している海外市場の開拓などが共通の課題となっております。このような様々な市場変化に対応するために、水産練製品・惣菜事業においては、お客さまのニーズを丹念に探索するなかでニーズにマッチした新商品を開発するとともに、常に付加価値向上を図るための主力商品のリニューアルを継続し、競争力の維持向上を目指しております。

 また、生産年齢人口の減少による労働力不足は一層深刻になると予想されており、安定した生産を継続し商品供給責任を果たすためにも、生産アイテムの削減を行うことで生産効率化を進め、収益及び競争優位性の向上を図ることとしております。加えて、ファクトリーオートメーションによる省人化が必須であるとの認識のもと、FAシステム部において本社第二工場の建設や工場でのAI 、IoT活用の検討を進めております。

 商品開発・リニューアルに当たっては、安全・安心・健康・おいしさの観点から、減塩商品のラインナップの充実や簡単に食べられる高たんぱく商品、国産原材料にこだわった商品、まいたけサプリなど新しい発想による、これまでにない商品開発も行っております。新型コロナウイルスの感染予防の観点からも安全・安心・健康へのニーズはより高まることが予想され、さらなる健康機能の付加についても検討してまいります。

 

② 海外市場

 国内市場は市場縮小が避けられない一方で、世界的な日本食ブ-ムから海外での水産練製品需要は伸長しており、欧米諸国からアジア全体に市場が拡大し輸出量は増加しております。当社グループでは、2017年9月にインドネシアに合弁会社を設立し、水産練製品の製造販売を開始しております。成長が続く東南アジアを中心に、合弁会社から北米、香港、中近東等への輸出を強化してまいります。

 

③ きのこ事業

 当社グループを含めた大手メーカーによる大量生産・大量販売の仕組みが確立し、消費者の健康志向の高まりによる需要増加もあり、市場規模は年々拡大しております。これまでは素材そのものとしての提供でしたが、今後は消費者のニーズが高まっているデリカ惣菜用の食材として業務用需要も取り込んでいくなど、販売チャネルの拡大が重要であると考えております。また、高収益体質をより高めるために、まいたけ包装効率化ラインを設置し、収益の向上を図るとともに、技術研究並びに商品開発を強化し、事業領域の拡大を目指してまいります。

 

④ 環境対策

 当社グループでは地球環境の維持は企業活動の持続的な発展・成長のためには不可欠であると認識し、2015年9月に国連総会で採択された17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs、Sustainable Development Goals)」の達成を目指し、ステークホルダーの皆さまと協力しながら、社会のサステナブルな課題の解決に取り組んでおります。

 2016年7月に「環境方針」を制定、2021年3月にESG推進室をESG推進部に昇格、2021年7月に「一正蒲鉾株式会社ESG経営宣言」を制定するなど、サステナブルな課題への取組みは企業の新たな成長機会であると位置づけ、社会への貢献と企業価値の向上との両立を目指してまいります。

 環境対策としてエネルギー使用量、食品リサイクル率、産業廃棄物排出量などの環境目標を設定するとともに、エコ包材の使用、モーダルシフトの利用などにより二酸化炭素の排出量削減にも取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがありますが、これらに限られるものではありません。

なお、文中の将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 食の安全・品質に係るリスク

当社グループは、「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として貢献します。」との経営理念のもと食の安全・安心に取り組んでおります。しかしながら、将来において当社グループが販売した商品について品質問題が発生し、健康危害の拡大の可能性から当社グループの想定を超えて大規模な商品回収等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、企業価値を毀損するとともに、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ以外でも、食品業界において重大な品質問題が発生した場合に波及的に当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクやお客さまからの安全・安心に対する要求に対応するために、ISO22000、FSSC22000、ASIAGAPの認証取得に加えて、生産管理システムの導入を進めることによりトレーサビリティの管理体制の強化を図っております。さらにはバリューチェーン全体での安全・安心を確保するため、お取引先さまとの協働や多様化により商品への安全性を高め、リスクを極小化する厳しい品質管理体制を構築しております。

