第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「調和・創造・革新」の経営理念のもと、“顧客、株主、従業員、社会への喜びを創造する企業になる”ことを経営の基本方針としております。

特に、“食”に携わる企業として、“常に安全性を追求し、高品質な食品で安心と健康を顧客ならびに消費者の方へお届けする”ことが、企業活動において果たすべき最重要な使命と認識しております。

 この使命を果たしていく中で得られる顧客との信頼関係を、より広くより強固なものとしていくことが、企業価値を高めることに繋がり、ひいては株主のみなさまの期待にお応えできることになると考えております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、「製造直販」の販売スタイルを堅持し、技術力を核とした研究開発力の強化、ならびにチルド製品の安全性確保を根底においた独自の「コールドチェーン・システム(低温流通体制)」の整備に努めてまいりました。これらは、顧客ニーズへの迅速で確実な対応ならびに商品の“品質と安全”という面で、当社の強みとなっております。また、これまで安定した成長を維持している中食市場を中心とした業務用食品事業の基盤をより強固なものにするとともに、日本国内の少子高齢化が進行する中で、ヘルスフード事業や海外事業など、新たな成長事業の展開にも積極的に取り組んでまいりました。

 2022年3月期からは、“「需要創造」「利益構造改革」「経営品質向上」により「選ばれる企業」になる”という方針を経営の軸に据え、推し進めております。長期ビジョン“あじかんV30”の中では、その方針のもと『潜在ニーズを捉え、差別化された製品とサービスにより顧客に価値を提供できる需要創造型食品メーカー』として成長していくことを謳っております。

 その経営戦略は、国内事業基盤の強化、海外事業やヘルスフード事業の拡充、新規事業の開発であり、成長拡大戦略を基本としております。また、経営効率および経営品質の向上にも取り組み、より安定した収益基盤を構築してまいります。他方、近年経営を取り巻く環境は流動的で、変化の激しい状況となっているため、環境変化に強い経営基盤を構築するため、さらなる利益構造の改革にも取り組み、事業拡大と経営体質強化のバランスを志向した経営戦略を基本としております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、主な経営指標として売上高、営業利益率、総資産当期純利益率、およびEBITDAを用いております。これら各指標のさらなる向上を目指し、安定配当を継続して行うことができる企業体質の維持・向上に努めてまいります。

 2030年3月期を着地点とします長期ビジョン“あじかんV30”においては、売上高の目標を年商 600億円、営業利益率の目標を4%以上としております。

 

(4)経営環境

 為替や株価の変動は、当社の仕入原価やデリバティブなどの時価評価に大きな影響を与えます。特に近年の金融資本市場は不安定な動きとなっており、安定的な経営成績を確保することが困難になることも予想されます。また、当社主要原材料である鶏卵価格が需給バランスの影響などから高値で推移していることに加え、魚肉すり身の価格につきましても、ここ数年高止まりの傾向が続くなど厳しい経営環境が継続しております。

 他方、販売面におきましても、食品の安全・安心への関心が高まる中で、同業他社との価格競争は以前にも増して激しくなってきていることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、引き続き厳しい経営環境となることを予想しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 新型コロナウイルス感染症による消費影響が懸念されるとともに、中長期的な原材料価格の上昇や労働需給の逼迫による人件費、物流費上昇など、会社を取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続くものと思われます。

 このような状況の中、当社グループは、第12次中期経営計画において、会社を取り巻く外部環境・内部環境の変化への対応を加味しつつ、以下の重点施策を推進しております。

 また、2017年11月に竣工したつくば工場の投資回収に努めるとともに、営業キャッシュ・フローの源泉となるEBITDAの拡大と戦略的投資のバランスをとることにより、財務体質の健全化を図っていくことも重要であると認識しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては不透明な状態が続いており、当社グループでは、市場動向を勘案して経費や投資の執行判断を行うなど、マネジメントのより一層の強化を図ってまいります。

 

