第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の方針

当社グループの社是「人生はやまびこである」のもと、全従業員は「正しきことは正しく報われる」という創業者野崎正平の信念を受け継ぎ、「誠実」「謙虚」「感謝」の心で行動することとしています。また、経営理念「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として貢献します。」のもと、水産練製品・惣菜の製造販売及びきのこの生産販売を主体とした事業を展開し、常に「安全・安心な品質」と「お客さまに愛されるおいしさ」を追求することで事業の永続的な発展を図っています。

事業の展開に当たっては、法令の遵守、人権の尊重、公正な取引及び商品・サービスの安全・安心に取り組むとともにお客さま、お取引先さま、株主・投資家の皆さま及び従業員並びに地域社会から満足していただけるよう次の基本方針のもと企業価値の向上に努め、当社グループの一層の発展を目指していきます。

① すべての事業分野において品質保証体制の強化を図り、お客さまに安全で安心な商品・サービスの提供を行っていきます。

  水産練製品・惣菜事業のマーケティング機能を強化することにより、お客さまに信頼され、愛され、感動される商品を開発、提供しブランド価値の向上を図っていきます。

・魚肉たんぱく製品のおいしさや健康機能を追求した「安全・安心で高品質な商品」を国内外に拡販し、水産

練製品業界のトップブランドを目指す。

・DXによる工場の合理化・少人化を実現し、付加価値や生産性の向上に結び付け、収益の最大化を図る。

・原材料の持続可能性を実現する新たな価値を持った食の提供により、一正ブランドの向上を図る。

  きのこ事業の技術研究並びに商品開発を強化し、事業規模及び事業領域の拡大を目指していきます。

・栽培技術の更なる進化による安定栽培の維持と最大収穫量の実現を通し、拡販による収益の最大化図る。

・おいしさや栄養機能等の調査・研究を進め、付加価値の向上と一正まいたけブランドの確立を実現する。

・AI・IoTにより管理、最適化されたスマートファクトリーのもとで、環境に配慮した省エネ・循環型ビジネ

スモデルの構築を目指す。

(2)超長期ビジョン

当社グループでは、30年後のありたい姿で 

ある“ICHIMASA30ビジョン” (2016~2045

年度)を次のとおり制定し、30年後のありたい姿から今を変革していくというバックキャスティング思考をもとにグループ経営を行っています。

 ①「“安全・安心”に“健康・環境”と

 “心の豊かさ”をプラスして世界中に日

  本の“食”で貢献するグローバル企 

  業」

 ②「常に技術を探求し、未来に向けてあ

  らゆる“食”の情報を発信する食品バ 

  イオ企業」

 ③「あらゆるステークホルダーの皆さま

  に“食”を中心に“幸せ”と“喜び” 

  をお届けするあたたかい企業」


 

 

(3)第二次中期経営計画の総括

当社グループでは、2021年7月から2026年6月までの5か年を第二次中期経営計画「成長軌道への5年」と位置づけ、引き続き収益力、財務基盤の強化に取り組むとともに、海外事業の更なる拡大を図っていきます。

1)経営基本方針

 「国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステー ジ「成長軌道」を確実に実現する。」

・国内マーケットは少子高齢化のもと縮小が予想されるが、商品力、生産力、販売力に磨きをかけ、競争優位性を確立しシェア拡大を目指す。

・海外マーケットでは成長マーケットを分析し、水産練製品・惣菜事業、きのこ事業ともに拡販を推進する。

 

2)全社戦略と主な戦術・施策

 上記の経営基本方針のもと、5つの重要戦略キーワードから全社戦略を設定し、全従業員が戦略実行に向けた戦術を策定し、施策を実行していきます。

全社戦略

主な戦術・施策

①「変革」と「創造」

 持続的成長と働きがい向上のために人財投資を積極的に行うとともに、「変革」と「創造」を基軸とした考動を通じ経営環境の変化を克服する。

 

 

・IWS(いちまさワークスタイル)、新しい働き方の確立

・働きがいのある・働きやすい・多様な人財が活躍する会社づくり

・風通しが良く誰もが自由に発想し、創造的な意見が飛び交う組織風土への変革

・成長する意志ある誰もが成長できる能力開発環境の構築

・すり身原料にとらわれない商品の研究開発

・魚肉たんぱく、まいたけの機能性共同研究

②「選択」と「集中」

 水産練製品・惣菜事業は商品・市場・生産等の「選択」と「集中」を徹底し、魚肉たんぱく製品の強みを活かした攻めの販売施策を通じ国内において圧倒的な基盤をつくる。

 

