第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループの経営理念は「自由闊達にして公正で節度ある企業活動により、食文化の創造と発展を通して、顧客満足・株主還元・社会貢献の実現を図り、社会的に価値ある企業として、この会社に係わるすべての人が誇りを持てる会社を目指す」であります。
 この経営理念のもと、「素材の風味を活かし、生産・流通・販売において温度帯にとらわれず、手軽に食べられ、様々な食シーンにマッチする、楽しさの演出に欠かせないおつまみをお客様にお届けします。」をミッションとし、「ひとつまみの幸せ。」を企業メッセージとして、「おつまみ」事業の維持・拡大及び収益力の強化に努めております。

当社グループは取り巻く環境の変化に柔軟に対応しつつ、更なる企業価値の向上を目指し、第71期(2019年3月期)から第74期(2022年3月期)までを対象期間とする4ヶ年中期経営計画「バリューアップ イノベーション74」をスタートさせました。
 当社グループの事業領域“おつまみ”を取り巻く環境は、おつまみのボーダレス化、人口減少・少子高齢化による国内市場の縮小、国産するめいか原料の記録的な不漁をはじめ、天候不順や世界的な需要の増加等による原材料価格高騰と調達の不安定さなどを背景に、企業間の生存競争が激しさを増しています。
 なとりグループは、厳しい環境下にありますが、今後も挑戦と革新を続け、5つの行動指針に基づき、次に掲げる基本方針を実行し、更なるイノベーションによって、おつまみの真のNo.1企業を目指してまいります。

 

<中期経営計画「バリューアップ イノベーション74」の骨子>


 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

(1) 原材料、資材価格の変動及び主要調達先の経済状況

当社は食品の原材料・資材として、いかなどの水産品、チーズなどの酪農品、牛肉などの畜産品、梅・ナッツ類・茎レタスなどの農産品、あるいは包装材料など幅広く使用しております。これらについては、自然環境や生産地の状況により調達量、調達コストなど変動することが予想されます。当社といたしましては、特定の原材料、仕入先、生産品に多く依存することを避け、適切な情報を収集して在庫管理などの対応を行っておりますが、予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 食料品・食品原材料に対する不測の事態など

食品業界においては、鳥インフルエンザなど食料品・食品原材料に影響を与える問題が発生しております。また、仕入原材料に違法な添加物が含まれるなどの食品を取り巻く不祥事などにより、当社の販売、仕入などでも予期しえない事態が起こることもありえます。当社といたしましては、食品の安全性を経営上の最重要課題のひとつと認識し、従来よりトレーサビリティーの推進、仕入先への指導・多様化、的確な業務処理の徹底などにより、リスクの極小化に努めております。しかしながら当社の想定あるいは会社としての対応を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 震災、テロに伴う不測の事態など

震災の発生、及び震災に伴う原発事故の影響等による当社事業所の損壊や、物流網の遅滞、原材料の調達不足、電力の使用制限による工場の生産能力及び生産性の低下、放射能汚染地域の拡大や、汚染水や放射能汚染に対する風評被害の発生、サプライチェーンの寸断により、当社の仕入、生産、販売において予期しえない事態が起こることもありえます。当社といたしましては、仕入先の分散や、放射能検査を実施するなど、震災に伴うリスクを極小化するよう努めますが、テロを含めて会社としての対応を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 為替相場変動や海外との関わりなど

当社原材料のうち、海外に依存しているものは全体の約6割あります。特に為替変動の影響を受けるものは全体の約4割です。為替リスクを極小化するよう努めておりますが、そのリスクは当社に帰属いたします。また、中国国内における生産販売を行っている合弁企業にも投資を行っております。従いまして、為替相場が変動した場合、あるいは投資先の状況により、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 商品の欠陥・品質クレームの発生 

当社グループは食品の製造・販売を主たる事業としております。全社員が食品会社に従事していることを認識し、製造環境を整え、原材料を仕入れ、食品を製造し、販売を行っております。
 近年、食品業界においては、食品表示問題、有害物質の混入など、食品の品質や安全性が疑われる問題が発生しております。当社グループとしては、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格FSSC22000を取得するなど常にお客様に信頼される安全・安心な商品を提供するために原料仕入から生産現場、店頭に並ぶまでの衛生管理や履歴管理などを徹底し、意図的な異物等の混入を防ぐために細心の注意を払っておりますが、万が一商品の欠陥等が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 食品業界などに対する法的規制などの導入・変更