 

(2) 原材料調達の変動に係るリスク

当社グループは、国内外から原材料を購入しており、特にスケソウダラを中心としたすり身は水産資源の保護を目的とした漁獲規制の強化や水揚げ数量の減少、中国等の新興国の経済成長による水産練製品需要の増加などによって価格が上昇いたします。また、新型コロナウイルスの影響により、漁場であるアラスカ湾での漁獲量の減少やすり身生産量の減少などの要因をもとに、将来的に原材料価格の上昇が当社グループの想定を超える場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、様々な魚種や漁場のすり身を複数の購入ルートから分散調達することにより安定した原材料調達を行い、適正価格の維持に努めております。

 

(3) 国内市場の縮小に係るリスク

国内では少子高齢化が継続し長期的に市場が縮小していく傾向にあります。このようななかで、景気が大幅に後退したり、競合企業による新商品の投入や販売促進活動により、当社グループ商品の陳腐化やシェアの減少が起こった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、常に消費者のニーズやライフスタイルの変化にきめ細やかに対応した商品開発を行い、新たな喫食機会の提供を行うともに、継続的な商品のリニューアルによる付加価値向上を目指しております。また、お取引先さまへの店舗巡回を行うなかで未導入商品の拡販や若年層や若年家族層に対するSNSの活用により購買機会の促進を図っております。

 

(4) 季節変動、気候変動に係るリスク

当社グループは、主力事業である水産練製品・惣菜事業及びきのこ事業の販売が第2四半期連結会計期間に集中するため、第2四半期連結会計期間の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間に比べ、高くなる傾向があります。また、おでん商材である揚物や鍋物商材であるまいたけの販売状況は秋から春先にかけての需要期における天候、気温の変動に影響を受ける傾向があり、将来的には温暖化により販売機会が減少する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、他の四半期連結会計期間に対応する商品開発や食べ方提案により年間を通じた販売機会の平準化や拡大を図っております。

 

連結業績

 

売 上 高

営業利益又は
営業損失(△)

金額(千円)

百分比(%)

金額(千円)

当連結会計年度の第1四半期連結会計期間

7,843,503

22.6

166,989

当連結会計年度の第2四半期連結会計期間

11,728,191

33.8

1,386,921

当連結会計年度の第3四半期連結会計期間

8,108,050

23.4

401,300

当連結会計年度の第4四半期連結会計期間

7,009,481

20.2

△219,258

合    計

34,689,227

100.0

1,735,953

 

 

(5) 流通の変化に関するリスク

当社グループの商品は主に総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどを通じてお客さまへお届けしており、これらの業界の動向やお取引先さまへの経営状態、販売政策などの変化によって販売機会や販売価格は影響を受けます。また、インターネット販売の増加は、今後の販売政策に大きな影響を及ぼすと考えられます。

これらのリスクに対応するために、お取引先さまへの店舗巡回を行うなかで未導入商品の拡販や魅力ある売り場づくりの提案を行っております。また、自社ホームページ、インターネット通販会社や総合スーパーのEC販売サイトでの商品販売を通じて、インターネット販売の増加を図るとともにデータ分析等を通じて販売ノウハウを蓄積しております。

 

(6) 自然災害等に関するリスク

当社グループは、国内に本社をはじめ生産拠点として6工場、1栽培センター、販売拠点として8か所の支店、関係会社1社、またインドネシアに合弁工場を有しております。地震や台風等の大規模な自然災害、局地的かつ被害が甚大化する豪雨災害の発生などにより、管理部門の機能停止や工場の生産設備の被災、サプライチェーンの寸断、営業活動の制限が引き起こされ、企業活動が広範囲に停止し、当社グループの想定を超えて、復旧までに長期間を要する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、「事業継続計画(BCP)」「自然災害対応マニュアル」のもとで迅速に対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築するとともに、従業員安否確認システムを通じた従業員の安全確認、クラウドサービスやデーターセンター活用による情報システムの防御などの危機管理体制の構築を図っております。

 

