第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社は「即席めんの開発、製造、販売を通じて、豊かな食文化の創造に貢献する」という経営の基本方針を創業以来貫いてきております。中でも当社の主力製品であります棒ラーメンは、発売から60年以上の長きにわたりお客さまから支持されてきました。

引き続き、当社は製品の品質と安全性の向上を図るなど、お客さまや株主のご期待にお応えし、食の悦び、食の楽しみを支え続ける企業として発展してまいります。

 

(2)中長期的な経営戦略

当社では、2022年3月に竣工した佐賀工場の減価償却費に対応するため、収益の改善を最優先とする方針のもと生産効率の向上や運搬費をはじめとする諸経費の削減を推進するとともに、ブランド価値の高い棒ラーメン、皿うどんの販売拡大を基本戦略に据えて諸施策を展開しております。

販売面においては、新製品の研究・開発を進め新規需要の開拓を推進いたします。また、海外向けや業務用の販売拡大に努めるとともに、販売シェアが低い関東地区において、ブランド力、認知度の向上を図るなどの販売拡大策を推進してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、安定した財務基盤確立を目指し、営業利益及び売上高営業利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として用いております。

 

(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後のわが国経済の見通しにつきましては、緩やかな回復が続くことが期待される一方で、エネルギー価格や原材料価格の上昇に伴う物価上昇に賃金が追い付いてないことや、外部環境の不確実性により先行きが不透明な経済状況が本年も続くことが予想されます。

即席めん業界においては、食の安全・安心への対応強化、原材料及び資材など各種コストの上昇、さらに消費者の多様化するニーズおよび節約志向の高まりにより、厳しい経営状況が続くと思われます。

このような状況のもと、当社は以下の事項を対処すべき重要な課題として取り組んでまいります。

 

①製品の品質と安全性の確保

食品企業として最重要課題である「品質と安全・安心の確保」に向け、福岡工場、佐賀工場で認証取得済みである国際的な食品安全の認証規格FSSC22000の適切な運用を通じて、製品の厳格な品質管理の徹底とさらなる向上を図ってまいります。

 

②経営効率化の推進

厳しい競争においても利益を確保できる企業体質を目指し、効率化をさらに進めてまいります。特に近年上昇している原材料、包装材のみならず、あらゆるコストの上昇に直面している状況を踏まえ、一層のコストの削減に向けた費用の見直しを行ってまいります。

また、生産の効率化を図るため現在2工場体制になっている棒ラーメンの製造を佐賀工場に一本化する工事を進めてまいります。

 

③製品開発力の強化

消費者のニーズ、嗜好を調査・把握し、美味で高品質な新製品を開発・販売してまいります。お客さまに満足いただける美味しさにこだわるとともに、部門間連携を強化することで販売エリアのニーズに沿った製品を開発し、投入することで市場の拡大を図ってまいります。

 

④人材育成と組織力向上

企業の価値を高め、成長させる原動力は人材であるとの理念のもと、社員が期待される役割と果たすべき責任を十分理解し、効率的かつ効果的に業務を遂行できるよう一層の人材育成に努めてまいります。また、組織活性化への取り組みや各種プロジェクト、ワーキングを通じた組織力の向上を行ってまいります。

 

⑤企業の社会的責任及び地域貢献への取り組み

企業活動を通じた社会の持続可能な成長に向け、SDGsへの取り組みを推進してまいります。省エネや環境包材の利用による環境負荷低減、原材料ロス削減や賞味期限の延長の取組みによるフードロスの削減を図ってまいります。また、これまでも行ってきた災害発生時の即席めん提供や社会福祉協議会を通じての製品の寄付などの地域貢献、社会貢献活動を行ってまいります。

 

以上の施策を経営戦略の中心に据えて着実に推進し、「味の追求」「品質管理」「安全性」について、お取引先に信頼され、お客さまにご満足いただける製品づくりに努め、安定した収益を確保するため、全社一丸となって取り組んでまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

「笑顔と幸せを食卓に」の経営理念のもと、当社は商品の安全・安心と美味しさを追求し、魅力ある商品を世界の食卓にお届けすることで企業の持続的な成長と社会への貢献を目指しております。

小麦粉や食用油など自然の恵みを主原料としている当社にとって、世界的な課題である気候変動の影響は、その進行に伴う異常気象を要因とする原材料の調達不全などの様々なリスクが予想されます。当社は気候変動への対応と持続可能な社会の実現は当社事業の重要な課題ととらえており、事業活動を通じた課題解決に取り組んでおります。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