① 利益構造改善への取り組み

  a.営業体制の再構築による収益改善

  b.製造コスト低減

  c.全社ロジスティクス体制の再構築による物流効率改善

  d.全社的な業務改善

 

② 業務用食品事業の成長拡大

  a.既存市場でのシェア拡大と新市場の育成

  b.生産体制の強化

  c.研究開発、営業、生産の連携によるマーケティングの強化

 

③ ヘルスフード事業・海外事業の拡大および新規事業構想の立案

  a.ヘルスフード事業の売上拡大

  b.海外事業の売上拡大

  c.新規事業構想の具体化と展開

 

④ 経営品質の向上

  a.品質保証の高度化

  b.働きがいの向上とSDGsの推進

  c.IT活用とDX化の推進

  d.ガバナンス改革とリスクマネジメントの強化

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)主要原材料の市況変動について

当社グループが生産する製品は、鶏卵、干瓢、椎茸、ごぼう、魚肉すり身を主原料としており、契約購買や分散調達により安定した数量の確保と特定の調達先への集中の回避を図っております。しかし、これらの原料は、作況、自然災害や大規模事故等の産地や生産者への影響、相場の変動、漁獲量制限、調達先の経済状況などによって、調達価格や調達量に影響を受ける可能性があります。

また、調味料、食用油といった副原料や包装資材などの原材料全般にわたって、需給動向や原油価格、穀物価格、為替などにより調達価格が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)為替相場の変動による影響について

当社の取扱品には海外からの輸入品が含まれており、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、為替予約による対策を講じております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)年金債務について

当社の退職給付費用および退職給付債務は、割引率、年金資産の長期期待運用収益率などの基礎率を前提に算出しております。この前提が経済環境の変化、その他の要因により変動した場合や、年金資産の運用実績が低下した場合には、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)業界動向および競合などについて

当社の主要取引業態であります中食業態(スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど)は、消費者の嗜好の変化および多様化の影響を強く受ける分野であります。そのため当社におきましては、商品開発力ならびに調達力を強化し、当社取扱品の差別化を推し進めるとともに、品揃えの充実を図っております。しかしながら、競合による新製品の投入や販売促進活動により、当社取扱品の競争力低下や販売機会の減少などの影響を受ける可能性があります。

また、中食業界や取引先の経営状態、販売政策などの変化によって、販売機会や販売価格に影響を受ける可能性があります。

 

(5)食品の安全性について

近年、食品業界におきましては、野菜の残留農薬問題、BSE問題、鳥インフルエンザ問題、無認可添加物の使用問題、ノロウイルス、中国品の農薬混入事件、産地の偽装表示等の諸問題が発生しております。

 これらに対し、当社グループでは、製造工程に導入しております「品質保証システム(ISO9001)」や「衛生管理システム(HACCP)」を構築し対処してまいりました。

 また、起源原料まで溯って追査できるトレーサビリティの仕組みに加えて、フードディフェンス面を強化をする目的で、食品安全のための規格である「FSSC22000」を認証取得しており、品質管理については万全な体制で臨んでおりますが、今後も当社グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な食品の安全性や品質に係る問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)事業展開に伴うカントリーリスクについて

当社グループは、中国の関係会社に加え、東南アジア諸国の生産委託先にて、日本国内のみならず米国、アジア、オセアニア向けの製品を開発・生産・供給しております。また、近年は中国国内における販売事業へ注力する一方で、米国において販売拠点となる子会社を設立するなど、海外販売事業を強化してまいりました。

当社グループでは、これらの製品の供給先・販売先のカントリーリスクを事前に調査、把握して対処するよう努力しておりますが、不測の政治・経済的環境変化や法規制・税制の改正、反日デモの発生、鳥インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の発生などにより、製品の生産や調達、販売ができなくなった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(7)新型コロナウイルス感染症の影響について

新型コロナウイルス感染症の影響により低迷していた外食・仕出し・給食業態につきましては、政府や地方自治体による行動制限が緩和されたことや、影響の長期化に伴い、消費者の購買行動が以前の状態に戻り始めたことなどにより回復基調にはありますが、感染症が再拡大した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

