なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(平成29年4月1日から平成29年12月31日までの9ヶ月間)におけるわが国経済は、政府や日銀の各種政策を背景に企業収益や雇用・所得環境の改善が見られ、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国の政策動向、欧州の政治情勢、中国をはじめとするアジア新興国経済の先行きや地政学的リスクの高まりなどの影響が懸念され、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
コーヒー業界におきましては、業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆相場は、世界最大のコーヒー生産国であるブラジルの順調な生育状況による供給量増の見通しや、消費国の潤沢な生豆在庫量などを背景に、総じて安定した動きで推移しました。
このような状況の下、当社グループはコーヒーの持つ魅力を生活者にお届けし続けるという企業使命を果たすため、「品質第一主義」の経営理念に基づいて、「ブランド強化」、「収益力の強化」及び「グループガバナンスの深化」を3つの柱とし、新たな事業領域の開拓、生活者のニーズにお応えする新商品の開発やお取引先との絆を深める企画提案型の営業活動を継続して行いました。
事業領域の拡大に向けては、紅茶ブランド「リプトン」を展開するユニリーバ・ジャパンと同ブランドの家庭用紅茶製品に関して、日本における販売総代理店契約を締結し、平成29年3月より販売を開始しております。
業績につきましては、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、486億89百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益は7億70百万円(同56.9%減)、経常利益は9億75百万円(同50.7%減)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億24百万円(同57.7%減)となりました。
セグメントの営業概況は次のとおりであります。
(コーヒー関連事業)
業務用市場では、営業力の強化に向けて、近畿圏でのシェアアップを図ることを目的に、大阪府北部エリアを担当する販売拠点として「大阪北営業所」を新設しました。
営業活動としては、「トアルコ トラジャ コーヒー」や「氷温熟成珈琲」、世界各地の選りすぐりのコーヒー農園で生産されたスペシャルティコーヒーなど、差別性のある付加価値の高い商品を中心に提案活動を推進しました。お取引先への売上支援策としては、夏季に「3色彩りカレーフェア」、秋冬季に「あったかシチューフェア」を実施するとともに、新商品として低糖質ケーキ シュクランジュ「フロマージュショコラ」などを発売しました。
9月には日本スペシャルティコーヒー協会主催の展示会「SCAJ 2017」において、きめ細やかでクリーミーな泡立ちの「コールドクレマ」コーヒーや、ハンドドリップの抽出プロセスを可視化し、スタッフの教育・訓練を支援する「クオリティコントロールシステム」など、先進性の高いメニュー提案とツールの紹介を行いました。
家庭用市場では、春夏新商品として、さらに味わいを向上させた「カフェインレスコーヒー」をFP(フレキシブルパック)粉とドリップ オンの2形態で発売、また、芳醇な香りとコク深い味わいのチルドリキッドコーヒー「テトラプリズマ まろやか仕立て 贅香(ぜいか)」などを発売しました。秋冬新商品としては、選りすぐりのアラビカコーヒーを100%使用したVP(真空パック)製品の新ブランド「プレミアムステージ」シリーズ4アイテムや、心地よい苦味と深いコクのある味わいのドリップ オン「ロイヤルテイスト」などを発売するとともに、ドリップ オン発売20周年を記念して、様々なプロモーション活動を実施しました。
また、誰もが手軽においしいコーヒーをドリップすることができる抽出器具ブランド「Noi(ノイ)」を立ち上げ、機能性、デザイン性に優れたドリッパー、サーバー、ケトルを発売しました。
ギフト商品では、中元期にトアルコ トラジャが新たに加わった「氷温熟成珈琲アイスコーヒー」ギフトなど、人気の飲料ギフトを中心に全36アイテムをラインナップ、歳暮期には2017年度iTQi(国際味覚審査機構)において優秀味覚賞を受賞した「ドリップ オン」ギフトをはじめ、リプトン紅茶とのコラボレーションギフトなど、多様な飲用シーンにあわせて全31アイテムをラインナップしました。
カフェ開業支援の施策として取組んでおります、さまざまな立地環境に出店可能なパッケージカフェ「KEY'S CAFÉ」は10店舗出店し、導入店舗総数は53店になりました。