・魚肉たんぱく製品の強みを活かした主力商品のリニューアル継続やサステナブルな商品の開発強化

・主力商品である「サラダスティック」の販売強化と新設する本社第二工場の合理化・省人化・量産体制の確立

・販売・廃止の生産アイテム選択を着実に実施し、生産効率化・生産性向上と販売の強化・効率化の両立を実現

・販売地域の「選択」と「集中」による海外拡販強化

・多様な国際ニーズに対応した商品開発と市場開拓

③「デジタルトランスフォーメーション(DX)」

 全社で「DX」の推進に取り組み、ニューノーマルでの競争優位性を確立し、事業収益の最大化を実現する。

 

 

(顧客価値の創出)

・DXを活用した市場データの深度ある収集、分析と提供

・フードテックによる応用、実現の可能性の探求

(生産性向上・働き方改革)

・全社業務プロセスの見直しによるデータのデジタル化、業務の自動化・省人化推進

・DXによる新しい製造方法の研究開発

・スマートファクトリーを目指した生産データのデジタル化とデータの有効活用による生産性向上

・生産管理システムによる品質向上と効率化推進

・SFA・CRM、オンライン商談などによる営業活動の効率化

・ゼロトラストモデルによるサイバーセキュリティ対策構築

④「新規事業」

 「新規事業」への取組みは、第二次中期経営計画  期間中に探索を行い事業化に着手する。

・水産練製品・惣菜事業+きのこ事業+「第3の事業」の主力3事業の構築を指向

・新規専担部署の設置

⑤「アライアンス」

  お取引先さまと強固かつ高品質な「アライアンス」体制を構築し、ともに環境・経済・社会等の変化に対応する

・品質向上の技術・知的サポート実施

・「一正やまびこ会」等を通じたアライアンス活動の実施

・「いちまさ通信」による情報提供の継続

・運行管理システムの構築・運営

 

 

 

3)第二次中期経営計画最終年度数値目標(連結ベース)

 

項目

2026年6月期数値目標

売上高

   400億円(※)

営業利益

    26億円

自己資本利益率(ROE)

    10%

投下資本利益率(ROIC)

    9%

自己資本比率

    60%台

 

 ※収益認識に関する会計基準適用後の数値

当社グループの経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標は上記のとおりですが、各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(4)経営環境

① 国内外の市場環境

 2021年度の出生数は過去最低を記録するなど少子化が加速しており、少子高齢化や人口減少等を要因に、国内市場はこれまで以上に厳しい経営環境が予想されます。また、世界的な食料需要の拡大や天候不順等による原材料価格の上昇、原油価格の高騰によるエネルギー関連コストの上昇は、当面、継続するものと想定しています。

 一方、海外では国内同様に健康志向が高まる米国や西欧諸国などの先進国、成長を続ける中国、東南アジア諸国などの新興国で水産練製品需要が拡大し、市場の拡大余地があると考えられます。

 また、CO2排出量の削減や食品ロスの削減など、持続可能な社会を実現するために、ESG経営の実践やSDGs目標の達成に向けた社会的な要請は日増しに強まっています。

 

② 新型コロナウイルス

 世界各国でワクチン接種が進んでいるなかで変異株の出現により、新型コロナウイルス感染症の収束はいまだ見通せない状況が続いています。しかし、世界的には防疫と経済活動の両立が進むとともに、徐々に国際的な人の行き来も再開してきており、今後、景気回復が見込めるものと想定されています。

 国内では、海外からの外国人観光客の受入れを開始し、1日当たりの入国者数の制限も緩和されたものの、諸外国と比べると依然として厳しい水際対策が実施されていること、外食産業の売上は前年同月比では増加し始めていますが、感染拡大前の水準には戻っていないことなどから、今後の動向を予測することが難しい状況となっています。

 

(5)対処すべき課題

① 国内市場

 国内では少子高齢化の進展に加え、食の多様化・グローバル化などにより、水産練製品市場は全体として成熟化しており、国内各メーカーにとって新たな需要を創出するための商品開発が共通の課題となっています。このような市場変化に対応するために、水産練製品・惣菜事業においては、お客さまのニーズを丹念に探索するなかでニーズにマッチした新商品を開発するとともに、常に付加価値向上を図るための主力商品のリニューアルを継続し、競争優位性の確立を目指していきます。

 世界的な需要拡大による品薄傾向等を背景に、原材料であるすり身の価格は高騰が続いており、そのほか油脂類、エネルギー等のコストも上昇が続いています。

 また、生産年齢人口の減少による労働力不足は一層深刻になると予想されており、安定した生産を継続し商品供給責任を果たすためにも、生産アイテムの削減を行うことで生産効率化を進め、収益及び競争優位性の確立を図ることとしています。加えて、ファクトリーオートメーションによる省人化が必須であるとの認識のもと、FAシステム部において工場でのAI 、IoT活用を進めています。

