第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は「おいしさで・しあわせをつくる」を企業理念として豊かな食文化の創造を目指し、安心・安全を第一義に、品質の高い調合調味料類を中心とした製品を付加価値の高い提案により、食場面におけるおいしさ、たのしさを創造する企業活動に取り組みます。また、「社是・社訓」、具体的行動を定めた「行動規範」を認識し、自らの責任と役割を果たすことで、仕事を通して社会と関わり合いながら、活力のある魅力的で社会貢献することを追求する企業として成長するとともに、ダイショーらしいユニークな製品やサービスを提供し続けることで、企業価値を高めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は平成29年3月期から平成31年3月期までの3ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。定量目標としては平成31年3月期の売上高214億円、経常利益9億円を目標としておりましたが、その後の経済状況の変動等により個別業績予想を売上高218億円、経常利益7億40百万円としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社は平成29年3月期から平成31年3月期までの中期経営計画では、平成29年3月期が第51期にあたることから、次の50年、創業100周年に向けたスタートを切り、創業100周年に向け持続的に成長していくため、当3ヶ年を環境変化への対応と成長基盤の構築の期間と位置付けております。

 

[中期経営計画の概要]

 中期計画テーマ 〈攻めと守りの同時実現で、次のステージに向け着実に前進する〉

①  基本方針

・経営資源の選択と集中で、経営環境の変化に対応した販売体制・開発体制を構築し、成長と構造改革をともに
  実現する

②  基本戦略

・成長市場を攻略するため、販売体制・開発体制を増強し、売上拡大を加速させる 

・基幹事業に対し、消費者ニーズをとらえた新製品を開発し、激化する販売競争に立ち向かう

・効率性向上によるコスト構造の改革を図り、価格対応力を強化する

・人的投資、物的投資を積極化し、先を見据えた次世代の組織作りに取り組む

 

(4) 会社の対処すべき課題

 消費者の低価格志向、販売競争の激化のなか、食品業界を取り巻く環境は大きく変化し、収益確保に向けた環境は一段と厳しくなっております。このような状況のなか、当社は以下の点を重要課題として捉え、継続的成長の実現と企業価値の向上を図ってまいります。

 

① 売上の継続的成長

・販売体制を再構築し、企画提案力の向上に取り組み、成長分野である業務用製品、即食製品の販売展開に注力
    してまいります

・市場の変化を先取りし、付加価値と魅力ある製品開発に取り組み、販売力とコスト競争力の強化を図ってまい
    ります

 

② 食の安心・安全

・FSSC22000等の食品安全規格に則った生産を行うとともに、さらなる製品品質・衛生管理レベルの向
    上に取り組んでまいります

 

 

③ 事業基盤の強化

・原材料調達、在庫管理、人員配置、生産計画、物流体制、販売・広告活動等、あらゆるコストについて生産性
    向上に取り組み、経営の効率化を進めてまいります

・教育・人事諸制度の充実、職場環境の改善により、個々の社員の能力を発揮できる環境を整備し、将来にわた
    る成長力、収益力のある企業体質を目指してまいります

 

2 【事業等のリスク】

当社の経営成績、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 食品の安全性について

食品業界におきまして、食品表示の偽装問題、産地偽装問題、残留農薬問題等が発生し、消費者の食品安全に対する関心はさらに高まっています。

当社は、安心・安全につながる製品供給のため、HACCP及びFSSC22000に則った製造を行っております。また、品質方針として、『お客様の要求を満たすために、「信頼される品質」の製品を提供し、顧客満足を追及します。』を掲げ、万全の生産、品質管理、安全衛生管理体制で臨んでおります。

しかしながら、予見不能な製品品質に関する問題が発生した場合、そのリカバリーには多大な労力とコストが発生する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場動向に伴うリスクについて

当社は、液体調味料、粉末調味料を主力とする食品を中心に取り扱っております。当社の製品群は、主に、食肉、野菜、鮮魚類の調味料として使用されているため、その需要動向が、生鮮食品の消費動向に影響される可能性があります。さらに家畜の疾病(BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫等)の発生やセーフガード(緊急輸入制限措置)の発動等も当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原材料の価格変動の影響について

原油・原材料価格の大幅な変動や国際的な需給動向等によりその価格が変動する可能性があります。この価格変動によって、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原油価格の変動は、包装資材等の価格や製造コスト、物流費用に影響を与える可能性があり、当社では、原材料の複数社購買や計画的購買によって安定的な調達を図っておりますが、価格が急激かつ想定を超えて高騰した場合、製造原価が上昇することにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 自然災害に伴うリスクについて

当社の本社機能及び各拠点、とりわけ生産拠点において地震・火災・風水害等の自然災害により多大なる損害を蒙った場合、被害状況によっては企業活動に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 気象変動に伴うリスクについて