(7) 環境規制に係るリスク

当社グループは、地球環境の維持は最重要課題であるとの認識のもと「環境方針」を定め、循環型社会の実現に向けて努力しております。しかしながら、将来的には気候変動リスクに対応するために、当社グループの取組みを超えた環境規制の強化や環境課徴金の賦課等が行われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、国や地方自治体の環境・リサイクル関連法令等を遵守するとともに、「環境汚染対応マニュアル」を制定し、環境トラブルの未然防止に配慮した企業運営を行っております。

 

(8) 人材確保に係るリスク

当社グループが持続的に発展していくためには多様で優秀な人材を確保し育成していくことが重要であり、従業員一人ひとりが活き活きと働き成長することが、当社グループの発展、成長につながるものと考えております。しかしながら、国内での少子高齢化は着実に進展し、また雇用の流動化によって若年層を中心とした人材確保には一層の困難が予想されます。 

将来的に人材の確保が困難となる、あるいは人材の流出が増加する、または人材の育成が計画通りに進まないなどの場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、ライフ・ワーク・バランスの充実に向けた施策や健康経営を推進し、多様な人材が活躍できる組織体制づくり、労働環境の整備・改善を通じた“働きやすい、働きがいのある会社”づくりを目指しております。また、職制や職能に応じた全社研修プランを作成し、誰でもが自ら学び成長できる研修体制を構築しております。

 

 

(9) 物流に係るリスク

当社グループは、国内生産拠点で製造、生産した商品を、総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどへ主にトラックで輸送しております。物流業界ではドライバー不足や高齢化が問題となっており、今後は物流の供給力が不足することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、各地に物流拠点の設置とその拠点を中心とした物流網の構築、パレット輸送や鉄道コンテナ輸送の活用により、物流業界への負荷の低減を図っております。

 

(10) 法的規制等の変更に係るリスク

当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、労働基準法、環境法令等の各種規制や海外進出先における現地法令等のもと企業活動を行っております。しかしながら、将来的に予期し得ない法的規制等の制定や変更があった場合には企業活動に制限が生じる可能性があるほか、法令違反や社会的要請に反する行為による処罰を受けた場合の企業活動の制限、対応コストの増加、あるいは当社グループが社会的信用を失墜することにより企業価値が毀損し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、当社グループの「行動規範」に基づき、国内外の法令の遵守、人権の尊重、公正な取引等に取り組んでおり、各担当部門がリスク管理の統括部署であるリスク統括室と連携し、関連法令の遵守に努めております。また、定期的な従業員向けコンプライアンス研修の実施や「コンプライアンスの手引き」の配布を通じて法令遵守の徹底を図っております。

 

(11)海外事業に係るリスク

当社グループは、インドネシアに水産練製品の製造販売の合弁会社を設立するなどの海外事業を展開しております。しかしながら、当該国における景気や政治的動向、食品の安全性を脅かす事態、直近では新型コロナウイルスの感染拡大による経済、社会活動への影響など、予期せぬ事態の発生で事業の展開が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、合弁事業については適切な人材を派遣し技術指導を行うとともに、定期的なミーティングを通じて事業運営についての意思疎通を図っております。また、世界各地の経済、政治状況を把握し、市場分析を通して経営戦略の立案を行い、営業推進・リスク対応の両観点からの管理体制の整備を図っております。

 

(12)保有資産の減損損失に係るリスク

当社グループは、事業の用に供する固定資産や有価証券を有しております。しかしながら、これらの保有資産から生み出される将来の収益性や資産価値に変化が生じ、減損処理が必要になる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、経営会議において経済合理性を検証した投資や保有判断を行っており、実施後も継続してモニタリングを行っております。

 

(13)情報セキュリティに係るリスク

当社グループは、開発・生産・販売・管理等における各種の企業運営に関する重要情報、通信販売や各種販売キャンペーン等におけるお客さまの個人情報をコンピューターで管理しております。しかしながら、将来的に自然災害や停電等によるコンピューター機器・ソフトウェアの破損や情報の消失、コンピューターウイルスの侵入や不正アクセスによる情報の流出、あるいはコンピューターシステムの障害等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、「情報管理関連規程・マニュアル」に基づき、セキュリティ対策や個人情報保護の徹底を図るとともに、システム上のトラブルや脆弱性等が生じないように定期的にウイルスメンテナンスを実行しております。

