第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済財政政策を背景に、企業収益に改善の動きが見られるものの、新興国・資源国経済の減速による景気の下振れリスクなどから、先行きは不透明な状況で推移いたしました。

 食品業界におきましては、人口減少による内需の伸び悩みのなかでの販売競争が激化する一方、雇用の改善に伴う人手不足により労働コストが上昇するなど、厳しい経営環境が続きました。

 このような状況のもと、当社は、成長と構造改革をともに実現することを目指す中期経営計画に沿い、「成長分野である業務用製品の積極的な売上拡大」と、「焼肉のたれや生鮮向け製品などの基幹事業の安定的な売上確保」といった基本戦略を推進し、経営環境の変化に対応した販売体制・開発体制の構築とともに、新製品開発によるラインアップ充実、販売プロモーションを積極的に展開いたしました。

 製品群別の概況は、以下のとおりであります。

 液体調味料群においては、小売用製品では、主力製品の「焼肉のたれ」類や『手羽唐のたれ』が好調に売上を伸ばすなか、トレンドの赤身肉・熟成肉に合わせた『焼肉のたれ 甘口』『焼肉のたれ 中辛』、健康志向の高まりに対応した『野菜の黒酢あんかけ炒めのたれ』など、食をめぐる環境の変化や消費者ニーズの多様化に応える新製品が売上を牽引いたしました。鍋用スープの最需要期である秋冬市場に対しては、7種の新製品を投入するとともに、『ちゃんこ鍋スープ』など13種の主力製品のリニューアルを行い、ラインアップを拡充いたしました。9月以降は気温の高い日が続き、相次ぐ台風上陸や天候不順による野菜の不作・価格高騰など、厳しい環境のなか苦戦を強いられましたが、低価格のもやしを主材とする『野菜をいっぱい食べる鍋 もやし担々鍋スープ』、『野菜をいっぱい食べる鍋 もやし鍋スープ』が大きく売上を伸ばし、主力の『博多もつ鍋スープ』も好調に推移しました。業務用製品への取り組みでは、新製品の継続的な開発・投入とともに、惣菜専任部署を新たに東京・福岡・仙台・広島・名古屋に設置し、人員を拡充することで営業組織の全国展開を一層強化しました。これにより、顧客のニーズに沿ったメニュー開発・提案への注力がより効果的に行われ、市場開拓が更に促進されたことにより、大きく売上を伸ばしました。この結果、売上高は135億56百万円(前期比104.6%)となりました。

 粉体調味料群においては、小売用製品では、『味・塩こしょう』シリーズが好調に推移するなか、シリーズの一部で「持ちやすく、使いやすい」容器を新たに採用いたしました。業務用製品も組織的な取り組みが奏功し、精肉向けスパイス類などで大きく売上を伸ばしました。この結果、売上高は39億51百万円(前期比101.0%)となりました。

 その他調味料群においては、即食向け製品として新たに投入した『おいしさいろいろ 5つの味のスープはるさめ』が売上を牽引し、売上高は21億84百万円(前期比107.3%)となりました。

 以上の結果、当事業年度における売上高は、196億92百万円(前期比104.1%)となりました。利益につきましては、増収を達成するなかで製造コストの効率化及び販売コストの効果的な運用に努め、営業利益は4億62百万円(前期比112.3%)、経常利益は4億62百万円(前期比114.5%)、当期純利益は2億96百万円(前期比143.3%)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、14億27百万円となり、前事業年度末に比べ63百万円減少いたしました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益4億62百万円、減価償却費7億13百万円等による資金の増加と、法人税等の支払額1億98百万円等による資金の減少により、前期比で2億25百万円収入減の9億39百万円の純収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2億74百万円等による資金の減少により、前期比で31百万円支出増の2億82百万円の純支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済2億92百万円、長期借入金の返済2億25百万円、配当金の支払額2億2百万円等の支出により、前期比で2億45百万円支出減の7億20百万円の純支出となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績を品目群別に示すと、次のとおりであります。

品目

当事業年度
(自 平成28年4月1日
  至 平成29年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

液体調味料群

13,569,653

104.1

粉体調味料群

3,729,879

99.5

その他

1,712,517

99.1

                   合計       

19,012,050

102.7

 

(注) 上記の金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当社は、受注見込による生産方式をとっております。

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績を品目群別に示すと、次のとおりであります。

品目

当事業年度
(自 平成28年4月1日
  至 平成29年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

液体調味料群

13,556,494

104.6

粉体調味料群

3,951,438

101.0

その他

2,184,921

107.3

合計       

19,692,854

104.1

 