当社の主力事業である食品事業の販売業績は、気象変動に伴う影響を受ける可能性があります。冷夏、暖冬、台風等に起因する生鮮品の高騰により消費が鈍り企業活動に影響を受ける可能性があります。当社におきましては、これら気象変動が業績に与える影響を最小限に留めるために、販路、製・商品の多様化を図っておりますが、予測を超える気象変動が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 法的規制に伴うリスクについて

当社が属する食品業界においては、「食品衛生法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」、「製造物責任法(PL法)」、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」等による規制を受けております。当社では、法務担当部門と関連部門が専門家との連携を行うことにより、これらの関連法令を遵守する体制を整備しておりますが、今後、法規制の強化や変更、新たな法制定により当社の企業活動が制限された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報・管理システムのリスクについて

当社は、開発・生産・販売・物流等の情報をコンピューターにより管理しており、システムトラブル等に関しましても、適切な管理体制にて運営しております。また、重要情報の紛失、誤用、改ざんを防止するため、情報管理に対して万全なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電や災害、ソフトウェアまたは機器の欠陥によるシステム作動不能、不正アクセス、予測不能のコンピュータウィルスの侵入、内部機密の漏洩、ソーシャルメディア上でのコメントその他不測の事態の発生により、社会に対する信用低下やシステムが一定期間使用できなくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」等という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用所得環境の改善など緩やかな回復基調が続いているものの、国内の消費は底堅くも力強さに欠け、また国外における政治・経済の不確実性から、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。

食品業界におきましては、人口減少による内需の伸び悩みのなかでの販売競争が激化する一方、消費者の価値観の多様化と根強い節約意識への対応が求められるなど、厳しい販売環境が続きました。

このような状況のもと、当社は、成長と構造改革をともに実現することを目指す中期経営計画を踏襲し、「成長分野である惣菜向けを中心とする業務用製品の積極的な収益拡大」と、「生鮮向け製品などの主力製品分野での安定的な収益確保」に向け、経営環境の変化に対応した販売体制・開発体制の増強とともに、新製品開発によるラインアップの充実、販売プロモーションの積極展開に取り組みました。

製品群別の概況は、以下のとおりであります。

液体調味料群においては、小売用製品では、主力製品の「焼肉のたれ」類が堅調に推移するなか、通年で需要の期待できる『CoCo壱番屋監修カレースンドゥブチゲ用スープ』、健康志向の高まりに対応した『豚肉の黒酢炒めの素』、汎用調味料の『おつまみサラダのたれ』などの新製品が売上を牽引いたしました。鍋用スープでは、「健康・国産」をキーワードとした「ごくベジ」ブランドを立ち上げ、ワンランク上の素材で上質な味を演出する新製品を投入いたしました。また、こだわり鍋スープの「馳走屋」ブランド、その他定番製品についても素材や味にこだわったリニューアルを行うなど、ラインアップを一層強化いたしました。野菜価格の安定、全国的な低気温も追い風となり、主力の「もつ鍋スープ」、「カレー鍋スープ」、「野菜をいっぱい食べる鍋スープ」がいずれも好調に推移しました。メニュー専用調味料としては、洋風バルメニュー用のソース「肉BarDish」シリーズを新たに発売し、簡便ニーズを伴う内食志向、家飲み志向の高まりに対応した新製品を取り揃えました。業務用製品では、専任部署の新設・人員拡充を一層推進し、顧客のニーズに沿ったメニュー開発・提案が強化されるなか、コンビニエンスストア向け製品の市場開拓も奏功し、大きく売上を伸ばしました。この結果、売上高は142億26百万円(前期比104.9%)となりました。

粉体調味料群においては、小売用製品では、『味・塩こしょう』シリーズが詰め替え用を中心に大きく売上を伸ばしましたが、青汁類が厳しい販売環境のなか、売上が減少いたしました。この結果、売上高は38億83百万円(前期比98.3%)となりました。

 

その他調味料群においては、『おいしさいろいろ5つの味のスープはるさめ』が順調に売上を伸ばすなか、『生姜スープはるさめ』、『中華スープはるさめ』、『黒のスープはるさめ』を新たに投入し、即食製品のラインアップの充実をはかりました。この結果、売上高は23億51百万円(前期比107.6%)となりました。

以上の結果、当事業年度における売上高は、204億61百万円(前期比103.9%)となりました。利益につきましては、労務費・人件費関連コストおよび物流コストは増加したものの、原材料価格が安定して推移したことなどにより、営業利益は6億11百万円(前期比132.3%)、経常利益は6億16百万円(前期比133.1%)、当期純利益は3億95百万円(前期比133.6%)となりました。

今後、当社を取り巻く環境は、人口減や少子高齢化により国内の市場は大きな成長が見込めないなか、将来不安を背景とした消費者の節約志向は継続する一方、価値・差別化を求める意識の高まりなどの価値観の変化が今後も一層進み、それらを背景とした販売競争はますます厳しいものになると予測しております。

当社としては、消費者や顧客の多様なニーズ、流通環境の変化をいち早くとらえた開発・営業・製造三位一体の連携を強化し、価値ある製品の開発と、機動的で魅力ある販促提案を推進し、鍋用スープや生鮮向け製品などの基幹事業の安定的売上を確保してまいります。