加えて、日本国内において政府や地方自治体から指示・要請・指針などが示された場合、または世界各国で入出国禁止などの渡航制限や外出規制の措置が行われた場合には、当社グループは顧客、取引先、従業員の安全確保に努め、感染防止策の徹底、移動を伴った出張や商談の自粛、一部従業員の在宅勤務を実施するなど、今後の事業活動にも影響を与える可能性があります。

 

(8)自然災害による影響について

当社グループは、国内および中国、米国に複数の拠点を構え、生産および営業活動を行っております。これらの拠点やその周辺で大規模な地震や風水害などが発生した場合に備え、BCP(事業継続計画)を整備することにより早期に復旧できる体制を整えておりますが、自然災害を未然に防止することは困難であり、各拠点での事業活動に支障を来す可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①財政状態および経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞が継続した結果、前連結会計年度において急速に悪化した企業収益は回復の兆しを見せているものの、個人消費は依然として回復しておらず、厳しい状況で推移いたしました。加えて、世界経済におきましては、ウクライナ情勢、新型コロナウイルスの感染再拡大、米国の金利政策によって、原油先物市場や金融資本市場が非常に不安定な動きとなるなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 食品業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響長期化に伴う景気後退により、個人消費が足踏み状態となっていることに加え、原油価格の高騰や円安の進行によって仕入価格や諸経費が軒並み上昇するなど、厳しい経営環境で推移いたしました。

 このような状況の中、当社グループは『需要創造型食品メーカーへの挑戦』および『利益構造改革と経営品質の向上』をテーマとした第12次中期経営計画の初年度をスタートさせ、第一に「利益構造改善への取り組み」、第二に「業務用食品事業の成長拡大」、第三に「ヘルスフード事業・海外事業の拡大および新規事業構想の立案」、第四に「経営品質の向上」を重点施策とした取り組みを展開してまいりました。

 

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ694百万円増加し24,440百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,091百万円増加し11,847百万円となりました。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ396百万円減少し12,593百万円となりました。

 

(負債)

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ48百万円増加し10,565百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ612百万円増加し9,557百万円となりました。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ564百万円減少し1,007百万円となりました。

 

 

(純資産)

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ646百万円増加し13,874百万円となりました。

 

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.1ポイント増加し56.8%となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は、業務用食品等において仕出し・給食業態の需要が回復基調にあることに加え、特にスーパーマーケットやコンビニエンスストア業態において、繁忙期である盆・年末・節分の売上が伸張したことや、ロックダウンの影響が軽減されたことに伴い海外輸出売上が大きく回復したことなどにより、45,315百万円(前連結会計年度比6.4%増加)となり、前連結会計年度の実績を上回りました。

 一方、利益面につきましては、売上高拡大に加え、徹底的な諸経費抑制による増益要因はありましたが、当社主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの影響から大幅に上昇したほか、円安の影響により外貨建て輸入品などの仕入原価が上昇したことや、原油価格高騰に伴い諸経費が増加したこともあり、営業利益は560百万円(前連結会計年度比11.3%減少)にとどまりました。経常利益は、デリバティブの時価評価益や持分法による投資利益の計上などにより921百万円(前連結会計年度比10.2%増加)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益や投資有価証券評価損の計上などにより635百万円(前連結会計年度比5.8%増加)となりました。

 

 報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

(業務用食品等)

 販売面につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響が継続する厳しい経営環境の中、スーパーマーケットを中心とした中食業態や、回転ずしチェーンを中心とした外食業態への可能な限りの提案・販売促進活動を展開してまいりました。前連結会計年度に大幅に減少していた仕出し・給食業態の需要も回復基調にあることに加え、特にスーパーマーケットやコンビニエンスストア業態において、繁忙期である盆・年末・節分の売上が伸張したことなどにより、国内の売上高は前連結会計年度の実績を上回る結果となりました。他方、海外輸出売上につきましても、ロックダウンの影響が軽減されたことに伴い、大きく回復いたしました。