業績につきましては、売上面では家庭用市場で前年を上回り、業務用市場は前年並みの実績、原料用市場は販売数量の減少により前年を下回る結果となり、全体では微増収となりました。また、利益面では販売利益の減少や物流コストの上昇などにより、前年に比べ減益となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間におけるコーヒー関連事業の売上高は424億73百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は11億7百万円(同48.1%減)となりました。
(飲食関連事業)
株式会社イタリアントマトでは、販売促進として春季に「ストロベリーフェア」、夏季にフローズンドリンク「グラニータ」や「冷製パスタ」の限定メニュー、秋季には旬な食材を使用したパスタ、ケーキなどを取り揃えた「ごちそう日和フェアー」を実施しました。店舗出店においては、国内で富山県に「カフェジュニア 富山アピア店」、福岡県と北海道にはファミリー層をターゲットとした、豊富なスイーツ、フードメニューの品揃えに加え、オーダーごとに豆を挽きドリップするいれたてのコーヒーを提供する新業態店舗「蔵味珈琲 木の葉モール橋本店」、「蔵味珈琲 札幌ル・トロワ店」を出店しました。海外ではラオスに「イタリアン・トマト ラオスビエンチャンセンターポイント店」など、国内外に6店舗を出店する一方、不採算店の閉鎖を進め、店舗数は236店(直営店55店、FC店181店)となりました。
株式会社アマンドでは、アマンド六本木店と銀座店において、昭和40年代にアマンドで愛されていたハンバーグライスなどの洋食や、フルーツポンチなどのデザートをグランドメニューとして復刻し、「アマンド昭和食堂」、「アマンド昭和パーラー」として展開しました。
業績につきましては、売上面では株式会社イタリアントマトにおいて不採算店の整理を進めたことなどにより前年を下回りましたが、利益面では付加価値の高いメニューの投入や販管費の効率的な運用などにより改善を図っております。
この結果、当第3四半期連結累計期間における飲食関連事業の売上高は34億42百万円(前年同期比3.9%減)、営業損失は40百万円(前年同期は88百万円の営業損失)となりました。
(その他)
その他事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は27億74百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は86百万円(同68.9%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資 産)
総資産は前連結会計年度末に比べて1億17百万円減少し、505億90百万円となりました。
流動資産は99百万円増加し、293億11百万円となりました。これは商品及び製品の増加(1億36百万円増)などによるものであります。
固定資産は2億17百万円減少し、212億78百万円となりました。有形固定資産は償却が進んだことにより1億56百万円減少しました。無形固定資産は50百万円減少し、投資その他の資産は差入保証金の減少(34百万円減)などにより10百万円減少しました。
(負 債)
負債は前連結会計年度末に比べて4億6百万円減少し、142億67百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べて8億96百万円減少し、113億93百万円となりました。これは支払手形及び買掛金の減少(5億82百万円減)、未払法人税等の減少(3億24百万円減)、賞与引当金の減少(3億42百万円減)などによるものであります。
固定負債は4億89百万円増加し、28億74百万円となりました。これは長期借入金の増加(2億42百万円増)などによるものであります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べて2億89百万円増加し、363億22百万円となりました。これは利益剰余金の増加(1億24百万円増)などによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、平成20年4月23日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)を定めており、その内容は以下の①及び②のとおりとなります。
また、当社は、平成20年6月24日開催の当社定時株主総会において、この基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を承認いただき、継続しておりますが、平成29年5月19日開催の取締役会において、当社第65期定時株主総会で株主の皆様にご承認いただけることを条件として、本プランを継続することを決定致しましたところ、平成29年6月21日開催の定時株主総会において本プランを継続することが承認されました。本プランの詳細につきましては、以下の③をご参照ください。
