当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、国内需要において、政策的な賃上げへの取り組みや雇用・所得環境の改善期待により、実質賃金の改善傾向および消費拡大への期待が高まりました。一方で、食品価格および輸入価格の上昇が家計の実質的な購買力を圧迫するリスク要因となり、実質個人消費の伸びは緩やかにとどまりました。また、天候不順や記録的な高温の影響により農産物価格が変動し、供給制約を通じて食品価格の上昇を後押しする場面も見られ、家計にとっての負担増要因となりました。インバウンド需要については、円安を背景に回復傾向が続き、訪日外国人消費がサービス業を中心に成長を支える動きが見られました。しかし、外需・企業活動の面では、米国など海外の貿易・関税政策の影響が注視されており、輸出・設備投資・企業収益に対して先行きの不透明感が高まっています。結果として、日本経済は全体として緩やかな回復基調で推移しました。
このような事業環境のなか、当社グループは、主要原材料や燃料費、輸送費、資材費などのコスト高騰が一段と深刻化し、他社との販売競争も激しさを増す状況にあり、工場の生産効率の改善、販売戦略の見直し、販売価格の改定などに取り組むことで、業績の向上を図ってまいりました。
その結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高67億11百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益2億4百万円(前年同期比20.1%増)、経常利益2億20百万円(前年同期比3.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益83百万円(前年同期比47.0%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
①水産事業
水産事業におきましては、インバウンド需要の拡大を背景に、外食および業務用向け関連商材の取引が活発に推移しています。一方で、養殖在池尾数の減少や飼料・燃料等養殖コストの上昇等の影響により、市場に供給される鮮魚は制限されており、小売店等では品薄となる地域も生じています。また、7月から9月にかけては海水温の上昇が続いたことで、海面養殖業者の多くが制限給餌を実施しており、生育・成長の遅れが懸念されています。特にハマチ・カンパチ類については在池尾数が少ないとの報告があり、供給ひっ迫と養殖コスト上昇が重なって浜値が高騰しつつあります。
養魚用配合飼料の主要原料となる魚粉は、国内で流通品の相場が下がったことで当社を含めた各配合飼料メーカーは7月に魚類飼料の値下げの価格改定を実施いたしました。しかし、燃料費や資材費、輸送費といった生産コストは高止まりの状況が継続しており、コストダウンと付加価値の高い製品群の販売拡大などによる利益確保に取り組んでまいりました。
エビ飼料類は、大手販売先でのシェア率アップや南米向け輸出の増加があったものの、現金取引になった大手販売先で販売量が大幅に減少したことから、前年同期を下回りました。ハマチ飼料類は、販売先の養殖在池尾数が少なかったことや高水温対策の制限給餌の影響などにより、自社製品・受託製品ともに販売数量が減少し、前年同期を下回りました。ヒラメ・マダイ飼料類は、赤潮による餌止めの影響はなかったものの、高水温対策の制限給餌の影響などにより販売数量が減少したことから、前年同期を下回りました。
鮮魚販売事業は、養殖コストの上昇による産地価格の上昇と、夏場の高水温による成長不良等により小売店向け商材の販売量が減少したことから、前年同期を下回りました。
クルマエビ養殖事業は、販売単価は上昇したものの、前期からの繰越在庫での斃死発生が想定よりも多く、在池尾数が減少したことで出荷数量も減少したことから、前年同期を下回りました。
魚類養殖事業は、出荷時の平均魚体重が増加したことで出荷総重量が増加し、沖縄県外向けの出荷が増えたことで平均単価も上がったことから、前年同期を上回りました。
その結果、売上高は39億68百万円(前年同期比12.1%減)、セグメント利益は4億61百万円(前年同期比66.3%増)となりました。
②食品事業
食品事業におきましては、食品小売価格が上昇基調にある中、量販店を中心にPB商品の拡充や販売価格・パッケージ・ブランド別の差別化を通じた競争力強化の動きが見られています。また、インバウンド需要は回復傾向にあり、さらに加工食品・農産品の海外向け輸出も活発に推移しました。
麺類の主原料である小麦粉の価格は依然として高止まりしており、パーム油価格も前年同期比で10%以上上昇しています。販売店向けの拡販競争は引き続き厳しい状況が見込まれることから、生産効率の改善によるコスト削減や、付加価値の高い商品の開発・販売拡大などを通じて、利益の確保に取り組んでまいりました。
即席麺類は、価格改定の影響によりPB商品の販売が減少したことから、前年同期を下回りました。乾麺類(うどん・そうめん等)は、価格改定や終売の影響による販売数量の減少があり、前年同期を下回りました。皿うどん類は、既存取引先への拡販が順調に進み、新規採用もあったことから、自社商品・PB商品ともに販売数量が増加し、前年同期を上回りました。ラーメン類は、自社商品・海外向けPB商品の販売が減少し、前年同期を下回りました。