 生産面につきましては、省エネ活動や、生産技術力の向上による歩留まり率の改善などの原価低減活動を行ったものの、当社の主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの発生によって大きく上昇したことに加え、円安の影響により外貨建て輸入品などの仕入原価が上昇したほか、原油価格高騰に伴う諸経費の増加などにより、製造原価率は前連結会計年度に比べ大幅に上昇いたしました。

 販売費につきましては、売上高の増加に伴い変動費が増加したものの、経費執行の抑制などにより、前連結会計年度に比べ大幅に減少いたしました。

 なお、エリア別につきましては、中国・四国エリアにおきましては10,760百万円(前連結会計年度比10.4%増加)、九州エリアにおきましては6,809百万円(前連結会計年度比5.6%増加)、近畿・中部エリアにおきましては10,350百万円(前連結会計年度比4.6%増加)、関東・東北エリアにおきましては11,239百万円(前連結会計年度比6.1%増加)、海外・輸出他の売上高につきましては1,677百万円(前連結会計年度比76.5%増加)となりました。

 以上の結果、外部顧客への売上高は40,837百万円(前連結会計年度比8.5%増加)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は1,493百万円(前連結会計年度比10.4%減少)にとどまりました。

 なお、北米での販路拡大に向け、2021年7月6日付でアメリカ合衆国ロサンゼルスに販売拠点となる連結子会社

AHJIKAN FOODS,INC.を設立しております。

 

(ヘルスフード)

 通信販売は、東京オリンピック・パラリンピック期間中のテレビCM抑制により、新規顧客の獲得が減少したことや、収益認識に関する会計基準等の適用もあり、売上高は前連結会計年度を下回る結果となりました。一方、ドラッグストアなどでの市販品につきましては、新規開拓やインストアプロモーションの強化を行った結果、機能性表示食品のごぼう茶の売れ行きは好調に推移いたしました。しかしながら、コロナ禍の影響などにより、前連結会計年度に大きく伸張した健康茶市場が一服したこともあり、売上高は前連結会計年度の実績を下回る結果となりました。

 販売費につきましては、Web会議・Web商談の積極的な活用による出張旅費の抑制や、広告宣伝費をはじめとした諸経費の低減に努めてまいりました。

 以上の結果、外部顧客への売上高は3,926百万円(前連結会計年度比10.5%減少)にとどまりましたが、セグメント利益(営業利益)は689百万円(前連結会計年度比12.3%増加)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11百万円減少し1,751百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は442百万円(前連結会計年度比77.9%減少)となりました。これは、売上債権・棚卸資産・仕入債務を合計した運転資金面での資金流出880百万円や、法人税等の支払355百万円などもありましたが、減価償却費1,058百万円や、税金等調整前当期純利益の計上954百万円などが主な内容となっております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は438百万円(前連結会計年度比83.4%増加)となりました。これは、販売管理システムの再構築、生産設備の増強投資・メンテナンス投資などが主な内容となっております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、不透明な状態が続いていることから、当連結会計年度におきましては投資を抑制しております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は78百万円(前連結会計年度比95.6%減少)となりました。これは、短期・長期借入金の借入による収入191百万円(純額)や、配当金の支払額112百万円、リース債務の返済による支出123百万円などが主な内容となっております。

 なお、借入金の期末残高は、前連結会計年度末より191百万円増加し5,171百万円となっております。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度のセグメントの生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前連結会計年度比(%)

業務用食品等(千円)

18,980,374

109.9

玉子焼類(千円)

12,444,960

114.0

味付かんぴょう・しいたけ類(千円)

3,324,850

106.0

蒲鉾類(千円)

1,988,740

97.5

その他(千円)

1,221,822

104.5

ヘルスフード(千円)

3,945,159

84.6

ごぼう茶関連製品(千円)

3,945,159

84.6

合計(千円)

22,925,533

104.5

 (注)金額は、販売価格で表示しております。

 

b.製品仕入実績

 当連結会計年度のセグメントの仕入実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前連結会計年度比(%)

