当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策および日銀の金融政策を背景に企業業績の改善や設備投資の増加、雇用情勢の改善等、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、英国の欧州連合(EU)離脱に伴い海外の経済情勢が不安定となり、また円高や株価の下落により、景気の先行きは依然として不透明なまま推移いたしました。
当社グループを取り巻く市場環境も、消費者の生活防衛意識の高まりから、節約志向、低価格志向が恒常化しており、製品販売価格は低迷が続いております。また、当社の主要原材料である原料海苔は、平成25年度、平成26年度と収穫量の減少による品薄感から仕入価格の高騰が続いておりましたが、平成27年度も漁期開始当初の不作の影響により仕入価格は更に高騰し、原料高販売安という大変厳しい環境に直面いたしました。
このような状況のもと、当社では原料海苔仕入価格高騰によるコスト増を吸収するべく家庭用海苔製品等の価格改定を実施するとともに、販売促進費、広告宣伝費を中心とした経費削減に注力し、経営効率の向上に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は16,539百万円(前期比1.6%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は170百万円(前期比183.3%増)、経常利益は183百万円(前期比164.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は114百万円(前期は8百万円の損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(食品製造販売事業)
売上高を品目別に分類しますと、家庭用海苔は、原料海苔仕入価格の高騰により一部製品価格の値上げを実施したことなどにより、6,637百万円(前期比1.7%増)となりました。進物品につきましては、新製品の投入効果や既存品が好調に推移したことにより、1,561百万円(前期比0.6%増)となりました。ふりかけ等につきましては、主力品の「お茶漬亭10袋」が好調に推移したことや新製品の寄与により、3,335百万円(前期比3.6%増)となりました。業務用海苔につきましては、第3四半期までは既存取引先での販売が好調に推移しておりましたが、夏場の天候不順等の影響から需要が減退し、4,912百万円(前期比0.5%減)となりました。その他は、83百万円(前期比164.8%増)となりました。
以上の結果、食品製造販売事業の売上高は16,529百万円(前期比1.6%増)、営業利益は167百万円(前期比206.7%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業の売上高は、9百万円(前期比16.8%減)となり、営業利益は2百万円(前期比46.3%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて231百万円増加し、1,309百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は329百万円(前連結会計年度末は1,594百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益195百万円(前連結会計年度比131百万円増)、減価償却費118百万円(前連結会計年度比7百万円減)、未収消費税等の減少額108百万円(前連結会計年度末は108百万円の増加)、未払消費税等の増加額81百万円(前連結会計年度末は90百万円の減少)、法人税等の還付額65百万円(前連結会計年度末は法人税等の支払額189百万円)、売上債権の減少額53百万円(前連結会計年度末は295百万円の増加)の収入があった一方、原料海苔の仕入価格の高騰によるたな卸資産の増加額226百万円(前連結会計年度比755百万円減)、仕入債務の減少額55百万円(前連結会計年度末は44百万円の増加)の支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16百万円(前連結会計年度比160百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出69百万円(前連結会計年度比64百万円減)、投資有価証券の取得による支出6百万円(前連結会計年度比0百万円増)があった一方、保険積立金の解約による収入62百万円(前連結会計年度比62百万円増)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は75百万円(前連結会計年度比26百万円減)となりました。これは主に配当金の支払額75百万円(前連結会計年度比25百万円減)があったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
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食品製造販売事業 |
家庭用海苔 |
4,190,806 |
101.8 |
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進物品 |
928,745 |
108.9 |
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ふりかけ等 |
1,846,853 |
102.7 |
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業務用海苔 |
4,092,456 |
100.8 |
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その他 |
44,272 |
308.0 |
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計 |
11,103,134 |
102.4 |
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合計 |
11,103,134 |
102.4 |