 商品開発・リニューアルに当たっては、安全・安心・健康・おいしさの観点から、減塩商品のラインナップの充実や簡単に食べられる高たんぱく商品、国産原材料にこだわった商品、すり身を使用した代替シーフードの“ネクストシーフード”シリーズ、まいたけサプリなど新しい発想による、これまでにない商品開発も行っています。新型コロナウイルスの感染予防の観点からも安全・安心・健康へのニーズはより高まることが予想され、さらなる健康機能の付加についても検討していきます。

② 海外市場

 国内市場は市場縮小が避けられない一方で、健康志向の高まりから海外での水産練製品需要はカニ風味かまぼこを中心に伸長しており、欧米諸国のほか、アジア全体へも輸出量が増加しています。また、冷蔵環境が未整備な地域でも手軽にタンパク質を摂取できる常温商品も商品ラインアップに加えました。当社グループでは、2017年9月にインドネシアに合弁会社を設立し、水産練製品の製造販売を開始しており、成長が続く東南アジアを中心に、合弁会社から北米、香港、中東等への輸出を強化していきます。

③ きのこ事業

 当社グループを含めた大手メーカーによる大量生産・大量販売の仕組みが確立し、消費者の健康志向の高まりによる需要増加もありますが、少子高齢化、人口減少等の影響により食品市場は全体的に縮小傾向となっています。これまでは素材そのものとしての提供が主でしたが、今後はお客さまのニーズが高まっているデリカ惣菜用の食材として業務用需要も取り込んでいくなど、販売チャネルの拡大が重要であると考えています。また、高収益体質をより高めるために、まいたけ包装効率化ラインを設置し、収益の向上を図るとともに、技術研究並びに商品開発を強化し、事業領域の拡大を目指していきます。

④ 環境対策

 当社グループでは、2021年7月に「一正蒲鉾株式会社ESG経営宣言」を制定しました。宣言は6つの項目からなっていますが、ESG経営とは、「持続可能な社会の実現への貢献と企業価値向上を両立」すると規定し、当社の持続的成長のためには、海洋資源や地球環境への貢献を行いながら企業価値を向上させていく必要があるとしました。

 サステナブルな「E(環境)」への貢献については、TCFD提言への賛同を表明するとともに、2030年度CO2排出量を2013年度比50%削減の目標を設定・開示しています。そのほかの環境対策としてエネルギー使用量、食品リサイクル率、産業廃棄物排出量などの環境目標を設定するとともに、エコ包材の使用、モーダルシフトの利用などにも取り組んでいきます。

 環境への貢献に当たって、中長期サステナビリティコスト(環境コスト)の算定および経営計画への織込みを模索しており、今後、サステナビリティコストの定義を確定し、将来発生リスク概要を明確化することとしています。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがありますが、これらに限られるものではありません。

なお、文中の将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 食の安全・品質に係るリスク

当社グループは、「安全・安心を基本として、ユーザーに信頼され、愛され、感動される商品・サービスを提供することで、社会になくてはならない企業として貢献します。」との経営理念のもと、食の安全・安心に取り組んでいます。しかしながら、将来において当社グループが販売した商品について品質問題が発生し、健康危害の拡大の可能性から当社グループの想定を超えて大規模な商品回収等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、企業価値を毀損するとともに、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ以外でも、食品業界において重大な品質問題が発生した場合に波及的に当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクやお客さまからの安全・安心に対する要求に対応するために、ISO22000、FSSC22000、GLOBALG.A.Pの認証取得に加えて、生産管理システムの導入を進めることによりトレーサビリティの管理体制の強化を図っています。さらにはバリューチェーン全体での安全・安心を確保するため、お取引先さまとの協働や多様化により商品への安全性を高め、リスクを極小化する厳しい品質管理体制を構築しています。

 

(2) 原材料調達の変動に係るリスク

当社グループは国内外から原材料のほか、設備やその部品等を購入しています。スケソウダラを中心としたすり身は、水産資源の保護を目的とした漁獲規制の強化による水揚げ数量の減少、国際的な水産資源の需要の増加、為替の変動などによって価格が上昇します。こうしたすり身輸入量の減少や主要産地での天候不順等による農産物収穫量の減少などを要因として、将来的に原材料価格の上昇が当社グループの想定を超える場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、世界的な半導体不足を受け、生産設備や設備部品の調達について、納入までの期間の長期化による生産停止や調達価格が上昇する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、様々な魚種や漁場のすり身を複数の購入ルートから分散調達することや代替材料の検討を進めながら原材料の調達価格の安定化に努めています。また、生産設備等については、納期の長期化を想定した設備導入計画の策定や予備部品の確保等により、安定的な生産を図っています。

 

