第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループの経営理念は「自由闊達にして公正で節度ある企業活動により、食文化の創造と発展を通して、顧客満足・株主還元・社会貢献の実現を図り、社会的に価値ある企業として、この会社に係わるすべての人が誇りを持てる会社を目指す」であります。

この経営理念のもと、「素材の風味を活かし、生産・流通・販売において温度帯にとらわれず、手軽に食べられ、様々な食シーンにマッチする、楽しさの演出に欠かせないおつまみをお客様にお届けします。」をミッションとし、「ひとつまみの幸せ。」を企業メッセージとして、「おつまみ」事業の維持・拡大及び収益力の強化に努めております。

 

(2) 中期的な経営戦略

当社グループの事業領域“おつまみ”を取り巻く環境は、おつまみのボーダレス化、人口減少・少子高齢化による国内市場の縮小、国産するめいか原料の記録的な不漁をはじめ、天候不順や世界的な需要の増加等による原材料価格高騰と調達の不安定さ、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による経済活動の停滞や、消費者の生活防衛意識の高まりなどを背景に、企業間の生存競争が激しさを増しています。

なとりグループは、厳しい環境下にありますが、第71期(2019年3月期)から第74期(2022年3月期)までを対象期間とする4ヶ年中期経営計画「バリューアップ イノベーション74」の5つの行動指針に基づき、今後も挑戦と革新を続け、次に掲げる基本方針に則したさらなるイノベーションによって「品質にこだわる経営」を実践し、おつまみの真のNo.1企業を目指してまいります。

 

<中期経営計画「バリューアップ イノベーション74」の骨子>

 


 

(3) 目標とする経営指標

当社は、収益力の観点から売上高経常利益率、株主重視の観点からROEをそれぞれ向上すべく常に意識した経営を進めております。

なお、2022年3月期は、連結売上高448億円、連結経常利益24億20百万円を目指しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが対処すべき主な課題は、以下のとおりであります。

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大に対して衛生管理と感染リスク対策を徹底の上、食品メーカーとして製品の供給責任を果たしていくことに重点を置いた事業活動を行っております。そして、 第71期(2019年3月期)から第74期(2022年3月期)までを対象期間とする4ヶ年中期経営計画「バリューアップ イノベーション74」のビジョンである「品質にこだわる経営」の実践を目指して、基本方針である「① 安定的な売上伸長」「② 全部門の生産性向上」「③ 積極的な人材育成」「④ 着実な利益成長」に全社一丸となって取り組んでおります。

「① 安定的な売上伸長」としては、市場面では、当社の主力である常温の珍味売り場の売上伸長を進めながら、チルドの珍味や梅製品など素材菓子等の珍味外売り場の拡販、Eコマース市場、海外輸出販売のさらなる強化により、既存及び新市場の維持・拡大に取り組んでまいります。製品面では、既存製品のおいしさをさらに追求しながら、得意分野を中心とした新製品の投入や大型新製品の開発により、確実に売上伸長を図ってまいります。

「② 全部門の生産性向上」としては、工場と配送センターを中心に、全部門の工程や作業における排除、結合、入替、簡素化などを推進し、さらなる生産性の向上を追求してまいります。また、ITを活用した業務改革も一層推進してまいります。

「③ 積極的な人材育成」としては、従業員のチャレンジ精神を起点に、ひとりひとりの成長意欲を高めながら、さらなるレベルアップを続ける人材の育成に努めるとともに、そのために必要な教育投資と、働き方改革を推進するための人事諸制度の改革に取り組んでまいります。

「④ 着実な利益成長」としては、調達面では、品質とコストのバランスをとった原材料の調達体制を一層強化し、原材料の価格変動や環境変化に対して迅速な対応策を打つとともに、販売・生産・開発・調達・物流・管理部門が全社一体となって、市況や工場の生産能力、原料事情等の変化を踏まえたプロダクトミックスの最適化と利益管理の更なる充実を目指してまいります。