当社は、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を年2回開催しております。当委員会では気候変動や自然災害の発生の影響による事業活動の停滞や原材料調達に関わるリスクを総合的に勘案し、リスクの特定、リスク発現の蓋然性や影響の大きさ、リスクの顕在化の未然防止と顕在化時の被害の最小化への対応力を評価しております。

また、同様に代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を2025年2月に設置しました。本委員会を年1回開催し、サステナビリティに寄与する取組みを統制してまいります。

取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。

 

(2)重要課題及び取組状況

当社は気候変動への対応及び持続可能な社会の実現に向け、地域社会への貢献とSDGsへの取り組みを重要施策と位置づけております。食品製造業の立場から省エネルギーやフードロス削減を重点に、以下の重要課題を設定して事業活動を通じた取り組みを行っております。

 

①地域貢献活動

・災害発生時に当社製品の提供や義援金の寄付などの被災地の復興支援

・行政が主催するイベントなど地域のイベントへの参加や製品提供

 

②環境への配慮

・地球環境に配慮した包装素材の導入によるプラスチック使用量の削減

・エネルギーの有効活用による環境負荷の低減と省エネルギーの実施

 

③循環型社会への対応

・フードロス削減に寄与する製品開発

・廃棄物ゼロに向けたリサイクルの推進

 

各重点課題の取組内容及び状況は、以下のとおりであります。

 

課題

項目

内容

目標/実績

①地域貢献活動

被災地復興支援

製品の提供

2016年熊本地震

2017年九州北部豪雨

※実績:計1万2千食

義援金の寄付

「JA筑前あさくら」に復興義援金

※実績:5年間累計5百万円

災害協定

唐津市と災害時緊急支援協定締結

地域支援

イベントへの出展、製品提供

※実績

佐賀県「SAGAものスゴフェスタ」、「さが健康維新運動」などの行政主催イベント、「福岡市西区どんたく」、「三陽高校文化祭」など地域イベントへの参加、製品の提供

子ども食堂支援

※実績

唐津市福祉協議会、福岡市のNPO法人へ製品の寄付

②環境への配慮

環境に配慮した素材の導入とプラスチック削減

棒ラーメン群

バイオマス配合の包装材に切替

※実施済み:年間5トンのプラスチック削減

紙包材化でプラスチック使用量50%削減

※実施目標:2030年までに完了

皿うどん群

包装材の薄肉化

※実績:2024年度一部開始

梱包用段ボール

FSC森林認証紙へ順次切替

※導入済み:2024年度に全アイテムに導入、また、一部製品の段ボールサイズの縮小

省エネルギー

福岡工場

ガスコージェネレーション設備

※導入済み

太陽光発電設備

※導入済み、2023年度100kW増設

佐賀工場

潜熱回収ボイラー設備、蒸気ドレン回収システム

※導入済み

物流

※実績

フェリー便、JRコンテナの利用

③循環型社会への対応

フードロス削減に向けた賞味期限延長

皿うどん群

5か月から7か月に延長

※実施済み

棒ラーメン群

8か月から12か月に延長(一部製品を除く)

※実施済み

廃棄物の削減とリサイクル

原料廃棄物の削減

揚げ油の廃棄量の削減

※実績:年間約10トンの削減

廃棄物リサイクル

くず麵、廃揚げ油の畜産飼料へのリサイクルシステム

※導入済み

 

 

 

また、企業の持続的な成長の原動力は人材であるとの理念のもと、全従業員を対象とした組織診断を定期的に実施するなど、人材の育成及び社内環境の整備に取り組んでおります。その方針として、多様な属性や価値観をもつ従業員が活躍できる職場づくりを目指すため、自律性・積極性に富んだ次世代リーダーの育成、部門を横断したコミュニケーションの場の形成を推進するとともに、積極的な人材登用と採用を進めてまいります。

指標

目標

実績

継続的な人材採用

大卒:4~5名

高卒:1~2名

中途:1~2名

2024年度:大卒3名、高卒1名、中途4名(内、社員登用3名)

女性管理職者数

2025年度末まで3

2024年度末:2

男性育休取得者数

2023年度~2025年度中3取得

2023年度:1

教育研修

次世代リーダー育成研修:30名

部門横断的活動への参加10

2024年度

リーダー研修参加:22名

係長研修参加:31名

部門横断的活動(子ども参観日企画)参加:8

 

