第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、品質第一主義に基づき、コーヒーを栽培・加工し、安心・安全にお客様に届けるまでのバリューチェーンを担っております。「コーヒーを究めよう」、「お客様を見つめよう」、「そして、心にゆたかさをもたらすコーヒー文化を築いていこう」との企業理念を共有し、目指すべき「キーコーヒービジョン」として次の3つの項目を掲げております。

・コーヒーに関して、信頼度№1の会社であること。

・コーヒーの可能性を追求し、その価値を提供できる会社であること。

・そして、お客様から最初に選ばれるコーヒー会社であること。

 こうした企業理念、ビジョンに基づいた日々の活動により、企業価値の向上に努めてまいります。

 また、コーヒーのバリューチェーンを担う企業として、コーヒーの未来と持続可能な社会の実現に貢献するため「地球温暖化への対応」「環境負荷への対応」「持続可能な調達と商品の開発・提供」「従業員のエンゲージメント向上とダイバーシティの推進」「コーポレート・ガバナンスの強化」を重要事項として特定しサステナビリティの実現に取り組んでまいります。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、収益力を示す指標として、売上高経常利益率を重視してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症収束時期の見通しが立っておらず、先行き不透明な状況が続いていることから、収益力の回復を喫緊の課題と捉え、目標とする経営指標を前連結会計年度より営業利益額に変更いたしました。(4)対処すべき課題に記載した施策を実施し、収益力の回復・強化を最優先に取り組んでまいります。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社は、当面の経営戦略として、事業構造改革を成し遂げ、新たな生活様式に適応し、2世紀企業として飛躍するための基盤を確立することを中期目標に掲げております。

 具体的には(4)対処すべき課題に記載した施策を実施し、変革へのチャレンジ、収益力強化、グループ総合力強化に取り組んでまいります。

(4) 対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響は長期化し、ライフスタイルの変化に伴う消費ニーズや働き方の多様化、デジタルシフトなどが新たな標準として定着化しつつあります。

業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆調達価格はブラジルの生産地における降雨不足、降霜及び海上輸送網の停滞による相場の高騰に加え、円安の進行の影響を受け上昇しております。また、資源・エネルギー価格上昇に伴い資材費や物流費など様々なコストが増加している状況にあります。

このような環境下において、当社グループは変革へのチャレンジを加速し、2世紀企業として飛躍するための基盤を確立すべく、更なる事業の構造改革に取り組み、引き続き業務の標準化、在庫の適正化など、コスト低減に努めてまいります。

業務用市場におきましては、全国拠点網とお取引先へのサービス水準を維持しつつ、業務の合理化、効率化を進め、市場環境の変化を新たなビジネスチャンスに繋げられるような商品・サービスの開発、提案を通じて、業務用市場のお客様を支えていく取り組みを継続いたします。

 

家庭用市場におきましては、消費者のライフスタイルの変化に伴うニーズの多様化に応えられるような新商品の投入や、新たなカテゴリーの開発により当社プレゼンスを高めてまいります。また重点的にシェアアップを図る地域を設定し、経営資源の投入を実施してまいります。

顧客にダイレクトに商品を提供するD2Cビジネスや海外ビジネスに注力し、業務用、家庭用、原料用に続く新たな事業の柱に育てることを目指しております。

飲食関連事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続し、厳しい経営環境が続いております。新しい環境に適応した店舗開発や、テイクアウト需要への対応、新たなメニュー開発とともに、店舗オペレーションの効率化、商品製造・供給体制の見直しや徹底したコスト削減を行い、業績回復に努める所存であります。

こうした事業戦略の遂行を支えるべく、基幹系システムや生産管理システムの刷新により業務の効率化と高度化を推進します。また、多様な働き方を可能にする人事制度改革にも取り組み、人的資本の価値最大化に努めてまいります。

当社グループは、お客様に商品やサービスを提供することにとどまらず、企業として社会的責任を最大限果たすことが当社グループの存在意義であると認識して事業活動を行ってまいります。新たなメッセージとして「珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー」を制定し、これまで100年間当社とともに日本のコーヒー文化を築いてきた“喫茶店”の魅力を、まだ接点の少ない若年層や国内のみならず海外にも発信強化してまいります。