(3) 国内市場の縮小に係るリスク

国内では少子高齢化が継続し、長期的に市場が縮小していく傾向にあります。このようななかで、景気が大幅に後退したり、競合企業による新商品の投入や販売促進活動により、当社グループ商品の陳腐化やシェアの減少が起こった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、常に消費者のニーズやライフスタイルの変化にきめ細やかに対応した商品開発を行い、新たな喫食機会の提供を行うとともに、継続的な商品のリニューアルによる付加価値向上を目指しています。また、お取引先さまへの店舗巡回を行うなかで、未導入商品の拡販や若年層や若年家族層に対するSNSの活用により購買機会の促進を図るとともに、海外市場への販売拡大を図るため、海外需要の開拓を行っています。

 

(4) 他社との競合に係るリスク

当社グループの主力商品である水産練製品、きのこ類について、複数の競合先があります。業界内での競争の激化により価格の下落が生じる等の場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するため、独自の技術開発や機能性の研究を推進し、付加価値の高い商品を供給することで他社との差別化を図っています。

 

(5) 季節変動、気候変動に係るリスク

当社グループは、主力事業である水産練製品・惣菜事業及びきのこ事業の販売が第2四半期連結会計期間に集中するため、第2四半期連結会計期間の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間に比べ、高くなる傾向があります。また、おでん商材である揚物や鍋物商材であるまいたけの販売状況は秋から春先にかけての需要期における天候、気温の変動に影響を受ける傾向があり、地球温暖化の進展などにより販売機会が減少する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、他の四半期連結会計期間に対応する商品開発や食べ方提案により年間を通じた販売機会の平準化や拡大を図っています。

連結業績

 

売 上 高

営業利益又は
営業損失(△)

金額(千円)

百分比(%)

金額(千円)

当連結会計年度の第1四半期連結会計期間

7,139,750

22.6

△25,198

当連結会計年度の第2四半期連結会計期間

10,453,390

33.0

802,585

当連結会計年度の第3四半期連結会計期間

7,461,739

23.6

64,820

当連結会計年度の第4四半期連結会計期間

6,581,375

20.8

△296,240

合    計

31,636,256

100.0

545,966

 

 

(6) 流通の変化に関するリスク

当社グループの商品は主に総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどを通じてお客さまへお届けしており、これらの業界の動向やお取引先さまの経営状態、販売政策などの変化によって販売機会や販売価格は影響を受けます。また、インターネット販売の増加は、今後の販売政策に大きな影響を及ぼすと考えられます。

これらのリスクに対応するために、お取引先さまへの店舗巡回を行うなかで未導入商品の拡販や魅力ある売り場づくりの提案を行っています。また、自社ホームページ、インターネット通販会社や総合スーパーのEC販売サイトでの商品販売を通じて、インターネット販売の増加を図るとともにデータ分析等を通じて販売ノウハウを蓄積しています。

 

(7) 自然災害等に関するリスク

当社グループは、国内に本社をはじめ生産拠点として6工場、1栽培センター、販売拠点として8か所の支店、関係会社1社、また、インドネシアに合弁工場を有しています。地震や台風等の大規模な自然災害、局地的かつ被害が甚大化する豪雨災害の発生などにより、管理部門の機能停止や工場の生産設備の被災、サプライチェーンの寸断、営業活動の制限が引き起こされ、企業活動が広範囲に停止し、当社グループの想定を超えて復旧までに長期間を要する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、生産拠点において大規模な火災等の事故が発生した場合にも、自然災害同様に当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、「事業継続計画(BCP)」「自然災害対応マニュアル」のもとで迅速に対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築するとともに、定期的な避難訓練等の実施、従業員安否確認システムを通じた従業員の安全確認、クラウドサービスやデーターセンター活用による情報システムの防御などの危機管理体制の構築を図っています。また、生産設備の定期点検や老朽化設備の更新等により、大規模な事故の発生を未然に防止しています。

 

(8) 環境規制に係るリスク

当社グループは、地球環境の維持は最重要課題であるとの認識のもと「ESG経営宣言」「環境方針」を定め、地球温暖化防止および循環型社会の実現に向けて努力しています。しかしながら、気候変動リスクを軽減するために、当社グループの取組みを超えた環境規制の強化やカーボンプライシングの導入、環境課徴金の賦課等が行われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、TCFD提言への賛同を表明し、CO2排出量削減を指標・目標として明示することにあわせ、環境コストの経営に与える影響を様々な角度からシミュレーションしながら取り組んでいます。

 

 

(9) 人材確保に係るリスク

当社グループが持続的に発展していくためには多様で優秀な人材を確保し育成していくことが重要であり、従業員一人ひとりが活き活きと働き成長することが、当社グループの発展、成長につながるものと考えています。しかしながら、国内での少子高齢化は着実に進展し、また雇用の流動化によって若年層を中心とした人材確保には一層の困難が予想されます。 