 

(3)従業員への浸透

取り組みには従業員一人ひとりが重点課題を理解・共有し、行動することが重要と考えております。当社では社内向けのSDGsガイドブックや活動報告書を作成し、サステナビリティと当社の取り組みへの従業員の意識付けを行っております。

 

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)サプライチェーン価格高騰について

当社では製造原価や物流費の低減を図るため、複数社との取引や資材スペックの適宜見直し、物流効率化などに努めております。しかし、当社製品の主原材料である小麦粉や油脂、各種資材などの原料である原油は、原産国での不作や政情不安または需給ひっ迫などによって資材の安定調達、仕入れ価格に直接影響を及ぼすものです。

また、物流業界の担い手不足や燃料費高騰に伴う物流費の高騰も製品の安定供給への支障や製造経費の上昇など、業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

 

(2)新製品開発について

即席めん業界では、カップめんを中心に新製品開発競争が展開され、数多くの新製品が市場に投入されております。同時に市場の進化のスピードが速く、新製品の定着率が極めて低い状況にあります。

そのような中、当社は2024年6月20日付で商品開発部とマーケティング部を統合し、商品戦略部を設置しました。消費者ニーズに合った製品開発をより迅速化、注力することがねらいとなっております。当社が、多様化する市場ニーズにマッチした新製品の開発ができなかった場合、売上高の減少等、収益性を低下させる可能性があります。

 

(3)製品の安全性確保について

食品の安全性に対する消費者の要求は、年々高まってきております。当社では、福岡工場及び佐賀工場にて国際的な食品安全の認証規格であるFSSC22000を認証取得し、品質保証部を中心に品質会議や品質異常、異物混入の定期的なチェックを実施するなど品質保証体制の強化に努めております。

しかしながら、製造工程での異物混入、流通段階での破袋やめんの折損の発生等、製品事故が発生する可能性があります。

万が一大規模な製品事故が発生した場合には、風評等によるイメージ低下や、製品回収に多額のコストが発生する等、売上高の減少や業績に重大な結果を及ぼす可能性があります。

 

(4)販売動向について

即席めん製造業は成熟産業であり、各社の生産能力は過剰の状況にあることから、厳しい価格競争が展開されております。当社では、大手メーカーとの厳しい競争環境の中、主力製品であります棒ラーメン、皿うどんの売上を確保するため営業活動に取り組んでおります。

このような中、リベート、特売等の販売促進費が増加し、当社の収益を圧迫する要因となる可能性があります。

 

(5)海外輸出について

当社は、東南アジアへの輸出に力を入れており、ここ数年にわたって順調に業績を伸ばすことができました。さらに当社では、輸出の拡大に向けて、サンヨーフーズアメリカと販売契約を締結しました。また、売上を安定的に確保するために、人材の採用や教育研修、エリアのニーズに沿った製品の開発・販売に努めております。しかし、為替相場の急激な変動による価格への影響、あるいは輸出は注文が不定期で数量の予測が困難であることから、注文の動向によっては輸出販売の減少の可能性があり、それらが業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)疫病発生のリスク

2020年から広がった新型コロナウイルス感染症は2023年5月から感染症法上の位置づけが5類に引き下げられ、正常化の様相となりましたが、今後も同様な感染症や疾病の流行が発生した場合に、その影響を予測することは非常に難しいと考えております。当社は感染防止策を適切に実行することで社員への感染リスクの軽減を図っておりますが、当社の社員、特に製造従事者への感染が広まると、一定期間操業を停止するリスクがあります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復いたしました。しかしながら、外部環境の不確実性により先行きは依然不透明な状況が続いております。

また、食品業界では、消費者の多様化するニーズおよび節約志向の高まりへの対応が求められております。

当社におきましては、原材料価格等の上昇の影響を受ける中で積極的な営業活動を実施し、特に棒ラーメン、皿うどんの販売が好調に推移いたしました。その結果、売上高は9,604百万円(前年同期比7.4%増)、損益面につきましては、営業利益は635百万円(前年同期比77.5%増)、経常利益は693百万円(前年同期比65.4%増)、当期純利益は485百万円(前年同期比72.0%増)となりました。

 

<当事業年度中の新発売製品>

2024年6月

 

カップめん

 

博多だしうどんごぼう入り

7月

 

棒ラーメン

 

旨辛祭!マルタイラーメン

 

 

カップめん

 

旨辛祭!ちゃんぽん

 

