第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、常にコーヒーのおいしさを創造し、人びとのこころを満たし続けることを使命として、「品質第一主義」の経営理念に基づき、世界に通用するレギュラーコーヒーのリーディングカンパニーであり続けることを目指しております。この理念の下、当面の中期的な経営の基本方針を「お客様、株主、社員の満足度向上と社会との共生」におき、生活者の視点に立った魅力ある商品作り、CSR経営の展開による「企業プレゼンスの充実」に努めてまいります。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、収益力を示す指標として売上高経常利益率を重視しております。そのためにイノベーションを伴った高付加価値商品の開発と市場創出を行い、差別化戦略を推進してまいります。また、確固とした収益構造を構築するため、社員一人ひとりのマンパワーの強化を行い、生産効率の改善やコストの削減を追求してまいります。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社は、2020年に創業100周年を迎えるにあたり、『100周年へのビジョン』として次の項目を掲げております。

   ・コーヒーに関して、信頼度No.1の会社であること

   ・コーヒーの可能性を追求し、その価値を提供できる会社であること

   ・そして、お客様から最初に選ばれるコーヒー会社であること

 その実現に向け、当社及び当社グループの連携を強化し、新たな需要の創出とその取り込みを図り顧客拡大を行い、グループ売上増を目指します。

(4) 対処すべき課題

 今後におきましては、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響、国内では緩やかな回復が見られるものの、労働需給バランスの変化に伴う人手不足の影響、生活者の消費マインドが依然として強い節約志向にあることなど、景気の先行きは引続き不透明な状況で推移するものと予想されます。

 コーヒー業界におきましては、価格競争の激化、商品・サービスの多様化及びライフサイクルの短期化、市場のボーダレス化などで企業間競争はさらに高まるものと見込んでおります。

 このような環境の下、当社の置かれているさまざまな状況とその変化をいち早く受け止め、グループ一丸となって「ブランド強化」、「収益力の強化」及び「グループガバナンスの深化」に注力し、引き続き、企業体質の強化と業績の向上に努める所存です。

 また、当社は2020年に迎える創業100周年のビジョンとして、コーヒーに関して信頼度No.1の会社であること、コーヒーの可能性を追求し、その価値を提供できる会社であること、そして、お客様に最初に選ばれるコーヒー会社であることを掲げ、その実現に向けて全社一丸となって取組んでまいります。

 

 

(5) 株式会社の支配に関する基本方針

 当社は、平成20年4月23日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)を定めており、その内容は以下の①及び②のとおりとなります。

 また、当社は、平成20年6月24日開催の当社定時株主総会において、この基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を承認いただき継続しておりますが、平成29年5月19日開催の取締役会において、当社第65期定時株主総会で株主の皆様にご承認いただけることを条件として、本プランを継続することを決定致しましたところ、平成29年6月21日開催の定時株主総会において本プランを継続することが承認されました。本プランの詳細につきましては、以下の③をご参照ください。

① 当社の財務及び事業の方針を決定する者の在り方に関する基本方針

 当社は、当社及び当社グループの企業価値(以下、単に「当社の企業価値」といいます。)、ひいては株主共同の利益を確保し、向上させていくことを究極の目的としているため、当社株式の大規模買付けや支配権の移転を伴う買収提案(以下「買収提案」といいます。)を行う者(以下「買収提案者」といいます。)のうち、その目的から見て当社の企業価値の向上や株主共同の利益の確保・向上に対し明白な侵害をもたらす者は、当社の財務及び事業の方針を決定する者としては、不適切であると考えております。

 また、買収提案が、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に寄与するものであれば、当社は、一概にこれを否定するものではないものの、当該買収提案に関して、株主の皆様に対し必要かつ十分な情報提供が行われない場合には、当該買収提案が当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するかどうかについての株主の皆様の適切な判断を妨げる結果となります。そのため、当社は、買収提案者のうち、株主の皆様に対し、必要かつ十分な情報や検討時間等を与えない者についても、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものではなく、買収提案者としては不適切であると考えております。

② 基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社の企業価値の源泉は、その創業以来長年にわたり培ってきた「キーコーヒー」そのものの存在感、ブランド力にあると考えておりますが、当社は、この企業価値の源泉であるブランド力を最大限に活かして事業の発展を図るとともに、これに恥じない社会的責任を全うすることで、より一層、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指しており、具体的には、以下の各取組みを実施しております。

