第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は「おいしさで・しあわせをつくる」を企業理念として豊かな食文化の創造を目指し、安心・安全を第一義に、品質の高い調合調味料類を中心とした製品を付加価値の高い提案により、食場面におけるおいしさ、たのしさを創造する企業活動に取り組みます。また、「社是・社訓」、具体的行動を定めた「行動規範」を認識し、自らの責任と役割を果たすことで、仕事を通して社会と関わり合いながら、活力のある魅力的で社会貢献することを追求する企業として成長するとともに、ダイショーらしいユニークな製品やサービスを提供し続けることで、企業価値を高めてまいります。

 

(2) 経営環境及び中期経営戦略

国内の人口減少によりあらゆる市場規模が縮小しており、急速な需要の減少が続くと予想しております。食品業界においても同様であり、加えて、物価上昇に賃金上昇が十分追いついておらず、消費者の節約志向は今後一層強まることが見込まれるため、利益獲得のための対応を求められています

このようななか、当社は、2025年から2027年までの3カ年における新中期経営計画を策定しました。「Challenge2028 ~世界に誇れる企業へ~」をテーマとし、ファンを大切にし、食の楽しさを創造する企業風土を醸成し、市場づくり、モノづくりにおいてビジョンを徹底的に追求することで、企業価値の向上と、消費者に選ばれる企業づくりをめざして、成長を持続させてまいります

国内市場に対しては、主要都市圏に経営資源を投入し、シェア拡大に努めます。更に、関東工場拡張により鍋スープを中心とした生産能力を増強したため、安心で安定した製品供給と生産性向上に向けた取り組みを進めてまいります。また、海外市場に目を向け、海外でも選ばれる企業となるため、海外マーケットへ投資を継続し、さらなる市場拡大を目指します

その実現に向け、今期は「ビジョン追求」「適正利益の確保」「組織づくり」の3つをテーマに掲げ、企業価値のさらなる向上を目指す一年としてまいります。シェア拡大を目指す「競争」と、新たなモノ・コトを生み出す「共創」の両輪を回し続け、企業価値をさらに高めてまいります。

 

[中期経営計画の概要](2025年度~2027年度)

 中期計画テーマ 〈 Challenge2028 ~世界に誇れる企業へ~ 〉

①  方針

ファンを大切にし、食の楽しさを創造する企業風土を醸成し、

市場づくり、モノづくりにおいてビジョンを徹底的に追求する

VISION「“楽しい味”で世界にプラスを。」

 

②  戦略の柱

◇市場拡大を目指した戦略的な営業活動

  ⇒ 伸びしろのある国内販路に対して集中的に資本を投入する

  ⇒ 海外マーケットへの投資を継続し、さらなる市場拡大を目指す

 

◇需要拡大や食品安全に対応した生産体制の強化

  ⇒ 関東工場拡張により鍋スープを中心とした主力製品の生産能力を増強する

  ⇒ 需要拡大に向けた安定した製品供給と生産性向上に向けた取り組みを継続する

  ⇒ 多様な人材を活かす雇用形態を構築し、安定した生産活動を行う

 

 

◇ビジョンを体現した製品開発

  ⇒ 新たな価値を創造し、食卓に楽しさをプラスする発想を大切にする

  ⇒ 「ビジョンを軸にした新たなダイショーブランド」を確立する

 

◇適正利益を獲得する経営基盤

  ⇒ 全社で仕組み、体制、業務の最適化と効率化に取り組む

  ⇒ ITの積極活用により生産性を向上させる

  ⇒ 原材料調達面から価格高騰対策を講じ、原材料コストの低減に取り組む

 

◇次世代を担う人材育成

  ⇒ 給与・評価制度改革、健康経営の推進、ビジョンの社内浸透を促す組織風土を醸成する

  ⇒ 自発的な成長と学習を促す職場環境・育成環境づくりを継続する

  ⇒ ジョブローテーションを推進する

 

③ 数値目標

2028年3月期に目指す主要な業績指標は以下のとおりです。

                                       単位:百万円

 

2025年3月期

(実績)

2028年3月期

(計画)

2025年3月期比(%)

売上高

26,241

29,500

112.4

経常利益

673

800

118.8

当期純利益

458

560

122.2

 

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)及び(2)に記載の、経営方針及び中期経営計画を実行していく上で、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります

 