将来的に人材の確保が困難となる、あるいは人材の流出が増加する、または人材の育成が計画通りに進まないなどの場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、ライフ・ワーク・バランスの充実に向けた施策や健康経営を推進し、多様な人材が活躍できる組織体制づくり、労働環境の整備・改善を通じた“働きやすい、働きがいのある会社”づくりを目指しています。また、就業時間内で日常業務以外の知的創造業務や自己成長に充てるためのIWS(いちまさワークスタイル)の導入や職制・職能に応じた全社研修プランにより、誰でもが自ら学び成長できる研修体制を構築しています。

 

 

(10) 物流に係るリスク

当社グループは、国内生産拠点で製造、生産した商品を、総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどへ主にトラックで輸送を行っています。物流業界ではドライバー不足や高齢化が問題となっており、今後は物流の供給力が不足することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これらのリスクに対応するために、各地に物流拠点の設置とその拠点を中心とした物流網の構築、パレット輸送や鉄道コンテナ輸送の活用により、物流業界への負荷の低減を図っています。

 

(11) 法的規制等の変更に係るリスク

当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、労働基準法、環境法令等の各種規制や海外進出先における現地法令等のもと企業活動を行っています。しかしながら、将来的に予期し得ない法的規制等の制定や変更があった場合には企業活動に制限が生じる可能性があるほか、法令違反や社会的要請に反する行為による処罰を受けた場合の企業活動の制限、対応コストの増加、あるいは当社グループが社会的信用を失墜することにより企業価値が毀損し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、当社グループの「行動規範」にもとづき、国内外の法令の遵守、人権の尊重、公正な取引等に取り組んでおり、各担当部門がリスク管理の統括部署であるリスク統括室と連携し、関連法令の遵守に努めています。また、定期的な従業員向けコンプライアンス研修の実施や「コンプライアンスの手引き」の配布を通じて法令遵守の徹底を図っています。

 

(12)海外事業に係るリスク

当社グループは、国内製造商品の輸出や水産練製品の製造販売のインドネシア合弁会社などの海外事業を展開しています。しかしながら、当該国における景気や政治的動向、食品の安全性を脅かす事態、法律や規制の問題など、予期せぬ事態の発生で事業の展開が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、世界各地の経済、政治状況を把握するとともに食品規制の変更等の情報を収集のうえ、市場分析を通して経営戦略の立案を行っています。また、合弁事業については適切な人材を派遣し技術指導を行うとともに、定期的なミーティングを通じて事業運営についての意思疎通を図ることで、営業推進・リスク対応の両面からの管理体制の整備を図っています。

 

(13)保有資産の減損に係るリスク

当社グループは、事業の用に供する固定資産や有価証券を有しています。しかしながら、これらの保有資産から生み出される将来の収益性や資産価値に変化が生じ、減損処理が必要になる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、経営会議において経済合理性を検証した投資や保有判断を行っており、実施後も継続してモニタリングしています。

 

(14)情報セキュリティに係るリスク

当社グループは、開発・生産・販売・管理等における各種の企業運営に関する重要情報、通信販売や各種販売キャンペーン等におけるお客さまの個人情報をコンピューターで管理しています。しかしながら、将来的に自然災害や停電等によるコンピューター機器・ソフトウェアの破損や情報の消失、コンピューターウイルスの侵入や不正アクセスによる情報の流出、あるいはコンピューターシステムの障害等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、「情報管理関連規程・マニュアル」に基づき、セキュリティ対策や個人情報保護の徹底を図るとともに、システム上のトラブルや脆弱性等が生じないように定期的にウイルスメンテナンスを実行しています。

 

(15)新型コロナウイルス感染のリスク

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は各国の経済活動に大きな影響を与えており、国内外でワクチン接種が進んでいるものの、感染の収束時期は予測が困難であり、当面は不透明な状況が継続するものと想定しています。このようななかで、当社グループ内での感染の発生・感染の蔓延等により工場の操業停止や営業活動の停滞が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対応するために、「新型コロナウィルス等感染防止マニュアル」に基づき、従業員とその家族の安全確保を最優先に感染防止対策に万全を期し、商品供給責任を果たすよう企業活動の継続に努めています。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日、以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しています。

なお、経営成績に関する説明の当連結会計年度の各数値は、当該収益認識会計基準等を適用した後の数値となっていることから、前連結会計年度と比較した売上高の増減及び前期増減率は記載していません。

収益認識会計基準等の適用に関する詳細については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](会計方針の変更)」をご覧ください。

 