 

(14)新型コロナウイルス感染のリスク

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は各国の経済活動に大きな影響を与えており、国内外でワクチン接種が進んでいるものの、感染の収束時期は予測が困難であり、当面は不透明な状況が継続するものと想定しております。このようななかで、当社グループ内での感染の発生・感染の蔓延等により工場の操業停止や営業活動の停滞が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、「新型コロナウイルス等感染防止マニュアル」に基づき、従業員とその家族の安全確保を最優先に感染防止対策に万全を期し、商品供給責任を果たすよう企業活動の継続に努めております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績全般の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスに対する度重なる緊急事態宣言による外出自粛が断続的に続くなかで個人消費は大きく落込み、また入国規制による外国人観光客のインバウンド需要がほぼ消失したことなどにより広範に影響を受けました。世界に目を向ければ、ワクチン接種が順調に進んでいる国々があり、ウィズ・アフターコロナを見込んでダウ平均は右肩上がりを続けるなど経済回復への期待が先行する一方で、新型コロナウイルス変異株によるパンデミック再拡大の懸念など、依然として深刻な状況が続いております。

新型コロナウイルス感染予防のための外出自粛や巣ごもり需要により、フードデリバリーやECサイトでの買物が増加するなど、ニューノーマルという新しい生活様式への対応が求められるなか、消費者の価値観・購買行動は大きく変化してきております。

また、厳しい経済状況が継続することによるデフレ経済の再燃懸念、原材料価格の高騰や人手不足を背景とした人件費の増加などコストの上昇が見込まれており、依然として当社グループを取り巻く経営環境には厳しいものがあります。

このような状況のもと、当社グループでは、“ICHIMASA30ビジョン”(30年後のありたい姿)を目指し、2016年7月から2021年6月までの第一次中期経営計画の最終年度を迎え、「成長基盤創り」と「お客さまが中心」を基本方針として経営課題に取り組んでまいりました。

また、地球環境の維持は企業活動の持続的な成長・発展のためには不可欠であり、2015年9月に国連総会で採択された17 の目標と169 のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の達成を目指し、当社グループもステークホルダーの皆さまと協働しながら、サステナブルな課題の解決に取り組んでおります。

以上により、当連結会計年度の売上高は346億89百万円(前連結会計年度比13億57百万円(3.8%)の減少)、営業利益は17億35百万円(前連結会計年度比1億52百万円(8.1%)の減少)、経常利益は18億6百万円(前連結会計年度比61百万円(3.3%)の減少)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は26億83百万円(前連結会計年度比24億30百万円(961.8%)の増加)となりました。

 

 

 セグメントの状況は、次のとおりであります。

(水産練製品・惣菜事業)

主力商品群のカニ風味かまぼこは魚肉たんぱくが手軽に摂れる食材として浸透し、健康志向が続くなかで販売が伸長しております。定番商品である「サラダスティック」や「ピュアふぶき」、食べ応えのある「大ぶりカニかま」も好調に推移いたしました。また、「チーズサンドはんぺん」や「明太マヨサンドはんぺん」、春から仲間入りした「ツナマヨ風味サンドはんぺん」といったサンドはんぺんシリーズも使い勝手の良さやおつまみとしての需要などの汎用性により、売上が伸長いたしました。

年末のおせち商品は、主原料・副材料のすべてが国産の「純」シリーズの蒲鉾や伊達巻の売上げが前期を超える伸長をいたしました。

おでん商材は、昨夏の猛暑に続き、販売が本格化する秋口もしばらくは気温が高めに推移したことにより揚物は厳しい売上状況となりました。

利益面においては、世界的な健康志向の高まりや新興国の経済成長から水産練製品需要が増加し、すり身価格は依然として高止まりの状況が続いておりますが、生産ラインの合理化や不採算アイテムの削減などの内部要因や上昇傾向であるものの前期に比べて低かったエネルギー単価の外部要因の影響もあり、前期を上回る結果となりました。

