第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移しましたが、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 食品業界では、「安全・安心」を求める消費者意識が高まる中、雇用環境の変化による人手不足・労働コストの上昇などもあり、引き続き厳しい経営環境となりました。

 このような状況下、当社グループは、平成28年9月1日より持株会社体制に移行するとともに、当社の事業部門および製造子会社3社を1社に統合し、さらなる成長に向けた経営基盤の強化に取り組んでまいりました。

 売上面につきましては、主力事業である食品関連事業において、セブン-イレブンの積極的な出店やチルド温度帯商品の販売伸長などにより売上を拡大し、当連結会計年度の売上高は、2,143億5百万円(前期比51億5千8百万円、2.5%増)となりました。

 利益面では、前期に稼働した岩手工場の初期赤字の縮小などにより、営業利益は40億9千9百万円(前期比10億1千1百万円、32.8%増)、経常利益は43億4百万円(前期比9億6千8百万円、29.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億8千1百万円(前期比8億5千2百万円、59.7%増)となりました。

 セグメントごとの事業概況は、以下のとおりです。

 

[食品関連事業]

 納品店舗数の増加やチルド弁当の売上が伸長したことなどにより、売上高は1,681億8千6百万円(前期比45億2千万円、2.8%増)となりました。また、前期に稼働した岩手工場の初期赤字の縮小などにより、営業利益は31億6千7百万円(前期比10億9千万円、52.5%増)となりました。

[食材関連事業]

 水産加工品の取扱高が増加したことなどにより、売上高は243億4千1百万円(前期比1億9千5百万円、0.8%増)となりました。一方、利益率の高い商品の取扱高が減少したことなどにより、営業利益は4億3千2百万円(前期比2千9百万円、6.3%減)となりました。

[物流関連事業]

 前期開設したセンター・営業所が寄与し、売上高は147億8千1百万円(前期比6億3千8百万円、4.5%増)、営業利益は1億8千5百万円(前期比1億3千万円、240.6%増)となりました

[その他]

 売上高は69億9千5百万円(前期比1億9千6百万円、2.7%減)となりました。一方、食品製造設備関連事業において利益率の高い案件が増加したことなどにより、営業利益は5億2千5百万円(前期比1億6千万円、43.9%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べて44億4千3百万円増加し、109億3千7百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は87億7千万円(前連結会計年度は56億7千7百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益(35億9千5百万円)および減価償却費(47億9千7百万円)によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は27億1千9百万円(前連結会計年度は44億3千1百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出(△20億8千9百万円)および無形固定資産の取得による支出(△4億5百万円)によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は16億2千8百万円(前連結会計年度は36億2百万円の減少)となりました。これは、リース債務の返済による支出(△20億円)、配当金の支払額(△7億4百万円)、長期借入金の返済による支出(△6億8千6百万円)および長期借入れによる収入(18億6千万円)によるものです。

 

2【生産、受注および販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

食品関連事業

166,405

2.7

食材関連事業

4,564

12.4

合計

170,970

2.9

(注)1.金額は販売価格(出荷価格)をもって表示しております。

2.上記については、セグメント間の内部取引消去前の数値で表示しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 一部の連結子会社は、受注生産を行っておりますが、受注当日または翌日に製造・出荷の受注生産を行っておりますので、受注高および受注残高の記載は省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

食品関連事業

168,186

2.8

食材関連事業

24,341

0.8

物流関連事業

14,781

4.5

その他

6,995

△2.7

合計

214,305

2.5

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

当連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社セブン-イレブン・ジャパンの加盟店および直営店

157,177

75.2

163,133

76.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 “食”の安全に対する社会的意識の高まりや消費者ニーズの多様化に伴う競争激化など、当社を取り巻く経営環境の変化を踏まえ、当社グループは、いかなる環境にも対応できる経営基盤を構築し、収益構造の強化を図るとともに、より企業価値を高め、持続的に成長する企業グループを目指します。

 当社グループは、新規カテゴリーの開発や新規エリアへの進出などにより、コンビニエンスストア向けの事業拡充を図るとともに、独自の食材開発や海外展開の強化も行っていきます。

 多様化する消費者ニーズに対しては、当社グループは、常においしさを追求した商品や地域・年代の好みに合わせた新商品の開発に努め、今後とも価値ある商品・サービスの提供を行っていきます。

 また、「安全・安心」な商品の開発・提供をモットーに、当社グループは、従来以上に品質・衛生管理を強化するとともに、全工場において業界独自のHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析重要管理点/食品製造工程の衛生管理プログラムの一つ)認証を取得し、各工場の衛生管理指導を徹底していきます。

 さらに、国内外の原材料調達ルートの見直しや海外加工拠点の見直し、製造設備の改善・開発による省力化および物流の効率化、大規模災害に対する危機管理体制のさらなる改善など、企業体質の強化と業績の向上に一層努めていきます。

4【事業等のリスク】

 以下の記載事項は、当社グループの事業に関するリスク要因と考えられ、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。ただし、以下は、当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外のリスクも存在します。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。

