第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、品質第一主義に基づき、コーヒーを栽培・加工し、安心・安全にお客様に届けるまでのバリューチェーンを担っております。「コーヒーを究めよう」、「お客様を見つめよう」、「そして、心にゆたかさをもたらすコーヒー文化を築いていこう」との企業理念を共有し、目指すべき「キーコーヒービジョン」として次の3つの項目を掲げております。

・コーヒーに関して、信頼度№1の会社であること。

・コーヒーの可能性を追求し、その価値を提供できる会社であること。

・そして、お客様から最初に選ばれるコーヒー会社であること。

 こうした企業理念、ビジョンに基づいた日々の活動により、企業価値の向上に努めてまいります。

 また、コーヒーのバリューチェーンを担う企業として、コーヒーの未来と持続可能な社会の実現に貢献するため「地球温暖化への対応」「環境負荷への対応」「持続可能な調達と商品の開発・提供」「従業員のエンゲージメント向上とダイバーシティの推進」「コーポレート・ガバナンスの強化」を重要項目として特定しサステナビリティの実現に取り組んでまいります。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症流行により多大な業績への影響を受けた経緯を踏まえ、収益力回復を喫緊の課題と認識し、目標とする経営指標を営業利益額としております。後述の(4)対処すべき課題に記載した施策を実施し、収益力の回復・強化を最優先に取り組んでまいります。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社は、当面の経営戦略として、事業構造改革を成し遂げ、新たな生活様式に適応し、2世紀企業として飛躍するための基盤を確立することを中期目標に掲げております。

 具体的には(4)対処すべき課題に記載した施策を実施し、変革へのチャレンジ、収益力強化、グループ総合力強化に取り組んでまいります。

(4) 対処すべき課題

わが国の経済情勢は新型コロナウイルス感染症の各種行動制限が緩和され、分類変更も決まる中、経済活動の正常化に向けた動きが見られましたが、エネルギー及び原材料価格の高騰、円安による物価上昇の継続に加え欧米諸国の景気減速懸念もあり依然として厳しい環境です。

業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆調達価格の高値水準は当期中に一旦落ち着きを取り戻しましたが、コーヒー先物市場における認証在庫量は低位で推移しており、また、資材コストや光熱費の高止まりなどもあり、引き続きコーヒー製造コストの上昇には注意が必要です。

このような環境下において、当社グループは変革へのチャレンジを加速し、2世紀企業として飛躍するための基盤を確立すべく、更なる事業の構造改革に取り組み、引き続き業務の標準化、在庫の適正化など、コスト低減に努めてまいります。

コーヒー関連事業の業務用市場におきましては、全国拠点網とお取引先へのサービス水準を維持しつつ、更なる業務の合理化、効率化を進めます。また、市場環境の変化を新たなビジネスチャンスに繋げられるような商品・サービスの開発、提案を通じて、お客様の業績に寄与する取組みを継続いたします。

 

家庭用市場におきましては、消費者のライフスタイルの変化に伴うニーズの多様化に応えられるような新商品の投入や、新たなカテゴリーの開発により当社プレゼンスを高めてまいります。また売上拡大に向けて、シェア拡大を図る地域や成長するEC市場への経営資源投入を実施してまいります。

加えて、顧客にダイレクトに商品を提供するD2Cビジネスや海外ビジネスに注力し、業務用、家庭用、原料用に続く新たな事業の柱に育てるべく取り組んでまいります。

飲食関連事業につきましては、前年を上回る実績となったものの新型コロナウイルス影響前までの売上回復には至っておらず、依然として厳しい環境が継続しております。新しい環境に適応した店舗開発やSNSの活用、デリバリ―への取組み強化、新たなメニュー開発とともに、店舗オペレーションの改善、商品製造・供給体制の見直しや徹底したコスト削減を行い、業績回復に努める所存であります。

こうした事業戦略の遂行を支えるべく、基幹系システムや生産管理システムの刷新、デジタル化促進により業務の効率化と高度化を推進します。

当社グループは、お客様に商品やサービスを提供することにとどまらず、企業として社会的責任を最大限果たすことが存在意義であると認識して事業活動を行ってまいります。私たちは昨年度、2030年を見据えたメッセージとして「珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー」を制定し、これまで100年間当社とともに日本のコーヒー文化を築いてきた“喫茶店”の魅力を、まだ接点の少ない若年層や国内のみならず海外へも発信強化していくことといたしました。

また持続的な企業の成長と発展を実現するため、従業員一人ひとりの持てる能力やスキルを引出し企業価値を最大化する経営に取り組みます。

変容した社会環境の下、コーヒーに関して信頼度№1の会社であること、コーヒーの可能性を追求し、その価値を提供できる会社であること、そして、お客様に最初に選ばれるコーヒー会社であることを実現すべく、全社一丸となって取り組んでまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

(1) ガバナンスとリスク管理

 当社グループは、お客様、株主、従業員をはじめとする様々なステークホルダーの期待にお応えするため、役員や従業員が遵守すべきキーコーヒー行動規範やサステナビリティ関連方針を守り、持続的に企業価値を高めていきます。当社の取締役会は、当社業務に精通した業務執行取締役と、社外取締役3名を含む監査等委員である取締役で構成されており、経営上重要な事項の審議・決定及び業務執行の監督をしております。

