第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移しましたが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 食品業界では、原材料価格の上昇や雇用環境の変化による人手不足・労働コストの上昇などもあり、引き続き厳しい経営環境となりました。

 このような状況下、当社グループは、主力事業である食品関連事業において、セブン-イレブンの出店に伴う納品店舗数の増加などにより売上を拡大し、当連結会計年度の売上高は、2,191億3百万円(前期比47億9千7百万円、2.2%増)となりました。

 利益面では、材料費や労務費上昇の影響により、営業利益は37億3千1百万円(前期比3億6千7百万円、9.0%減)、経常利益は40億2千3百万円(前期比2億8千1百万円、6.5%減)となりました。また、特別損失を9億9千5百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、20億9千3百万円(前期比1億8千7百万円、8.2%減)となりました。

 セグメントごとの事業概況は、以下のとおりです。

 

[食品関連事業]

 納品店舗数の増加により、売上高は1,731億1千9百万円(前期比49億3千2百万円、2.9%増)となりました。一方、原材料価格上昇の影響などにより、営業利益は32億7百万円(前期比4千万円、1.3%増)にとどまりました。

 なお、前期9月から持株会社体制に移行したことに伴い、食品関連事業に含まれていたグループ管理費用等を報告セグメントに帰属しない「調整額」として計上する方法に変更しております。

 上記、「調整額」に計上したグループ管理費用等は、前連結会計年度で2億6千8百万円、当連結会計年度で6億5百万円となります。

[食材関連事業]

 農産品の取扱高が増加したものの、水産加工品の取扱高が減少したことなどにより、売上高は244億7千3百万円(前期比1億3千2百万円、0.5%増)、営業利益は4億4千3百万円(前期比1千万円、2.4%増)にとどまりました。

[物流関連事業]

 売上高は147億2千1百万円(前期比5千9百万円、0.4%減)とほぼ前期並みとなりました。また、人件費の増加などにより、営業利益は1億2千2百万円(前期比6千2百万円、34.0%減)となりました。

[その他]

 食品製造設備関連事業における前期の大型案件の反動減があったものの、人材派遣事業が好調だったことにより、売上高は67億8千8百万円(前期比2億7百万円、3.0%減)、営業利益は5億3千5百万円(前期比9百万円、1.7%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べて57億3千3百万円減少し、52億3百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は80億8千2百万円(前連結会計年度は87億7千万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益(30億2千7百万円)および減価償却費(50億8千2百万円)によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は91億5千1百万円(前連結会計年度は27億1千9百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出(△77億2千2百万円)および無形固定資産の取得による支出(△2億4千9百万円)によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は45億6千4百万円(前連結会計年度は16億2千8百万円の減少)となりました。これは、リース債務の返済による支出(△23億5千1百万円)、長期借入金の返済による支出(△14億9千8百万円)および配当金の支払額(△7億4百万円)によるものです。

 

2【生産、受注および販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

食品関連事業

171,434

3.0

食材関連事業

4,790

4.9

合計

176,224

3.1

(注)1.金額は販売価格(出荷価格)をもって表示しております。

2.上記については、セグメント間の内部取引消去前の数値で表示しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 一部の連結子会社は、受注生産を行っておりますが、受注当日または翌日に製造・出荷の受注生産を行っておりますので、受注高および受注残高の記載は省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

食品関連事業

173,119

2.9

食材関連事業

24,473

0.5

物流関連事業

14,721

△0.4

その他

6,788

△3.0

合計

219,103

2.2

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

当連結会計年度

(自 平成29年3月1日

至 平成30年2月28日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社セブン-イレブン・ジャパンの加盟店および直営店

163,133

76.1

168,419

76.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

<グループ理念>

 私たちは「安全・安心」と「価値ある商品・サービス」の提供を通じて、お客様の健康で豊かな食生活に貢献します。

<経営理念>

 ・お客様のニーズを追求し、変革を推進します。

 ・コンプライアンスを実践し、透明性の高い経営を行い、社会から信頼される企業を目指します。

 ・人を育て、働きがいのある、環境にやさしい企業を目指します。

 

 当社グループは、グループ企業間の連携を強化しつつ、それぞれの企業が得意分野の機能を強化し、消費者、取引先、株主、従業員などの利害関係者の信頼に応えていきます。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、収益性の向上を図り、連結ROE8%以上を目標として努力を重ねていきます。

 

(3)経営環境

 わが国経済は、緩やかな回復基調が期待されるものの、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動などが景気を下押しするリスクとなっており、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。食品業界では、引き続き原材料価格の上昇や人手不足・労働コストの上昇が予想されるなど、従来同様に厳しい経営環境が継続すると考えられます。

 

(4)中長期的な経営戦略および対処すべき課題等

 “食”の安全・安心に対する社会的要請、少子高齢化および人口構成の変化に伴う人手不足・労務費の上昇、ライフスタイルの多様化など、当社を取り巻く経営環境を踏まえ、当社グループは、いかなる環境にも対応できる経営基盤を構築し、収益構造の強化を図るとともに、より企業価値を高め、持続的に成長する企業グループを目指します。

 当社グループは、消費者のニーズを的確に捉え、「衛生管理の徹底は他のいかなる業務よりも優先する」をモットーに、安全・安心で価値ある新商品や食材の開発および新規カテゴリーへの取り組みなどにより、コンビニエンスストア向けの事業を拡充し業容を拡大します。