(a)コーヒーへのこだわり

 当社は、海外からより品質の高いコーヒー豆を適正な価格で安定的に確保できる体制作りに注力するとともに、当社自身も、海外においてコーヒー農園を直営するなど、理想のコーヒー作りを追求するなどし、もって、キーコーヒーのブランド力の向上を図っております。

(b)生産設備の整備

 当社は、平成13年以降、全国4箇所に存在する当社工場のリノベーションに取組み、現在では、全ての工場で、高度の衛生管理機能の整った生産及び物流体制が構築されており、このような生産設備を最大限に活かし、キーコーヒーブランドの存在価値を高めて参ります。なお、この当社4工場は、グローバルな食品安全認証システムである「FSSC22000」の認証を受けております。

(c)市場の開拓

 当社は、お客様のニーズに応じたコーヒー製品を提供することや、コーヒー市場の裾野拡大に向けた取組みを行う等により、キーコーヒーブランドに対する期待と信頼に応え、キーコーヒーブランドをより確固たる存在にしていきたいと考えております。

(d)研究開発

 当社は営業活動と密接に関連した開発研究所を設置し、コーヒーの基礎研究を行うとともに、新製品の開発、新技術の発明を目指しており、これにより、キーコーヒーブランドのさらなる発展を企図しています。

 

(e)CSR活動

 当社は、例えば、生産地の社会福祉に貢献し環境にもやさしいレインフォレストアライアンス認証コーヒーを100%使用した商品を開発するなど、CSR活動を通じて、求められる社会的責任を全うし、キーコーヒーブランドのさらなる発展を目指しております。また、当社が地域社会の人々と共に発展することを目指して行ってきたインドネシア・スラウェシ島におけるトラジャ事業は、CSRという言葉が市場で耳目を集める遥か以前から取組んできたCSR活動そのものであり、当社直営のパダマラン農園は、「レインフォレストアライアンス」及び「グッドインサイド」の2つの認証を取得するという国際的にも競争力のあるコーヒー農園となっております。さらに、トラジャの生産農家の栽培技術向上に資するべくコーヒーアワードを創設するなど現地との一体化と共生を深めております。

 また、平成28年には未来に向けたコーヒー産業の発展を支援する世界的な非営利の研究機関「World Coffee Research」(本拠地:米国 テキサス州)の日本初のゴールドメンバーになり、同団体が取り組む高品質なコーヒーの安定供給、生産者の経済的かつ社会的地位の向上などを目的とした「国際品種栽培試験」活動への協力を行っております。

(f)コーポレート・ガバナンスの強化

 当社は、平成27年6月24日よりコーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため監査等委員会設置会社に移行しております。また、当社は、経営判断の意思決定スピードを速めるとともに経営と業務執行を分離することで執行責任と権限を明確にするために、執行役員制度を導入しており、月1回定例開催する取締役会や、必要に応じた臨時取締役会の開催のほかに、原則として週1回、取締役、執行役員及び経営幹部で構成する業務執行会議を開催しております。なお、4名の監査等委員である取締役のうち3名を社外から招聘するなどしております。また、会社法の改正及びコーポレートガバナンス・コードとこれに関連する東京証券取引所上場規則の改正をふまえて内部統制システムの強化を図っております。

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定がされることを防止するための取組み

(イ)当社発行株式の大規模買付行為に対する対応策(買収防衛策)による取組み

(a)本プランは、当社の特定の株主及び当該株主と一定の関係にある者の株券等保有割合・株券等所有割合の合計が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得等(以下「大規模買付行為」といいます。)を行おうとする者(以下「大規模買付行為者」といいます。)を適用対象としております。

 大規模買付行為者は、取締役会又は株主総会において、新株予約権の無償割当ての実施・不実施に係る決議がなされるまでの間、大規模買付行為を実施してはならず、また、買付意向表明書、独立委員会が提出を求める必要情報回答書・追加回答書の提出を通じて、独立委員会に対し情報を提供し、独立委員会は、必要に応じて、株主の皆様に対し、当該情報の全部又は一部を開示します。

(b)独立性の高い社外取締役等で構成され、独立委員会規則に従い運営される独立委員会は、上記の情報について、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するか否かの観点から所定の期間内に評価・検討し、独立委員会としての意見を取りまとめます。その際、独立委員会は、必要に応じて、取締役会に対し意見等の提示を求めます。その上で、独立委員会は、所定の判断基準に従って、取締役会に対し、新株予約権の無償割当ての実施若しくは不実施又は株主総会の決議を得るべき旨を勧告します。これらの意見等の内容は、必要に応じて、株主の皆様にも適時適切に開示されます。