 サステナビリティに関しては、経営企画部管掌取締役の主導のもと経営企画部が総括し、サステナビリティ基本方針をはじめとしたサステナビリティ関連方針の策定、重要項目の特定、重要項目に対する課題(リスク・機会)の整理・識別・評価、目標設定及び取り組み内容を取り纏め、取締役会で審議・決定しております。執行部門のサステナビリティに関する取り組み状況は、年1回取締役会に報告され、取締役会が執行状況の監督を行ってまいります。

 2022年度取締役会では、当社グループのサステナビリティ関連方針(考え方)として次の方針の新設及び改定、並びに温室効果ガス排出量削減目標を審議・決定しました。

 ・サステナビリティ基本方針(改定)

 ・環境方針(改定)、環境に配慮した商品開発の考え方(新設)、人権方針(新設)、責任ある購買・調達方針(新設)、サプライヤー・ガイドライン(新設)、人的資本に対する考え方(新設)

 当社グループのサステナビリティに関する施策をより広範に推進していくために、これまでは経営企画部が統括の役割を担ってきましたが、2023年4月1日、その管下にサステナビリティ推進室を新設しました。サステナビリティ推進室は、重要項目に対する目標の取り組み状況を総括管理するとともに、環境変化に応じて、重要項目に関するリスク・機会の識別・再評価を関連部門と連携して行い、取締役会に報告してまいります。

 重要項目の特定プロセスとして、経営企画部においてバリューチェーンを「商品企画」、「コーヒー生産国」、「原料調達」、「生産管理」、「販売物流」、「コミュニケーション」と捉え、それぞれに対するリスクと機会を踏まえ、重要項目の候補を抽出しました。


 

 経営企画部は、そのプロセス評価を業務執行取締役5名と協議し、取締役会に報告しました。取締役会では、当社が社会や環境に与える影響度と中長期的な企業価値に与える影響度の2軸の観点より重要項目を特定しました。重要項目は、「地球温暖化への対応」、「環境負荷の低減」、「責任ある『調達』と『商品開発・提供』」、「従業員のエンゲージメント向上とダイバーシティの推進」、「コーポレート・ガバナンスの強化」に定めました。

(2) 戦略

① 温暖化、気候変動に関する事項

(イ) 地球温暖化への対応

 人為行為による温室効果ガスの排出により地球温暖化が進行しており、パリ協定を受けて温室効果ガスの削減に向けた対応は世界で認識する共通の課題であり、早急な対応が求められています。

 当社では、レギュラーコーヒーを中心とした事業を展開しており、気候変動による温暖化や自然災害による事業リスクを及ぼす可能性があることから、当社も地球温暖化への対応を行ってまいります。

(シナリオ分析の前提)

2022年度は、長期目標として産業革命前から地球の気温が1.5℃/2℃又は4℃上昇するシナリオを仮定として、気候変動による影響に関するシナリオ分析を実施しています。

1.5℃/2℃上昇シナリオ

4℃上昇シナリオ

社会全体が脱炭素に向けて変革を遂げ、温度上昇の抑制に成功するシナリオ

・炭素税導入など脱炭素の規制加速

・バリューチェーン全体でエネルギー費用、

コスト上昇

・消費者のエシカル消費が拡大

経済発展を優先し、世界の温度上昇とその影響が悪化するシナリオ

・異常気象等により農産物の収量や品質の低下による価格高騰

・異常気象の頻発化により事業停止、停滞の恐れ

・熱中症対策の飲料需要、コーヒー文化の変化等による新たな市場拡大

 

 1.5/2上昇シナリオと4上昇シナリオ:IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)等から公表される気候関連シナリオの俗称で、各シナリオが示す温度に気温上昇を抑えるために必要な経済施策、またその温度上昇時に想定される環境被害などを示しています。

 

(1.5℃/2℃上昇シナリオ)

リスク・機会

考察

(▲リスク、機会)

重要度

リスクへの

対応策

大分類

中分類

小分類

移行リスク

政策と法

炭素価格の

上昇

▲国内外で炭素税が導入され、工場、営業所等でのGHG排出量に対して炭素税が賦課され、経費が増加。

▲包装・原材料等に炭素税が転嫁され、売上原価が増加。

・燃料転換、省エネ推進

・再生可能エネルギー利用

・環境配慮型の製造方法や商品開発

移行リスク

テクノロジー

低炭素な

新しい生産技術の開発

▲新技術に対する投資判断を誤ることで、短期間での設備更新が必要となり、製造原価が増加。

▲新しい低排出技術への移行経費の増加。

・新たな製造技術の研究

GHG削減を考慮した効率化投資

移行リスク

市場

環境に配慮した商品に対する消費者の嗜好の変化

▲環境配慮型商品の需要が増加するなか、消費者、取引先等への対応が不十分となり、市場の支持を獲得できない。顧客離れとなり収益減少。

・環境配慮型の商品開発を進める。

GHG排出量の少ない商品開発や責任ある調達の取り組みを推進させる。

移行リスク

評判

地域社会のレジリエンスに配慮する企業への消費者の嗜好の変化

GHG排出量削減など環境への取り組みが不十分である場合、消費者からの企業イメージが悪化し、収益減少。

移行リスク

評判

気候変動の対応に対する株主の関心の拡大

▲気候変動への対応や情報開示への対応を怠ることによる企業評判および株価低下。

・気候変動対応に関する情報発信を強化する。

機会

商品、

サービス

 