① 売上の継続的成長

・販売体制を再構築し、企画提案力の向上に取り組み、成長分野である業務用製品、即食向け製品の販売展開に注力してまいります。

・市場の変化を先取りし、付加価値と魅力ある製品開発に取り組み、販売力とコスト競争力の強化を図ってまいります。

 

② 食の安心・安全

・FSSC22000等の食品安全規格に則った生産を行うとともに、さらなる製品品質・衛生管理レベルの向上に取り組んでまいります。

 

③ 事業基盤の強化

・原材料調達、在庫管理、人員配置、生産計画、物流体制、販売・広告活動等、あらゆるコストについて生産性向上に取り組み、経営の効率化を進めてまいります。

・業務用調味料市場の開拓など販路拡大に伴い、製品アイテム数や在庫数が増加傾向にあるなか、自社倉庫・外部倉庫の在庫保管状況について適時・適切に管理を行い、製品の安定供給に努めてまいります。

・教育・人事諸制度の充実、職場環境の改善により、個々の社員の能力を発揮できる環境を整備し、将来にわたる成長力、収益力のある企業体質を目指してまいります。

・SDGsを見据えた持続可能な社会と事業成長の両立の実現に向け、様々な取り組みを実行し、企業としての社会的責任に対する要請に応えてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、事業を通じてサステナビリティを巡る課題の解決に積極的に取り組むことが、重要なリスク管理であるとともに収益機会の一部であると認識しております。当社は社会の変化を捉え、食を通じて社会的課題を解決することで成長してきました。それはSDGsの考え方と一致しています。今後とも当社の経営戦略の中核は、消費者・取引先・株主・社員・社会の課題の解決と満足度の追求にあり、それが持続可能な経営と、持続可能な社会の構築の両立につながると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社では、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため2022年度から始まる中期経営計画においてサステナブル経営(SDGs)の実践を目標として掲げており、管理本部・経営企画室が主体となって活動しております。この活動を全社的な視点から統括するために取締役会にて管理・監督を行っております。

 

(2) 戦略

当社における、気候変動への対応、人材の多様性の確保を含む人材の育成、健康経営に関する方針は以下のとおりであります

 

<気候変動への対応>

環境配慮への取り組みが避けては通れない社会課題となってきている中で、当社は、2021年1月に関東工場の一部燃料を重油からLNG(液化天然ガス)に、2023年1月に太陽光発電設備を九州工場に設置し、CO2削減に向けた設備投資を実施しております。今後も引き続きCO2排出量削減に向けた取り組みを進めてまいります。

 

<人材育成方針>

当社は「社員・社会から信頼される企業体制を構築する」を中期経営計画の戦略的柱の一つとしており、「会社の成長の基盤は人である」という当社の信条を念頭に、制度面、環境面から多様な人材が活躍できる仕組みを創出します。例として、階層に合わせた部門横断的な社員研修の実施によりコミュニケーションを活性化するなど、従業員のモチベーション向上、成長を促進する環境づくりに努めております

 

<健康経営>

当社は、従業員の健康を重要な経営資源と捉え、代表取締役社長をトップとした体制で、推進部門である総務人事部を中心に、各事業所、委員会、産業医・保健師・全国健康保険協会と連携し健康管理、安全管理に重点を置いた取り組みを実施しております。

具体的な取り組みとして、定期健診・ストレスチェックの実施による体調、メンタル不調の未然防止やスマートフォンアプリの活用により社員の健康面やメンタル面でのケア、社員間のコミュニケーション活性化を行うことで健康経営を促進しており、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人認定制度」において、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定され、2022年に認定を受けて以来、4年連続で認定を受けております。

 

(3) リスク管理

当社において、全社的なリスク管理は管理本部及び経営企画室にて行い、リスク及び機会について重要な事項が発生した際には取締役会にて報告しております。

 

 

(4) 指標及び目標

当社では、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の育成及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いており、当該指標に関する実績は、次のとおりであります。また具体的目標については、今後、気候変動への対応、健康経営に関する方針を含め、中期経営計画の振り返りを行う中で適宜適切に定めてまいります。

指標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合(注1)

4.4

男性労働者の育児休業取得率(注1)

40.0

労働者の男女の賃金の差異(注1、2)

58.8

 

  (注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した

       ものであります。

  2.労働者の人員数について労働時間を基に換算し算出しております。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 食品の安全性について