(c)取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、所定の要件に従って新株予約権の無償割当ての実施・不実施に係る決議を行うか、又は株主総会にその実施・不実施に係る議案を付議します。なお、取締役会が新株予約権の無償割当ての実施を決議するのは、大規模買付行為が、(ⅰ)いわゆるグリーンメーラーであったり、当社の焦土化を意図している場合等で、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合、(ⅱ)強圧的二段階買付け等に当たる場合、(ⅲ)その条件が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当である場合等に該当し、かつ、新株予約権の無償割当てを実施することが相当と認められる場合です。

 

(d)取締役会又は株主総会によって、新株予約権の無償割当ての実施が決議された場合、当社は、大規模買付行為者による権利行使は認められないとの行使条件等が付された新株予約権を、当社を除くすべての株主に対して、無償割当ての方法により、その保有する当社普通株式1株につき新株予約権1個を上限として当該決議において別途定める割合で割当てます。ただし、新株予約権の無償割当てが実施された後であっても、当社独立委員会の勧告に従い、当該新株予約権の無償割当ての中止又はその無償取得を行うことがあります。

(e)本プランは、株主総会又は取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われない限り、平成29年6月21日開催の第65期定時株主総会終了後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに係る定時株主総会終結時までを有効期間とします。

(ロ)上記③(イ)の取組みに対する取締役会の判断及びその理由

(a)本プランが本基本方針に沿うものであること

 本プランにおいては、大規模買付行為者に対し、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供すること及び取締役会又は株主総会において本プランの発動・不発動に係る決議がなされた後に大規模買付行為を開始することを求め、本プランの手続きを遵守しない買収提案、必要かつ十分な情報を提供しない買収提案、さらに、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から問題のある買収提案に対して、取締役会が、新株予約権の無償割当てを実施することがあるとするものです。

 このように、本プランは、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資さない大規模買付行為に対し、対抗措置を講じるものですので、取締役会としては、本基本方針の考え方に沿うと考えております。

(b)本プランが当社株主の共同の利益を損なうものでないこと

 本プランは、大規模買付行為に際して、株主の皆様に必要かつ十分な情報と検討時間を確保することを可能にする手続きを定めたものであり、この趣旨に反する大規模買付行為者に対し、対抗措置を講じることを定めています。

 また、本プランは、株主の皆様の株主総会におけるご承認を条件に導入・継続されるだけでなく、株主の皆様の意思により有効期間中でも廃止できることとされています。

 これらの設計は、いずれも、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上を図ることを念頭に置いたものですので、当社取締役会としては、本プランが当社株主の共同の利益を損なうものでないことは明らかであると考えています。

(c)本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものでないこと

 本プランは、大規模買付行為について、必ず取締役会からの独立性が担保された独立委員会の評価・検討を経ることとされ、取締役会は、独立委員会から出される勧告を最大限尊重する必要があるとされているほか、独立委員会から対抗措置を実施すべき旨の勧告がなされた場合であっても、取締役会が、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から適切であると判断する場合には、株主総会を招集し、新株予約権の無償割当ての実施・不実施に係る議案を付議できるとされている点に特徴がありますが、独立委員会が新株予約権の無償割当ての不実施を勧告している場合にまで、取締役会に株主総会に対するかような議案の付議を認めているものではなく、当社取締役会が、当社独立委員会の勧告を無視し、株主総会を利用して新株予約権の無償割当てを実施するといった恣意的な行為ができないように設計されております。

 また、その他にも、新株予約権の無償割当てを実施するにあたっては、所定の合理的かつ詳細な客観的要件が充足される必要があること、有効期間を短期間に限定し、有効期間中であっても、株主の皆様の意思により廃止することが可能になっていることといった特徴があり、本プランの採否及び内容において、取締役会の恣意的な判断が極力排除されるように設計されております。

 そのため、取締役会としては、本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えています。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 原料調達

当社はレギュラーコーヒーの原料生豆を全量海外からの輸入により調達しておりますが、コーヒー生豆は国際相場商品であります。当社の求める品質の原料を最適な価格で調達できるよう様々な手段を講じておりますが、コーヒー生産国の政情、コーヒー産地の作柄や市況、輸送手段の状況、輸入時の検疫、また外国為替の変動等によっては、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 天候

当社グループは、レギュラーコーヒーを中心とした事業を展開しており、これらの事業における製商品の売上は天候の影響を受けやすく、天候の変動等によっては、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 自然災害