当社は、当社及び当社グループの企業価値(以下、単に「当社の企業価値」といいます。)、ひいては株主共同の利益を確保し、向上させていくことを究極の目的としているため、当社株式の大規模買付けや支配権の移転を伴う買収提案(以下「買収提案」といいます。)を行う者(以下「買収提案者」といいます。)のうち、その目的から見て当社の企業価値の向上や株主共同の利益の確保・向上に対し明白な侵害をもたらす者は、当社の財務及び事業の方針を決定する者としては、不適切であると考えております。
また、買収提案が、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に寄与するものであれば、当社は、一概にこれを否定するものではないものの、当該買収提案に関して、株主の皆様に対し必要かつ十分な情報提供が行われない場合には、当該買収提案が当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するかどうかについての株主の皆様の適切な判断を妨げる結果となります。そのため、当社は、買収提案者のうち、株主の皆様に対し、必要かつ十分な情報や検討時間等を与えない者についても、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものではなく、買収提案者としては不適切であると考えております。
当社の企業価値の源泉は、その創業以来長年にわたり培ってきた「キーコーヒー」そのものの存在感、ブランド力にあると考えておりますが、当社は、この企業価値の源泉であるブランド力を最大限に活かして事業の発展を図るとともに、これに恥じない社会的責任を全うすることで、より一層、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指しており、具体的には、以下の各取組みを実施しております。
当社は、海外からより品質の高いコーヒー豆を適正な価格で安定的に確保できる体制作りに注力するとともに、当社自身も、海外においてコーヒー農場を直営するなど、理想のコーヒー作りを追求するなどし、もって、キーコーヒーのブランド力の向上を図っております。
当社は、平成13年以降、全国4箇所に存在する当社工場のリノベーションに取組み、現在では、全ての工場で、高度の衛生管理機能の整った生産及び物流体制が構築されており、このような生産設備を最大限に活かし、キーコーヒーブランドの存在価値を高めて参ります。なお、この当社4工場は、グローバルな食品安全認証システムである「FSSC22000」の認証を受けております。
当社は、お客様のニーズに応じたコーヒー製品を提供することや、コーヒー市場の裾野拡大に向けた取組みを行う等により、キーコーヒーブランドに対する期待と信頼に応え、キーコーヒーブランドをより確固たる存在にしていきたいと考えております。
当社は営業活動と密接に関連した開発研究所を設置し、コーヒーの基礎研究を行うとともに、新製品の開発、新技術の発明を目指しており、これにより、キーコーヒーブランドのさらなる発展を企図しています。
当社は、例えば、生産地の社会福祉に貢献し環境にもやさしいレインフォレストアライアンス認証コーヒーを100%使用した商品を開発するなど、CSR活動を通じて、求められる社会的責任を全うし、キーコーヒーブランドのさらなる発展を目指しております。また、当社が地域社会の人々と共に発展することを目指して行ってきたインドネシア・スラウェシ島におけるトラジャ事業は、CSRという言葉が市場で耳目を集める遥か以前から取組んできたCSR活動そのものであり、当社直営のパダマラン農場は、「レインフォレストアライアンス」及び「グッドインサイド」の2つの認証を取得するという国際的にも競争力のあるコーヒー農場となっております。さらに、トラジャの生産農家の栽培技術向上に資するべくコーヒーアワードを創設するなど現地との一体化と共生を深めております。また、未来に向けたコーヒー産業の発展を支援する世界的な非営利の研究機関「World Coffee Research」(本拠地:米国 テキサス州)の日本初のゴールドメンバーとして、同団体が取り組む高品質なコーヒーの安定供給、生産者の経済的かつ社会的地位の向上などを目的とした「国際品種栽培試験」活動への協力を行っております。
当社は、平成27年6月よりコーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため監査等委員会設置会社に移行しております。また、当社は、経営判断の意思決定スピードを速めるとともに経営と業務執行を分離することで執行責任と権限を明確にするために、執行役員制度を導入しており、月1回定例開催する取締役会や、必要に応じた臨時取締役会の開催のほかに、原則として週1回、取締役、執行役員及び経営幹部で構成する業務執行会議を開催しております。なお、4名の監査等委員である取締役のうち3名を社外から招聘するなどしております。また、会社法の改正及びコーポレートガバナンス・コードとこれに関連する東京証券取引所上場規則の改正をふまえて内部統制システムの強化を図っております。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定がされることを防止するための取組み