 

袋めん

 

旨辛祭!屋台ラーメン5食

 

 

皿うどん

 

トマト皿うどん

8月

 

カップめん

 

味よか隊あごだし入りうどん長崎

 

 

袋めん

 

四海樓監修長崎ちゃんぽん5食

10月

 

カップめん

 

縦ビッグよしもとカレーラーメン

2025年2月

 

カップめん

 

カップ・マルタイ焼きちゃんぽん

 

 

棒ラーメン

 

福岡県産ラー麦魚介豚骨つけ麺

 

 

棒ラーメン

 

横浜家系醤油とんこつラーメン

 

 

皿うどん

 

おかず麺炒める皿うどん鶏がら醤油味

 

 

棒ラーメン

マルタイ棒冷やし中華

3月

 

カップめん

 

縦ビッグラーメン力監修とんこつラーメン

 

 

棒ラーメン

 

よしもとカレー棒ラーメン

 

(※印はリニューアル発売製品)

 

主要製品別の売上状況は以下のとおりであります。

(棒ラーメン)

2024年9月頃よりの米価の価格高騰において乾麺、冷凍麺等の需要の伸びに加え、新規販売ルート及び業務用の開拓やOEMの販売、関東地区の販売増もあり、売上高は3,396百万円(前年同期比15.8%増)となりました。

(皿うどん)

九州地区の販売増、国内事業部のOEMの販売増もあり、売上高は2,498百万円(前年同期比9.0%増)となりました。

(カップめん)

様々な商品やサービスの値上げが全国的に続くなか、低価格製品のカップ麺の販売が好調でチラシ、スポット販売増もあり、売上高は3,282百万円(前年同期比2.7%増)となりました。

(袋めん)

販売不振の袋麺1品の終売とチラシ特売価格が上昇し、チラシ特売導入減となり、販売数量が減少し、売上高は386百万円(前年同期比18.9%減)となりました。

 

②財政状態の状況

当事業年度末の総資産は13,600百万円となり、前事業年度末に比べ247百万円増加しました。これは主に減価償却等により有形固定資産が664百万円減少したものの、現金及び預金が573百万円、有価証券が500百万円増加したこと等によるものであります。

負債につきましては3,707百万円となり、前事業年度末に比べ115百万円減少しました。これは主に買掛金が260百万円増加したものの、長期借入金が288百万円、支払手形が218百万円減少したこと等によるものであります。

純資産につきましては9,892百万円となり、前事業年度末に比べ363百万円増加しました。これは主に利益剰余金が389百万円増加したこと等によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,273百万円増加し、資金残高は2,898百万円となりました。

 

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は1,285百万円(前年同期は585百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益が711百万円、減価償却費が463百万円となったこと等によるものであります。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は374百万円(前年同期は97百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が133百万円となったものの、交付金収入の受取額が312百万円、定期預金の払戻による収入が206百万円となったこと等によるものであります。


(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は386百万円(前年同期は386百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が288百万円、配当金の支払額が95百万円となったこと等によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は、単一セグメントであるため、当事業年度の生産実績を生産品目別に示すと、次のとおりであります。

生産品目別

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

 前年同期比(%)

棒ラーメン(千円)

3,444,203

15.0

皿うどん(千円)

2,507,404

11.0

カップめん(千円)

3,255,114

1.7

袋めん(千円)

387,975

△15.8

その他(千円)

41,984

17.6

合計(千円)

9,636,681

7.7

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当社は、単一セグメントであるため、当事業年度の販売実績を販売品目別に示すと、次のとおりであります。

販売品目別

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

 前年同期比(%)

棒ラーメン(千円)

3,396,317

15.8

皿うどん(千円)

2,498,823

9.0

カップめん(千円)

3,282,800

2.7

袋めん(千円)

386,440

△18.9

その他(千円)

40,048

△10.8

合計(千円)

9,604,431

7.4

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

加藤産業株式会社

1,625,864

18.2

1,876,796

19.5

ヤマエ久野株式会社

1,188,644

13.3

1,382,128

14.4

国分グループ本社株式会社

1,134,367

12.7

1,159,361

12.1

株式会社日本アクセス

1,096,031

12.3

1,058,246

11.0

三菱食品株式会社

1,052,856

11.8

1,028,152

10.7

合計

6,097,765

68.2

6,504,684

67.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社は、「即席めんの開発、製造、販売を通じて、豊かな食文化の創造に貢献する」という創業以来一貫して変わらぬ経営姿勢のもと、お取引先に信頼され、お客さまに満足いただける製品づくりに努め、安定した収益を確保するため、全社一丸となって取り組んでまいりました。