(1) 業績全般の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりです。

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、2021年7月に景気回復の起爆剤と期待された東京オリンピック・パラリンピックが無観客開催となり、同時期に新型コロナウイルス変異株のデルタ株発生により新規感染者数が急増したことや、2022年3月下旬にまん延防止等重点措置が全面解除されたものの、相次ぐ変異株の出現により新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないことなどから引続き外食産業や観光産業を中心に経済活動は低調に推移しました。また、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻に端を発する国際情勢不安や世界経済の混乱などもあり、景気回復について予断を許さない状況が続いています。

すり身をはじめとした原材料、原油などの資源価格は、世界経済の回復基調、ウクライナ情勢、急激な円安の進行などにより高騰し、また、慢性化しつつある人手不足による人件費の増加など、さまざまなコストが想定を超えて大幅に上昇し、不安定な社会経済情勢の中でこれらの価格はさらに上昇するおそれもあり、当社グループを取り巻く経営環境はより一層厳しさを増しています。

このような状況のもと、当社グループでは、“ICHIMASA30ビジョン”(2045年度のありたい姿)を目指し、2021年7月から2026年6月までの第二次中期経営計画の初年度を迎え、“国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステージ「成長軌道」を確実に実現する”を基本方針として経営課題に取り組んでいます。

また、地球環境の維持は企業活動の持続的な成長・発展のためには不可欠であり、「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の達成を目指し、2021年7月1日には「持続可能な社会の実現への貢献と企業価値向上を両立する」ESG経営を推進するために「一正蒲鉾株式会社 ESG経営宣言」を制定し、ステークホルダーの皆さまと協働しながらサステナブルな課題の解決に取り組んでいます。

以上により、当連結会計年度の売上高は316億36百万円、営業利益は5億45百万円(前連結会計年度比11億89百万円(68.5%)の減少)、経常利益は6億23百万円(前連結会計年度比11億82百万円(65.5%)の減少)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は5億65百万円(前連結会計年度比21億18百万円(78.9%)の減少)となりました。

 

 

 セグメントの状況は、次のとおりです。

(水産練製品・惣菜事業)

健康志向の高まりが続いているなかで、主力商品群のカニかまは魚肉たんぱくが手軽に摂れる食材として多くの支持を集めています。なかでも、期間限定商品「サラダスティック枝豆風味」は“夏のおつまみ”として、また、食べ応えのある「大ぶりカニかま」やそのリニューアル商品の「ガブリッチ 魅惑のカニかま」 は“晴れの日”の食卓シーンの主役としてたいへんご好評をいただきました。海外向けには常温商品のカニかま「Sea Salad(シーサラダ)」を開発し、アジア各国で試験販売をしており、中東方面にも輸出先を拡大しています。加えて、年末のおせち商品は、主原料・副材料のすべてが国産の「純」シリーズの蒲鉾や伊達巻が伸長しましたが、売上に関しては、収益認識会計基準等の適用および2021年5月の連結子会社マルス蒲鉾工業株式会社の清算等の減少影響がありました。

また、製造コストに関しては、主原料であるすり身価格の国際相場の高騰が続いています。これは、健康志向の高まりや新興国の経済成長による世界的なすり身需要の増加、ロシアへのウクライナ侵攻に対する経済制裁により、ヨーロッパ諸国がスケトウダラ製品の輸入をロシアからアメリカへシフトしたことも背景となっています。また、エネルギー価格は原油価格の代表的な指標の一つであるWTIが100ドル前後で推移するなど、新型コロナウイルスからの世界経済の回復やウクライナ情勢を要因として高止まりの傾向を示しています。さらには穀物等の需要拡大や主要産地の天候不順等による度重なる食油の値上げ、急激な円安の進行も重なり様々なコストの上昇が続いています。こうした状況から、当社は水産練製品、惣菜類について2022年3月1日出荷分より約5%~15%の価格改定を行いましたが、当期における利益効果は限定的でした。

以上の結果、当セグメントの売上高は271億7百万円、セグメント利益(営業利益)は46百万円(前連結会計年度は9億24百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。

(きのこ事業)

全般的に野菜の生育は順調に推移し、一部の野菜の品薄もあり秋以降の野菜の市場価格は前年を上回りましたが、きのこの市場価格に関しては、消費の伸び悩みと他社の増産の影響もあり、供給過多状態により軟調に推移しました。

そのような市場環境のなか、生産面においては、安定栽培や生産の効率化、品質管理体制の強化に努めるとともに、販売面においては、大容量商品や新発売の「希なり」の提案・販売強化を行いました。

以上の結果、当セグメントの売上高は40億37百万円、セグメント利益(営業利益)は4億61百万円(前連結会計年度は7億32百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。

(その他)

運送事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で国内需要が低迷し消費全体が足踏み状態にあるなか、主に気象影響による輸入青果物の取扱数量の減少に加え、設備投資に伴う減価償却費の増加および燃料価格高騰により、売上高、利益ともに前期を下回る結果となりました。