(注) 1 販売実績に対する売上割合が10%以上の取引先はありません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は「おいしさで・しあわせをつくる」を企業理念として豊かな食文化の創造を目指し、安心・安全を第一義に、品質の高い調合調味料類を中心とした製品を付加価値の高い提案により、食場面におけるおいしさ、たのしさを創造する企業活動に取り組みます。また、「社是・社訓」、具体的行動を定めた「行動規範」を認識し、自らの責任と役割を果たすことで、仕事を通して社会と関わり合いながら、活力のある魅力的で社会貢献することを追求する企業として成長するとともに、ダイショーらしいユニークな製品やサービスを提供し続けることで、企業価値を高めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は平成29年3月期から平成31年3月期までの3ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。定量目標としては平成30年3月期の売上高206億円、経常利益7億円を目標としておりましたが、その後の経済状況の変動等により個別業績予想を売上高210億円、経常利益6億50百万円としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社は平成29年3月期から平成31年3月期までの中期経営計画では、平成29年3月期が第51期にあたることから、次の50年、創業100周年に向けたスタートを切り、創業100周年に向け持続的に成長していくため、当3ヶ年を環境変化への対応と成長基盤の構築の期間と位置付けております。

 

[中期経営計画の概要]

 中期計画テーマ 〈攻めと守りの同時実現で、次のステージに向け着実に前進する〉

①  基本方針

・経営資源の選択と集中で、経営環境の変化に対応した販売体制・開発体制を構築し、成長と構造改革をともに
  実現する

②  基本戦略

・成長市場を攻略するため、販売体制・開発体制を増強し、売上拡大を加速させる 

・基幹事業に対し、消費者ニーズをとらえた新製品を開発し、激化する販売競争に立ち向かう

・効率性向上によるコスト構造の改革を図り、価格対応力を強化する

・人的投資、物的投資を積極化し、先を見据えた次世代の組織作りに取り組む

 

(4) 会社の対処すべき課題

 消費者の低価格志向、販売競争の激化のなか、食品業界を取り巻く環境は大きく変化し、収益確保に向けた環境は一段と厳しくなっております。このような状況のなか、当社は以下の点を重要課題として捉え、継続的成長の実現と企業価値の向上を図ってまいります。

 

① 売上の継続的成長

・販売体制を再構築し、企画提案力の向上に取り組み、成長分野である業務用製品、即食製品の販売展開に注力
    してまいります。

・市場の変化を先取りし、付加価値と魅力ある製品開発に取り組み、販売力とコスト競争力の強化を図ってまい
    ります。

 

② 食の安心・安全

・FSSC22000等の食品安全規格に則った生産を行うとともに、さらなる製品品質・衛生管理レベルの向
    上に取り組んでまいります。

 

③ 事業基盤の強化

・原材料調達、在庫管理、人員配置、生産計画、物流体制、販売・広告活動等、あらゆるコストについて生産性
    向上に取り組み、経営の効率化を進めてまいります。

・教育・人事諸制度の充実、職場環境の改善により、個々の社員の能力を発揮できる環境を整備し、将来にわた
    る成長力、収益力のある企業体質を目指してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社の経営成績、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 食品の安全性について

食品業界におきまして、食品表示の偽装問題、産地偽装問題、残留農薬問題等が発生し、消費者の食品安全に対する関心はさらに高まっています。

当社は、安心・安全につながる製品供給のため、HACCP及びFSSC22000に則った製造を行っております。また、品質方針として、『お客様の要求を満たすために、「信頼される品質」の製品を提供し、顧客満足を追及します。』を掲げ、万全の生産、品質管理、安全衛生管理体制で臨んでおります。

しかしながら、予見不能な製品品質に関する問題が発生した場合、そのリカバリーには多大な労力とコストが発生する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場動向に伴うリスクについて

当社は、液体調味料、粉末調味料を主力とする食品を中心に取り扱っております。当社の製品群は、主に、食肉、野菜、鮮魚類の調味料として使用されているため、その需要動向が、生鮮食品の消費動向に影響される可能性があります。さらに家畜の疾病(BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫等)の発生やセーフガード(緊急輸入制限措置)の発動等も当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原材料の価格変動の影響について

原油・原材料価格の大幅な変動や国際的な需給動向等によりその価格が変動する可能性があります。この価格変動によって、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原油価格の変動は、包装資材等の価格や製造コスト、物流費用に影響を与える可能性があり、当社では、原材料の複数社購買や計画的購買によって安定的な調達を図っておりますが、価格が急激かつ想定を超えて高騰した場合、製造原価が上昇することにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 自然災害に伴うリスクについて

当社の本社機能及び各拠点、とりわけ生産拠点において地震・火災・風水害等の自然災害により多大なる損害を蒙った場合、被害状況によっては企業活動に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 気象変動に伴うリスクについて