当社及びグループ企業の一部は食品製造販売会社であり、食品表示法、食品衛生法、製造物責任法、容器包装リサイクル法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、不当景品類及び不正表示防止法、工場設備に関係する諸法律などの制約を受けます。これらの法律あるいは新たに当社グループの事業に関係する法律が制定された場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 商品開発の成否及び風評被害などによる既存商品・ブランドの劣化

おつまみ業界におきましては、競争がさらに激しくなっており既存品のみではシェア・売上低下は避けられない状況にあります。このような状況に対処すべく、新商品の発売、既存品のリニューアルなどでシェアを維持・拡大しながら売上の伸張を図っております。しかしながら、新商品開発の成否、あるいは予期せぬ風評被害など既存商品・ブランドの劣化などによっては、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における国内経済は、企業収益や雇用環境の改善がみられる一方で、個人消費は力強さを欠く状況で推移し、さらに貿易摩擦への不安や、米国株式市場の下落に端を発した円高の進行など引き続き先行きに不透明感が広がっております。

食品業界では、お客様の嗜好の多様化により多くの新製品が投入されていますが、商品のライフサイクルが短くなっていることから、各企業ともその対応に追われています。おつまみ市場も例外ではなく、さらにボーダレス化も進んでいることから、厳しい環境が続いております。
 この様な状況の中、当社グループは、第67期(平成27年3月期)から第70期(平成30年3月期)までを対象期間とする4ヶ年中期経営計画「バリューイノベーション70」の最終年度として、ビジョンである「お客様に信頼されるブランド価値の向上」を目指し、5つの戦略である「①国内事業の拡大と海外マーケットへの挑戦」「②新たなおつまみ需要の創造」「③着実な成長投資と高収益体質への変革」「④事業活動のサイクルを円滑化するロジスティクスと情報システムの構築」「⑤成長意欲に満ちあふれた社風の醸成と人材育成」に全社一丸となって取り組んできました。
 売上面においては、顧客志向を原点に、新製品の導入と市場定着を積極的に進め、各エリアの嗜好に合った製品の重点投入や販売促進等に引き続き取り組み増収となりました。しかし、利益面においては、前連結会計年度の下半期以降、記録的な不漁が続く国産するめいかの状況が更に悪化したことに加え、梅の不作等もあり、製品の規格変更などの諸施策を講じたものの、大幅に利益を減少させることになりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、454億81百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は12億96百万円(同35.0%減)、経常利益は12億89百万円(同36.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億17百万円(同39.2%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(食品製造販売事業)

売上高を製品群別に分類しますと、水産加工製品は、いか製品が減収となったものの、巾着タイプのチーズかまぼこや、茎わかめ、スティックタイプの揚物「うまいか」などの売上を伸ばしたことにより増収となりました。畜肉加工製品は、「3種のサラミ リッチセレクション」や、18本入りの「ペンシルカルパス」などのドライソーセージ製品が引き続き好調に推移したことと、「THEおつまみBEEF 厚切ビーフジャーキー」や、「燻製ポークジャーキー」などのジャーキー製品も売上に貢献したことで増収となりました。酪農加工製品は、チーズ鱈製品の売上が全体的に伸長したことや、新製品の「チーズスティック」などが奏功し、増収となりました。農産加工製品は、健康志向の高まりにより、食塩無添加のナッツ製品が売上を伸ばし、増収となりました。素材菓子製品は、酸味をマイルドにした「甘ずっぱいカリカリ梅 種ぬき」などの梅製品が好調に推移し、増収となりました。チルド製品は、一部大手チェーンにおいてフードパック製品の導入が進んだことと、チルドチーズ鱈製品が売上を伸ばしたことで、増収となりました。その他製品は、新製品の「磯貝 だし醤油焼き」などのレトルト製品と、「おつまみセレクション」などのアソート製品が売上を伸ばし増収となりました。
 以上の結果、食品製造販売事業の売上高は451億76百万円(同4.9%増)、営業利益は11億円(同39.0%減)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

売上高は3億5百万円(同0.4%増)、営業利益は1億96百万円(同3.0%増)となりました。

 

財政状態は、次のとおりであります。
 当連結会計年度末の連結総資産は389億83百万円(前連結会計年度末比25億51百万円増)となりました。
 資産の部では、埼玉第二工場稼働に伴うリース資産、受取手形及び売掛金が増加したこと等により、総資産が増加いたしました。

 