GHG排出量の少ない商品・サービスの開発により、需要を獲得し、収益拡大。

→ 消費者や取引先(BtoB,BtoC)との関係において、信頼を築き収益拡大。

GHG排出量の少ない商品・サービスの開発を推進させる。(GHGの少ない製造、包材見直し等)

・環境配慮型の販売を強化し、市場拡大させる。

機会

資源効率

 

●バリューチェーン全体で、より効率的な輸送手段を使用。

●より効率的な生産や流通プロセスを構築する。

→ GHG削減に取り組むことで、運用コストを削減でき、価格競争力が強化され収益拡大。

・バリューチェーン全体でGHG削減を強化させる。

 

 

 

(4℃上昇シナリオ)

リスク・機会

考察

(▲リスク、機会)

重要度

リスクへの

対応策

大分類

中分類

小分類

物理リスク

急性

異常気象の発生割合・深刻度の増加

▲異常気象の発生割合・深刻度の増加により、有形固定資産(工場、事業所等)や在庫などの物理的資産が破壊され、操業停止による収益減少。

▲輸送やサプライチェーンの中断、エネルギーや公益事業の停止がもたらされ、生産能力が低下し、収益減少。

・リスクの影響度に応じた対応策。

・サプライヤーと情報連携を図る。

物理リスク

慢性

長期的な気候の変化

(平均気温や降水等)

・海外

▲異常気象・気象パターンの変化により、コーヒー豆の生産量が減少し、調達困難となり原価高騰、収益減少。

▲原材料生産拠点において、気候変動・気象パターンの変化(洪水・干ばつなど)の影響により、物流の滞りや海運輸送ルートの変更・貿易規制・関税などがもたらされ、原価が増加。

・コーヒー品種の開発、栽培技術の研究。

・調達地域の多様化、

・コーヒー配合技術の研究。

物理リスク

慢性

・国内

▲海面上昇リスクに伴い、施設(工場、事業所)撤退、資産への影響。

▲リスクが高まることにより、様々な保険料が増加し、経費増加。

機会

商品、

サービス

 

●影響度が少ないコーヒー生産地で収穫された生豆、品種での配合を用いて商品開発する。開発力による差別化を図り、収益増加。

●気温上昇による、熱中症対策の商品開発(コーヒー、飲料等)し、収益増加。

・コーヒー栽培技術や研究成果を、新たなビジネスに繋げていく。

 

 

(ロ) 「コーヒーの2050年問題」に関する事項

農作物であるコーヒーは、環境変化の影響を受けやすく、地球温暖化の問題は、温度の上昇だけではなく、湿度の上昇や降雨量の減少など、様々な変化を引き起こし、コーヒー栽培にも影響を及ぼします。WCRWorld Coffee Researchの報告書によると、気候変動はさび病等の病害や虫害による生産量の減少やコーヒー豆の品質低下をもたらし、2050年にはアラビカ種のコーヒー栽培に適した土地は現在の50%にまで縮小する可能性が指摘されています(コーヒーの2050年問題)。当社グループでは、「コーヒーの2050年問題」の影響を軽減すべく、コーヒー栽培の開発、持続可能な収穫ができるようコーヒー生産者の支援等の取り組みを推進します。

 

② 環境負荷の低減に関する事項

当社のレギュラーコーヒーの製造過程における省エネ化や製造工程での廃棄物リサイクル活動は、CO2削減にも貢献でき、商品包材使用量の削減や脱プラスチックへの取り組みは、消費者や取引先からの要望や期待があります。このような環境価値(Environmental Value)を高める商品開発を通じ、地球温暖化への対応と環境負荷の低減に取り組み、生物多様性を維持した、自然ゆたかな美しい地球を次世代に引き継ぐことが重要と考え、以下の取り組みを中心に推進します。

・包装容器に関するプラスチック使用量を削減(リデュース)

・持続可能な原料を使用した包装容器への転換(リプレイス)

・リサイクル可能な包装容器への転換(リサイクル)

・フードロス削減

 

③ 責任ある調達と商品の開発・提供に関する事項

当社は、原材料をグローバルに調達しており、当社グループ及びサプライチェーン上での人権、労働、環境、腐敗防止等の課題を認識し、課題解決に向けた取り組みが事業活動において不可欠だと認識しています。責任ある調達は、品質、機能、価格の条件だけではなく、人権、労働、環境、腐敗防止等の社会課題に関連する項目をも購買条件に取り入れるとともに、キーコーヒー行動規範や国際規範等を遵守し、2023年3月に「責任ある購買・調達方針」、「サプライヤー・ガイドライン」を制定しました。当社のみならず、サプライチェーン全体で課題解決していく必要があると考え、サプライヤーガイドラインをサプライヤーなどのビジネスパートナーに案内し、本内容に賛同いただけるようアンケートや面談等を通じてコミュニケーションを図り、社会課題に対する改善活動を実施してまいります。この取り組みを通じてサステナブルな調達を行い、ステークホルダーからのニーズを捉えた商品開発・提供に繋げていきたいと考えております。