新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、引き続きお客様、お取引先、従業員の安全と健康を確保していくことを最優先とし、政府の方針に沿った感染症拡大の抑止に向けた会社方針を策定し、全従業員への周知を徹底しております。

コロナ禍により変容した社会環境の下、コーヒーに関して信頼度№1の会社であること、コーヒーの可能性を追求し、その価値を提供できる会社であること、そして、お客様に最初に選ばれるコーヒー会社であることを実現すべく、全社一丸となって取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 原材料等の価格変動

当社グループは、レギュラーコーヒーの原料生豆を全量海外からの輸入により調達しており、当社の求める品質の原料を最適な価格で調達できるよう様々な手段を講じております。しかしながら原料生豆は国際相場商品であり、コーヒー生産国の政情、コーヒー産地の気候変動や病害虫被害、作柄等による生産量の減少等の要因による相場の高騰や外国為替の変動、また資源エネルギー価格上昇に伴う資材、物流費等の様々なコストが上昇した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② サプライチェーンリスク

当社グループは、コーヒー原料生豆の他、コーヒー製造に関わる各種資材等を海外からの輸入により調達しております。このため新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる中国をはじめとする調達先各国での生産及び物流の停滞やコンテナ不足による海上輸送網の停滞等の影響に限らず、各国の政治・経済・社会情勢、自然災害、紛争等により、グローバルなサプライチェーンリスクにさらされています。当社グループはサプライチェーン全体を俯瞰的に捉え、現在、原材料の基準在庫の見直しやロジスティクスにおける製品在庫拠点の分散化等、様々な対策を講じていますが、世界的な危機事情によっては、一部原材料、資材等の手配が困難となり業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

③ 消費市場の変化

当社グループは、消費者ニーズの多様化、デジタル化等の市場環境の変化に応じた新たな商品やサービスの開発・提案に取り組んでおりますが、特に新型コロナウイルス感染症の影響長期化により定着しつつあるライフスタイルの変容や、働き方の多様化による新たなニーズに対応してまいります。しかしながら変化への対応の遅れや不適合により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 他社との競合

当社グループは、競合他社と価格やサービスを巡って競争が熾烈化しておりますが、付加価値を付与した商品やサービスの提供を通じ、適正な利益を確保するよう努めております。しかしながら競合他社との差別化、優位性の確保が難しい場合は、シェア拡大に向けた過当競争により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 新型コロナウイルス感染症の拡大

新型コロナウイルス感染症の影響については、今後も長期にわたる可能性があります。当社グループは、感染症拡大の初期段階より国、自治体の指針に沿って従業員の安全確保を最優先とし、事業活動継続のためのテレワーク勤務、時差出勤、Web会議等の推進、工場の安定稼働にむけた感染防止策の徹底を継続するとともに、罹患が疑われる場合の対応なども取り決めています。

事業活動において、外出自粛や各自治体からの要請等に基づく飲食店の営業時間の短縮などによる業務用市場の需要の低下に対し、合理的且つ効率的な組織体制を構築し適正利益を確保するよう努めております。しかしながら今後の感染拡大や緊急事態宣言再発出やそれに類する状況が続いた場合、外食産業の低迷などにより業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 海外事業

当社グループは、インドネシアにおける農園事業、台湾におけるレギュラーコーヒー販売事業などを行っております。事業を展開する各国における政治、経済、社会情勢の変化などを予見、情報収集のうえ迅速な対応と意思決定によるマネジメントを遂行するよう努めております。しかしながらカントリーリスクによって事業継続が困難となる際は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 食の安全

当社グループは、近年、消費者の食の安全性に対する関心が一層高まっております。「品質第一主義」の下、高品質の商品を安全かつ衛生的に製造し、お客様にご満足いただけるよう厳しい品質保証体制をとっておりますが、健康被害に関わる事故が発生した場合には、その事故の規模によってはブランドイメージを著しく損ねる恐れがあり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 天候

当社グループは、レギュラーコーヒーを中心とした事業を展開しており、これらの事業における製商品の売上は天候の影響を受けやすく、天候等の変動等によっては、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 自然災害