負債の部では、支払手形及び買掛金、埼玉第二工場関連のリース債務が増加したこと等により、負債合計は196億90百万円(同17億55百万円増)、純資産の部では利益剰余金が増加したこと等により、純資産合計が192億93百万円(同7億96百万円増)となりました。
 なお、自己資本比率は前連結会計年度末比1.3ポイント減少の49.5%となっております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億30百万円増加し、36億44百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、38億30百万円の収入(前年同期は5億49百万円の収入)となりました。主に、税金等調整前当期純利益が12億86百万円、減価償却費が13億44百万円、当連結会計年度末日が金融機関の休日であった影響に伴い、仕入債務の増加が14億62百万円あったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、27億10百万円の支出(前年同期は28億80百万円の支出)となりました。主に、埼玉第二工場の建設や工場における生産設備の導入等、有形固定資産の取得による支出が26億42百万円あったこと等によるものです。 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、7億89百万円の支出(前年同期は22億99百万円の収入)となりました。主に、ファイナンス・リース債務の返済による支出が6億75百万円、配当金の支払額が2億39百万円あったこと等によるものです。 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

食品製造販売事業

水産加工製品

15,445,050

106.3

畜肉加工製品

6,207,546

111.8

酪農加工製品

5,247,385

106.1

農産加工製品

525,364

68.7

素材菓子製品

2,025,652

123.3

チルド製品

348,506

169.5

その他製品

1,623,864

115.5

31,423,372

108.2

合計

31,423,372

108.2

 

(注) 1.金額は、実際原価によるものであります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.不動産賃貸事業においては、該当事項はありません。

 

 

b. 受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社)は、受注予測による見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

食品製造販売事業

水産加工製品

19,325,810

101.5

畜肉加工製品

8,282,129

109.0

酪農加工製品

8,347,915

102.1

農産加工製品

1,664,996

132.3

素材菓子製品

2,207,198

107.0

チルド製品

834,734

149.3

その他製品

4,513,290

103.3

45,176,074

104.9

不動産賃貸事業

305,689

100.4

合計

45,481,764

104.9

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

三菱食品株式会社

6,634,412

15.3

7,195,139

15.8

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、その作成の基礎となる会計記録に適切に記録していない取引はありません。また、引当金の計上にあたっては、合理的にその金額を見積り、算出しております。従いまして、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を正しく表示しております。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
 売上面においては、顧客志向を原点に、新製品の導入と市場定着を積極的に進め、各エリアの嗜好に合った製品の重点投入や販売促進等に引き続き取り組み増収となりました。しかし、利益面においては、前年度の下半期以降、記録的な不漁が続く国産するめいかの状況が更に悪化したことに加え、梅の不作等もあり、製品の規格変更などの諸施策を講じたものの、大幅に利益を減少させることになりました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は、454億81百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は12億96百万円(同35.0%減)、経常利益は12億89百万円(同36.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億17百万円(同39.2%減)となりました。

 

当社グループの成績に重要な影響を与える要因は、次のとおりであります。
 現在の当社グループを取り巻く環境は、「少子高齢化を背景とした珍味顧客の高齢化や低年齢層の減少」「消費者ニーズの多様化による業種業態を超えた食品売場のボーダレス化」など、需要構造が徐々に変わってきております。これに対して、当社グループといたしましては、新たな発想による新しいおつまみの開発やおつまみ加工技術を活用し、水産加工製品、畜肉加工製品、酪農加工製品、素材菓子製品を中心に、チルド製品などの開発も積極的に行い、新しい需要を創造し、成熟型社会に対応した企業基盤の確立に取り組んでおります。
 当面の課題としては、原材料高などであります。代替原材料への切替などの対策を検討しておりますが、更なる値上げなどが発生し、当社グループの企業努力の限界を超えた場合、企業収益を圧迫することがあります。
 また、食の安全を確保するための法令改正や指導が行われた場合、追加設備投資あるいは費用などにより財政状態及び経営成績に重要な影響が生じる場合もあります。これらにつきましては、「2 事業等のリスク」に記載いたしましたのでご参照ください。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
 重要な資本的支出につきましては、埼玉工場をはじめとする各工場の増産設備や製造ラインの合理化、老朽化設備の入替など、総額30億円の設備投資を予定しております。
 なお、設備投資に係る資金につきましては、自己資金や借入金などによる調達を予定しております。

 

経営方針・経営戦略につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしましたのでご参照ください。

 

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について、次期の連結業績見通しとしては、売上高464億円(前年同期比2.0%増)、営業利益15億10百万円(同16.5%増)、経常利益15億円(同16.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益10億円(同22.4%増)を見込んでおります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発部門は、なとり「新おつまみ宣言」の実現に向けて、素材の風味を活かし、手軽に食べられ、楽しさを演出する独創性のあるおつまみの創出と既存品の改良を継続的に行い、「おつまみの真のNo.1企業」を目指しております。そのために新技術を開発・導入し、日々変化するマーケット動向を見据え製品開発のファストサイクル化に取り組みながら、お客様にとって安全・安心でおいしい食品の開発を推進しております。