 政府が食品事業者に対して進める平成32年までのHACCP導入義務化の動きを見据え、わらべや日洋株式会社は、中食業界の先頭を切って平成29年5月に「JFS-E-B」規格の適合証明を浦和工場で取得しました。今後同規格を全工場に拡大することで、当社グループの品質管理と食品安全の一層の強化を図ります。

 また、当社グループの商品開発力、生産技術力および品質・衛生管理力を活用し、米国や中国などの海外事業にも注力し、グローバルな事業基盤を構築します。

 グループ従業員の処遇改善、働きやすい職場環境の提供、女性および外国人従業員のさらなる活躍推進などにより従業員の定着率を改善し、中長期的に人材を強化します。また、省力化機械の生産現場への導入推進により、生産効率の改善に取り組みます。

 

 

4【事業等のリスク】

 以下の記載事項は、当社グループの事業に関するリスク要因と考えられ、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。ただし、以下は、当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外のリスクも存在します。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。

 当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針です。

(1)特定の取引先への依存度が高いことについて

 当社グループの主な販売先は、株式会社セブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)の加盟店および直営店であり、同社とは昭和53年6月以来、商品売買取引に関する契約に基づき継続的に取引を行っています。

 当社グループの連結会計年度における連結売上高のうち、セブン-イレブンへの売上高および連結売上高に対する割合は下表のとおりです。当社グループは、今後ともセブン-イレブンとの安定した取引関係を継続していく方針です。

 一方、セブン-イレブンの店舗展開、販売方針ならびに価格政策などの経営戦略が変更になった場合、同社店舗への商品納入に関して同業他社との競合が発生するなど取引関係が変化し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(単位:百万円)

 

 

平成27年2月期

平成28年2月期

平成29年2月期

平成30年2月期

金額

売上比

(%)

金額

売上比

(%)

金額

売上比

(%)

金額

売上比

(%)

株式会社セブン-イレブン・ジャパンの加盟店および直営店への売上高

149,251

74.0

157,177

75.2

163,133

76.1

168,419

76.9

連結売上高

201,680

100.0

209,147

100.0

214,305

100.0

219,103

100.0

 

(2)事業環境について

 順調に拡大してきた当社グループの中食事業は、食品スーパー、ドラッグストア、惣菜専門店、持ち帰り弁当店や事業所向け弁当宅配事業者などとの間において、価格、品質、利便性などをめぐって、競合が激化しているものと認識しています。

 当社グループは、これらの競合に対処すべく、フード・イノベーターとしておいしさの世界を常に革新し、新しい食のトレンドを進化させ続けることを目標とし、顧客満足度の向上に努めていきます。

 しかしながら、品質のさらなる向上、食品表示や「トレーサビリティ」強化などに伴うコストの増加や販売価格の引き下げ、さらには原材料価格や人件費の上昇に伴う製造コストの増加などにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(3)食の安全性について

 ここ数年、食品業界においては、食品表示問題、有害物質の混入および放射能の問題など食品の品質や安全性が疑われる問題が発生しました。

 当社グループは、「衛生管理の徹底は他のいかなる業務よりも優先する」を信条に、業界独自のHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析重要管理点/食品製造工程の衛生管理プログラムの一つ)の手法などに基づいた衛生管理、品質管理を実践し、原材料の仕入から商品の納品まで厳しい基準で管理するなど、安全で安心な商品提供のために万全の体制を構築しています。

 しかしながら、上記の取り組みにもかかわらず、当社グループの想定を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(4)法的規制等について

 当社グループの食品事業に関する主たる法的規制には、食品の規格、添加物、衛生監視、営業許可などを定めた「食品衛生法」、工場、事業場の排水規制を定めた「水質汚濁防止法」、欠陥製造物からの消費者保護を目的とした「製造物責任法(PL法)」などがあり、その遵守に万全を期しています。

 一方で、現在予期しない法的規制などが実施された場合、その対応に新たな費用が発生するなど、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

(5)自然災害について

 当社グループは、北海道から関西および四国までの地域に27工場(セブン-イレブン向け商品供給工場)を有しています。したがって、工場進出地域において、地震などの自然災害やそれに伴う電気、水道をはじめとするライフラインの停止、物流網の遮断などが発生した場合、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

商品売買取引に関する契約(約定書)

契約会社名

相手方の名称

契約内容

契約期間

わらべや日洋株式会社

(連結子会社)

株式会社セブン-イレブン・ジャパン

同社加盟店および直営店に対する商品売買取引に関する事項

平成6年1月16日から1年間、以降自動更新

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、多様化する消費者ニーズの変化にスピーディーに対応した値ごろ感のある高品質の商品を提供できるよう、原材料から最終商品までのトータル的な商品開発を積極的に行い、食品としての「美味しさ」「安全性」について、日々研究に努めております。

 

7【財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて30億1千万円増加し、868億8千8百万円となりました。これは主に有形固定資産が増加したことによるものです。負債は前連結会計年度末に比べて19億1百万円増加し、426億2百万円となりました。これは主にリース債務が増加したことによるものです。

 純資産については前連結会計年度末に比べて11億9百万円増加し、442億8千6百万円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものです。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

 

(3)資本の財源および資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが税金等調整前当期純利益、減価償却費などによりプラスの80億8千2百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出などによりマイナスの91億5千1百万円、財務活動によるキャッシュ・フローがリース債務の返済による支出、長期借入金の返済による支出、配当金の支払額などによりマイナスの45億6千4百万円で、換算差額を考慮した現金及び現金同等物は52億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億3千3百万円減少しました。