カレールー・シチュールー類は、量販店への新規導入や、メディアで紹介された商品の増販が継続したことから、前年同期を上回りました。
穀粉類は、海外向け業務用製品は減少したものの、大手量販店向けの新規採用や複数の取引先で企画商品の採用があったことから、前年同期を上回りました。
かき揚げ類は、昨年度より販売を開始した新商品や高齢者施設給食向けの受注は順調に推移しましたが、原料となる白エビの不漁により共同購入事業者向け受注の数量を制限したことから、前年同期を下回りました。
その結果、売上高は27億43百万円(前年同期比2.8%減)、セグメント損失は73百万円(前年同期はセグメント利益71百万円)となりました。
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ2億12百万円増加し144億39百万円となりました。これは、主として現金及び預金が1億56百万円減少、受取手形及び売掛金が7億34百万円増加、仕掛品が2億6百万円減少、原材料及び貯蔵品が1億3百万円減少したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末と比べ1億39百万円増加し92億31百万円となりました。これは、主として買掛金が5億48百万円増加、短期借入金が4億65百万円減少、長期借入金が1億円増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比べ73百万円増加し52億7百万円となりました。これは、主として利益剰余金が23百万円増加、その他有価証券評価差額金が40百万円増加したことなどによるものです。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前年同期と比べ15百万円減少し11億84百万円となりました。
当中間連結会計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
当中間連結会計期間における営業活動によって得られた資金は、10百万円(前年同期は5億58百万円の支出)となりました。
主な要因は、税金等調整前中間純利益の増加2億17百万円、売上債権の増減額の減少68百万円、棚卸資産の増減額の減少65百万円、仕入債務の増減額の増加4億4百万円、法人税等の支払額の減少35百万円などによるものです。
当中間連結会計期間における投資活動によって得られた資金は、2億36百万円(前年同期は1億69百万円の支出)となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得による支出の増加1億42百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入5億43百万円などによるものです。
当中間連結会計期間における財務活動によって支出した資金は、4億10百万円(前年同期は7億51百万円の収入)となりました。
主な要因は、短期借入金の増減額の減少11億50百万円、長期借入れによる収入5億円、長期借入金の返済による支出の増加4億97百万円などによるものです。
当中間連結会計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
前事業年度の有価証券報告書に記載のとおり、引き続き「コンプライアンス経営」、「品質・安全の追求」、「研究開発の強化」、「海外市場の開拓」に取り組んでまいります。
当中間連結会計期間のグループ全体の研究開発費の総額は1億7百万円であります。なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当社は、2025年4月21日開催の取締役会において、連結子会社であるマリンテック株式会社(以下「マリンテック」という)の株式の一部を譲渡することを決議し、2025年4月22日付で株式譲渡契約を締結し、同日付で株式を譲渡いたしました。これにより、マリンテックは当社の連結子会社から除外されることとなりました。
(1) 株式譲渡の理由
当社は、2011年1月にマリンテック(旧社名 日清マリンテック株式会社)を連結子会社化し、同社の経営の安定化と事業の成長及び当社事業とのシナジー効果を発揮する取組みを進めてまいりました。
その結果、マリンテックの経営は安定化の見通しとなり、当社は、同社事業の更なる成長と当社グループの主要セグメントの一つである水産事業の事業再編について協議・検討を重ねてまいりました。こうしたなか、譲渡相手先が考えるシナジー効果や経営ノウハウが、マリンテックの企業価値の更なる向上と水産業界の発展に資するものと判断し本件譲渡を実施することといたしました。
(2) 株式譲渡の相手先の名称
当事者間の守秘義務と譲渡相手先の強い要望により非開示とさせていただきます。
(3) 株式譲渡日
2025年4月22日
(4) 当該子会社の概要
① 名称 マリンテック株式会社
② 事業内容 魚介類種苗の生産及び養魚用栄養強化剤の製造販売
(5) 譲渡した株式の数、譲渡後の持分比率、譲渡価額及び譲渡損益
① 譲渡した株式の数 43,068株
② 譲渡後の持分比率 3%
③ 譲渡価額 当事者間の守秘義務と譲渡相手先の強い要望により非開示とさせていただきます。
④ 譲渡損益 本株式譲渡により、当中間連結会計期間において、関係会社株式売却益として210百万円の特別利益を計上いたしました。