食品業界におきまして、食品表示の偽装問題、産地偽装問題、残留農薬問題等が発生し、消費者の食品安全に対する関心はさらに高まっています。

当社は、安心・安全につながる製品供給のため、FSSC22000に則った製造を行っております。また、品質方針として、『お客様の要求を満たすために、「信頼される品質」の製品を提供し、顧客満足を追求します。』を掲げ、万全の生産、品質管理、安全衛生管理体制で臨んでおります。

しかしながら、予見不能な製品品質に関する問題が発生した場合、そのリカバリーには多大な労力とコストが発生する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場動向に伴うリスクについて

当社は、液体調味料、粉末調味料を主力とする食品を中心に取り扱っております。当社の製品群は、主に、食肉、野菜、鮮魚類の調味料として使用されているため、その需要動向が、生鮮食品の消費動向に影響される可能性があります。さらに家畜の疾病(BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫等)の発生やセーフガード(緊急輸入制限措置)の発動等も当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原材料の価格変動の影響について

原油・原材料価格の大幅な変動や国際的な需給動向等によりその価格が変動する可能性があります。この価格変動によって、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原油価格の変動は、包装資材等の価格や製造コスト、物流費用に影響を与える可能性があり、当社では、原材料の複数社購買や計画的購買によって安定的な調達を図っておりますが、価格が急激かつ想定を超えて高騰した場合、製造原価が上昇することにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 自然災害に伴うリスクについて

当社の本社機能及び各拠点、とりわけ生産拠点において地震・火災・風水害等の自然災害により多大なる損害を蒙った場合、被害状況によっては企業活動に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 気象変動に伴うリスクについて

当社の主力事業である食品事業の販売業績は、気象変動に伴う影響を受ける可能性があります。冷夏、暖冬、台風等に起因する生鮮品の高騰により消費が鈍り企業活動に影響を受ける可能性があります。当社におきましては、これら気象変動が業績に与える影響を最小限に留めるために、販路、製・商品の多様化を図っておりますが、予測を超える気象変動が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 法的規制に伴うリスクについて

当社が属する食品業界においては、「食品衛生法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」、「製造物責任法(PL法)」、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」等による規制を受けております。当社では、法務担当部門と関連部門が専門家との連携を行うことにより、これらの関連法令を遵守する体制を整備しておりますが、今後、法規制の強化や変更、新たな法制定により当社の企業活動が制限された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報・管理システムのリスクについて

当社は、開発・生産・販売・物流等の情報をコンピューターにより管理しており、システムトラブル等に関しましても、適切な管理体制にて運営しております。また、重要情報の紛失、誤用、改ざんを防止するため、情報管理に対して万全なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、自然災害やソフトウエアまたは機器の欠陥によるシステム作動不能、不正アクセス、予測不能のコンピューターウィルスの侵入、内部機密の漏洩、ソーシャルメディア上でのコメントその他不測の事態の発生により、社会に対する信用低下やシステムが一定期間使用できなくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 感染症の拡大に伴うリスクについて

様々な感染症の発生・拡大に際し、当社は、お客様、取引先及び従業員の安全を第一に考えるとともに感染拡大を防ぐため、厚生労働省の指針に沿い、社内のガイドラインを策定し、従業員の体調管理・確認の徹底、テレワーク・時差出勤の導入や出張・会議の制限等の対応を実施しております

しかしながら、今後、さらなる感染拡大により、製造の一時停止や営業活動の自粛など、様々な影響が発生し、当社の業績に著しい影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当事業年度におけるわが国経済は、雇用、所得環境が改善するなか景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、国際的な天候不順や長期化する地政学リスク、為替変動による原材料価格等のコスト上昇は国内経済に影響を与え、さらにアメリカの政策動向が与える影響による懸念も加わり、依然として先行き不透明な状況が続きました

食品業界におきましては、上昇しつづける原材料価格や労働コスト、物流費へ対応するために、多くの食品の値上げが続きました。一方で、個々の健康状態や嗜好に合わせた製品や多様化する調理スタイルに合わせた製品などの高付加価値製品の開発など、利益獲得への取り組みが見られました。また、サステナビリティへの取り組みとして、フードロス削減のための食品リサイクルや持続可能な生産活動へのシフトが進みました