当社グループは、大規模な地震・台風等の自然災害が発生した場合、事業活動の停止、生産設備や棚卸資産等の損壊等により、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 海外事業

当社グループは、インドネシアにおける農園事業、台湾におけるレギュラーコーヒー販売事業などを行っております。事業を展開する各国における政治、経済、社会の変化など海外事業に伴うリスクに十分に対応できない場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 個人情報の管理

当社グループは、より良いサービスを提供するために顧客情報などの個人情報を保有しております。情報の取得や活用、保管にあたっては、適正かつ安全な方法にて取り扱うよう最大限の注意を払っておりますが、万一、情報の漏洩や改竄、紛失などが発生した場合、当社グループの信用低下を招き、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 安全性

当社グループは、「品質第一主義」の下、高品質の商品を安全かつ衛生的に製造し、お客様にご満足いただけるよう常に厳しい品質保証体制をとっております。万一、品質に関する事故が発生した場合には、お客様の安全を最優先に考え、速やかな情報開示と適切な対応処置をとる所存であります。しかし、その事故の規模によってはブランドイメージを著しく損ねる恐れがあり、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 減損会計

当社グループは、土地、建物や機械装置など様々な資産を所有しております。このような資産は、将来のキャッシュ・フローの状況によっては減損会計の適用を受け、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 有価証券

当社グループが保有する有価証券につきましては、時価を有するものは全て時価にて評価しているため、株式市場等における時価の変動の影響を受けており、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(1) 経営成績の状況及び分析

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀の各種政策を背景に企業収益や雇用・所得環境の改善が見られ、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国の政策動向、欧州の政治情勢、中国をはじめとするアジア新興国経済の先行きなど、海外経済の不確実性が懸念され、景気の先行きは不透明な状況が続きました。

 コーヒー業界におきましては、業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆相場は、世界最大のコーヒー生産国であるブラジルの順調な生育状況による生産量増の見通しや、消費国の潤沢な生豆在庫量などを背景に、総じて安定した動きで推移しました。

 このような状況の下、当社グループはコーヒーの持つ魅力を生活者にお届けし続けるという企業使命を果たすため、「品質第一主義」の経営理念に基づいて、「ブランド強化」、「収益力の強化」及び「グループガバナンスの深化」を3つの柱とし、新たな事業領域の開拓、生活者のニーズにお応えする新商品の開発やお取引先との絆を深める企画提案型の営業活動を継続して行いました。

 事業領域の拡大に向けては、紅茶ブランド「リプトン」を展開するユニリーバ・ジャパンと同ブランドの家庭用紅茶製品に関して、日本における販売総代理店契約を締結し、平成29年3月より販売を開始しております。

 また、海外においては、台湾でのコーヒー事業拡大を図るため、平成29年5月に台湾キーコーヒー株式会社の株式を追加取得し、持分法適用関連会社から連結子会社としました。

 業績につきましては、当社グループの当連結会計年度の売上高は、630億27百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は3億19百万円(同76.8%減)、経常利益は4億74百万円(同69.6%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は3億19百万円(同71.8%減)となりました。

 セグメントの営業概況は次のとおりであります。

(コーヒー関連事業)

 業務用市場では、営業力の強化に向けて、近畿圏でのシェアアップを図ることを目的に、大阪府北部エリアを担当する販売拠点として「大阪北営業所」を新設しました。

 営業活動としては、「トアルコ トラジャ コーヒー」や「氷温熟成珈琲」、世界各地の選りすぐりのコーヒー農園で生産されたスペシャルティコーヒーなど、差別性のある付加価値の高い商品を中心に提案活動を推進しました。お取引先への売上支援策としては、夏季に「3色彩りカレーフェア」、秋冬季に「あったかシチューフェア」を実施するとともに、新商品として低糖質ケーキ シュクランジュ「フロマージュショコラ」などを発売しました。

 また、9月には日本スペシャルティコーヒー協会主催の展示会「SCAJ 2017」において、きめ細やかでクリーミーな泡立ちの「コールドクレマ」コーヒーや、ハンドドリップの抽出プロセスを可視化し、スタッフの教育・訓練を支援する「クオリティコントロールシステム」など、先進性の高いメニュー提案とツールの紹介を行いました。

