第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は、引き続き企業理念「食の安全・安心」を第一として、持続的成長と収益力の強化を着実に目指してまいります。

当事業年度におけるわが国経済は、企業部門の堅調、個人消費の持ち直しなどにより、全体としては緩やかな回復基調が見られました。

食料品・外食業界におきましては、賃金の伸び悩みなどによる節約志向が根強い市場環境の下で、販売競争が激化するとともに、人手不足を背景とした人件費や物流コスト上昇などにより収益が圧迫される厳しい経営環境が依然として続いております。

このような経営環境の中で、当社は経営理念としている「食と食の文化を通じてお客様に満足と幸せを提供する」ことを一貫して追い求め、「食の安全・安心」を第一に掲げて、「“おいしい”で世界をつなぐ」をミッションに、業績の向上と財務体質の改善を図り、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。

重点課題として以下の6つを掲げ、「スピード感」と「実行力」を以て取組んでまいります。

① 「食の安全・安心」を最優先にした品質管理体制機能の充実

② 新たな市場開拓を目的とした海外事業推進体制の構築

③ 食料品事業部において、工場生産性の向上と「デルソーレ」ブランドの浸透

④ 外食事業部において、既存店の収益力強化とフランチャイズ事業の拡大

⑤ 内部統制およびコンプライアンス体制の充実による経営の健全性の確保

⑥ ERPシステム導入を通じ、より強固な管理体制構築と経営の効率化

 

 

2 【事業等のリスク】

当社の経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

① 原材料価格が損益に与える影響について

 ピザの主原料であるナチュラルチーズは輸入品に依存しており、世界的な需給ギャップの発生や海外生産地における旱魃などの気候変動によって、大幅に価格が乱高下することがあります。また、当社製品の原材料の大きな部分を占める小麦粉の価格も平成19年より相場連動型となり、国際的な相場の影響を受けるようになりました。当社では、購入契約の方法・時期等を十分検討することにより、原価を安定させるよう努力しておりますが、その価格動向が年間損益に大きな影響を与えることがあります。

② 為替リスクについて

 当社が海外から輸入する商品の一部については、外貨建ての契約となっております。為替予約の締結も行っておりますが、為替の変動に伴って当社損益に影響を及ぼす可能性があります。

③ 敷金及び差入保証金について

 当社は、外食事業を展開するにあたり、店舗オーナーと賃貸借契約を結び敷金や保証金の差入を行なっております。当事業年度末の「敷金及び保証金」残高は650百万円であります。信用度の調査には十分に配慮しておりますが、店舗オーナーの経営状況等により敷金や保証金の回収不能が発生した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

④ 食の安全・品質管理

 当社は「食の安全・安心」を経営理念に掲げて、品質管理、衛生管理を徹底し万全の体制で臨んでおります。当社では、食品の安全性、品質管理及び表示不良商品等に関して重大な事故及び訴訟等は発生しておりませんが、今後異物混入及び品質・表示不良品の流通、食中毒等の衛生問題が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 外食事業の出店について

 当社の外食事業は、外食直営店並びに有力フランチャイズ店を軸とする多店舗展開を成長の牽引力として推進しております。当社の外食ブランドに適合する立地条件など、一定の社内基準に基づいて首都圏、特に東京都内での出店を拡大する計画でありますが、賃料など適合物件を確保できないことなどにより、計画どおりの出店ができない場合には、当社の成長に影響を与える可能性があります。

⑥ 個人情報の保護について

 当社では、宅配グループの受注業務をコールセンターにて実施しており、多くのお客様情報を管理しております。従来から、お客様、従業員並びに株主の皆様に関する情報につきましては、適正に管理し、情報の漏洩防止に努めておりますが、万一、情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、損害賠償の支払い等により、業績に影響を与える可能性があります。

⑦ 自然災害

 当社は、生産拠点として国内に工場を有しておりますが、地震や台風等の自然災害が発生して重大な被害を受けた場合に備えて、緊急危機管理体制の整備や損害保険の活用により財務インパクトを最小限に抑える対応を行っております。しかし、複数の工場が重大な被害を受けるなど、当社の想定範囲を超えた自然災害の場合には、一般的に業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 法規制について

 当社の事業においては、食品衛生法、不当景品類及び不当表示防止法、環境・リサイクル関連法等、様々な法的規制を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな規制遵守に係る費用が増加すること等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑨カントリーリスクについて

 当社の海外進出形態は現地優良パートナーとの合弁事業を主体としています。これにより、国内規制等の動きをいち早く察知し、現地法制リスクをはじめとするカントリーリスクを最小限に抑えることが、可能と考えていますが、これらの国の政治、経済、社会情勢に起因して生じる予期せぬ事態が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩固定資産に関する減損リスク

 当社が保有する固定資産については、現時点において必要な減損等の処理を実施しておりますが、今後市況の悪化、需要の減退等に伴い保有固定資産の経済価値が低下した場合には必要な減損処理を実施することになり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況

 の概要は次のとおりであります。

 ① 経営成績の状況

当事業年度の売上高は16,893百万円前期比2.8%増)、営業利益は658百万円前期比31.2%減)、経常利益は660百万円前期比30.1%減)、当期純利益は254百万円前期比31.6%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 食料品事業

