第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、経営理念に「1.お客様の発展と地域社会の進化に広く貢献し、企業価値の向上を図る。2.生産性効率のアップを図り、全社員の物心両面の幸福追求に取り組む。」を掲げ、併せて「利他の心」で利害関係者の全てにおいて最適な関係を目指しています。

 

(2) 目標とする経営指標

継続企業体として永続的に発展するために、売上高及び経常利益の持続的な成長を目指します。

 

(3) 中長期的な経営戦略

当社グループは、「感謝と奉仕、創造と挑戦」を社是とし、創業以来、研究開発に注力してきました。引き続き、革新的な研究により、5年先、10年先を見越した収益性が高く、競争力のある製品を開発してまいります。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

① コンプライアンス経営

経営の根幹に「コンプライアンス経営」を掲げて取り組みます。確固たる法令遵守の意識をベースにして、上位概念として社会からの要請に対応しながら経営理念にかなった理想的な行動を行います。

具体的には、主力の水産事業においては、水産資源の持続可能性が求められており、当社は配合飼料メーカーとして、魚粉に過度に依存しない飼料の開発などに取り組みます。

 

② 品質・安全の追求

製品の品質にこだわり、さらに安全の追求を目指してまいります。具体的な取り組みとしては、平成30年2月に当社飼料製造部においてISO9001を認証取得しました。また、当社食品部門では、平成31年春の認証取得に向けてISO22000に取り組んでいます。

 

③ 研究開発の強化

グループ各社・各部門において、こだわりのニッチ企業として、研究開発を継続します。また、主力の水産事業においては、引き続き産官学連携による取り組みを行います。

 

④ 海外市場の開拓

将来的な国内市場の縮小に備えて、海外市場への販売強化に取り組みます。

具体的には、当社飼料部門においては、海外事業部を増員強化し、アジア・北中南米向けの売上及び利益の拡大を図ります。当社食品部門においては、各営業所において海外向け販売に向けた営業を強化します。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 自然環境の影響について

当社グループの主たる事業である水産事業は、養殖業界に属し、その生産量は台風・赤潮・低水温などの自然環境の変化やウイルス・病害虫の発生などに左右され、また価格については天然魚介類の漁獲量及び海外からの輸入量などにより変動し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の価格変動について

養魚用配合飼料は、中南米など海外で生産された魚粉を主な原材料としており、これらの原産地周辺海域での漁獲高の変動は、輸入魚粉の品質や価格に大きな影響を与えております。また、食品事業の主原材料である小麦粉の価格変動も仕入れ価格に影響を与えます。これらの主要原材料を含む製造原価の上昇が製品の販売価格に転嫁できず、当社グループの収益を押し下げる可能性があります。

 

(3) 製品事故について

当社グループの製品は国内の法令により規制を受けております。また、飼料メーカー・食品メーカーとしてトレーサビリティを徹底し、原材料及び製品の品質管理を厳格に行っています。

品質に関して万全の体制で取り組んでいますが、不認可物質や農薬等の原材料への混入等の製造物責任上の事故等が発生した場合には、製品回収等のコストの増加や当社グループに対する信頼性が損なわれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 主要な顧客について

当社グループの水産事業においては、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績 (販売実績)に記載の通り、販売先において主要な顧客が存在します。

これら主要な顧客からの受注減少による当社の生産数量や設備稼働率の低下が、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 有形固定資産、無形固定資産の減損に関するリスク

当社グループは有形固定資産、無形固定資産を有しています。これらは資産が減損していると判断される場合には、当該資産の帳簿価額が公正価値を超過している金額に基づいて減損損失を計上するため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報システムについて

当社グループは、購買・生産・販売・会計など社内情報システムを構築しており、コンピュータウイルス対策や不正アクセスの防止などに最善をつくしております。また、災害時に備えBCP事業継続計画を制定するなど万全を期しています。

想定を超えたウイルス感染や不正アクセス等による社内情報漏洩等が発生した場合には、顧客対応費用の発生や当社グループへの信頼性が低下し、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による経済政策等を背景に企業収益や雇用環境等の改善が見られ景気は緩やかな回復基調で推移しました。

ただし、消費動向調査の「暮らし向き」や「収入の増え方」に関する意識指標に現れているように、消費者マインドについては、力強さを欠いた状況が続いています。このような状況が長引くなかで、小売業界における水産・一般食品のカテゴリーにおいてはその動向は低調な状況が続いており、業態を超えた価格競争が続く厳しい経営環境が続いております。

このような環境の下、当社グループでは、「コンプライアンス経営」を意識し、法令遵守の意識を持ち、社会からの要請に都度対応しながら、経営理念の実現に向けた取り組みを行っております。また、「品質・安全」に関して、当社飼料製造部においては平成30年2月にISO9001を認証取得し、当社食品部門においてはISO22000の認証取得に向けて取り組みを開始しております。あわせて、「企業収益力の向上」、「生産力・販売力の強化」、「研究開発の強化」、「マネジメントの改革」にも取り組んでおります。