 

従業員のエンゲージメント向上とダイバーシティの推進に関する事項

当社は、持続可能な成長と発展には人的資本の価値を最大化することが重要であるとの認識のもと、人的資本に対する考え方及びそれに則った<人財育成方針><社内環境整備方針>を以下のとおり定めました。

(人的資本の考え方)

私たちは、持続的な企業の成長と発展を実現するために、従業員一人ひとりが持てる能力やスキルを引き出し、企業価値を最大化する経営に取り組みます。

企業・従業員の両者が、コーヒーのリーディングカンパニーとしての理念やビジョン、ミッションを共有し、しっかりとした帰属意識と相互の信頼のもと、共通する目的を果たしていくことで、人々の心にゆたかさが溢れる社会を創り上げることができると考えます。

従業員のエンゲージメント向上とダイバーシティの推進を図り、社内の環境や仕組みを見直すことで、様々な立場の従業員が主体性を発揮し、イキイキと働きがいを持って成長・発展し続けることのできる組織集団への進化を目指します。

<人財育成方針>

1.キーコーヒービジョンを実現し続けるために、企業と従業員が継続的な対話を通じてそれぞれの存在意義・価値を認め合うことで共に成長します。

2.主体的意欲を刺激するアップスキリングの機会を提供し、情報に敏感なビジネス人財及び専門性の高いコーヒーのプロを育成します。

3.従業員一人ひとりの多様性を受け止め、活躍を促し組織の発展に繋げることのできる、求心力のあるマネジメント人財を育成します。

 

<社内環境整備方針>

1.予測不能な変化が続く環境において企業の適応力と可能性を広げ続けるために、多様なキャリアイメージの形成及びその実現を長期的に支援します。

2.誰もが働きやすい職場環境とするために、有給休暇の取得率向上等、従業員の生活の基盤を安定的に確保するための施策を実施し、柔軟な働き方を促進します

 

 2023年4月、人的資本経営の取り組みに資する人財開発課を新設しました。併せて人財開発課のパートナーとして、人的資本経営に関する全社網羅性のある制度の改革と従業員への浸透を目的に、部門横断で人選した“ウェルビーイングプロジェクトチーム”を立ち上げました。この体制で、従業員のエンゲージメント向上とダイバーシティの推進に取り組んでまいります。

 


 

コーポレート・ガバナンスに関する事項

当社は、サステナビリティに関する取り組みを推進していくためには、適切なガバナンス・リスク管理体制の構築が不可欠と考えており、「コーポレート・ガバナンスの強化」を重要項目として掲げております。当社のガバンナンス・リスク管理の状況につきましては、4.コーポレート・ガバナンスの状況等(41頁)に記載のとおりです。

 

(3) 指標及び目標

■ 地球温暖化への対応

中期取り組みテーマ

指標

目標

温暖化に適応した「コーヒー栽培の開発」

インドネシアの直営農園を中心に、コーヒーの栽培技術や次世代品種の研究について、WCRWorld Coffee Research)やICCRIIndonesian Coffee and Cocoa Research Institute)と協業し対応策を検討、環境変化に強いコーヒー栽培の開発に取り組む。

コーヒー生産者の支援

協力関係のある生産者にコーヒー苗木の配布や農法を支援し、持続可能な収穫ができるよう支援活動。

温室効果ガス排出量の削減

GHG排出量

2050年カーボンニュートラルを目指し、2030年までにScope1+2排出量を46%削減(2013年度比)

2022年度の温室効果ガス削減進捗率は、

202310月頃ホームページにて公開予定。

 

 

■ 環境負荷の低減

中期取り組みテーマ

指標

目標

包装容器の見直し

プラスチック

使用量

バイオマスプラスチックへの置き換えを推進し、

2030年度までに自社製造NB商品のプラスチック使用量を重量換算で20%削減。(2018年度比)

フードロス削減の推進

2030年度までに、商品の賞味期限表示については、

年月表示を進める。(一部商品を除く)

2030年度までに、品質優位を前提とし、商品の賞味期間延長を進める。 

製造過程で生じる廃棄物のリサイクルの推進

食品リサイクル率

製造過程で生じる廃棄物のリサイクル率は、99%以上を維持。 

 

 

責任ある調達と商品の開発・提供

中期取り組みテーマ

指標

目標

責任ある購買・調達の推進

信頼度No1、最初に選ばれるコーヒー会社の実現に向け、2025年度中に一次サプライヤーへのサステナブル調達アンケート(SAQ)実施率100%を目指し、当社及びサプライチェーン全体で社会課題に対する改善活動を実施していく。

 

 

 

従業員のエンゲージメント向上とダイバーシティの推進

中期取り組みテーマ

指標

目標

人財育成

女性管理職比率

2025年度までに6.0%に向上させる。

(2022年度:4.0%)