 

(1) 研究の目的及び主要課題

当社グループは、食品総合ラボラトリーを中心として、安全・安心で高品質な製品を生み出すべくマーケティング部門、生産部門、営業部門等の関係部署との密なる連携により研究開発活動を展開しております。
 研究開発の主要課題は、味・香り・食感・色など、素材が持つ本来の良さを最大限に引き出すこと、お客様の嗜好の変化や健康意識の高まりに対応すべく、従来には無かった新素材・新技術・新価値・新サービスを提供する製品の開発及び改良であります。
 「水産加工製品」「畜肉加工製品」「酪農加工製品」「素材菓子製品」を集中4ジャンルと位置付け、開発資源を集中的に投入し、各製品群の更なるアイテム充実を目標として、様々なバリエーションを展開する中で、お客様のニーズを的確に把握した開発を進めております。「農産加工製品」「チルド製品」「その他製品」に関しても、当社グループを支える事業の柱とすべく製品導入に努めております。
 さらに基盤研究の推進にも注力し、当社グループで取り扱っている様々な原材料や加工・保存方法に関する研究・調査を進め、データ蓄積や新技術開発を目指しております。また、外部機関との共同研究にも取り組み、更なる高度な技術開発を目指しております。基盤研究から生み出されたシーズの新製品開発への導入も強力に進めております。
 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は543,995千円であります。(すべて食品製造販売事業に係るものであります。)

 

(2) 研究開発体制

研究開発活動の中心的役割を担う食品総合ラボラトリーは、「製品開発」「製品評価」「基盤研究」の3つの機能を持ち活動しております。
 「製品開発」については、水産、畜肉、酪農、農産の各種原材料の特性を活かし、独自の加工技術を駆使したスピーディーな新製品開発に特化しております。
 「製品評価」については、理化学・微生物検査を駆使し、製品・原材料の安全性確保を目的に活動しております。
 「基盤研究」については、新たな加工・保存・分析技術の探求や今後取り組むべき課題の抽出等、製品開発につながる新技術・新素材等の探索を目的に活動しております。

 

(3) 研究開発活動

研究開発成果は、以下のとおりであります。

① 製品開発

お客様の嗜好が日々変化している中、新たな水産物や肉類、果実などの新素材を使用した製品を開発しております。さらに、健康意識への高まりに対応するため、糖質や塩分を抑えた製品、乳酸菌や鉄分、食物繊維などの栄養素を多く含む素材を使用した製品や、家飲みの増加に対応した個食タイプの製品を開発し発売しております。
 また、期間限定のフレーバー製品やコラボ製品の開発も積極的に行っており、幅広い食シーンへの対応を図っております。さらに、マーケットリサーチ結果を活用しつつ、新たな食シーンの創造や女性向け等ターゲットを絞った新素材、新技術、新価値、新サービスを提供する製品開発を進めております。

 

 

② 製品評価

理化学・微生物検査に加えて高度分析機器を駆使し、製品・原材料の安全性確認、賞味期間の設定、衛生管理への提言等を行っております。併せて安全・安心に関わる新しい検査・分析技術の導入も積極的に進め、当社グループ工場への水平展開も進めております。
 製品の味については、官能検査による味の評価のほかに、味覚センサーを導入して、味の視覚化に取り組んでおります。味覚センサーによる分析により、時間の経過による味の変化や他社品との味の違いなどが明確になり、お客様の視点に立った研究開発を進めております。

 

③ 基盤研究

基盤研究については、各種原材料素材に関して加工・保存時の品質変化や栄養成分の調査・研究を進め、更なるおいしさや健康価値を持つ製品開発のための基盤データ収集を行っております。
 いか製品を中心とした咀嚼性の研究も継続して進めており、食育活動の一環として研究結果を当社ホームページ等に掲載しております。また、子供達を対象にいか・チーズについての理解を深めるためのセミナーを開催し、併せて咀嚼の啓蒙も行っております。
 また、マーケットニーズや属性別の嗜好性に基づいた新製品開発を推進するために、マーケティング部門と連携して社内外のモニター制度を活用した新製品の受容性評価・グループインタビュー等を実施しております。さらに、マーケットニーズや嗜好性の変化に対応するために、基盤研究や新技術の探索に注力し、その中から採用した新技術については特許出願を視野に入れた活動を行っております。