その結果、当連結会計年度の業績は、売上高135億51百万円(前期比1.6%増)、営業利益3億65百万円(前期比13.8%減)、経常利益4億9百万円(前期比18.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億31百万円(前期比39.8%減)と増収減益になりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

(水産事業)

平成29年度における国内の養魚用向け配合飼料市場は、夏場の高水温や赤潮による餌止め、冬場の低水温期の長期化による摂餌不良や総体的な在池尾数の減少などにより平成28年度を下回る状況でした。

当社製品におきましては、主力のエビ飼料類は引き続き高い国内シェアを維持しておりますが、10月以降の海水温の低下などにより育成用飼料の販売が伸び悩み販売量は前期比較で減少となりました。ハマチ飼料類やマダイ飼料類は、在池尾数の減少や受託生産の減少などの影響を大きく受け大幅な販売量減少となりました。海外向けに関しては、海外事業部開設による販売強化の成果も表れ、前期を上回りました。

なお、配合飼料売上高としては、販売数量減少及び魚粉価格低下に伴う販売単価低下により減収となりました。

子会社では、永屋水産株式会社の売上高が前年対比6.5%増加と好調に推移し、収益面でも平成26年11月の子会社化後に初めて黒字転換いたしました。マリンテック株式会社は、種苗生産部門は順調でしたが、飼料販売部門が伸び悩み前年対比1.8%の減収となりました。奄美クルマエビ株式会社は、稼働池も増え大幅な増収となりましたが、採算面では厳しく今期において特別損失として固定資産の減損損失を1億円計上いたしました。

その結果、売上高は89億17百万円(前期比1.9%減)、セグメント利益は4億86百万円(前期比22.9%減)となりました。

 

 

(食品事業)

食品事業では、主力の皿うどん類は前期比8.8%増収と引き続き好調に推移しております。即席めん類及びラーメン類もPB商品を中心に堅調に推移いたしました。カップ類も取扱い店舗の増加に伴い好調に推移しました。うどん類、そば類及びそうめん類は前期を下回りました。

子会社では、コスモ食品株式会社ではPBカレーの受注減少などにより若干の減収となりました。株式会社向井珍味堂は、きな粉の販売が好調で増収となりました。平成28年7月に子会社化した株式会社なかしまの売上高は通期分として貢献しました。

その結果、売上高は46億33百万円(前期比9.0%増)、セグメント利益は2億77百万円(前期比17.9%増)となりました。

 

生産、受注及び販売の状況は、次のとおりであります。

 

(生産実績)

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

水産事業

5,627,387

△3.9

食品事業

3,101,817

12.8

合計

8,729,204

1.5

 

(注) 1  金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引がある場合は相殺消去後の金額としております。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(受注実績)

当社グループは、主に需要予測に基づく見込生産を行っているため、記載を省略しております。

 

(仕入実績)

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

水産事業

1,978,153

8.6

食品事業

308,227

27.7

合計

2,286,380

10.9

 

(注) 1  金額は、仕入価格によっており、セグメント間の取引がある場合は相殺消去後の金額としております。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

水産事業

8,917,296

△1.9

食品事業

4,633,832

9.0

合計

13,551,129

1.6

 

(注) 1  セグメント間の取引がある場合は相殺消去後の金額としております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

フィード・ワン株式会社

2,345,669

17.6

2,079,812

15.3

 

3  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2億36百万円減少の120億3百万円となりました。

流動資産は、3億65百万円減少し56億54百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の減少5億6百万円、原材料及び貯蔵品の減少70百万円、その他流動資産の増加1億47百万円であります。

固定資産は、1億28百万円増加し63億48百万円となりました。主な増減は、のれんの減少94百万円、投資有価証券の増加2億49百万円であります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ3億46百万円減少し58億49百万円となりました。

流動負債は、2億97百万円増加し33億36百万円となりました。主な増減は短期借入金の増加4億13百万円、未払法人税等の減少78百万円であります。

固定負債は、6億43百万円減少し25億13百万円となりました。主な増減は、長期借入金の減少6億61百万円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1億9百万円増加し61億53百万円となりました。主な増減は、利益剰余金の増加75百万円、その他有価証券評価差額金の増加19百万円、非支配株主持分の増加14百万円であります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ4億97百万円減少し16億24百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度と比べ6億39百万円減少し4億76百万円となりました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益3億18百万円、減価償却費3億84百万円、たな卸資産の減少により43百万円、減損損失の発生により1億円などの資金の増加要因があった一方で、仕入債務の減少により34百万円、未払消費税等の減少により39百万円、法人税等の支払2億97百万円などの資金の減少要因があったことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によって支出した資金は、前連結会計年度と比べ2億6百万円減少し6億54百万円となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出4億8百万円、投資有価証券の取得による支出2億24百万円があったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によって支出した資金は2億99百万円(前連結会計年度は4億36百万円の収入)となりました。

