なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(平成30年4月1日から平成30年12月31日までの9ヶ月間)におけるわが国経済は、各種政策効果による企業収益の回復や雇用・所得環境の改善などにより、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米中貿易摩擦の拡大、欧州の不安定な政治情勢、金融資本市場の変動の影響などが懸念され、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
コーヒー業界におきましては、業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆相場は、世界最大のコーヒー生産国であるブラジルの豊作による供給量増の見通しなどを背景に、総じて安定した動きで推移しましたが、一方で競合他社との顧客獲得競争の激化や、人手不足を背景とした人件費、物流費及び仕入コストの上昇など、厳しい経営環境が続いております。
このような状況の下、当社グループはコーヒーの持つ魅力を生活者にお届けし続けるという企業使命を果たすため、「品質第一主義」の経営理念に基づいて、「ブランド強化」、「収益力の強化」及び「グループガバナンスの深化」を3つの柱とし、新たな事業領域の開拓、生活者のニーズにお応えする新商品の開発やお取引先との絆を深める企画提案型の営業活動を継続して行いました。また、販売利益の増加及びコストアップの吸収に向けて、販売価格の改定や改善に取り組みました。
当社のフラッグシップブランドである「トアルコ トラジャ」コーヒーについては、発売40周年を迎え、全社一丸となってその価値の訴求と販売拡大に取り組んでおります。
業績につきましては、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、488億円(前年同期比0.2%増)、営業利益は8億48百万円(同10.1%増)、経常利益は10億14百万円(同4.1%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億93百万円(同13.3%増)となりました。
セグメントの営業概況は次のとおりであります。
(コーヒー関連事業)
商品開発においては、コーヒー生豆の香味を向上させる当社が独自に開発した世界初の精選技術「KEY Post-Harvest Processing」や、ハンドドリップ抽出技術の教育・訓練を支援するアプリ「Brewmaster」など、先進性の高い技術とツールを開発し、9月のスペシャルティコーヒーイベント「SCAJ 2018」において紹介しました。
業務用市場では、コスト上昇に対する収益改善に向けて販売価格の見直しに取組むとともに、厳選した生豆で作り上げたグルメコーヒー「クレドール」シリーズをはじめ、トアルコ トラジャや氷温熟成珈琲など差別性の高いプレミアムコーヒーの拡販活動を推進しました。また、クリーミーな泡立ちの新感覚アイスコーヒー「コールド クレマ」の導入店拡大を推進しました。お取引先での店舗集客と売上支援策を目的に、夏季に「本格欧風ビーフカレー」などを発売し、「2018 カレーフェア」を実施、秋冬季には「チキンと野菜のトマトクリームシチュー」を発売し、「あったかシチューフェア」を実施しました。また、シュクランジュシリーズの新商品として、「真っ赤なりんごのケーキ」や「宇治抹茶ティラミス」などを発売しました。
家庭用市場では、販売価格の下落に対して価格販促の抑制などを行い、販売利益の改善に取り組みました。春夏商品として、トアルコ トラジャシリーズ全般をリニューアルするとともに、発売40周年記念として「ドリップ オン トアルコ トラジャ ペランギアン」を期間限定で発売しました。また、「プレミアムステージ」ブランドをLP(ライブパック)豆製品へも展開し、「フルーティアロマ」などを発売、秋冬商品しては注目が高まりつつあるオーガニック市場に向けて「プレミアムステージ有機珈琲」をVP(粉)とLP(豆)形態で発売、また、マイボトルにコーヒーバッグとお湯を入れておくだけで、いつでもどこでも本格コーヒーが楽しめる「まいにちカフェ コーヒーバッグ」などを発売しました。
ギフト商品では、ブランド認知の拡大と新規顧客の獲得に向けて、中元期に「氷温熟成珈琲アイスコーヒー」ギフトなど、人気の飲料ギフトを中心に全38アイテムをラインアップ、歳暮期には2018年度iTQi(国際味覚審査機構)において優秀味覚賞を受賞した「ドリップ オン」ギフトをはじめ、「トアルコ トラジャ&氷温熟成」ギフトやリプトン紅茶とのコラボレーションギフトなど、多様な飲用シーンにあわせて全31アイテムをラインアップしました。
業務店市場の活性化に向けてカフェ開業支援の施策として取り組んでおります、さまざまな立地環境に出店可能なパッケージカフェ「KEY'S CAFÉ」は10店舗出店となり、導入店舗総数は62店になりました。