社内資格

『キーコーヒー

コーヒースペシャリスト』取得率

継続的な試験の実施と意欲醸成及び育成によって、取得率を2022年度の15.7%から向上させコーヒーのプロ育成に力を入れていく。

※対象者は正社員

社内環境整備

有給休暇取得率

2025年度までに60%に向上させる。

(2019年度(新型コロナ感染症拡大前の実績)47.1%)

※対象者は正社員、嘱託社員(一般・定年再雇用)

男性の育休取得率

2025年度までに50%に向上させる。

(2022年度:28.6%)

※対象者は、正社員・嘱託社員・短期契約社員(雇用1年以上の見込みを含む)

男女の賃金の差異

正規労働者(正社員・嘱託社員)について

2030年度までに80%に向上させる。

(2022年度:72.0%)

 

※ 温室効果ガス排出量の削減は、連結グループの目標であり、それ以外は、提出会社の目標であります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 原材料等の価格変動

当社グループは、レギュラーコーヒーの原料生豆を全量海外からの輸入により調達しており、当社の求める品質の原料を最適な価格で調達できるよう様々な手段を講じております。しかしながら原料生豆は国際相場商品であり、コーヒー生産国の政情、コーヒー産地の気候変動や病害虫被害、作柄等による生産量の減少等の要因による相場の高騰や外国為替の変動、また資源エネルギー価格上昇に伴う資材、物流費等の様々なコストが上昇した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② サプライチェーンリスク

当社グループは、コーヒー原料生豆を全て、またコーヒー製造に関わる各種資材の一部を海外からの輸入により調達しております。このため、各国の政治・経済・社会情勢、自然災害、紛争等により、グローバルなサプライチェーンリスクにさらされています。当社グループはサプライチェーン全体を俯瞰的に捉え、現在、原材料の基準在庫の見直しやサプライヤーとの連携強化等の対策を講じておりますが、世界的な危機事情によっては、一部原材料、資材等の手配が困難となり業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

③ 消費市場の変化

当社グループは、消費者ニーズの多様化、デジタル化等の市場環境の変化に応じた新たな商品やサービスの開発・提案に取り組んでおりますが、特に新型コロナウイルス感染症の流行により変容したライフスタイル、多様化した働き方により生まれた新たなニーズに対応してまいります。しかしながら変化への対応の遅れや不適合により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 他社との競合

当社グループは、人口減少等の影響によりマーケット全体の伸長が難しい環境の中、競合他社と価格やサービスを巡って競争が熾烈化しておりますが、付加価値を付与した商品やサービスの提供を通じ、適正な利益を確保するよう努めております。しかしながら競合他社との差別化、優位性の確保が難しい場合は、シェア拡大に向けた過当競争により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 海外事業

当社グループは、インドネシアにおける農園事業、台湾におけるレギュラーコーヒー販売事業などを行っております。事業を展開する各国における政治、経済、社会情勢の変化などを予見、情報収集のうえ迅速な対応と意思決定によるマネジメントを遂行するよう努めております。しかしながらカントリーリスクによって事業継続が困難となる際は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 食の安全

当社グループは、近年、消費者の食の安全性に対する関心が一層高まっております。「品質第一主義」の下、高品質の商品を安全かつ衛生的に製造し、お客様にご満足いただけるよう厳しい品質保証体制をとっておりますが、健康被害に関わる事故が発生した場合には、その事故の規模によってはブランドイメージを著しく損ねる恐れがあり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 天候

当社グループは、レギュラーコーヒーを中心とした事業を展開しており、これらの事業における製商品の売上は天候の影響を受けやすく、天候等の変動等によっては、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 自然災害

当社グループは、国内の各地に営業拠点並びに生産拠点を設置しており、不測の事態に備えた事業継続計画を策定する体制であります。しかしながら、地震・台風等の自然災害が発生した場合、事業活動の停止、生産設備や棚卸資産等の損壊等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 顧客情報及び情報システム

当社グループは、より良いサービスを提供するためにさまざまな顧客情報を保有し、主に情報システムで管理しております。情報の取得や活用、保管にあたっては、適正かつ安全な方法にて最大限の注意を払っております。しかしながら、自然災害や機器の故障、コンピューターウイルスの感染、不正アクセス等により、顧客情報を含めた内部機密情報の消失、漏洩、改ざん等が発生した場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ コンプライアンス

当社グループは、行動規範を定め、法令遵守のための研修等による周知、徹底を図るとともに、各業務プロセスにおいては「内部統制システムに関する基本方針」に基づき運営を行っております。しかしながら、法令等の違反や社会的要請に反した行動が発生した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑪ 法的規制

当社グループは、事業活動を遂行するにあたり、食品衛生法、製造物責任法、下請法等のさまざまな法的規制や、海外進出先においては各国の法的規制の適用を受けております。今後予期しない法令等の改正や新たな規制などにより事業活動が制限された場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑫ 人材確保と育成

当社グループでは、設備投資や業務効率化等によって、労働生産性向上を図ると共に高度な専門性を有した人材を含め、必要とされる人員、人材の確保・育成に努めております。しかしながら国内における労働人口の減少や人件費の高騰により、必要な人材を確保出来ない場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑬ 特定販売先への依存