当社グループは、国内の各地に営業拠点並びに生産拠点を設置しており、不測の事態に備えた事業継続計画を策定する体制であります。しかしながら、地震・台風等の自然災害が発生した場合、事業活動の停止、生産設備や棚卸資産等の損壊等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 顧客情報及び情報システム

当社グループは、より良いサービスを提供するためにさまざまな顧客情報を保有し、主に情報システムで管理しております。情報の取得や活用、保管にあたっては、適正かつ安全な方法にて最大限の注意を払っております。しかしながら、自然災害や機器の故障、コンピューターウイルスの感染、不正アクセス等により、顧客情報を含めた内部機密情報の消失、漏洩、改ざん等が発生した場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑪ コンプライアンス

当社グループは、行動規範を定め、法令順守のための研修等による周知、徹底を図るとともに、各業務プロセスにおいては「内部統制システムに関する基本方針」に基づき運営を行っております。しかしながら、法令等の違反や社会的要請に反した行動が発生した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑫ 法的規制

当社グループは、事業活動を遂行するにあたり、食品衛生法、製造物責任法、下請法等のさまざまな法的規制や、海外進出先においては各国の法的規制の適用を受けております。今後予期しない法令等の改正や新たな規制などにより事業活動が制限された場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑬ 人材確保と育成

当社グループでは、設備投資や業務効率化等によって、労働生産性向上を図ると共に高度な専門性を有した人材を含め、必要とされる人員、人材の確保・育成に努めております。しかしながら国内における労働人口の減少や人件費の高騰により、必要な人材を確保出来ない場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑭ 特定販売先への依存

当社グループは、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおり、連結売上高との対比で高い割合を有する販売先があります。その販売先の経営施策や取引約定の変更等により販売額が大きく減少した場合や取引継続に支障が生じた場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 繰延税金資産の計上

前提条件である利益計画が達成しないなど将来の課税所得の見積りについて見直しとなり繰延税金資産の減少または繰延税金負債の増加が必要となる場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑯ 固定資産の減損損失

コーヒー関連事業や飲食関連事業等を営むために、工場設備や店舗及び営業所等の事業用資産を所有しております。この資産について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、将来のキャッシュ・フローの状況次第で減損会計の検討が必要となり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑰ 有価証券

保有する有価証券のうちその他有価証券は、時価を有するものは全て時価にて評価しているため、株式市場等における時価の変動の影響を受けます。また、持分法適用関連会社株式は、持分法による投資損益を通じて当社業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化する中、ワクチン接種の普及や各種政策の効果などにより新規感染者が減少に転じ、景気は緩やかな回復傾向にありました。しかしながら、2022年初頭より新たな変異ウイルスの発生により感染が急拡大し経済活動が停滞したことに加え、資源価格及び原材料価格の高騰による物価上昇や、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる国際情勢不安など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

コーヒー業界においては、家庭用市場の消費量は生活様式の変化による巣ごもり需要の継続によって底堅く推移しました。一方、業務用市場の消費量は昨年10月の行動制限緩和により回復傾向にありましたが、年明け以降は新型コロナウイルス感染症の急拡大により自粛傾向が強まり低調に推移しました。

業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆相場は、ブラジルの生産地域での降雨不足の長期化や7月下旬に発生した大規模な降霜による本年度の生産量減少懸念により高騰しました。その後もコンテナ不足による海上輸送網の停滞やコーヒー先物市場の認証在庫減少などの影響により上昇が続き、年度を通じては前年同期に対し約170%の高い水準で推移しました。

このような状況の下、当社グループは業務の合理化、効率化を進めコスト低減に努めるとともに、新たな需要の創出や生活者のニーズにお応えする魅力ある商品開発、お取引先の業績に寄与する企画提案型の営業活動を推進してまいりました。

また、コーヒー生豆原料調達コストの上昇が企業内努力で吸収できる限界を超える水準に至るとの見通しから、お取引先へのレギュラーコーヒー商品の納入価格及びメーカー出荷価格の改定を実施しました。