以上の結果、当セグメントの売上高は296億31百万円(前連結会計年度比8億99百万円(2.9%)の減少)、セグメント利益(営業利益)は9億24百万円(前連結会計年度は8億18百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。

(きのこ事業)

昨年秋の鍋物需要は例年並みでしたが、全般的に野菜の生育は順調に推移したことから、野菜市場価格及びきのこ市場価格は軟調に推移いたしました。今年に入り、春先から野菜の生育は順調に推移し、前期に新型コロナウイルスによる巣ごもり需要の拡大で販売単価が好調だった反動もあり、前期を大きく割り込み、通期でも前期を下回りました。

生産面においては、安定栽培や生産の効率化、品質管理体制の強化に努めるとともに、販売面においては、メニュー提案などの販促を強化し需要喚起を図りました。

以上の結果、当セグメントの売上高は45億81百万円(前連結会計年度比4億45百万円(8.9%)の減少)、セグメント利益(営業利益)は7億32百万円(前連結会計年度は9億52百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。

(その他)

運送事業においては、定期輸送便の一部終了により売上高は前期を下回り、また大型車輛の購入等もあり、利益も前期を下回る結果となりました。

倉庫事業においては、前期を上回る新規入庫を獲得し、売上高は前期を上回ったものの、新規設備投資費用の発生等により、利益は前期を下回る結果となりました

以上の結果、報告セグメントに含まれないその他の売上高は4億76百万円(前連結会計年度比13百万円(2.7%)の減少)、セグメント利益(営業利益)は64百万円(前連結会計年度は1億8百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。

 

② 財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は78億75百万円(前連結会計年度末比3億26百万円の増加)となりました。これは主に未収還付法人税等が2億47百万円並びに原材料及び貯蔵品が2億33百万円の増加、商品及び製品が2億71百万円の減少によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は143億40百万円(前連結会計年度末比1億64百万円の減少)となりました。これは有形固定資産取得の一方、主に減価償却費の進行によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は62億18百万円(前連結会計年度末比6億円の減少)となりました。これは主に短期借入金が2億95百万円の増加の一方、1年内返済予定の長期借入金が4億46百万円及び未払法人税等が2億76百万円の減少によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は24億11百万円(前連結会計年度末比16億47百万円の減少)となりました。これは主に長期借入金が11億72百万円並びに繰延税金負債が4億2百万円の減少によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は135億85百万円(前連結会計年度末比24億10百万円の増加)となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。

この結果、自己資本比率は50.7%から61.2%へ10.5ポイント上昇しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)残高は、前連結会計年度末に比べ3百万円増加して12億86百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって獲得した資金は24億16百万円(前連結会計年度末は28億35百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が23億20百万円及び減価償却費が13億6百万円の計上の一方、法人税等の支払額が3億2百万円及び未収還付法人税の増加額2億47百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって支出した資金は6億88百万円(前連結会計年度末は7億55百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産売却による収入が7億28百万円及び投資有価証券の売却による収入が1億9百万円の計上の一方、有形固定資産の取得による支出が15億26百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって支出した資金は18億21百万円(前連結会計年度末は17億39百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が16億18百万円や社債の償還による支出が2億60百万円によるものであります。

 

(キャッシュ・フロー関連指標の推移)

 

2017年6月期

2018年6月期

2019年6月期

2020年6月期

2021年6月期

自己資本比率(%)

43.7

44.9

46.6

50.7

61.2

時価ベースの
自己資本比率(%)

105.8

102.1

84.7

84.0

77.7

キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)

3.1

8.3

2.8

1.9

1.6

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

34.9

17.9

60.3

73.8

90.9

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2 株式時価総額は、期末時価終値×期末発行済株式数(自己株式数控除後)により算出しております。

3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
  有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
  また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