当社グループは、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおり、連結売上高との対比で高い割合を有する販売先があります。その販売先の経営施策や取引約定の変更等により販売額が大きく減少した場合や取引継続に支障が生じた場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑭ 繰延税金資産の計上

前提条件である利益計画が達成しないなど将来の課税所得の見積りについて見直しとなり繰延税金資産の減少または繰延税金負債の増加が必要となる場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑮ 固定資産の減損損失

コーヒー関連事業や飲食関連事業等を営むために、工場設備や店舗及び営業所等の事業用資産を所有しております。この資産について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、将来のキャッシュ・フローの状況次第で減損会計の検討が必要となり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑯ 有価証券

保有する有価証券のうちその他有価証券は、時価を有するものは全て時価にて評価しているため、株式市場等における時価の変動の影響を受けます。また、持分法適用関連会社株式は、持分法による投資損益を通じて当社業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑰ 資金調達環境

当社グループは、事業に必要な資金の一部を銀行借入によって調達しており、将来的にも資金需要に応じて金融機関からの借入等により資金調達を行う可能性があります。金利の上昇その他金融市場が悪化した場合には、金利負担が増加し、または適時に希望する条件での資金調達ができなくなることにより、当社グループの業績および財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、ウィズコロナ下において各種制限の大幅な緩和や、政府の経済対策などにより緩やかな持ち直しの兆候が見られたものの、エネルギー価格及び原材料価格の高騰、円安による物価上昇が続き、欧米諸国の景気減速懸念もあり依然として先行きは不透明な状況で推移しました。

コーヒー業界におきましては、業務用市場の消費量が新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和により前年に比べて増加する一方、家庭用市場の消費量は巣ごもり消費が鈍化したことや、メーカー各社の店頭販売価格の引き上げなども影響し若干の減少となりました。

また、業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆相場は、昨年度来高値水準で推移してきましたが、ブラジルにおける生産量減少懸念の後退や、コーヒー先物市場の認証在庫量の回復、世界的な景気後退による需要低迷への懸念などによる生豆相場の下落、為替相場の反転により一服しました。しかしながら円安基調が継続していることや、資源・エネルギー価格の上昇、資材費の上昇などコーヒー製造コストは高い水準にあり、厳しい経営環境が続きました。

このような状況の下、当社グループは「コーヒーを究めよう、お客様を見つめよう、そして心にゆたかさをもたらすコーヒー文化を築いていこう。」という企業理念を果たすため、長年にわたり培った「品質第一主義」のもと、「事業構造の改革」、「収益力強化」及び「グループ総合力強化」を3つの柱とし、新たな需要の創出や生活者のニーズにお応えする商品開発、お取引先の業績に寄与する企画提案型の営業活動を推進してまいりました。

「事業構造の改革」については、デジタル化の促進による営業活動および管理業務の効率化と高度化、製造ラインのロボティクス化および基幹系システムや生産管理システムの刷新に向けた取組みを行いました。

「収益力強化」については、販売数量の増量、工場の歩留まり改善、主力商品の製造拠点見直し、物流の拠点およびオペレーションの見直しによるコスト低減、原料、資材価格の上昇を受けたお取引先への納入価格、メーカー出荷価格の改定を実施しました。

「グループ総合力強化」についてはD2Cビジネスの拡大、海外子会社の経営管理強化、インドネシアにおける工場新設、ブランディング活動の強化に取り組んでまいりました。

また、2030年を見据えた新メッセージ「珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー」を制定し、喫茶文化の継承と持続可能なコーヒー生産の実現を目指すとともに、その一環としてコーヒー生産国との連携や品種開発などの多岐にわたる業務を行う専門部署「コーヒーの未来部」を創設し、サステナビリティ活動を推進しました。

これらの取り組みの結果、業績につきましては主力のコーヒー関連事業他、各事業で前年度に引続き増収となり、売上は全体としてコロナ禍前とほぼ同水準まで回復しましたが、営業利益は原価率の上昇や販売促進費の増加などにより減益となりました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、632億98百万円(前連結会計年度比13.7%増)、営業利益は2億44百万円(前連結会計年度比39.6%減)、経常利益は3億49百万円前連結会計年度比65.8%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、1億73百万円(前連結会計年度比76.7%減)となりました。

 

<連結経営成績> 

                      (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前年増減

前年増減率

売    上    高

55,680

63,298

7,617

13.7%

営  業  利  益

405

244

△160

△39.6%

経  常  利  益

1,022

349

△672

△65.8%

親会社株主に帰属する

当期純利益

742

173

△569

△76.7%

 

セグメントの営業概況は次のとおりであります。             

                   (単位:百万円)

事業区分

売上高

営業利益又は営業損失(△)

当連結会計年度

前年増減

前年増減率

当連結会計年度

前年増減

前年増減率

コーヒー関連事業

55,604

7,129

14.7%

882

△142

△13.9%

飲食関連事業

3,875

352

10.0%

△219

107

その他

3,818

135

3.7%

134

△53

△28.4%

調整額

△552

△72

合  計

63,298

7,617

13.7%

244

△160

△39.6%

 