上記の施策と共に、企業の社会的責任に対する要請が一層高まっていることを踏まえ、社内取締役を委員長とするSDSs推進委員会を2020年7月に発足させ、おつまみ事業を通じたSDGs(持続可能な開発目標)に繋がる取り組みを推進してまいります。2017年より取り組みを進めてきた賞味期限の延長や年月表示化などによる製品廃棄の削減、規格外として廃棄していた未利用原料の活用、包材の環境配慮型素材への切り替えなど「環境への配慮」だけに留まらず、「安全・安心」「社会貢献」「働きやすさ」を新たなテーマとして加え、積極的に取り組みを継続してまいります。

 

なとりグループは、「変化への対応」「全体最適」「業務のスピードアップ」「現場主義」「中長期・多面的・根本的視点」を「5つの行動指針」として掲げて前述の4つの基本方針に則した「品質にこだわる経営」の実践を既に進めておりますが、実態に即して適宜見直し、今後も持続的に成長し続ける企業を目指します。

 

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大が企業活動及び個人消費に与える影響の規模及び収束時期は不透明であるとともに、景気回復にどの程度の期間を要するのか、現時点で想定することが困難な状況にあり、その影響は2022年3月期も続くものと想定されます。このような環境の下、売上面では、市場環境に対応した継続的な新製品の導入や既存製品の一層の市場定着、積極的な販売促進を行い、微増収を見込んでおります。利益面では、大幅な売上増が見込めないことに加え、原材料価格の高止まりが続くとみられますが、プロダクトミックスの改善やコストコントロールの徹底等により営業利益は増益を見込んでおります。

 

2022年3月期の連結業績の見通しにつきましては、売上高448億円(前年同期比1.4%増)、営業利益24億30百万円(同7.8%増)、経常利益24億20百万円(同3.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16億20百万円(同6.7%減)を計画しております。なお、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)(以下「収益認識会計基準」という。)を適用した後の金額となっており、前年同期比は2021年3月期に収益認識会計基準を適用したと仮定して算出した数値を記載しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

(1) 当社のリスクマネジメント体制

当社は、当社グループの事業活動に関する様々なリスクの管理を所轄するリスク管理委員会を設置し、原則、毎月開催しております。委員会では、リスクの抽出とその対応策を策定するとともに、リスクマネジメントシステムが有効に機能しているかどうかの検証・評価を行っております。当連結会計年度は、特に新型コロナウイルス感染症の予防策や緊急事態宣言期間中並びに解除後の対応等、コロナ禍における事業継続のための具体策について検討を行い、グループ内への周知徹底を図りました。

 

 (2) 事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。以下は、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

なお、当該事項の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 原材料や資材の調達

(経営の影響度:大、 発生の可能性:高、 経営方針等との関連性:安定的な売上伸長・着実な利益成長)

当社は、食品の原材料・資材として、いかなどの水産品、チーズなどの酪農品、牛肉などの畜産品、ナッツ類・梅などの農産品、あるいは包装材料など、幅広く使用しており、その調達先も多岐にわたっています。

これらの調達にあたっては、自然環境や世界的な食糧需給構造の変化、生産・調達先である企業の経営状況、輸入関税の変動、環境や人権に配慮した原材料の調達等により、調達量及びコストが変動することが予想されます。安定的に調達するため、特定の原材料、生産品、仕入先に多く依存することを避け、在庫管理などの対応を行っておりますが、総資産に占める原材料及び貯蔵品の比率や、製造原価に占める原材料価格の比率が高いため、原材料価格が高騰した場合や予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 原材料の安全性

 (経営の影響度:大、 発生の可能性:低、 経営方針等との関連性:安定的な売上伸長・着実な利益成長)