業績につきましては、売上面では業務用市場、家庭用市場で前年を下回り、原料用市場では販売数量の伸長により前年を上回りましたが、全体では微減収となりました。利益面では下落していた販売単価の改善が図れて販売利益率が上昇したことや、配送費や倉庫保管費などの物流コストの抑制と併せて、他の販管費の圧縮を行ったことより前年に比べ増益となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間におけるコーヒー関連事業の売上高は422億43百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益は12億27百万円(同10.9%増)となりました。
(飲食関連事業)
株式会社イタリアントマトでは、販売促進として春季に「スープパスタ」、夏季に「冷製パスタ」や「ドルチェ・グラニータ」、秋季には「濃厚クリームソースパスタ」などを販売しました。また、10月には創業40周年を記念して、期間限定ケーキ「ガトーマルジョレーヌ」を発売いたしました。店舗展開においては、4店舗を新規出店する一方、不採算店の閉鎖を進め、店舗総数は216店(直営店76店、FC店140店)となりました。
株式会社アマンドでは、アマンド六本木店において「トアルコトラジャ発売40周年フェア」を開催し、トラジャコーヒーのアレンジドリンクなどを販売しました。また、銀座店においては全面禁煙化としました。
業績につきましては、売上面では株式会社イタリアントマトにおいて、一部のFC店舗の直営化を進めたことにより、前年を上回りました。利益面では既存店舗における集客力の低下や天候不順による売上減少、また付加価値の高いメニューの投入などの効果が不十分であったことや、原材料価格及び人件費の上昇の影響により、厳しい結果となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における飲食関連事業の売上高は37億32百万円(前年同期比8.4%増)、営業損失は1億35百万円(前年同期は40百万円の営業損失)となりました。
(その他)
その他事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は28億24百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は2億21百万円(同154.7%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資 産)
総資産は前連結会計年度末に比べて28億68百万円増加し、494億63百万円となりました。
流動資産は27億91百万円増加し、283億22百万円となりました。これは現金及び預金の増加(20億2百万円増)、受取手形及び売掛金の増加(13億59百万円増)、原材料及び貯蔵品の減少(5億86百万円減)などによるものであります。
固定資産は76百万円増加し、211億40百万円となりました。有形固定資産は土地の増加(4億54百万円増)、機械装置及び運搬具の減少(1億85百万円減)などにより1億65百万円増加し、無形固定資産は99百万円増加、投資その他の資産は繰延税金資産の減少(97百万円減)、投資有価証券の減少(61百万円減)などにより1億88百万円減少しました。
(負 債)
負債は前連結会計年度末に比べて24億77百万円増加し、152億53百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べて28億64百万円増加し、127億46百万円となりました。これは支払手形及び買掛金の増加(23億91百万円増)などによるものであります。
固定負債は3億87百万円減少し、25億6百万円となりました。これは再評価に係る繰延税金負債の減少(2億47百万円減)、退職給付に係る負債の減少(1億48百万円減)などによるものであります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べて3億90百万円増加し、342億10百万円となりました。これは土地再評価差額金の増加(2億47百万円増)、利益剰余金の増加(2億6百万円増)、その他有価証券評価差額金の減少(66百万円減)などによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、平成20年4月23日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)を定めており、その内容は以下の①及び②のとおりとなります。
また、当社は、平成20年6月24日開催の当社定時株主総会において、この基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を承認いただき、継続しておりますが、平成29年5月19日開催の取締役会において、当社第65期定時株主総会で株主の皆様にご承認いただけることを条件として、本プランを継続することを決定致しましたところ、平成29年6月21日開催の定時株主総会において本プランを継続することが承認されました。本プランの詳細につきましては、以下の③をご参照ください。