食料品事業におきましては、『デルソーレ小麦ごはん』という提案型商品戦略を継続して展開し、店頭キャンペーンやSNSを活用したマーケティング活動の強化によって、ブランド認知度をより一層高めるプロモーション施策に取り組んでまいりました。具体的には、ご購入者様への懸賞企画やオシャレなカフェ風レシピのインスタ投稿を促すユーザー参加型キャンペーン、加えて有名料理学校とのコラボといった様々なチャネルを活用して、当社の主力商品である「手のばしナン」のプレゼンスを高め、市場の拡大を目指してまいりました。その結果、日経POSデータ生地カテゴリー別売れ筋ランキングでは、当社「手のばしナン」が9年連続で第1位を獲得することができました。さらに、業務用分野では、収益を生む定番商品のバリエーションを取り揃えること等によってマーチャンダイズ戦略を充実させるとともに、新規に冷凍バゲットや新商品を投入し、着実に売上および利益を確保してまいりました。 

また、生産部門におきましては、千葉工場へのマルチタイプの大型新ライン導入等によって、生産革新へ挑戦するとともに、高品質で安定した生産体制を維持してまいりました。

当事業年度では、売上高は12,099百万円(前期比4.8%増)、セグメント利益は1,015百万円(前期比25.5%減)となりました。

 

 外食事業

外食事業におきましては、天候不順による原材料価格の高騰に加え、消費嗜好の多様化による業態を超えた顧客の獲得競争も激しさを増すなど、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような環境の下で、「一番どり」「燦鶏」「をどり」といった居酒屋部門では、モバイルユーザーをターゲットにしたWEB集客やお客様のニーズにお応えする人気メニュー開発と店舗オペレーションの磨き込みに取り組んでまいりました。さらに、「おめで鯛焼き本舗」フランチャイズ・システムの活性化を本格始動させ、全国展開に向けた新規加盟オーナー募集活動の一つとして、日経フランチャイズ・ショーにも初出展し、多くのご来場者に当社ブランドの魅力をお伝えすることができました。

また、新規出店では、10月に千葉県船橋市で「京鳥 パルコ津田沼店」を、11月に東京都墨田区で「おめで鯛焼き本舗 マルイ錦糸町店」を直営で出店するとともに、フランチャイズ店では「おめで鯛焼き本舗」4店舗を出店いたしました。一方、マーケットの変化や収益性を慎重に検討のうえ、鯛焼き・総菜部門では5店舗を閉店し、宅配部門では1店舗をフランチャイズオーナーへ譲渡することで、高収益店舗に人材等経営資源を集中させることといたしました。

当事業年度の売上高は4,808百万円(前期比1.8%減)、セグメント利益は199百万円(前期比40.6%増)となりました。

 

 事業開発事業

事業開発事業におきましては、インドネシアの大手総合食品メーカーであるPT INDOFOOD CBP SUKSES MAKMUR TBK と設立した合弁会社も4年が経過いたしました。「POPOLAMAMA」ブランドで運営するレストランとして、ジャカルタ市東部に新設されたAEON JAKARTA GARDEN CITYの施設内に10月に6号店をオープンしました。「POPOLAMAMA」は、日本発の生パスタ、ナポリ風ピザを看板とするカジュアルなイタリアンレストランとしてファミリーを含めた幅広い層からご好評を頂いており、ジャカルタでの認知も高まっております。日本食への関心を踏まえて「和」のテイストを加えたドリアや鶏唐揚げのほか、焼肉などの新たなメニューを加えることによって、さらにお客様の満足度を高めることができました。

なお、合弁先との連携強化を図るべく、新たな事業展開の可能性を検討しており、今後インドネシアでのさらなる事業拡大を目指してまいります。

当事業年度では、将来への先行投資に伴う諸経費の計上などにより、セグメント損失は43百万円(前期はセグメント損失124百万円)となりました。

 

 ② 財政状態の状況

  (資産の部)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末と比べ1,087百万円増加し、10,665百万円となりました。これは主に、食料品事業において建物や機械及び装置等の有形固定資産が増加したことによるものです。

(負債の部)

当事業年度末における負債は、前事業年度末と比べ922百万円増加し、6,189百万円となりました。これは主に、長期借入金が増加したことによるものです。

(純資産の部)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比べ165百万円増加し、4,475百万円となりました。これは主に、当期純利益の計上による利益剰余金の増加によるものです。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は779百万円と前年同期と比べ840百万円(△51.9%)の減少となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前事業年度と比べ748百万円減少し、131百万円となりました。
 これは主に、売上債権の増加や税引前当期純利益の減少があったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、前事業年度と比べ862百万円増加し、1,659百万円となりました。
 これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、687百万円となりました(前事業年度は179百万円の支出)。
 これは主に、借入による収入によるものです。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
 当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 

 

  ④ 生産、受注及び販売の実績

   a.生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

食料品事業

7,766,703

6.5

 

(注)1 金額は、製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

    b.受注実績

食料品事業ではピザの一部について受注生産を行っておりますが、受注から納品までの期間が極めて短期で受注残高としては僅少であり、受注実績と販売実績がほぼ同額となりますので、受注状況の記載は省略しております。

 

  c.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

食料品事業

12,085,169

4.8

外食事業

4,808,297

△1.8

事業開発事業

合計

16,893,466

2.8

 

(注)1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、株式会社日本アクセスの販売実績は、前事業年度の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社日本アクセス

1,710,309

10.1

 

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  a.経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は16,893百万円(前期比2.8%増)となり、前事業年度に比べて467百万円増加 いたしました。セグメント別の売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

(売上総利益)

当事業年度における売上総利益は6,684百万円(前期比3.9%減)となりました。売上総利益率は前事業年度比2.8ポイント減少し、39.6%となりました。これは主に、食料品事業における原材料やエネルギー等のコスト上昇に伴う原価増によるものです。

(営業利益)

当事業年度における営業利益は658百万円(前期比31.2%減)となりました。営業利益率は前事業年度比1.9ポイント減少し、3.9%となりました。これは主に、売上総利益の減少によるものです。 

 

   b.キャッシュ・フローの分析

   キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」

  に記載しております。 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

5 【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。