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(注) 上記金額は、製造原価によっております。また、上記金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループは見込生産方式を採っておりますので、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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食品製造販売事業 |
家庭用海苔 |
6,637,477 |
101.7 |
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進物品 |
1,561,731 |
100.6 |
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ふりかけ等 |
3,335,665 |
103.6 |
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業務用海苔 |
4,912,028 |
99.5 |
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その他 |
83,060 |
264.8 |
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計 |
16,529,962 |
101.6 |
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不動産賃貸事業 |
計 |
9,990 |
83.2 |
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合計 |
16,539,953 |
101.6 |
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(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) |
当連結会計年度 (自 平成27年10月1日 至 平成28年9月30日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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三菱商事㈱ |
5,458,869 |
33.5 |
5,943,187 |
35.9 |
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伊藤忠商事㈱ |
3,693,061 |
22.7 |
3,554,570 |
21.5 |
当社は、現在の熾烈な販売競争の中で勝ち抜くため、消費者の支持と信頼を確保していくことを目指し次の項目に重点を置いた経営戦略を進めてまいります。
① 多様化、個性化する消費者の支持を得られる新製品の開発を強力に推進していくこと。
② 新販路、新しいマーケットの更なる開拓強化を推し進めていくこと。
③ 平成12年に全工場・全製造品目で「ISO9002」の認証を取得、平成15年に「ISO9001:2000年版」の認証を取得、平成21年には「ISO9001:2008年版」の認証を取得いたしましたが、今後も更に製品の安全性、品質の安定性、顧客への安心感を高めていくこと。
④ 生産性の向上と全社的経費削減を継続して実行していくこと。
⑤ 中国をはじめとする海外マーケットを開拓すること。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 主要原材料の仕入について
当社の主要原材料である原料海苔は、海産物であるため生産地の天候や海況により収穫量が左右され、仕入価格が変動することがあり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
なお、原料海苔はおおよそ11月から3月にかけて収穫され、その時期に約1年分の使用量を仕入れる必要があり、その仕入資金として一時的に金融機関からの借入金が発生しますが、期中において全額返済しております。
また、現在海苔は輸入制限品目に指定され、海外からの輸入(現在、海外の主な生産国は韓国、中国であります。)は制限されておりますが、将来的に輸入枠が拡大あるいは撤廃されることも考えられます。その場合、国内産との競合により、仕入価格・販売価格に影響を与える可能性があります。
(2) 製品の安全性について
当社では、安全・安心な製品を安定的に提供することを第一と考え、ISO9001の認証を取得するなど品質管理の強化に努めており、原材料・製品の検査体制の強化にも取り組んでおります。しかし、予見不可能な原因により製品の安全性に疑義が生じ、製品回収や製造物責任賠償が生じた場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3) 海外事業におけるリスクについて
中国をはじめとする海外での販路開拓を目的に、平成25年3月に子会社「大森屋(上海)貿易有限公司」を設立いたしましたが、現地における政情不安や国際紛争の発生、法的規制や商習慣の違い等に起因する予測不能な事態が発生した場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
特記すべき事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、「消費者的視点に立った製品づくり」という企業理念のもとに、「消費者の健康を考えた製品」の開発を基本方針として、研究開発及び品質管理等の分野において、積極的に課題に取り組んでおります。
当連結会計年度は、当社グループの経営資源を活用できる分野であるふりかけ・スープ市場への積極的な商品展開を進め、また、新カテゴリーへの参入を考え、市場分析や消費者調査等様々な調査を行うなど、商品化に向けての開発活動を進めてまいりました。
当連結会計年度における新製品としましては、平成28年2月に、消費者の安心安全志向の高まりを受けて、化学調味料・着色料・香料・甘味料無添加の「無添加とろろ昆布ふりかけ」、「無添加かつおふりかけ」と、鰹・鰯・エビ・昆布などの海の素材をたっぷり使用した「漁師めし茶漬」を発売し、また、外国人観光客にわさび関連製品がお土産として人気が高い事に着目し、インバウンド消費対応商品として「わさびのり卓上」を、新しいタイプのおにぎり需要に向けた「スティックおにぎり専用焼のり」も発売いたしました。