当社グループは、食品の安全性を経営上の最重要課題の1つと認識しており、トレーサビリティーの推進、仕入先への指導・多様化、的確な業務処理を徹底しております。しかし、鳥インフルエンザや豚熱など家畜疫病の発生、有害物質や異物の混入等、食品の安全に関する事態が発生した場合、生産・調達先の変更等に伴うコスト増加が予想されます。想定を超える事態あるいは会社としての対応を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③ 商品の安全・安心

 (経営の影響度:大、 発生の可能性:中、 経営方針等との関連性:安定的な売上伸長・着実な利益成長)

当社グループは、食品の製造・販売を主たる事業としており、全従業員が食品会社に従事していることを認識し、お客様の立場に立って、原材料の仕入れから販売までを安全・安心に行うことを徹底しております。万が一、品質や安全性が疑われる問題が発生した場合、当社商品の回収や販売停止など、品質の信頼性を維持するための売上減少と費用増加が予想されます。商品の安全・安心を担保するために、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格FSSC22000を導入しており、部門横断の品質管理委員会を原則、毎月開催し、商品クレームや事故の未然防止のため、工場職場との緊密な連携によってリスクを予見し摘み取る活動や、商品表示の適正化に取り組んでおります。また、いわゆる「フード・ディフェンス」の考え方を取り入れ、意図的な異物混入を防御すると共に異常が無いことを証明できる体制を整備し、常にお客様に信頼される安全・安心な商品を提供するために原料仕入から生産現場、店頭に並ぶまでの衛生管理や履歴管理を徹底しております。これらの取り組みを今後も深化させてまいりますが、想定を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 為替相場変動

 (経営の影響度:小、 発生の可能性:高、 経営方針等との関連性:着実な利益成長)

当社原材料のうち、海外に依存しているものは全体の約6割あります。特に為替変動に影響を受けるものは全体の約4割です。各原材料の複数通貨建の購買体制の構築や、海外への輸出拡大など為替リスクを極小化するよう努めておりますが、そのリスクは当社に帰属いたします。また、中国国内における生産販売を行っている合弁企業にも投資を行っております。為替相場が変動した場合、あるいは投資先の状況により、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 ⑤ 法的規制

 (経営の影響度:大、 発生の可能性:低、 経営方針等との関連性:安定的な売上伸長・着実な利益成長)

当社及びグループ企業の一部は食品製造販売会社であり、食品表示法、食品衛生法、製造物責任法、容器包装リサイクル法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、不当景品類及び不正表示防止法、工場設備に関係する諸法律などの制約を受けます。万が一、これらの法律あるいは新たに当社グループの事業に関係する法律が改訂あるいは制定される等の理由により、対応できず法令違反や規制に反した行動等が発生した場合、法令による処罰、社会的制裁を受けることもありえます。各主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の遵守に万全の体制で臨んでおりますが、期限までに対処できない事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑥ 天災や感染症の流行、大規模イベント等、不測の事態

 (経営の影響度:大、 発生の可能性:中、 経営方針等との関連性:安定的な売上伸長・着実な利益成長)

震災や台風等の天災に伴う当社事業所の損壊や、物流網の遅滞、原材料の調達不足、電力の使用制限による工場の生産能力及び生産性の低下、風評被害の発生、サプライチェーンの寸断、交通網の麻痺による従業員の通勤不能、大規模イベントに伴う物流網の制約・混乱等により、当社の仕入、生産、販売において予期しえない事態が起こることもありえます。日頃より仕入先の分散を実施するなど、リスクを極小化するよう努めておりますが、会社としての対応を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、世界規模の感染症の蔓延による社会的混乱が発生した場合においては、当社グループは顧客、取引先及び従業員の安全を第一に考えて感染防止策を徹底すると同時に、事業活動の継続、商品の供給責任をできる限り果たせるよう努めてまいりますが、予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

なお、「⑬ 新型コロナウイルス感染症拡大の影響」も併せてご参照ください。

 