 家庭用市場では、春夏新商品として、さらに味わいを向上させた「カフェインレスコーヒー」をFP(フレキシブルパック)粉とドリップ オンの2形態で発売、また、芳醇な香りとコク深い味わいのチルドリキッドコーヒー「テトラプリズマ まろやか仕立て 贅香(ぜいか)」などを発売しました。秋冬新商品としては、選りすぐりのアラビカコーヒーを100%使用したVP(真空パック)製品の新ブランド「プレミアムステージ」シリーズ4アイテムや、心地よい苦味と深いコクのある味わいのドリップ オン「ロイヤルテイスト」などを発売するとともに、ドリップ オン発売20周年を記念して、様々なプロモーション活動を実施しました。

 また、誰もが手軽においしいコーヒーをドリップすることができる抽出器具ブランド「Noi(ノイ)」を立ち上げ、機能性、デザイン性に優れたドリッパー、サーバー、ケトルを発売しました。

 ギフト商品では、中元期にトアルコ トラジャを新たに加えた「氷温熟成珈琲アイスコーヒー」ギフトなど、人気の飲料ギフトを中心に全36アイテムをラインナップ、歳暮期には2017年度iTQi(国際味覚審査機構)において優秀味覚賞を受賞した「ドリップ オン」ギフトをはじめ、リプトン紅茶とのコラボレーションギフトなど、多様な飲用シーンにあわせて全31アイテムをラインナップしました。

 カフェ開業支援の施策として取組んでおります、さまざまな立地環境に出店可能なパッケージカフェ「KEY'S CAFÉ」は14店舗出店し、導入店舗総数は54店になりました。

 業績につきましては、売上面では家庭用市場は前年を上回り、業務用市場は前年並みの実績、原料用市場は販売数量の減少により前年を下回る結果となり、全体では微増収となりました。また、利益面では当社品質基準に適合する高品質原料生豆の価格上昇や、家庭用市場での競争激化及び販売商品構成の変化による販売利益の減少に加え、物流拠点の増設と体制整備を行ったことによる物流コストの上昇などにより、前年に比べ減益となりました。

 この結果、当連結会計年度におけるコーヒー関連事業の売上高は548億37百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は9億80百万円(同50.4%減)となりました。

(飲食関連事業)

 株式会社イタリアントマトでは、販売促進として「コールドパスタフェア」、「こだわり素材の3色パスタフェア」などを実施しました。店舗出店においては、国内ではファミリー層を対象とした、豊富なスイーツとフードメニューの品揃えに加え、オーダーごとにドリップし、いれたてのコーヒーを提供する新業態店舗「蔵味珈琲 木の葉モール橋本店」、「蔵味珈琲 札幌ル・トロワ店」などを出店しました。海外ではラオスに「イタリアン・トマト ラオスビエンチャンセンターポイント店」など、国内外に7店舗を出店する一方、不採算店の閉鎖を進め、店舗数は232店(直営店56店、FC店176店)となりました。

 株式会社アマンドでは、アマンド六本木店と銀座店において、昭和40年代にアマンドで愛されていた洋食とデザートをグランドメニューとして復刻し、「アマンド昭和食堂」、「アマンド昭和パーラー」として展開しました。

 業績につきましては、株式会社イタリアントマトにおいて不採算店の整理を進めたことや、原材料価格及び人件費の上昇などが影響し、厳しい結果となりました。

 この結果、当連結会計年度における飲食関連事業の売上高は45億66百万円(前年同期比4.9%減)、営業損失は1億25百万円(前年同期は1億32百万円の営業損失)となりました。

(その他)

 ニック食品株式会社は、既存取引先からの製造受託アイテムの拡大により、生産効率の向上を図りました。通販事業を営むhonu加藤珈琲店株式会社では、受注から出荷までのリードタイムのさらなる短縮を図り、より新鮮なコーヒーのお届けの実現や、シーズン販促企画の実施などにより、リピーターと新規顧客の獲得に努めました。インドネシアにおいてコーヒー農園経営及びコーヒー生豆の集買を行うP.T.TOARCO JAYAは、インドネシア全域の異常気象による生産量の減少のため、例年より輸出量が大幅に下回る厳しい結果となりました。

 その結果、当連結会計年度におけるその他事業の売上高は、36億23百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は0百万円(同99.7%減)となりました。


(コーヒー相場:ニューヨークコーヒー先物相場)

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産及び仕入実績

当連結会計年度の生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

a. 生産実績

<コーヒー関連事業>

 

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

数量(トン)

前年同期比(%)

レギュラーコーヒー

37,094

89.6

合計

37,094

89.6

 

(注) 生産数量には外注支給を含んでおります。

 