業績につきましてはコーヒー関連事業の主力の業務用市場において、前年の厳しい環境による大幅な減収に対して売上が前々年には及ばないものの回復したことに加え、前年度末に行った事業構造改革の効果もあり、前年同期に比べ増益となりました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、売上高は、556億80百万円(前連結会計年度比5.9%増)、営業利益は4億5百万円(前連結会計年度は24億70百万円の営業損失)、経常利益は10億22百万円前連結会計年度は31億59百万円の経常損失)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、7億42百万円(前連結会計年度は40億84百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

<連結経営成績> 

                      (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前年増減

前年増減率

売    上    高

52,602

55,680

3,078

5.9%

営業利益又は営業損失(△)

△2,470

405

2,875

経常利益又は経常損失(△)

△3,159

1,022

4,181

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△4,084

742

4,827

 

 

セグメントの営業概況は次のとおりであります。             

                   (単位:百万円)

事業区分

売上高

営業利益又は営業損失(△)

当連結会計年度

前年増減

前年増減率

当連結会計年度

前年増減

前年増減率

コーヒー関連事業

48,474

2,699

5.9%

1,024

1,858

飲食関連事業

3,522

159

4.7%

△326

537

その他

3,683

219

6.3%

188

157

510.3%

調整額

△480

322

合  計

55,680

3,078

5.9%

405

2,875

 

(注)調整額は主に、セグメント間取引消去、棚卸資産の調整額、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(コーヒー関連事業)

業務用市場では営業利益の確保に向け、全国の営業網を維持しながら合理的かつ効率的な組織体制の構築を図り、営業拠点の再配置とスリム化した人員体制のもと事業活動を開始いたしました。

営業活動では外出自粛などの行動制限やお取引先の休業及び営業時間短縮要請などの影響が長期化する状況の下、厳選した生豆で作り上げたグルメコーヒーブランド「クレドール」シリーズをはじめ、トアルコ トラジャ、氷温熟成珈琲や認証系コーヒーなど差別性の高いコーヒーの拡販活動を推進しました。お取引先の活性化策としては、新感覚アイスコーヒー「コールド クレマ」の導入推進や、昭和レトロな“喫茶店”をテーマとして懐かしメニューであるクリームソーダやナポリタンなどのアレンジレシピの紹介、シーズン販促として「レトロカレーフェア」を企画提案いたしました。また、市場の回復を見込み、新商品としてプロジーヌ「5種の野菜のペンネボロネーゼ」やシュクランジュ「3層チョコの濃厚ドームケーキ」などを発売して拡販に努めました。

カフェ開業支援の施策として、様々な立地環境に出店可能なパッケージカフェ「KEY'S CAFÉ」は5店新規出店となりましたが、同数の閉店があり導入店舗数は前年度末と同じ73店舗となりました。

また、コーヒー生豆原料調達コスト上昇の見通しをふまえ、適正利益の確保に向けてお取引先へのレギュラーコーヒー商品の納入価格の改定を実施するとともに、取り扱い業務用食材及び消耗品の仕入価格上昇に伴い、同じく納入価格の改定交渉を推進しました。

以上により、業務用市場における売上につきましては、前々年同期の実績には届かないものの、前年同期に比べ増収となりました。

家庭用市場では内食需要の高まりが継続し、大容量のレギュラーコーヒー粉商品「グランドテイスト」や簡易抽出コーヒー「ドリップ オン」及びドリップバッグ商品などの販売が堅調に推移しました。春夏新商品では、カフェイン摂取を気にされる生活者の増加を受けて「カフェインレス 深いコクのブレンド」をVP(真空パック)粉商品とドリップ オンの2形態で発売しました。秋冬新商品では長年業務用として提供してきたコーヒーの味わいを再現したLP(豆)商品「珈琲専門店の香り」シリーズ2アイテムを発売するとともに、ドリップ オン10Pシリーズに良質な酸味とコクが特徴のキリマンジャロブレンドを新たに投入しました。また、京都の老舗喫茶店「イノダコーヒ」とライセンス契約を締結し、粉商品「京都イノダコーヒオリジナルブレンド/モカブレンド」の2アイテムを発売しました。 

 