さらに、成長市場である惣菜向けをはじめとする業務用調味料や、即食製品の開発体制と販売体制の増強に経営資源を集中し、積極的な売上拡大を目指してまいります。また、今後も続くと予想される内需の収縮をにらみ、海外市場への展開を加速させてまいります。

これらの具体的取り組みを加速させることで売上の拡大と利益率の改善を目指すとともに、先を見据えた次世代の人づくり・組織づくりに取り組むことで、今後の持続的な成長基盤の構築を進めてまいります。

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当事業年度における生産実績を品目群別に示すと、次のとおりであります。

品目

当事業年度
(自 平成29年4月1日
  至 平成30年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

液体調味料群

14,262,007

105.1

粉体調味料群

3,698,002

99.1

その他

1,665,221

97.2

                   合計       

19,625,231

103.2

 

(注) 上記の金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当社は、受注見込による生産方式をとっております。

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績を品目群別に示すと、次のとおりであります。

品目

当事業年度
(自 平成29年4月1日
  至 平成30年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

液体調味料群

14,226,641

104.9

粉体調味料群

3,883,166

98.3

その他

2,351,200

107.6

合計       

20,461,008

103.9

 

(注) 1 販売実績に対する売上割合が10%以上の取引先はありません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 財政状態

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ6億23百万円増加し、139億73百万円となりました。固定資産が総資産の56.4%を占め、流動資産は総資産の43.6%を占めております。主な資産の変動は、「売掛金」が5億44百万円、「現金及び預金」が2億14百万円それぞれ増加し、「機械及び装置」が1億13百万円、「建物」が1億4百万円それぞれ減少したことによるものです。

負債は、前事業年度末に比べ3億89百万円増加し、61億64百万円となりました。流動負債が負債合計の68.4%を占め、固定負債は負債合計の31.6%を占めております。主な負債の変動は、「未払金」が1億82百万円、「買掛金」が56百万円、「未払消費税等」が55百万円、「未払法人税等」が42百万円それぞれ増加したことによるものです。

純資産は、前事業年度末に比べ2億33百万円増加し、78億8百万円となりました。主な純資産の変動は、当期純利益3億95百万円の計上、剰余金の配当1億73百万円の支出により「利益剰余金」が2億22百万円増加したことによるものです。自己資本比率は55.9%となり、前事業年度末に比べ0.8%下降しました。

 

 (3) キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、16億42百万円となり、前事業年度末に比べ2億14百万円増加いたしました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益6億13百万円、減価償却費6億94百万円、未払金の増加額1億84百万円等による資金の増加と、売上債権の増加額5億52百万円、法人税等の支払額1億91百万円等による資金の減少により、前期比で67百万円収入減の8億72百万円の純収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1億67百万円等による資金の減少により、前期比で1億6百万円支出減の1億75百万円の純支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済3億7百万円、配当金の支払額1億73百万円等の支出により、前期比で2億39百万円支出減の4億81百万円の純支出となりました。

 

 (4) 当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の主な資金需要は、製品製造のための原材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社の生産設備の更新、改修等に係る投資であります。

これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社の商品開発活動方針は、食品メーカーとして「安全・安心」な食品を提供すること、かつ消費者ニーズに沿った利便性・本格志向といった高品質・高付加価値商品を提案していく事にあります。

52期の商品開発活動の体制は、小売用NB商品の企画・開発を担当する小売用NB商品開発課・(一部、東京商品開発課)(福岡8名、東京3名)、業務用NB商品の企画・開発を担当する業務用NB商品開発課(福岡6名)、PB・特注品の開発を担当する東京商品開発課・特注品開発課(東京17名、九州16名)、加工調理品の開発を担当する加工調理食品開発課(福岡4名)、商品のパッケージデザイン・改版作業を担当する商品デザイン課(東京6名)です。

販売現場および生産現場と直結した商品開発体制を整備することにより、新商品の企画・開発のスピードアップと精度の追求、商品の安全性確保を図っております。

商品開発活動は、自社工場及び協力工場での調味料開発、具材と調味料をセットした即席食品の開発、新しい包装形態の商品開発、流通・加工食品ユーザーとの共同企画によるPB・特注商品開発、惣菜を中心とした中食の開発、技術資料の提供等を行っております。

当事業年度の主な成果としては、即食・個食のニーズに対応した新商品、簡便調味料商品の開発を行いました。

小売用商品では「博多もつ鍋スープしお味」「CoCo壱番屋監修カレースンドゥブチゲスープ」「野菜をいっぱい食べる鍋ねぎ鍋スープ」、業務用商品では「ガーリック&トマトソース」「塩レモンだれ」等をリリースしました。今後も、各販売チャネルと加工食品ルートに向けた新しいメニュー提案とともに、継続的な新製品開発に取り組んで参ります。

当期の研究開発費総額は、3億1百万円であります。