業務用食品等(千円)

8,525,733

109.7

玉子焼類(千円)

1,062,543

111.2

味付かんぴょう・しいたけ類(千円)

116,989

91.4

自社企画ブランド品(千円)

6,279,598

106.7

その他(千円)

1,066,602

132.5

ヘルスフード(千円)

48,614

95.5

ごぼう茶関連製品(千円)

48,614

95.5

合計(千円)

8,574,348

109.6

 (注)金額は仕入価格で表示しております。

 

c.商品仕入実績

 当連結会計年度のセグメントの仕入実績を商品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前連結会計年度比(%)

業務用食品等(千円)

9,483,530

109.7

常温食品(千円)

2,111,982

106.3

冷凍・冷蔵食品(千円)

7,358,879

110.8

その他(千円)

12,668

95.3

ヘルスフード(千円)

25,708

175.9

その他(千円)

25,708

175.9

合計(千円)

9,509,238

109.8

 (注)金額は仕入価格で表示しております。

 

d.受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、主に見込み生産を行っており、受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

e.販売実績

 当連結会計年度のセグメントの販売実績を製商品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前連結会計年度比(%)

業務用食品等(千円)

40,837,214

108.5

玉子焼類(千円)

14,105,373

112.9

味付かんぴょう・しいたけ類(千円)

3,030,704

103.5

蒲鉾類(千円)

2,004,696

99.0

自社企画ブランド品(千円)

7,667,451

102.9

その他(千円)

2,580,553

109.5

製品計(千円)

29,388,779

107.8

常温食品(千円)

2,628,970

106.1

冷凍・冷蔵食品(千円)

8,804,672

111.7

その他(千円)

14,792

105.3

商品計(千円)

11,448,435

110.3

ヘルスフード(千円)

3,926,987

89.5

ごぼう茶関連製品(千円)

3,821,232

89.2

その他(千円)

105,754

104.0

報告セグメント計(千円)

44,764,202

106.5

その他(千円)

551,788

96.3

合計(千円)

45,315,990

106.4

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ694百万円増加し24,440百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,091百万円増加し11,847百万円となりました。主な増加要因は、受取手形及び売掛金の増加410百万円、原材料及び貯蔵品の増加327百万円、商品及び製品の増加189百万円などであります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ396百万円減少し12,593百万円となりました。これは、無形固定資産においてソフトウェアが増加したものの、減価償却の進行に伴い有形固定資産が減少したことに加え、投資その他の資産において投資有価証券やその他に含まれる保険積立金が減少したためであります。

 

(負債)

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ48百万円増加し10,565百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ612百万円増加し9,557百万円となりました。主な増減要因は、短期借入金の増加770百万円、契約負債の計上127百万円、その他に含まれる設備等支払手形の減少121百万円などであります。なお、契約負債は収益認識に関する会計基準等の適用に伴い、当連結会計年度より計上しております。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ564百万円減少し1,007百万円となりました。主な増減要因は、リース債務の増加53百万円、長期借入金の減少578百万円、長期未払金の減少33百万円などであります。

 

(純資産)

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ646百万円増加し13,874百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加635百万円、為替換算調整勘定の増加204百万円、剰余金の配当による減少114百万円、その他有価証券評価差額金の減少28百万円などであります。

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.1ポイント増加し56.8%となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は、国内販売におきましては業務用食品等において仕出し・給食業態の需要が回復基調にあることに加え、特にスーパーマーケットやコンビニエンスストア業態において繁忙期の売上が伸張したことなどにより好調に推移いたしましたが、ヘルスフードではコロナ禍の影響などにより前連結会計年度に大きく伸張したごぼう茶の売上が一服したことや、収益認識に関する会計基準等の適用もあり、通信販売・市販ともに減少いたしました。また、海外販売におきましては、ロックダウンの影響が軽減されたことに伴い、大きく伸張いたしました。以上より、売上高全体では増収(前連結会計年度比6.4%増加)となりました。