倉庫事業においては、売上高は前期を若干下回りましたが、保管効率の改善へ向けた取組強化により、利益は前期を上回る結果となりました。

以上の結果、報告セグメントに含まれないその他の売上高は4億91百万円、セグメント利益(営業利益)は27百万円(前連結会計年度は64百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。

 

② 財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は91億12百万円(前連結会計年度末比12億36百万円の増加)となりました。これは主に現金及び預金が9億97百万円並びに原材料及び貯蔵品が3億35百万円の増加によるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は161億83百万円(前連結会計年度末比18億43百万円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の減価償却の進行の一方、本社第二工場の建設仮勘定の増加によるものです。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は83億64百万円(前連結会計年度末比21億45百万円の増加)となりました。これは主に短期借入金が9億95百万円並びにその他が9億97百万円の増加によるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は30億68百万円(前連結会計年度末比6億56百万円の増加)となりました。これは主に長期借入金が7億82百万円の増加によるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は138億62百万円(前連結会計年度末比2億77百万円の増加)となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。

なお、自己資本比率は本社第二工場の建設に伴う総資産増加により61.2%から54.8%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)残高は、前連結会計年度末に比べ9億95百万円増加して22億82百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって獲得した資金は18億2百万円(前連結会計年度末は24億16百万円の獲得)となりました。これは主に棚卸資産の増加額が5億45百万円の計上の一方、税金等調整前当期純利益が7億84百万円及び減価償却費が13億67百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によって支出した資金は22億22百万円(前連結会計年度末は6億88百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が2億62百万円の計上の一方、有形固定資産の取得による支出が24億81百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって調達した資金は14億13百万円(前連結会計年度末は18億21百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が12億66百万円の計上の一方、短期借入金の増加額9億95百万円及び長期借入れによる収入21億円によるものです。

(キャッシュ・フロー関連指標の推移)

 

2018年6月

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

自己資本比率(%)

44.9

46.6

50.7

61.2

54.8

時価ベースの
自己資本比率(%)

102.1

84.7

84.0

77.7

59.0

キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)

8.3

2.8

1.9

1.6

3.1

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

17.9

60.3

73.8

90.9

72.8

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。

2 株式時価総額は、期末時価終値×期末発行済株式数(自己株式数控除後)により算出しています。

3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。
  有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
  また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

前年同期比(%)

金額(千円)

水産練製品・惣菜事業

27,307,860

きのこ事業

4,046,372

その他

合計

31,354,232

 

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しています。

2  収益認識会計基準等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る金額については、当該収益認識会計基準等を適用した後の金額となっていることから、前年同期比(%)は記載していません。

 

 b. 受注実績

(水産練製品・惣菜事業、きのこ事業)

見込生産を行っているため、該当事項はありません。

(その他)

該当事項はありません。

 c. 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

前年同期比(%)

金額(千円)

水産練製品・惣菜事業

27,107,546

きのこ事業

4,037,510

その他

491,199

合計

31,636,256

 

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しています。

2  収益認識会計基準等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る金額については、当該収益認識会計基準等を適用した後の金額となっていることから、前年同期比(%)は記載していません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものです。

① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の売上高は316億36百万円となりました。売上高については、収益認識会計基準等を適用した後の数値となっており、前連結会計年度と同様の基準で試算した場合、売上高の増減率は1.5%減となります。

当連結会計年度の営業利益は主原料であるすり身価格の高騰等の影響により前連結会計年度に比べて68.5%減の5億45百万円(前連結会計年度比11億89百万円の減少)となりました。なお、売上高等の詳細については、「(1)業績全般の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しています。

また、売上総利益率及び販売費及び一般管理費比率は、収益認識会計基準等の適用によりそれぞれ6.0%減少しています。

経常利益は休止固定資産減価償却費が減少しましたが、営業利益の減少により6億23百万円(前連結会計年度比11億82百万円の減少)となりました。

税金等調整前当期純利益は、投資有価証券売却益の計上の一方、経常利益の減少及び減損損失、固定資産除却損の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は5億65百万円(前連結会計年度比21億18百万円の減少)となりました。

 

② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態の状況の分析・検討内容については、「(1)業績全般の状況の概要   ②財政状態の状況」に記載しています。

 

③ キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)業績全般の状況の概要   ③キャッシュ・フローの状況」に記載しています。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a. 資本政策の方針