このような状況のもと、当社では2025年度3月期を最終年度とする中期経営計画の「“強み”に磨きをかけ、市場・顧客を開拓する」「強い体力づくりへの投資で飛躍の基礎を固める」「社会・社員から信頼される企業体制を構築する」という3つの基本戦略を着実に遂行しつつ、企業としての存在価値を高め、事業環境変化に対応した収益構造の改革と持続的成長の実現を進めてきました。また「ビジョンの追求」を当事業年度の重点課題のひとつとして掲げ、ダイショーの未来価値向上に向けた「ダイショー・ブランディング・プロジェクト」を実行いたしました。このなかで今後の活動指針となるVISION「“楽しい味”で世界にプラスを。」を策定し、これを軸に「ファン(FAN/FUN)を大切にする会社」づくりを目指す取り組みを開始いたしました

 

製品群別の概況は、以下のとおりであります。

液体調味料群の小売用製品においては、本格的なお店のメニューが簡単に調理できる製品として投入した有名中華シェフ監修の製品や『豚からの素』などの新製品が堅調に推移するなか、当社の焼肉のたれのなかでも最も支持を集めている『秘伝 焼肉のたれ』の新シリーズとして、粒感の大きいにんにくを配合するなど“にんにく感”に特化した『秘伝 焼肉のたれ にんにく5倍』が好調に推移しました。鍋スープ類では、平均気温の高い状況が続くなか『明太クリーム鍋スープ』や『豆乳担々鍋スープ』を「暖冬でも楽しめる新製品」として投入しました。また、前期に引き続き好評の「名店監修」シリーズへあらたに投入した『名店監修鍋スープ らぁ麺飯田商店鶏だし醤油味』や人気ドラマ「孤独のグルメ」の劇場版とのコラボ製品が売上を牽引いたしました。業務用製品では、スープ類が順調に売上を伸ばすなか、手軽に炭火焼の風味を再現でき彩りよいねぎを加えた『炭火焼風 ねぎ塩ソース』を中心に多様なフレーバーで展開しているオイルソース類や惣菜向けのソースなどの売上が増加いたしました。この結果、売上高は197億14百万円(前期比103.9%)となりました

粉体調味料群においては、小売用製品の『味・塩こしょう』シリーズが堅調に推移しました。業務用製品においては、猛暑による調理機会の敬遠などの影響もあり惣菜向けのスパイス類が好調に推移いたしました。この結果、売上高は40億78百万円(前期比102.8%)となりました

その他調味料群においては、小売用製品では、夏の子育て家庭を対象とした『レタスがおいしいパリ麺サラダ用セット』などのサラダ用揚げ麺調味料セットのクローズドキャンペーンを実施しました。また、定番製品の「スープはるさめ」が、低カロリーで満足感が得られるため食事の副菜など様々な食シーンで使いやすいことから売上を伸ばしました。さらに、業務用製品も好調に推移いたしました。この結果、売上高は24億48百万円(前期比101.5%)となりました

以上の結果、当事業年度における売上高は、262億41百万円(前期比103.5%)となりました。利益につきましては、増収を達成したものの、原材料価格や労務費等の製造コストの上昇の影響は大きく、営業利益は6億56百万円(前期比73.7%)、経常利益は6億73百万円(前期比74.8%)、当期純利益は4億58百万円(前期比76.5%)となりました

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

 当事業年度における生産実績を品目群別に示すと、次のとおりであります。

品目

当事業年度
(自 2024年4月1日
  至 2025年3月31日

金額(百万円)

前期比(%)

液体調味料群

19,846

103.8

粉体調味料群

3,984

103.0

その他

1,507

100.0

                   合計       

25,338

103.4

 

 

② 受注実績

 当社は、受注見込による生産方式をとっております。

 

 

③ 販売実績

 当事業年度における販売実績を品目群別に示すと、次のとおりであります。

品目

当事業年度
(自 2024年4月1日
  至 2025年3月31日

金額(百万円)

前期比(%)

液体調味料群

19,714

103.9

粉体調味料群

4,078

102.8

その他

2,448

101.5

合計       

26,241

103.5

 

(注) 販売実績に対する売上割合が10%以上の取引先はありません。

 

(2) 財政状態

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ23億11百万円増加し、187億5百万円となりました。固定資産が総資産の58.4%を占め、流動資産は総資産の41.6%を占めております。資産の変動は、主に「建設仮勘定」が30億2百万円増加し、「売掛金」が6億91百万円減少したことによるものです

負債は、前事業年度末に比べ20億50百万円増加し、89億5百万円となりました。流動負債が負債合計の55.8%を占め、固定負債は負債合計の44.2%を占めております。負債の変動は、主に「長期借入金」が24億40百万円、「1年内返済予定の長期借入金」が3億20百万円それぞれ増加し、「未払法人税等」が2億28百万円、「長期未払金」が2億8百万円、「買掛金」が1億1百万円それぞれ減少したことによるものです