当社は、当社及び当社グループの企業価値(以下、単に「当社の企業価値」といいます。)、ひいては株主共同の利益を確保し、向上させていくことを究極の目的としているため、当社株式の大規模買付けや支配権の移転を伴う買収提案(以下「買収提案」といいます。)を行う者(以下「買収提案者」といいます。)のうち、その目的から見て当社の企業価値の向上や株主共同の利益の確保・向上に対し明白な侵害をもたらす者は、当社の財務及び事業の方針を決定する者としては、不適切であると考えております。
また、買収提案が、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に寄与するものであれば、当社は、一概にこれを否定するものではないものの、当該買収提案に関して、株主の皆様に対し必要かつ十分な情報提供が行われない場合には、当該買収提案が当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するかどうかについての株主の皆様の適切な判断を妨げる結果となります。そのため、当社は、買収提案者のうち、株主の皆様に対し、必要かつ十分な情報や検討時間等を与えない者についても、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものではなく、買収提案者としては不適切であると考えております。
当社の企業価値の源泉は、その創業以来長年にわたり培ってきた「キーコーヒー」そのものの存在感、ブランド力にあると考えておりますが、当社は、この企業価値の源泉であるブランド力を最大限に活かして事業の発展を図るとともに、これに恥じない社会的責任を全うすることで、より一層、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指しており、具体的には、以下の各取組みを実施しております。
当社は、海外からより品質の高いコーヒー豆を適正な価格で安定的に確保できる体制作りに注力するとともに、当社自身も、海外においてコーヒー農場を直営するなど、理想のコーヒー作りを追求するなどし、もって、キーコーヒーのブランド力の向上を図っております。
当社は、平成13年以降、全国4箇所に存在する当社工場のリノベーションに取組み、現在では、全ての工場で、高度の衛生管理機能の整った生産及び物流体制が構築されており、このような生産設備を最大限に活かし、キーコーヒーブランドの存在価値を高めて参ります。なお、この当社4工場は、グローバルな食品安全認証システムである「FSSC22000」の認証を受けております。
当社は、お客様のニーズに応じたコーヒー製品を提供することや、コーヒー市場の裾野拡大に向けた取組みを行う等により、キーコーヒーブランドに対する期待と信頼に応え、キーコーヒーブランドをより確固たる存在にしていきたいと考えております。
当社は営業活動と密接に関連した開発研究所を設置し、コーヒーの基礎研究を行うとともに、新製品の開発、新技術の発明を目指しており、これにより、キーコーヒーブランドのさらなる発展を企図しています。
当社は、例えば、生産地の社会福祉に貢献し環境にもやさしいレインフォレストアライアンス認証コーヒーを100%使用した商品を開発するなど、CSR活動を通じて、求められる社会的責任を全うし、キーコーヒーブランドのさらなる発展を目指しております。また、当社が地域社会の人々と共に発展することを目指して行ってきたインドネシア・スラウェシ島におけるトラジャ事業は、CSRという言葉が市場で耳目を集める遥か以前から取組んできたCSR活動そのものであり、当社直営のパダマラン農園は、「レインフォレストアライアンス」及び「グッドインサイド」の2つの認証を取得するという国際的にも競争力のあるコーヒー農園となっております。さらに、トラジャの生産農家の栽培技術向上に資するべくコーヒーアワードを創設するなど現地との一体化と共生を深めております。
また、平成28年には未来に向けたコーヒー産業の発展を支援する世界的な非営利の研究機関「World Coffee Research」(本拠地:米国 テキサス州)の日本初のゴールドメンバーになり、同団体が取り組む高品質なコーヒーの安定供給、生産者の経済的かつ社会的地位の向上などを目的とした「国際品種栽培試験」活動への協力を行っております。
当社は、平成27年6月よりコーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため監査等委員会設置会社に移行しております。また、当社は、経営判断の意思決定スピードを速めるとともに経営と業務執行を分離することで執行責任と権限を明確にするために、執行役員制度を導入しており、月1回定例開催する取締役会や、必要に応じた臨時取締役会の開催のほかに、原則として週1回、取締役、執行役員及び経営幹部で構成する業務執行会議を開催しております。なお、4名の監査等委員である取締役のうち3名を社外から招聘するなどしております。また、会社法の改正及びコーポレートガバナンス・コードとこれに関連する東京証券取引所上場規則の改正をふまえて内部統制システムの強化を図っております。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定がされることを防止するための取組み