4 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を2019年6月期の期首から適用しており、2018年6月期に係るキャッシュ・フロー関連指標の推移については、当該会計基準を遡って適用した後の数値となっております。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年7月1日

至  2021年6月30日)

前年同期比(%)

金額(千円)

水産練製品・惣菜事業

29,816,841

95.8

きのこ事業

4,438,986

98.0

その他

合計

34,255,827

96.1

 

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  生産実績は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 b. 受注実績

(水産練製品・惣菜事業、きのこ事業)

見込生産を行っているため、該当事項はありません。

(その他)

該当事項はありません。

 

 c. 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年7月1日

至  2021年6月30日)

前年同期比(%)

金額(千円)

水産練製品・惣菜事業

29,631,396

97.1

きのこ事業

4,581,828

91.1

その他

476,001

97.3

合計

34,689,227

96.2

 

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  販売実績には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の売上高は346億89百万円(前連結会計年度比13億57百万円の減少)となりました。なお、売上高の詳細については、「(1)業績全般の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。

売上総利益は97億5百万円(前連結会計年度比2億30百万円の減少)となり、売上総利益率は28.0%となりました。

販売費及び一般管理費は前年同水準の79億69百万円(前連結会計年度比78百万円の減少)となり、営業利益は17億35百万円(前連結会計年度比1億52百万円の減少)となりました。

経常利益は為替差損が減少しましたが、営業利益の減少により18億6百万円(前連結会計年度比61百万円の減少)となりました。

税金等調整前当期純利益は、特別損失に減損損失1億58百万円の計上の一方、特別利益に一正農業科技(常州)有限公司の清算結了にともなう清算益3億31百万円及び固定資産の売却益2億39百万円を計上したことにより23億20百万円(前連結会計年度比15億20百万円の増加)となりました。

以上の結果、子会社の清算結了にともない損失額確定したことによる税金費用等の減少もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は26億83百万円(前連結会計年度比24億30百万円の増加)となりました。

当社グループは、第一次中期経営計画最終年度(2021年6月期)の目標として、連結売上高370億円、連結営業利益14億円、自己資本利益率7.5%を掲げておりましたが、最終年度の実績としては、連結売上高347億円、連結営業利益17億円、自己資本利益率21.7%となり利益面では目標値を達成いたしました。

利益面の達成要因は、主に主力商品群のカニ風味かまぼこが健康志向が続くなかでの販売伸長効果に加え、生産効率の向上が寄与したこと及び事業ポートフォリオの見直しにより、不採算事業の清算、清算にともなう税金費用の減少等によるものであります。

 

② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態の状況の分析・検討内容については、「(1)業績全般の状況の概要   ②財政状態の状況」に記載しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)業績全般の状況の概要   ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a. 資本政策の方針

当社グループは、企業価値の継続的な向上を目指し、収益基礎の強化、生産設備等への投資を行っていきますが、これらの資金が効率的かつ安定的に調達されるよう、株主資本と負債のバランスを適切な水準に維持いたします。その際、株主資本の水準については、資本の効率性とともに、事業にともなうリスクに対して十分なレベルであることなどを考慮して決定いたします。

 b. 資金需要の動向

当社グループの運転資金需要は、製品製造のための原材料費、労務費、経費及び販売活動等のための販売費、人件費、その他経費等であります。設備投資需要は、製品製造のための建物及び生産設備等への設備投資であります。

 c. 資金調達の方法及び状況

当社グループの資金調達は、主に営業キャッシュ・フローを財源とする自己資金に加え、銀行等金融機関からの資金調達を有効に活用しております。銀行等金融機関からの資金調達については、設備資金及び長期運転資金は長期借入及び社債の発行を基本とし、それ以外の主に営業取引に係る短期資金は、短期借入を基本としております。また、長期性の資金調達に際して、調達コストの低減に努める一方、過度な金利変動リスクに晒されないよう金利の固定化を図るとともに、自己資本比率、ROE、ROICといった財務指標への影響度等を総合的に勘案したうえで、最適な資本構成を目指して実施しております。

 d. 資金の流動性

流動性に関しては、事業活動に必要な水準の手元流動性を確保するため、金融機関とシンジケート形式によりコミットメントライン契約、当座貸越契約の締結により資金調達の十分な流動性を確保しております。