平成28年8月には、武庫川女子大学の食物栄養学科調理学研究室と共同開発した、女性に大切な鉄や食物繊維などの栄養素と緑黄色野菜やごぼうを素材として使用した野菜ふりかけ4種詰め合わせの「ベジふり」、1日必要量の3分の1の野菜と2分の1の鉄分が摂れる「ゆず香る野菜たっぷりスープ」を発売しました。女子学生の若い感性を活かしたコンセプトが評価され、順調な販売が続いております。それと平成27年2月に発売開始した国内産の原料にこだわった「国産ふりかけシリーズ」の新アイテムとしてビタミンEを強化した栄養機能食品である「だいずふりかけ」を、家庭用海苔分野においては、健康志向に対応し調味液の塩分を減らした「減塩味付のり卓上」、「減塩味付のり3切」と、お酒のおつまみ用海苔として販売中の「あて海苔シリーズ」をリニューアルし、新たにガーリック味や梅味、てりやき風味を加え発売いたしました。
研究活動としましては、海苔が持つ免疫機能を高める効果に着目し、崇城大学(熊本県)と共同で、その効果を科学的に検証しており、海苔の持つ免疫賦活作用のメカニズム解明を進めながら、健康食品としての新たな可能性を探求しております。
当連結会計年度に支出いたしました研究開発費は42百万円であります。。(すべて食品製造販売事業に係るものであります。)
(1) 財政状態
① 資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて105百万円増加し、12,154百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて170百万円増加し、9,407百万円となりました。これは主に、現金及び預金が231百万円、たな卸資産が225百万円それぞれ増加した一方、その他(流動資産)が190百万円、受取手形及び売掛金が59百万円、繰延税金資産が36百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて64百万円減少し、2,746百万円となりました。これは主に、その他(投資その他の資産)が52百万円、有形固定資産が40百万円それぞれ減少した一方、繰延税金資産が21百万円増加したことによるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて45百万円増加し、1,929百万円となりました。これは主に、その他(流動負債)が83百万円、未払法人税等が60百万円それぞれ増加した一方、支払手形及び買掛金が74百万円、未払金が20百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて24百万円増加し、582百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が14百万円、役員退職慰労引当金が11百万円それぞれ増加した一方、その他(固定負債)が1百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて35百万円増加し、9,642百万円となりました。これは主に、利益剰余金が38百万円増加したことによるものであります。
② 資金の状況
当社グループの資金の状況は、営業活動により得られた現金及び現金同等物(以下「資金」という。)が329百万円、投資活動により使用した資金が16百万円、財務活動により使用した資金が75百万円となったことにより、当連結会計年度の資金残高は、1,309百万円となりました。
なお、各キャッシュ・フローの増減要因については、第2〔事業の状況〕1〔業績等の概要〕(2) キャッシュ・フローの状況に記載しております。
(2) 経営成績
① 売上高
当連結会計年度における売上高は16,539百万円となり、前連結会計年度と比較して259百万円の増加(前連結会計年度比1.6%増)となりました。品目別の状況につきましては、第2〔事業の状況〕1〔業績等の概要〕(1) 業績に記載しております。
② 売上原価及び売上総利益
売上原価は、前連結会計年度と比較して176百万円増加(前連結会計年度比1.6%増)し、11,109百万円となりました。売上原価率は67.2%(前連結会計年度67.2%)となりました。
この結果、売上総利益は5,430百万円となり、前連結会計年度と比較して82百万円増加(前連結会計年度比1.5%増)いたしました。
③ 販売費及び一般管理費及び営業利益
販売費及び一般管理費は5,259百万円となり、前連結会計年度と比較して27百万円減少(前連結会計年度比0.5%減)いたしました。主な内訳は販売促進費3,770万円、給料手当497百万円、運賃363百万円、賞与引当金繰入額54百万円であります。
この結果、営業利益は170百万円となり、前連結会計年度と比較して110百万円増加(前連結会計年度比183.3%増)いたしました。
④ 営業外損益及び経常利益
営業外収益は前連結会計年度と比較して3百万円増加(前連結会計年度比26.7%増)し14百万円となりました。営業外費用は前年結会計年度と比較して0百万円減少し、2百万円(前連結会計年度比13.4%減)となりました。
この結果、経常利益は183百万円となり、前連結会計年度と比較して113百万円の増加(前連結会計年度比164.2%)となりました。
⑤ 特別損益及び税金等調整前当期純利益
特別利益は当連結会計年度に保険解約返戻金14百万円があったことなどにより、前連結会計年度と比較して15百万円増加し、15百万円となりました。
特別損失はゴルフ会員権評価損2百万円を計上したことになどより、前連結会計年度と比較して1百万円減少(前連結会計年度比35.7%減)し、3百万円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は195百万円となり、前連結会計年度と比較して131百万円の増加(前連結会計年度比205.4%増)となりました。
⑥ 法人税等及び親会社株主に帰属する当期純損益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は、前連結会計年度と比較して8百万円増加し、80百万円(前連結会計年度比11.8%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は114百万円(前連結会計年度は8百万円の純損失)となりました。