なお、適正利益の確保に向けてお取引先へのレギュラーコーヒー商品のメーカー出荷価格の改定を実施するとともに、収益を考慮した販促活動を展開いたしました。

以上により家庭用市場の売上につきましては、好調であった前年同期実績を上回る結果となりました。

原料用市場ではお取引先への販売数量が回復し、前年同期に比べ増収となりました。

コーヒー関連事業の営業利益につきましては、主力の業務用市場における売上増加に加え、新たな組織体制により人件費や固定費などのコストの抑制効果が現れ、前年同期に比べ増益となりました。

この結果、当連結会計年度におけるコーヒー関連事業の売上高は484億74百万円前連結会計年度比5.9%増)、営業損失は10億24百万円前連結会計年度は8億34百万円の営業損失)となりました。

(飲食関連事業)

株式会社イタリアントマトでは、売上は前年同期実績を上回ったものの、全国各地で緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が繰り返し行われ、行動制限や店舗の営業時間短縮要請などの長期化により来店客数が伸び悩み厳しい経営環境が続きました。

このような状況の下、店舗運営におきましてはお客様が安心してご来店いただける、また従業員が安心して働ける環境づくりに努め、ホームページ上にて新型コロナウイルス感染症防止策を掲載し、来店促進を図りました。また、モーニング、ランチなど時間帯メニューの商品力強化を図るとともに、季節食材を使用したドリンクやフードの限定メニューの投入を毎月行い、集客力向上に努めました。

テイクアウト需要の増加に対しては、提供メニューの拡充を図るとともに、宅配代行業によるデリバリーサービスを実施しました。また、駅ナカで展開するスイーツ専門店「SWEETS BOX」での期間限定店舗の出店や、ケーキ専門通販サイトを活用した冷凍ケーキのネット販売などに取り組みました。

管理面におきましては、売上状況の変化に応じた人員配置や食材の発注、管理を行い、生産性の向上と廃棄ロスの低減に取り組み、人件費、原材料費の適正化を推進しました。また、雇用調整助成金等の各種支援策を活用しました。

店舗展開におきましては、既存の「イタリアン・トマト カフェジュニア」5店を新ブランド店舗「カッフェ イタリアン・トマト」としてリニューアルオープンするとともに、ケーキショップの新ブランド店舗「イタリアン・トマト ドルチェリア スマーク伊勢崎店」を出店しました。また海外(香港)にFC店4店を出店する一方、収益回復が見込めない不採算店の整理を進め、店舗数は157店(直営店52店、FC店105店)となりました。

この結果、当連結会計年度における飲食関連事業の売上高は35億22百万円前連結会計年度比4.7%増)、営業損失は3億26百万円前連結会計年度は8億63百万円の営業損失)となりました。なお、営業外収益として各自治体からの営業時間短縮に係る助成金収入3億69百万円を計上しました。

 

(その他)

通販事業を営むhonu加藤珈琲店株式会社では、商品ラインアップの充実及び贈答需要の取り込み強化、受注から出荷までの時間の短縮による利便性の向上などがトライアル及びロイヤルユーザーの増加に繋がり、売上高では好調であった前年同期並みの実績を維持しましたが、利益面では原材料費の上昇が主な要因となり減益となりました。

ニック食品株式会社は、継続するコロナ禍の環境下で業務市場向け飲料受注量の拡大ができず売上高では前年同期並みにとどまりましたが、利益面では原価低減と販管費抑制に注力した結果、営業損失になったものの大幅な改善となりました

この結果、当連結会計年度におけるその他事業の売上高は36億83百万円前連結会計年度比6.3%増)、営業利益は1億88百万円同510.3%増)となりました。

 


(コーヒー相場:ニューヨークコーヒー先物相場)

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産及び仕入実績

当連結会計年度の生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

a. 生産実績

<コーヒー関連事業>

 

品目

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

数量(トン)

前年同期比(%)

レギュラーコーヒー

38,896

101.5

合計

38,896

101.5

 

(注) 生産数量には外注支給を含んでおります。

 

<飲食関連事業>

品目

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

生菓子及び焼菓子 (百万円)

836

105.8

合計 (百万円)

836

105.8

 

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b. 仕入実績

イ.商品仕入実績

品目

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

コーヒー関連事業

 

 

 飲料・食品等 (百万円)

14,525

124.5

飲食関連事業

 