(注)調整額は主に、セグメント間取引消去、棚卸資産の調整額、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(コーヒー関連事業)

業務用市場では、デジタルツール導入による顧客管理強化やWEB活用による受注自動化などに取り組みました。また、トアルコ トラジャや氷温熟成珈琲など差別性の高いコーヒーの販売を推進するとともに、業務用食材の取り扱いアイテム強化による拡販や、飲食店経営者および開業予定者を対象に商品や提供サービスを紹介するWEBサイトの開設などを行いました。

お取引先の活性化策としては、世界中の品質の優れたコーヒーを提供する月間企画などの提案やお取引先向けコーヒーセミナーの実施、また、シーズン販促企画では店舗のお薦めカレーをラインアップした「推しカレーフェア」などを実施しました。

カフェ開業支援の施策として取り組む様々な立地環境に出店可能なパッケージカフェ「KEY'S CAFÉ」は5店新規出店となりましたが、6店の閉店があり導入店舗数は72店舗となりました。

また、コーヒー生豆原料調達価格および仕入商材価格の上昇に伴い、前年度に続き10月からお取引先へのレギュラーコーヒー商品の納入価格改定をするとともに、業務用商材についても適宜納入価格を改定させていただきました。

売上につきましては、行動制限の大幅な緩和や外国人入国者の増加などにより、お取引先へのコーヒーおよび業務用食材の販売量が増加し、前年同期に比べ大きく伸長しました。

家庭用市場では、デジタルツール導入による顧客へのプレゼン力の強化および情報共有化、顧客グループ及びチャネル別の販売強化などに取り組みました。

商品展開では新商品として「グランドテイスト 甘い香りのモカブレンド」やコーヒーファンの意見を反映させた「ドリップ オン/インスタントコーヒー 期間限定(秋冬)」などを発売しました。業務提携契約を締結している京都の老舗喫茶店「京都イノダコーヒ」ブランド商品を、ドリップ オンやLP(豆)、リキッドコーヒーなどの様々な形態で拡充いたしました。

ギフト商品では、「ドリップ オン」シリーズをはじめ、中元期には「氷温熟成珈琲アイスコーヒー」など人気の飲料ギフトを中心に全27アイテム、歳暮期には「トラジャ&氷温熟成 アロマフラッシュ缶」など多様な飲用シーンにあわせた全20アイテムをラインアップしました。

また、前年度に続き10月からお取引先へのレギュラーコーヒー商品およびコーヒー関連商品のメーカー出荷価格を改定させていただきました。

 

売上につきましては、商品のメーカー出荷価格の改定により前年同期並みの実績となりましたが、販売数量は減少しました。

原料用市場ではお取引先への販売数量が伸長し、前年同期に比べ増収となりました。

営業利益につきましては、業務用市場を中心に売上が大きく伸長しましたが、原価率の上昇や販売促進費の投下、基幹システム構築費の発生などにより前年同期を下回る結果となりました。

この結果、当連結会計年度におけるコーヒー関連事業の売上高は556億4百万円前連結会計年度比14.7%増)、営業利益は8億82百万円前連結会計年度比13.9%減)となりました。

(飲食関連事業)

株式会社イタリアントマトは、売上面では時間帯メニューの商品力強化、季節限定メニュ-の毎月投入、テイクアウト需要への対応等の施策展開を行いました。行動制限の緩和による人流の増加や、前年に比べ営業自粛店舗が減少したことなどから来店客数の回復が徐々にみられ前年同期を上回りました。経費面では売上状況の変化に応じた人員配置や食材の発注、管理を行うとともに、生産性の向上と廃棄ロスの低減に取り組み、人件費、原材料費の適正化を推進しました。また、原材料仕入価格や光熱費などのコスト上昇に伴い全メニューの価格改定を実施、付加価値の高いメニューの投入にも継続して取り組み改善が図れましたが、新型コロナウイルス影響前までの客数回復には至らず営業損失となりました。同社店舗数は前年同期比8店減の149店(直営店51店、FC店98店)となりました。

この結果、当連結会計年度における飲食関連事業の売上高は38億75百万円前連結会計年度比10.0%増)、営業損失は2億19百万円前連結会計年度は3億26百万円の営業損失)となりました。なお、各自治体からの営業時間短縮に係る助成金収入60百万円を営業外収益として計上しました。

 

(その他)

通販事業を営むhonu加藤珈琲店株式会社では、売上面では高付加価値商品の投入や販売価格引上げの結果、前期比微増収となりました。利益面ではコーヒー生豆調達価格をはじめ、運送費、包装資材費などが上昇する中、販売促進費の引締め他、様々な業務効率化により適正利益の確保に努めましたが、大幅な減益となりました。

ニック食品株式会社は、売上面では新型コロナ関連の行動制限緩和に伴う需要増により受注量が回復し全事業で増収となりました。利益面では売上伸長に加え、価格改定の実施、製造原価の抑制及び販管費の適正化に注力した結果、前年同期比大幅増益となり黒字転換いたしました。