<飲食関連事業>

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

生菓子及び焼菓子 (百万円)

791

95.9

合計 (百万円)

791

95.9

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりせん。

 

b. 仕入実績

イ.商品仕入実績

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

コーヒー関連事業

 

 

 飲料・食品等 (百万円)

13,129

110.0

飲食関連事業

 

 

 食材等 (百万円)

667

101.3

合計 (百万円)

13,797

109.6

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりせん。

 

ロ.主要原材料の入手量、使用量及び在庫量

原材料名

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

入手量

前年同期比

使用量

前年同期比

期末在庫量

前年同期比

(トン)

(%)

(トン)

(%)

(トン)

(%)

コーヒー生豆

51,324

89.1

52,464

92.9

12,066

91.4

 

(注) 数量には外注製造委託分の生豆が含まれております。

 

② 受注状況

当社グループは販売計画に基づく見込生産を行っているため、受注生産はありません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

コーヒー関連事業 (百万円)

54,837

100.2

飲食関連事業 (百万円)

4,566

95.1

その他 (百万円)

3,623

104.3

合計 (百万円)

63,027

100.1

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去致しております。

2.主な相手先別の販売実績金額及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本コカ・コーラ株式会社

14,967

23.8

13,780

21.9

三井物産株式会社

8,941

14.2

10,406

16.5

三菱商事株式会社

7,325

11.6

8,170

13.0

 

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産の部は前連結会計年度末に比べ40億84百万円減少し、466億23百万円となりました。負債の部は18億71百万円減少し、128億3百万円となりました。純資産の部は22億13百万円減少し、338億19百万円となりました。

これらの主な要因は次のとおりです。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は256億75百万円となり、前連結会計年度末より35億36百万円減少となりました。これは主に有価証券の償還による減少(20億円減)、自己株式の公開買付け等による現金及び預金の減少(14億30百万円減)などによるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は209億47百万円となり、前連結会計年度末より5億48百万円減少となりました。これは主に投資有価証券の減少(3億57百万円減)、減価償却が進んだことによる建物及び構築物の減少(3億52百万円減)などによるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は98億82百万円となり、前連結会計年度末より24億6百万円減少となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少(20億22百万円減)などによるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は29億20百万円となり、前連結会計年度末より5億35百万円増加となりました。これは主に長期借入金の増加(2億7百万円増)などによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は338億19百万円となり、前連結会計年度末より22億13百万円減少しました。これは主に自己株式の取得による減少(16億13百万円減)、その他有価証券評価差額金の減少(2億48百万円減)などによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益5億15百万円、減価償却費12億28百万円などを計上する一方、仕入債務の減少20億44百万円、法人税等の支払い6億19百万円などがありました。この結果、10億41百万円の支出となりました。(前連結会計年度は33億63百万円の収入)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による収入40億円、有価証券の取得による支出20億円、有形固定資産の取得による支出7億26百万円などにより、14億70百万円の収入となりました。(前連結会計年度は21億86百万円の支出)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の公開買付けによる支出16億32百万円、配当金の支払い4億2百万円などにより、18億58百万円の支出となりました。(前連結会計年度は2億70百万円の支出) 

以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は52億78百万円となり、前連結会計年度末より14億30百万円の減少となりました。

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの主要な運転資金需要は、原材料費、労務費、商品仕入、販売費及び一般管理費等であり、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修、店舗出店等に係る投資資金であります。

また今後、当社グループの新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献する新規事業や業務提携等への投資の検討を行ってまいります。

これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応していきます。

当連結会計年度におきましては、有価証券の償還による収入がありましたが、仕入債務の減少や自己株式の公開買付けによる支出等により、当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物残高は前連結会計年度末に比べ14億30百万円減少し、52億78百万円となりました。

なお、キャッシュ・フローの状況の詳細については、(3)キャッシュ・フローの状況の項目をご参照願います。

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、千葉県船橋市に開発研究所を設置し、市場のニーズを取り入れた魅力ある商品づくりを行うとの考え方にもとづき、生活者の視点から商品アイテムの見直し、改廃を行いながら研究開発に取り組んでおります。

研究開発を行っている項目は次のとおりです。

(1) コーヒーの基礎研究

(2) コーヒー及びその他の食品、飲料類の新製品、新技術の開発

(3) 当社グループ製品及び取扱商品の品質向上策の立案研究並びに品質保証のための活動

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は2億59百万円であり、主要な支出はコーヒー関連事業であります。