(a) 本プランは、当社の特定の株主及び当該株主と一定の関係にある者の株券等保有割合・株券等所有割合の合計が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得等(以下「大規模買付行為」といいます。)を行おうとする者(以下「大規模買付行為者」といいます。)を適用対象としております。
(b) 独立性の高い社外取締役等で構成され、独立委員会規則に従い運営される独立委員会は、上記の情報について、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するか否かの観点から所定の期間内に評価・検討し、独立委員会としての意見を取りまとめます。その際、独立委員会は、必要に応じて、取締役会に対し意見等の提示を求めます。その上で、独立委員会は、所定の判断基準に従って、取締役会に対し、新株予約権の無償割当ての実施若しくは不実施又は株主総会の決議を得るべき旨を勧告します。これらの意見等の内容は、必要に応じて、株主の皆様にも適時適切に開示されます。
(c) 取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、所定の要件に従って新株予約権の無償割当ての実施・不実施に係る決議を行うか、又は株主総会にその実施・不実施に係る議案を付議します。なお、取締役会が新株予約権の無償割当ての実施を決議するのは、大規模買付行為が、(ⅰ)いわゆるグリーンメーラーであったり、当社の焦土化を意図している場合等で、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合、(ⅱ)強圧的二段階買付け等に当たる場合、(ⅲ)その条件が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当である場合等に該当し、かつ、新株予約権の無償割当てを実施することが相当と認められる場合です。
(d) 取締役会又は株主総会によって、新株予約権の無償割当ての実施が決議された場合、当社は、大規模買付行為者による権利行使は認められないとの行使条件等が付された新株予約権を、当社を除くすべての株主に対して、無償割当ての方法により、その保有する当社普通株式1株につき新株予約権1個を上限として当該決議において別途定める割合で割当てます。ただし、新株予約権の無償割当てが実施された後であっても、当社独立委員会の勧告に従い、当該新株予約権の無償割当ての中止又はその無償取得を行うことがあります。
(e) 本プランは、株主総会又は取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われない限り、平成29年6月21日開催の第65期定時株主総会終了後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに係る定時株主総会終結時までを有効期間とします。
(a) 本プランが本基本方針に沿うものであること
(b) 本プランが当社株主の共同の利益を損なうものでないこと
(c) 本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものでないこと
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億98百万円であり、主要な支出はコーヒー関連事業であります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループはコーヒーを生業としている企業であり、その主原料であるコーヒーの生豆は全量海外からの輸入により調達しております。コーヒー生豆は国際相場商品でありますので、相場の高騰や為替の変動により調達コストが上昇し、その上昇分を販売価格に十分に反映出来ない場合、経営成績に重要な影響を与えることになります。また、景気が低迷し個人消費が減退しますとコーヒーなどの嗜好品に対する支出の減少に繋がります。このような状況を十分に認識し、「ブランド強化」、「収益力の強化」及び「グループガバナンスの深化」を3つの柱とした経営を展開しております。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
コーヒー業界におきましては、価格競争の激化、商品・サービスの多様化及びライフサイクルの短期化、市場のボーダレス化などで企業間競争はさらに高まるものと見込んでおります。このような状況に対応するため、当社グループは、ビジネススタイルの転換、新たな商品カテゴリーの創出、新たなビジネス領域の開拓の推進を行い、これらの活動を行う中で企業価値の向上を図り、市場での存在感、影響力を高めることが重要と位置づけております。