(a) 本プランは、当社の特定の株主及び当該株主と一定の関係にある者の株券等保有割合・株券等所有割合の合計が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得等(以下「大規模買付行為」といいます。)を行おうとする者(以下「大規模買付行為者」といいます。)を適用対象としております。
(b) 独立性の高い社外取締役等で構成され、独立委員会規則に従い運営される独立委員会は、上記の情報について、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するか否かの観点から所定の期間内に評価・検討し、独立委員会としての意見を取りまとめます。その際、独立委員会は、必要に応じて、取締役会に対し意見等の提示を求めます。その上で、独立委員会は、所定の判断基準に従って、取締役会に対し、新株予約権の無償割当ての実施若しくは不実施又は株主総会の決議を得るべき旨を勧告します。これらの意見等の内容は、必要に応じて、株主の皆様にも適時適切に開示されます。
(c) 取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、所定の要件に従って新株予約権の無償割当ての実施・不実施に係る決議を行うか、又は株主総会にその実施・不実施に係る議案を付議します。なお、取締役会が新株予約権の無償割当ての実施を決議するのは、大規模買付行為が、(ⅰ)いわゆるグリーンメーラーであったり、当社の焦土化を意図している場合等で、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合、(ⅱ)強圧的二段階買付け等に当たる場合、(ⅲ)その条件が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当である場合等に該当し、かつ、新株予約権の無償割当てを実施することが相当と認められる場合です。
(d) 取締役会又は株主総会によって、新株予約権の無償割当ての実施が決議された場合、当社は、大規模買付行為者による権利行使は認められないとの行使条件等が付された新株予約権を、当社を除くすべての株主に対して、無償割当ての方法により、その保有する当社普通株式1株につき新株予約権1個を上限として当該決議において別途定める割合で割当てます。ただし、新株予約権の無償割当てが実施された後であっても、当社独立委員会の勧告に従い、当該新株予約権の無償割当ての中止又はその無償取得を行うことがあります。
(e) 本プランは、株主総会又は取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われない限り、平成29年6月21日開催の第65期定時株主総会終了後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに係る定時株主総会終結時までを有効期間とします。
(a) 本プランが本基本方針に沿うものであること
(b) 本プランが当社株主の共同の利益を損なうものでないこと
(c) 本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものでないこと
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億77百万円であり、主要な支出はコーヒー関連事業であります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループはコーヒーを生業としている企業であり、その主原料であるコーヒーの生豆は全量海外からの輸入により調達しております。コーヒー生豆は国際相場商品でありますので、相場の高騰や為替の変動による調達コストの上昇、さらには人材確保難に伴う人件費や物流コストの上昇分を販売価格に十分に反映出来ない場合、経営成績に重要な影響を与えることになります。また、景気が低迷し個人消費が減退しますとコーヒーなどの嗜好品に対する支出の減少に繋がります。このような状況を十分に認識し、「ブランド強化」、「収益力の強化」及び「グループガバナンスの深化」を3つの柱とした経営を展開しております。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
コーヒー業界におきましては、価格競争の激化、商品・サービスの多様化及びライフサイクルの短期化、市場のボーダレス化などで企業間競争はさらに高まるものと見込んでおります。また、働き方改革に伴う労働生産性の向上及び物流コスト上昇などへの対応が強く求められております。このような状況のもとで、当社グループはビジネススタイルの転換、新たな商品カテゴリーの創出、ビジネス領域の開拓の推進を行い、これらの活動を行う中で企業価値の向上を図り、市場での存在感、影響力を高めることが重要と位置づけております。
(固定資産の譲渡)
当社は、平成30年12月25日開催の取締役会における決議を経て、平成30年12月27日、譲渡先との間で不動産売買契約を締結いたしました。本件の概要につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表」の追加情報をご参照ください。