この結果、当連結会計年度におけるその他事業の売上高は38億18百万円前連結会計年度比3.7%増)、営業利益は1億34百万円前連結会計年度比28.4%減)となりました。

 


(コーヒー相場:ICO複合指標価格)

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産及び仕入実績

当連結会計年度の生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

a. 生産実績

<コーヒー関連事業>

品目

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

数量(トン)

前年同期比(%)

レギュラーコーヒー

38,271

98.4

合計

38,271

98.4

 

(注) 生産数量には外注支給を含んでおります。

 

<飲食関連事業>

品目

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

生菓子及び焼菓子 (百万円)

848

101.4

合計 (百万円)

848

101.4

 

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b. 仕入実績

イ.商品仕入実績

品目

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

コーヒー関連事業

 

 

 飲料・食品等 (百万円)

17,039

117.3

飲食関連事業

 

 

 食材等 (百万円)

1,225

154.0

合計 (百万円)

18,264

119.2

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

ロ.主要原材料の入手量、使用量及び在庫量

原材料名

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

入手量

前年同期比

使用量

前年同期比

期末在庫量

前年同期比

(トン)

(%)

(トン)

(%)

(トン)

(%)

コーヒー生豆

54,314

101.3

54,354

99.7

18,379

99.8

 

(注) 数量には外注製造委託分の生豆が含まれております。

 

 

② 受注状況

当社グループは販売計画に基づく見込生産を行っているため、受注生産はありません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

コーヒー関連事業 (百万円)

55,604

114.7

飲食関連事業 (百万円)

3,875

110.0

その他 (百万円)

3,818

103.7

合計 (百万円)

63,298

113.7

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去致しております。

2.主な相手先別の販売実績金額及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本コカ・コーラ株式会社

12,011

21.6

15,022

23.7

三井物産株式会社

12,237

22.0

10,972

17.3

三菱商事株式会社

6,960

12.5

6,798

10.7

 

 

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産の部は前連結会計年度末に比べ83億38百万円増加し、517億68百万円となりました。負債の部は82億89百万円増加し、212億38百万円となりました。純資産の部は48百万円増加し、305億30百万円となりました。

これらの主な要因は次のとおりです。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は345億3百万円となり、前連結会計年度末より81億10百万円増加となりました。これは主に、売掛金の増加(24億77百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(52億98百万円増)などによるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は172億64百万円となり、前連結会計年度末より2億28百万円増加となりました。有形固定資産は主に減価償却が進んだことによる建物及び構築物の減少(75百万円減)、機械装置及び運搬具の増加(76百万円増)、その他の減少(22百万円減)などにより20百万円減少しました。無形固定資産はその他の増加(1億73百万円増)などにより1億95百万円増加しました。投資その他の資産は投資有価証券の増加(45百万円増)などにより53百万円増加しました。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は193億85百万円となり、前連結会計年度末より84億13百万円増加となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加(57億46百万円増)、短期借入金の増加(31億4百万円増)などによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は18億53百万円となり、前連結会計年度末より1億23百万円減少となりました。これは主に、退職給付に係る負債の減少(1億18百万円減)などによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は305億30百万円となり、前連結会計年度末より48百万円増加となりました。これは主に、利益剰余金の減少(43百万円減)、その他有価証券評価差額金の増加(81百万円増)などによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3億8百万円、売上債権の増加24億72百万円、棚卸資産の増加63億23百万円、仕入債務の増加57億44百万円などにより、30億95百万円の支出となりました。(前連結会計年度は8億61百万円の収入)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出7億74百万円、無形固定資産の取得による支出2億67百万円などにより、9億73百万円の支出となりました。(前連結会計年度は7億27百万円の支出)

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の借入れ31億41百万円、配当金の支払い2億17百万円、リース債務の返済による支出1億19百万円などにより、27億57百万円の収入となりました。(前連結会計年度は4億66百万円の支出) 

以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は41億20百万円となり、前連結会計年度末より13億22百万円の減少となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの主要な運転資金需要は、原材料費、労務費、商品仕入、販売費及び一般管理費等であり、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修、店舗出店等に係る投資資金であります。

また今後、当社グループの新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献する新規事業や業務提携等への投資の検討を行ってまいります。

これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応していきます。

資金の流動性については、当連結会計年度末現在において当社グループの現金及び預金残高は、4,120百万円であり、今後の営業活動によって確保されるキャッシュ・フローに加え、金融機関の当座貸越契約による融資枠を設けており、十分な流動性を確保しているものと考えております。

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

5 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

6 【研究開発活動】

当社グループでは、千葉県船橋市に開発研究所を設置し、市場のニーズを取り入れた魅力ある商品づくりを行うとの考え方にもとづき、生活者の視点から商品アイテムの見直し、改廃を行いながら研究開発に取り組んでおります。

研究開発を行っている項目は次のとおりです。

(1) コーヒーの基礎研究

(2) コーヒー及びその他の食品、飲料類の新製品、新技術の開発

(3) 当社グループ製品及び取扱商品の品質向上策の立案研究並びに品質保証のための活動

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は199百万円であり、主要な支出はコーヒー関連事業であります。