 営業利益は、売上高拡大に加え、徹底的な諸経費抑制による増益要因はありましたが、当社主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの影響から大幅に上昇したほか、円安の影響により外貨建て輸入品などの仕入原価が上昇したことや、原油価格高騰に伴い諸経費が増加したこともあり、減益(前連結会計年度比11.3%減少)となりました。

 経常利益は、デリバティブの時価評価益や、持分法による投資利益などもあり、増益(前連結会計年度比10.2%増加)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益や投資有価証券評価損の計上などにより、増益(前連結会計年度比5.8%増加)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(業務用食品等)

 業務用食品等は、新型コロナウイルス感染症の影響により対面での販売活動が制限される中、Webを活用しての商談を積極的に行ってまいりました。スーパーマーケットや仕出し、給食業態など中食市場において当社製品の品質や提案活動が評価されたことに加え、海外への輸出売上につきましてもロックダウンの影響が軽減されたこともあり、外部顧客への売上高は増収(前連結会計年度比8.5%増加)となりました。

 利益面におきましては、経費・投資の抑制を行ってまいりましたが、当社の主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの発生によって大きく上昇したことに加え、円安の影響により外貨建て輸入品などの仕入原価が上昇したほか、原油価格高騰に伴う諸経費の増加などにより、増収による効果を吸収するには至らず、セグメント利益(営業利益)は減益(前連結会計年度比10.4%減少)となりました。今後におきましては、新たな営業体制のもと開発部門との連携を強化し、需要創造型の営業・開発を推進してまいります。加えて、2019年4月に子会社化した株式会社井口産交とのシナジー効果を発揮していくなど、利益構造の改善を目指してまいります。

 

(ヘルスフード)

 ヘルスフードは、通信販売は、東京オリンピック・パラリンピック期間中のテレビCM抑制により、新規顧客の獲得が減少したことや、収益認識に関する会計基準等の適用もあり、売上高は前連結会計年度を下回る結果となりました。一方、ドラッグストアなどでの市販品につきましては、新規開拓やインストアプロモーションの強化を行った結果、機能性表示食品のごぼう茶の売れ行きは好調に推移いたしました。しかしながら、コロナ禍の影響などにより、前連結会計年度に大きく伸張した健康茶市場が一服したこともあり、売上高は前連結会計年度の実績を下回る結果となりました。これらの結果、外部顧客への売上高は減収(前連結会計年度比10.5%減少)となりました。

 利益面におきましては、減収に伴う変動費の減少に加え、Web会議・Web商談の積極的な活用による出張旅費の抑制や、広告宣伝費をはじめとした諸経費の低減に努めた結果、セグメント利益は増益(前連結会計年度比12.3%増加)となりました。今後におきましては、環境変化に適した新製品開発を進めるとともに、焙煎ごぼう茶のさらなる販路拡大に向け、新市場開拓を進める予定であります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報

 当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得したキャッシュ・フローと投資活動により支出したキャッシュ・フローの合計として定義しております。当社は、フリーキャッシュ・フローを借入金などの負債の返済に充当可能な資金であるとともに、戦略的投資など、事業拡大に充当可能な資金として有用な指標と考えております。前連結会計年度と当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは、次のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

キャッシュ・フロー増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,002百万円

442百万円

△1,559百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△238

△438

△199

フリーキャッシュ・フロー

1,763

4

△1,759

 

 営業活動により獲得したキャッシュ・フローが前連結会計年度より1,559百万円減少し、投資活動に使用したキャッシュ・フローが前連結会計年度に比べ199百万円増加した結果、フリーキャッシュ・フローは前連結会計年度より1,759百万円減少いたしました。また、当連結会計年度に財務活動に使用したキャッシュ・フローのうち、短期・長期借入金の借入額は191百万円(純額)となっており、負債は増加しましたが、経営資源となる資金を確保しております。

 また、現金及び現金同等物につきましては、厳密な目標水準は定めていませんが、事業展開に伴う資金需要への対応、および有利子負債の返済に対して必要十分な額を保有しているものと考えます。