当社グループは、企業価値の継続的な向上を目指し、収益基礎の強化、生産設備等への投資を行っていきますが、これらの資金が効率的かつ安定的に調達されるよう、株主資本と負債のバランスを適切な水準に維持します。その際、株主資本の水準については、資本の効率性とともに、事業にともなうリスクに対して十分なレベルであることなどを考慮して決定します。

 b. 資金需要の動向

当社グループの運転資金需要は、製品製造のための原材料費、労務費、経費及び販売活動等のための販売費、人件費、その他経費等です。設備投資需要は、製品製造のための建物及び生産設備等への設備投資です。

 c. 資金調達の方法及び状況

当社グループの資金調達は、主に営業キャッシュ・フローを財源とする自己資金に加え、銀行等金融機関からの資金調達を有効に活用しています。銀行等金融機関からの資金調達については、設備資金及び長期運転資金は長期借入及び社債の発行を基本とし、それ以外の主に営業取引に係る短期資金は、短期借入を基本としています。また、長期性の資金調達に際して、調達コストの低減に努める一方、過度な金利変動リスクに晒されないよう金利の固定化を図るとともに、自己資本比率、ROE、ROICといった財務指標への影響度等を総合的に勘案したうえで、最適な資本構成を目指して実施しています。

 d. 資金の流動性

流動性に関しては、事業活動に必要な水準の手元流動性を確保するため、金融機関とシンジケート形式によりコミットメントライン契約、当座貸越契約の締結により資金調達の十分な流動性を確保しています。

 

⑤ 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 [経理の状況] 1 [連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、次の重要な会計方針は、連結財務諸表における見積りの判断に影響を及ぼすものと考えています。

 なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による会計上の見積りについては、「第5 [経理の状況] 1 [連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項](追加情報)」に記載しています。

a.固定資産の減損

 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価に当たり、事業等を基礎としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしています。

 固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の見積りに重要な変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。

b.棚卸資産の評価

 当社グループは、棚卸資産の評価について、商品及び製品、仕掛品は総平均法による原価法により算定し、原材料は個別法による原価法により算定しています。なお、貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定額を計上しています。

c.その他有価証券の減損

 当社グループでは、売買目的有価証券以外の有価証券のうち、市場価格または合理的に算定された価額(時価)のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を評価損として計上することとしています。また、時価のない株式についても、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したと判断される場合は、相当の減額を行い、評価差額は評価損として計上することとしています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響も含め将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、新たに減損処理が必要となる可能性があります。

d.繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りとなるため、事業環境等の変化により見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 [事業等のリスク]」に記載しています。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの水産練製品・惣菜事業及びきのこ事業の研究開発活動は、「食の安全・安心・健康」をテーマに、「すべてはお客さまのために」のもと、社会環境の変化に対応し、多様化するニーズを捉えた商品開発に取り組んでいます。

当連結会計年度における研究開発費の総額は432,841千円です。

 

(1) 水産練製品・惣菜事業

高まる健康志向、簡便性志向などニーズ多様化のなかで、おいしさを最優先し、購買層や使用用途の拡大を目指して積極的に商品開発に取り組んできました。

当連結会計年度の主な開発製品としては、糖質オフ高タンパクに着目した「ねりもの習慣」シリーズを発売しました。

また、日本かまぼこ協会が制定した「フィッシュプロテイン」マークを79品に貼付し、「魚肉たんぱく」の健康への機能性を訴求するとともに、減塩、低脂肪に関しても引き続き商品ラインナップ充実に取り組んでいます。

カニ風味かまぼこにおいては、大ぶりで食べ応えのある「ガブリッチ魅惑のカニかま」を開発販売して需要喚起を図り、お客さまから高い支持をいただいています。

年末おせち商戦では、主原料・副材料のすべてが国産の「純」シリーズも更に美味しくリニューアルし拡販に努めました。また、包装のエコ化にも取り組み、巾着包装の三方包装化、商品ピッチサイズ見直し、一部パッケージのバイオマスフィルム化等で59期使用見込み20t(CO2換算で12t)削減を計画しています。

研究部門では原料高騰に対応するため、産学連携による「代替原料」研究の推進とともに、「未来の食事」についての研究にも着手し「一正のフードテック」をスタートしました。品質改善・賞味期限延長を目的とした新加工技術研究も食品ロスの低減を目指して継続しています。

また、「うなる美味しさうな次郎」に続いて、水産資源全般の枯渇を見据えた「ネクストシーフード うに風味」を当連結会計年度に発売しました。引き続き変化するニーズを捉え、新規需要を喚起する新商品開発・新技術研究を行うとともに、主力商品の付加価値向上による事業基盤の強化を推進していきます。

なお、当事業に係る研究開発費は305,127千円です。

 

(2) きのこ事業

きのこ事業においては、品質の向上、栽培の安定、収穫の効率化を目指すための栽培、収穫技術に関する研究及び品質管理体制強化に取り組んできました。

また、新規テクノロジーや新規研究カテゴリーの探求を進めることで、今後の事業展開に向けた研究開発を推進していきます。

なお、当事業に係る研究開発費は127,714千円です。

 

(3) その他

該当事項はありません。