主な要因は、短期借入金の増減額4億40百万円の資金の増加要因があった一方で、長期借入金の返済による支出6億88百万円、配当金の支払額56百万円などの資金の減少要因があったことなどによるものであります。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度においては、有利子負債の縮減に取り組みました。長期借入金に関しては約定返済を進め、比較的調達コストの低い短期借入金に関しては4億40百万円増加しました。有利子負債合計では、前連結会計年度末38億90百万円から2億57百万円減少し36億33百万円となりました。今後は将来的な金利予測を踏まえ長短借入金のバランスを考慮し資金手当てを行います。

また、資金の流動性に関しては、不測の事態に備え一定の余裕を持ちながら、資本効率も意識した水準を維持してまいります。

なお、現時点で確定している資本的支出はありませんが、今後進展する計画に関しては、金融機関からの間接金融での調達を予定しています。

 

(5) 今後の見通し

セグメント別の「水産事業」では、主力の養魚用飼料製造販売において、受託先企業の内製化に伴い生産の大幅な減少が見込まれております。その対策として、国内においては、営業人員増員による自社製品の販売強化や新製品「ウナギ用配合飼料」の販売開始、マグロ用配合飼料の研究加速に取り組んでまいります。

また、海外向けに関しては、主要なアジア圏や新規販路としての中南米での取り組みに力を入れてまいります。具体的には、海外事業部専任の取締役配置など陣容を強化し一層の販売強化を図ってまいります。

子会社においては、永屋水産株式会社は「ふかうら真鯛」や「薩摩鰤」の全国販売を中心に堅調な推移を見込んでおります。マリンテック株式会社はアユ・ヒラメ等の種苗生産が安定しており、産学連携の種苗生産研究や海外向け種苗生産コンサルティング事業にも取り組んでおります。奄美クルマエビ株式会社では、養殖池改修工事も完了し、グループ傘下入り後初めて全池稼働となり売上増加を見込んでおります。

「水産事業」においては、育てる漁業を前面に持続可能な漁業に寄与すべくグループ一体となって相乗効果を高めてまいります。

「食品事業」では、皿うどんを柱とした主力の麺類及びスープ類は堅調な販売を見込んでいますが、原材料費や物流費用などのコスト上昇による収益圧迫が予想されます。対策として、営業を強化し既存店のアイテム拡大と新規導入店舗の拡大に努めます。チャネルとして、コンビニエンスストア、土産ルート、高価格帯スーパー、ノベルティ、総菜ルート、海外販売、OEM向けに営業を強化してまいります。

子会社においては、コスモ食品株式会社の「カレールー」や株式会社向井珍味堂の「きな粉」など、マーケットにおいて高い評価を得ている製品においては引き続き安定した売上を確保できる見込みです。「冷凍かき揚げ」を手掛ける株式会社なかしまに関しても、平成28年7月子会社化以降取り組んでまいりました各現場における内部統制も整備され、攻めの営業を展開してまいります。

「食品事業」においては、情報共有や共同販促などによりグループブランド化に取り組んでまいります。

その結果、平成31年3月期の連結業績見通しにつきましては、売上高123億70百万円、営業利益88百万円、経常利益4億25百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億70百万円を見込んでおります。

 

(6) 重要な会計方針及び見積もり

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。また、連結財務諸表の作成にあたっては、見積もりが必要なものについては、合理的な基準に基づいて行っております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、主に水産事業における養魚用配合飼料の改良・開発及び自社独自の養殖方法の研究や魚の品種改良などの産学連携での取り組みなどがあります。

当連結会計年度の研究開発費の総額は2億40百万円であり、主な研究開発活動の概要は次のとおりであります。

 

(1) 養魚用配合飼料の改良・開発

養魚用配合飼料は、原材料の組成変更による増肉効果等を串木野臨海研究所(鹿児島県いちき串木野市)における飼育試験で検証するとともに、藻類や植物性原料素材など新たな素材を組み合わせた研究試作飼料で実証実験を重ねております。

主力のエビ飼料類については、熊本、鹿児島、沖縄などに展開する営業担当と一体となり常に養殖現場の声を反映しながら更なる成長促進や抗病効果の視点を中心に研究開発を重ねております。

魚飼料類については、顧客の養殖経営の採算性向上の視点から低価格かつ高成長の飼料開発に取り組んでおります。

 

(2) 魚病対策の研究

水産養殖における海の汚染や高密度飼育による魚病対策は常に大きな課題であります。養殖海域の水質環境悪化等により病害も多様化しているなか、当研究所においては、様々な疾病の細菌検査やウイルス検査等の魚病診断を行い、早期発見による病気の蔓延化を防止するための対策等をアドバイスしております。

 

(3) 産学官での連携

藻類などの飼料応用の研究開発や魚の品種改良や種苗生産の分野において、当研究所や子会社のマリンテック株式会社で産学官での研究開発に取り組んでおります。