 

 食材等 (百万円)

795

161.4

合計 (百万円)

15,320

126.0

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

ロ.主要原材料の入手量、使用量及び在庫量

原材料名

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

入手量

前年同期比

使用量

前年同期比

期末在庫量

前年同期比

(トン)

(%)

(トン)

(%)

(トン)

(%)

コーヒー生豆

53,626

95.3

54,496

103.0

18,419

95.5

 

(注) 数量には外注製造委託分の生豆が含まれております。

 

 

② 受注状況

当社グループは販売計画に基づく見込生産を行っているため、受注生産はありません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

コーヒー関連事業 (百万円)

48,474

105.9

飲食関連事業 (百万円)

3,522

104.7

その他 (百万円)

3,683

106.3

合計 (百万円)

55,680

105.9

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去致しております。

2.主な相手先別の販売実績金額及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三井物産株式会社

11,798

22.4

12,237

22.0

日本コカ・コーラ株式会社

11,297

21.5

12,011

21.6

三菱商事株式会社

6,954

13.2

6,960

12.5

 

 

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産の部は前連結会計年度末に比べ3億64百万円減少し、434億29百万円となりました。負債の部は9億19百万円減少し、129億48百万円となりました。純資産の部は5億54百万円増加し、304億81百万円となりました。

これらの主な要因は次のとおりです。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は263億93百万円となり、前連結会計年度末より1億14百万円減少となりました。これは主に、現金及び預金の減少(3億13百万円減)などによるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は170億36百万円となり、前連結会計年度末より2億49百万円減少となりました。有形固定資産は主に減価償却が進んだことによる建物及び構築物の減少(1億27百万円減)、機械装置及び運搬具の減少(1億98百万円減)などにより4億64百万円減少しました。無形固定資産はその他の無形固定資産の増加(3億82百万円増)などにより3億72百万円増加しました。投資その他の資産は差入保証金の減少(1億22百万円減)などにより1億56百万円減少しました。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は109億66百万円となり、前連結会計年度末より5億46百万円減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加(3億60百万円増)、未払金の減少(7億5百万円減)などによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は19億81百万円となり、前連結会計年度末より3億72百万円減少となりました。これは主に、退職給付に係る負債の減少(2億14百万円減)などによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は304億81百万円となり、前連結会計年度末より5億54百万円増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加(4億48百万円増)などによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益10億33百万円、減価償却費9億65百万円、売上債権の増加5億44百万円、未払金の減少6億36百万円などにより、8億61百万円の収入となりました。(前連結会計年度は11億93百万円の支出)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出4億60百万円、無形固定資産の取得による支出4億69百万円などにより、7億27百万円の支出となりました。(前連結会計年度は3億96百万円の支出)

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い2億16百万円、リース債務の返済による支出1億55百万円などにより、4億66百万円の支出となりました。(前連結会計年度は9億8百万円の支出) 

以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は54億43百万円となり、前連結会計年度末より3億13百万円の減少となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの主要な運転資金需要は、原材料費、労務費、商品仕入、販売費及び一般管理費等であり、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修、店舗出店等に係る投資資金であります。

また今後、当社グループの新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献する新規事業や業務提携等への投資の検討を行ってまいります。

これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応していきます。

資金の流動性については、当連結会計年度末現在において当社グループの現金及び預金残高は、5,443百万円であり、今後の営業活動によって確保されるキャッシュ・フローに加え、金融機関の当座貸越契約による融資枠を設けており、十分な流動性を確保しているものと考えております。

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

4 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

5 【研究開発活動】

当社グループでは、千葉県船橋市に開発研究所を設置し、市場のニーズを取り入れた魅力ある商品づくりを行うとの考え方にもとづき、生活者の視点から商品アイテムの見直し、改廃を行いながら研究開発に取り組んでおります。

研究開発を行っている項目は次のとおりです。

(1) コーヒーの基礎研究

(2) コーヒー及びその他の食品、飲料類の新製品、新技術の開発

(3) 当社グループ製品及び取扱商品の品質向上策の立案研究並びに品質保証のための活動

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は177百万円であり、主要な支出はコーヒー関連事業であります。