当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、売上高9,604百万円で増収となり、営業利益は635百万円、経常利益は693百万円、当期純利益は485百万円となり、増益となりました。増収・増益の要因としては、原材料や包装資材の価格上昇のコスト増があったものの、国内での棒ラーメン群の販売増加が寄与しました。

当社の経営成績に重要な影響を与える要因としては、製品の販売動向と原材料費等の価格動向があります。当事業年度におきましては、主に棒ラーメン群の販売増加により売上高は増加しました。一方で主要原料である小麦粉の価格上昇や原油を原料とする包装資材の価格上昇が製造コストの増加を招いております。小麦粉はほとんどが輸入に頼っており原産国の収穫状況や市況及び為替動向により価格が左右されるため経営成績に大きな影響を及ぼします。また、原油価格の動向は包装資材や燃料費の価格を左右するため経営成績に大きな影響を及ぼします。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、営業利益及び売上高営業利益率を用いております。この指標は、企業の収益性及び効率性を分析するための基本的な指標であります。当社では目標として営業利益400百万円以上、中長期的な目標として売上高営業利益率6%以上としております。この目標を達成することで、中長期的な企業価値の向上を図るとともに、将来の設備投資に耐えられる経営基盤の構築を図ってまいります。なお、当事業年度につきましては、営業利益は635百万円、売上高営業利益率は6.6%となり、目標を達成することができました。

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、当社が単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、資金需要として運転資金、設備資金、配当及び法人税の支払等があります。その資金の源泉としては、主として営業活動によるキャッシュ・フローにより必要とする資金を調達し、必要に応じて金融機関からの借り入れによる調達をしております。なお、取引金融機関との関係も良好であり、資金繰りについても安定した状態を維持しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

 

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社は、魅力ある製品を提供することによって社会に貢献するという経営理念のもと、多様化する消費者の嗜好や時代のニーズに合った製品開発に取り組んでおり、当社の成長と収益性向上の基盤となっております。

なお、研究開発費として特に計上すべき金額はありません。

(1)研究開発

当社は、棒状ラーメンのパイオニアとして市場を先取りした新製品を数多く開発し、即席めん類の普及に貢献してきました。しかし、即席めん業界は簡便性に優れたカップめんを中心に価格競争がますます激化してきており、こうした中でロングセラー製品の強化は勿論のこと、機能、品質、価格等あらゆる面で同業他社に負けない新製品を開発することは、当社にとって極めて重要であります。

そのために、次の2点を積極的に推進しております。

1.顧客ニーズにマッチした新製品、特に棒ラーメン、皿うどんの製品開発。

2.競争力を更に強固なものにするために、無駄を省き設備の改善や生産設備の向上に努め、コストの低減を推進。

特に当期は、次の製品を研究開発し発売いたしました。

 

2024年6月

 

カップめん

 

博多だしうどんごぼう入り

7月

 

棒ラーメン

 

旨辛祭!マルタイラーメン

 

 

カップめん

 

旨辛祭!ちゃんぽん

 

 

袋めん

 

旨辛祭!屋台ラーメン5食

 

 

皿うどん

 

トマト皿うどん

8月

 

カップめん

 

味よか隊あごだし入りうどん長崎

 

 

袋めん

 

四海樓監修長崎ちゃんぽん5食

10月

 

カップめん

 

縦ビッグよしもとカレーラーメン

2025年2月

 

カップめん

 

カップ・マルタイ焼きちゃんぽん

 

 

棒ラーメン

 

福岡県産ラー麦魚介豚骨つけ麺

 

 

棒ラーメン

 

横浜家系醤油とんこつラーメン

 

 

皿うどん

 

おかず麺炒める皿うどん鶏がら醤油味

 

 

棒ラーメン

マルタイ棒冷やし中華

3月

 

カップめん

 

縦ビッグラーメン力監修とんこつラーメン

 

 

棒ラーメン

 

よしもとカレー棒ラーメン

 

(※印はリニューアル発売製品)

 

(2)研究体制

研究開発活動については、商品戦略部が行っております。

商品戦略部は新製品、新技術の開発と既存製品の改良、改善を行っております。また、必要に応じ社内他部門や社外とも情報交換を積極的に行い、開発活動を行っております。