 当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、持続的な成長拡大のための積極的投資と株主への安定的な利益還元に必要な資金の確保、並びに財務基盤の安定化を目的とし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。

 当連結会計年度末時点において、株主資本の増加を必要とする資本的支出の予定はなく、運転資金および設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達していく方針です。

 

③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や最も合理的と判断される前提に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」を参照ください。

 

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 近年、食品業界におきましては、顧客のニーズが多様化しており、安全・安心かつ高品質な製品であることに加え、健康志向も高まっております。その一方で、食品ロス削減をはじめとしたSDGsへの取り組み推進など、幅広く、きめ細やかな対応が求められております。

 このような状況の中、当社開発本部では、安全性・嗜好性を追求しつつ、当社独自技術を用いた付加価値の高い製品の開発を志向しております。他方、ごぼうを中心とした食材の新たな機能性の探索や、加工工程で発生する野菜原料の未利用部分の活用法創出などの研究にも注力しております。

 

 当連結会計年度におきましては、当社の重点施策であります「利益構造改善への取り組み」「業務用食品事業の成長拡大」「ヘルスフード事業・海外事業の拡大および新規事業構想の立案」「経営品質の向上」への取り組みとして、以下の6点に重点を置き、研究開発活動を実施してまいりました。

 

 ① ごぼうの基礎研究および製品開発

 ② 高品質な玉子焼の開発

 ③ 安心安全の維持に繋がる新技術開発

 ④ 業務用食品事業および海外事業の成長拡大に寄与する新製品開発

 ⑤ 新市場・新業態に適合した製品の開発

 ⑥ SDGsへの取り組み

 

 なお、研究開発費につきましては、各セグメントに配分できない基礎研究費用73百万円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は347百万円となりました。

 

(1)業務用食品等

 プロパー製品におきましては、ごぼうを使用した「しゃきしゃき牛蒡の甘酢あん」、「彩り野菜の具だくあん(和風)」、「味付ごぼう(皮付き)ロング」に加え、「イタリア産グリル野菜のカポナータ」、「大豆ミートで作った四川風麻婆豆腐」などを製品化しました。また、簡単に丼メニューが調理可能なキット品として「ふんわりたまごのオムライスキット」や「肉増し!とろーり玉子の親子丼キット」などを製品化し、シリーズの品揃え強化も行いました。これらの結果、30アイテムを開発し、市場へ投入しております。

 一方、顧客限定製品におきましては、新型コロナウイルスの感染リスク抑制のため、Web商談を積極的に活用し、効率的かつ確実な顧客要望の把握を行い、開発精度の向上と納期の短縮に注力してまいりました。その結果、87アイテムを開発し、市場へ投入しております。

 

 これらの活動の結果、業務用食品等に係る研究開発費は233百万円となりました。

 

(2)ヘルスフード

 ヘルスフード市場におきましては、味や香りなど食品としての基本的な品質だけでなく、健康に良いとされる機能性も備えた付加価値の高い製品が求められております。当社では、特にごぼうの機能性に着目し、基礎研究および開発を行っております。当連結会計年度は6アイテムを開発し、うち2アイテムは機能性表示食品として市場へ投入しております。

 通信販売向け製品におきましては、当社初のサプリメント製品であり、記憶力や判断力への働きが期待できる機能性表示食品の「ごぼう茶プリ イチョウ葉プラス」、味にも栄養にもこだわった「栄養とろけるごぼうスープ」を発売いたしました。

 他方、ドラッグストアなどの市販向け製品におきましては、便通改善が期待できる機能性表示食品の「焙煎ごぼう茶 ルイボスブレンド」、はと麦やどくだみを配合した「焙煎ごぼう茶 美活サポートブレンド」を発売し、ごぼう茶シリーズの品揃えを強化いたしました。また、国産大麦若葉や国産ごぼうに南雲吉則博士推奨の栄養成分をプラスした「Dr.ナグモの青汁」を製品化しており、2022年4月より販売を開始しております。

 

 これらの活動の結果、ヘルスフードに係る研究開発費は41百万円となりました。