 

⑤ 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 [経理の状況] 1 [連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針は、連結財務諸表における見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。

 なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による会計上の見積りについては、「第5 [経理の状況] 1 [連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項](追加情報)」に記載しております。

a.固定資産の減損

 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価に当たり、事業等を基礎としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。

 固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の見積りに重要な変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。

b.たな卸資産の評価

 当社グループは、たな卸資産の評価について、商品及び製品、仕掛品は総平均法による原価法により算定し、原材料は個別法による原価法により算定しております。なお、貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定額を計上しております。

c.その他有価証券の減損

 当社グループでは、売買目的有価証券以外の有価証券のうち、市場価格または合理的に算定された価額(時価)のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を評価損として計上することとしております。また、時価のない株式についても、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したと判断される場合は、相当の減額を行い、評価差額は評価損として計上することとしております。新型コロナウイルスの感染拡大の影響も含め将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、新たに減損処理が必要となる可能性があります。

d.繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りとなるため、事業環境等の変化により見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 [事業等のリスク]」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの水産練製品・惣菜事業及びきのこ事業における研究開発活動は、「食の安全・安心・健康」をテーマに、常にお客さまを中心に考え、社会環境の変化に対応し、多様化する消費ニーズを捉えた商品開発に取り組んでまいりました。

当連結会計年度における研究開発費の総額は351,636千円であります。

 

(1) 水産練製品・惣菜事業

高まる健康志向、簡便性志向など多様化するニーズの中で、味を最優先としながら、購買層や使用用途の拡大を目指して商品開発を積極的に取り組んでまいりました。

当連結会計年度の主な開発製品販売としては、健康に対する意識と希求が高まるなか、糖質オフに着目し「糖質オフカニかま、糖質オフちくわ」を21年8月末より発売をいたします。

また、日本かまぼこ協会が制定した「フィッシュプロテイン」マークを22品に貼付し、消費者への「魚肉たんぱく」の健康性や「減塩」「低脂肪」に関しても、引き続き訴求を続けております。

カニ風味かまぼこにおいては、売れ筋NO.1(日経POSデータ「カニ風味かまぼこ」)の「サラダスティック」の姉妹品を継続的に発売し、ブランド育成及び需要喚起を図りました。「サラダスティック枝豆風味」はお客さまから高い支持をいただき、売上に貢献しております。

家庭での食事機会が増えるなか、大容量サイズの「大ぶりカニかま」「大盛りカニかま」、調理済みおでんの「今夜はおでん」を発売し好調に推移しております。

年末おせち商戦について、主原料・副材料のすべてが国産の「純」シリーズも更に美味しくリニューアルし拡販をしてまいりました。研究部門では、産学連携による「魚肉たんぱく質」研究を推進することにより 新たな機能性の発見に努めるとともに、新しい加工技術を研究することにより品質改善・賞味期限延長を図り食品ロスの低減を目指しております。一方、資源保護の立場から開発した「うなる美味しさ うな次郎」の改善を進めてまいりましたが、更に踏み込んで水産資源全般の枯渇を意識した「代替水産物」の研究を開始いたしました。引き続き変化する消費者ニーズを捉え、新規需要を喚起する新商品開発・新技術研究を行うとともに、主力商品の付加価値向上による事業基盤の強化を推進してまいります。

なお、当事業に係る研究開発費は253,199千円であります。

 

(2) きのこ事業

きのこ事業においては、品質の向上、栽培の安定、収穫の効率化を目指すための栽培、収穫技術に関する研究及び品質管理体制強化に取り組んでまいりました。

また、新たなテクノロジーへの探求を進めることで今後の事業展開に向けた研究開発を推進してまいります。

なお、当事業に係る研究開発費は98,437千円であります。

 

(3) その他

該当事項はありません。