 当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針です。

(1)特定の取引先への依存度が高いことについて

 当社グループの主な販売先は、株式会社セブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)の加盟店および直営店であり、同社とは昭和53年6月以来、商品売買取引に関する契約に基づき継続的に取引を行っています。

 当社グループの連結会計年度における連結売上高のうち、セブン-イレブンへの売上高および連結売上高に対する割合は下表のとおりです。当社グループは、今後ともセブン-イレブンとの安定した取引関係を継続していく方針です。

 一方、セブン-イレブンの店舗展開、販売方針ならびに価格政策などの経営戦略が変更になった場合、同社店舗への商品納入に関して同業他社との競合が発生するなど取引関係が変化し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(単位:百万円)

 

 

平成26年2月期

平成27年2月期

平成28年2月期

平成29年2月期

金額

売上比

(%)

金額

売上比

(%)

金額

売上比

(%)

金額

売上比

(%)

株式会社セブン-イレブン・ジャパンの加盟店および直営店への売上高

137,331

73.6

149,251

74.0

157,177

75.2

163,133

76.1

連結売上高

186,531

100.0

201,680

100.0

209,147

100.0

214,305

100.0

 

(2)事業環境について

 順調に拡大してきた当社グループの中食事業は、食品スーパー、惣菜専門店、持ち帰り弁当店や事業所向け弁当宅配事業者などとの間において、価格、品質、利便性などをめぐって、競合が激化しているものと認識しています。

 当社グループは、これらの競合に対処すべく、フード・イノベーターとしておいしさの世界を常に革新し、新しい食のトレンドを進化させ続けることを目標とし、顧客満足度の向上に努めていきます。

 しかしながら、品質のさらなる向上、食品表示や「トレーサビリティ」強化などに伴うコストの増加や販売価格の引き下げ、さらには原材料価格や人件費の上昇に伴う製造コストの増加などにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(3)食の安全性について

 ここ数年、食品業界においては、食品表示問題、有害物質の混入および放射能の問題など食品の品質や安全性が疑われる問題が発生しました。

 当社グループは、「衛生管理の徹底は他のいかなる業務よりも優先する」を信条に、業界独自のHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析重要管理点/食品製造工程の衛生管理プログラムの一つ)の手法などに基づいた衛生管理、品質管理を実践し、原材料の仕入から商品の納品まで厳しい基準で管理するなど、安全で安心な商品提供のために万全の体制を構築しています。

 しかしながら、上記の取り組みにもかかわらず、当社グループの想定を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(4)法的規制等について

 当社グループの食品事業に関する主たる法的規制には、食品の規格、添加物、衛生監視、営業許可などを定めた「食品衛生法」、工場、事業場の排水規制を定めた「水質汚濁防止法」、欠陥製造物からの消費者保護を目的とした「製造物責任法(PL法)」などがあり、その遵守に万全を期しています。

 一方で、現在予期しない法的規制などが実施された場合、その対応に新たな費用が発生するなど、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

(5)自然災害について

 当社グループは、北海道から関西および四国までの地域に26工場(セブン-イレブン向け商品供給工場)を有しています。したがって、工場進出地域において、地震などの自然災害やそれに伴う電気、水道をはじめとするライフラインの停止、物流網の遮断などが発生した場合、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)商品売買取引に関する契約(約定書)

契約会社名

相手方の名称

契約内容

契約期間

わらべや日洋株式会社

(連結子会社)

株式会社セブン-イレブン・ジャパン

同社加盟店および直営店に対する商品売買取引に関する事項

平成6年1月16日から1年間、以降自動更新

 

(2)持株会社体制への移行に伴う吸収分割および吸収合併

 当社は、平成28年4月13日に、持株会社体制に移行するため、平成28年9月1日を効力発生日として、当社が営んでいる事業のうち子会社を管理する事業以外の一切の事業に関して有する権利義務を、会社分割により当社の連結子会社であるわらべや関西株式会社に承継させることを決定し、同日、吸収分割契約を締結いたしました。また、平成28年9月1日を効力発生日として、わらべや関西株式会社を存続会社、当社の連結子会社であるわらべや東海株式会社およびわらべや北海道株式会社を消滅会社とする吸収合併を行うことを決定し、併せて吸収合併契約を締結しました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、多様化する消費者ニーズの変化にスピーディーに対応した値ごろ感のある高品質の商品を提供できるよう、原材料から最終商品までのトータル的な商品開発を積極的に行い、食品としての「美味しさ」「安全性」について、日々研究に努めております。

 

7【財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて65億4千2百万円増加し、838億7千7百万円となりました。負債は前連結会計年度末に比べて48億9千5百万円増加し、407億円となりました。

 純資産については前連結会計年度末に比べて16億4千7百万円増加し、431億7千6百万円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものです。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

 

(3)資本の財源および資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが税金等調整前当期純利益、減価償却費などによりプラスの87億7千万円、投資活動によるキャッシュ・フローが有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出などによりマイナスの27億1千9百万円、財務活動によるキャッシュ・フローがリース債務の返済による支出、配当金の支払額、長期借入金の返済による支出、長期借入れによる収入などによりマイナスの16億2千8百万円で、換算差額を考慮した現金及び現金同等物は109億3千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ44億4千3百万円増加しました。