純資産は、前事業年度末に比べ2億61百万円増加し、97億99百万円となりました。純資産の変動は、主に剰余金の配当1億73百万円の支出と当期純利益4億58百万円の計上により「利益剰余金」が2億84百万円増加したことによるものです。自己資本比率は52.4%となり、前事業年度末に比べ5.8ポイント下降しました

 

(3) キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、25億88百万円となり、前事業年度末に比べ62百万円増加いたしました

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益6億18百万円、売上債権の減少額6億94百万円、減価償却費6億46百万円等による資金の増加と、法人税等の支払額3億29百万円、長期未払金の減少額2億8百万円等による資金の減少により、前期比13百万円収入増の9億88百万円の純収入となりました

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出33億12百万円等による資金の減少により、前期比で30億35百万円支出増の32億68百万円の純支出となりました

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金28億円の借入とリース債務の返済2億43百万円、配当金の支払額1億73百万円等の支出により、前期比で27億57百万円収入増の23億43百万円の純収入となりました

 

(4) 当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の主な資金需要は、製品製造のための原材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社の生産設備の更新、改修等に係る投資であります

これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております

 

 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りには不確実性が伴うため、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。

当社の財務諸表で採用した重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕1〔財務諸表等〕(1)〔財務諸表〕の〔注記事項〕(重要な会計方針)に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社の商品開発活動方針は、食品メーカーとして「安全・安心」な食品を提供すること、かつ消費者ニーズの変化に対応した商品を開発することにあります。家庭で外食の味を簡単に「おいしさで・しあわせをつくる」の理念とともに、毎日の食を、楽しく作る、楽しく食べる「“楽しい味”で世界にプラスを。」をビジョンに掲げ商品開発活動を行っております。

当事業年度の商品開発活動の体制は、小売用新商品の企画・開発及びリニューアル商品の企画・開発を担当する福岡企画開発課(福岡7名)・東京企画開発課(東京6名)、リテール商品開発課(東京7名)、業務用新商品及びOEM商品の企画・開発を担当する業務用NB・OEM商品開発課(福岡8名)、得意先PB・特注品の開発を担当する東京商品開発課(東京12名)・特注品開発課(九州12名)、パッケージのデザイン作成を行う商品デザイン課(東京6名)、味覚センサーを用いた検証業務・ラインへの落とし込み・量産化業務など、設計業務全般のサポート業務を行う技術サポート課(6名)、食品表示に関わる法の社内整備や知的財産権の管理及び改版作業を行う表示・知財サポート課(6名)、開発業務に関わるツールの構築、DX化に向けたシステムの整備を行うITサポート課(3名)です

お客様・販売現場および生産現場と直結した商品開発体制を整備することにより、新商品の企画・開発のスピードアップと精度の追求、商品の安全性確保を図っております。

商品開発活動は、自社工場を主とし一部、協力工場での生産に加え新しい包装形態・新技術の商品開発、流通・加工食品ユーザーとの共同企画によるPB・特注品開発、惣菜を中心とした中食の開発、技術資料の提供・食品表示に関わる法全般・知的財産の管理等を行っております。その中で、商品開発においては「“楽しい味”で世界にプラスを。」を具現化する取組の一環として、各部門からメンバーを募り“モノ創りプロジェクト~ビジョンをカタチに~”を実施し、消費者目線でインサイトを発掘し、起案から味作りまでを行いました。そうした取組を通して、企業理念とブランド価値の認知・向上を目指しております。また、地元九州に貢献するため“九州ロゴマーク”を記載した商品や監修シリーズの拡充、さらに、海外への輸出を目的とした海外専用ブランド商品の開発を行って参りました。

当事業年度の主な成果としては、温暖化・少子化等、潮流に対応した新商品、簡便調味料商品の開発を行いました。

小売用商品では「名店・シェフ監修シリーズ」「映画タイアップ商品」「既存ブランド拡充商品」、業務用商品では「オイルソースシリーズ」「デリカ向け商品」等をリリースしました。

今後も、各販売チャネルと加工食品ルートに向けた新しいメニュー提案とともに、継続的な新製品開発に取り組んで参ります

当事業年度の研究開発費総額は、350百万円であります。