当社の主力事業である食品事業の販売業績は、気象変動に伴う影響を受ける可能性があります。冷夏、暖冬、台風等に起因する生鮮品の高騰により消費が鈍り企業活動に影響を受ける可能性があります。当社におきましては、これら気象変動が業績に与える影響を最小限に留めるために、販路、製・商品の多様化を図っておりますが、予測を超える気象変動が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法的規制に伴うリスクについて

当社が属する食品業界においては、「食品衛生法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」、「製造物責任法(PL法)」、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」等による規制を受けております。当社では、法務担当部門と関連部門が専門家との連携を行うことにより、これらの関連法令を遵守する体制を整備しておりますが、今後、法規制の強化や変更、新たな法制定により当社の企業活動が制限された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報・管理システムのリスクについて

当社は、開発・生産・販売・物流等の情報をコンピューターにより管理しており、システムトラブル等に関しましても、適切な管理体制にて運営しております。また、重要情報の紛失、誤用、改ざんを防止するため、情報管理に対して万全なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電や災害、ソフトウェアまたは機器の欠陥によるシステム作動不能、不正アクセス、予測不能のコンピュータウィルスの侵入、内部機密の漏洩、ソーシャルメディア上でのコメントその他不測の事態の発生により、社会に対する信用低下やシステムが一定期間使用できなくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社の商品開発活動方針は、食品メーカーとして「安全・安心」な食品を提供すること、かつ消費者ニーズに沿った利便性・本格志向といった高品質・高付加価値商品を提案していく事にあります。 
 51期の商品開発活動の体制は、小売用NB商品の企画・開発を担当する商品開発一課・二課(東京6名、福岡11名)、業務用NB商品の企画・開発を担当する商品開発三課(福岡8名)、PB・特注品の開発を担当する商品開発一課・四課(東京14名、九州15名)、食品表示管理・基礎技術を担当する商品管理部(福岡10名)、商品のデザインを担当するデザイン課(東京4名)です。販売現場および生産現場と直結した商品開発体制を整備することにより、新商品の企画・開発のスピードアップと精度の追求、商品の安全性確保を図っております。
 商品開発活動は、自社工場及び協力工場での調味料開発、具材と調味料をセットした即席食品の開発、新しい包装形態の商品開発、流通・加工食品ユーザーとの共同企画によるPB・特注商品開発、技術資料の提供等を行っております。

 

当事業年度の主な成果としては、即食・個食のニーズに対応した新商品、簡便調味料商品の開発を行ないました。小売用商品では「おいしさいろいろ5つのスープ春雨」「もやし担々鍋スープ」「野菜の黒酢あんかけ炒めのたれ」、業務用商品では「焼肉のたれ 甘味噌味」「国産黄金生姜使用 生姜焼きのたれ」等をリリースしました。今後も、各販売チャネルと加工食品ルートに向けた新しいメニュー提案とともに、継続的な新製品開発に取り組んで参ります。
 当事業年度の研究開発費総額は、301,132千円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ2億27百万円減少し、133億49百万円となりました。固定資産が総資産の60.8%を占め、流動資産は総資産の39.2%を占めております。主な資産の変動は、「売掛金」が87百万円増加し、「リース資産」が1億95百万円、「機械及び装置」が58百万円、「建物」が40百万円それぞれ減少したことによるものです。

負債は、前事業年度末に比べ3億34百万円減少し、57億74百万円となりました。流動負債が負債合計の66.3%を占め、固定負債は負債合計の33.7%を占めております。主な負債の変動は、「1年内返済予定の長期借入金」が2億25百万円、「リース債務」が2億25百万円それぞれ減少したことによるものです。

純資産は、前事業年度末に比べ1億7百万円増加し、75億75百万円となりました。主な純資産の変動は、当期純利益2億96百万円の計上、剰余金の配当2億2百万円の支出により「利益剰余金」が93百万円増加したことによるものです。自己資本比率は56.7%となり、前事業年度末に比べ1.7%上昇しました。

 

(2) 経営成績の分析

売上高は、小売用製品では、主力製品の「焼肉のたれ」類や『味・塩こしょう』シリーズが好調に売上を伸ばし、業務用製品への取り組みでは、新製品の継続的な開発・投入とともに、人員を拡充することで営業組織の全国展開を一層強化し、顧客のニーズに沿ったメニュー開発・提案への注力がより効果的に行われ、市場開拓が更に促進されたことにより大きく売上を伸ばし、196億92百万円となりました。売上原価は原材料比率の上昇による影響を製造コストの効率化により抑制し、116億6百万円となりました。販売費及び一般管理費は販売コストの効果的な運用に努め、76億24百万円となりました。その結果、営業利益は4億62百万円、経常利益は4億62百万円となり、当期純利益は2億96百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。