 ⑦ 商品開発の成否などによる既存商品・ブランドの劣化

 (経営の影響度:中、 発生の可能性:中、 経営方針等との関連性:安定的な売上伸長)

お客様の嗜好の多様性や健康志向の高まり、国内の少子高齢化、購買パターンの変化、売場のボーダレス化等、市場の変化にいかに迅速に対応し、お客様のニーズにマッチした商品を開発できるかが、当社グループが事業成長を続けていくために重要な課題となっております。おつまみ業界におきましては、競争が一層激しくなっており既存品のみではシェア・売上低下は避けられない状況にあります。このような状況に対処すべく、新商品開発の強化と既存品のリニューアルなどでシェアを維持・拡大しながら売上の伸張を図っておりますが、お客様のニーズに応えられる商品を提供できなかった場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑧ カントリーリスク

 (経営の影響度:大、 発生の可能性:低、 経営方針等との関連性:安定的な売上伸長)

当社は、世界の各地から原材料を輸入しているほか、中国の合弁企業への投資、商品の輸出を行っています。各国の法令・規制の変化、テロ・戦争やその他の要因による政治・経済・社会的混乱、文化や慣習の違いに起因するトラブル発生、疫病の発生・蔓延等が予想されます。各担当部門が情報収集を行い、個々に対策を打ってまいりますが、各地において政治・経済・社会的混乱など予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑨ 保有資産の価値変動

 (経営の影響度:小、 発生の可能性:低、 経営方針等との関連性:着実な利益成長)

当社グループは、事業の用に供する工場や生産設備、不動産、有価証券等の様々な資産を保有しております。これら資産は、時価の下落や生産品目の動静などにより、将来のキャッシュ・イン・フローが悪化し、減損会計の適用を受ける可能性があります。予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑩ 環境問題への取り組み

 (経営の影響度:大、 発生の可能性:中、 経営方針等との関連性:全部門の生産性向上・安定的な売上伸長)

当社グループは、持続的成長と企業価値向上のために、おつまみ事業の拡大と共に、気候変動の影響に関わる継続的な情報収集・分析・把握と事業活動を通じた環境問題への取り組みが欠かせないものと認識しております。具体的には、フードロスの低減に向けた賞味期間の延長及び賞味期限の年月表示化、原料廃棄の回避、環境配慮型素材への切替などの対応であり、プラスチック使用量の削減、資源のリサイクル、二酸化炭素排出量削減等に取り組み、環境問題に関連する各種法律、規制を遵守しています。当社は、今後も世界共通の社会課題として掲げられた持続可能な開発目標(SDGs)に紐づく活動に努めてまいります。しかしながら、関係法令等の改正によって、新規設備の投資等による大幅なコスト増加など、予想を超える事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑪ 情報セキュリティ

 (経営の影響度:中、 発生の可能性:中、 経営方針等との関連性:全部門の生産性向上・安定的な売上伸長)

当社グループでは、取引業務の遂行や顧客とのデータのやり取りにおいて、取引先や個人の情報を保持しております。このため、コンピュータウイルスの感染や不正アクセスによる情報の消失、データの改ざん、個人情報や会社の重要機密情報が漏洩するリスクがあります。また、地震等自然災害の発生による一時的な混乱が生じる可能性があります。これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、適切なセキュリティ管理やバックアップ体制の整備と共に、従業員教育を実施しておりますが、悪意を持った第三者の介入など予想を超えた事態が発生した場合、情報システムの崩壊に伴う事業の中断、セキュリティ対策費用の増加により、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑫ 資金調達

 (経営の影響度:小、 発生の可能性:低、 経営方針等との関連性:着実な利益成長・全部門の生産性向上)

当社グループは、自己資金に加え、主に金融機関からの借入及びリースにより事業資金を調達しています。金融市場の不安定化・金利上昇が生じた場合等には、資金調達の制約を受け、資金調達コストが増加する可能性、あるいは全くできない状況に直面する可能性があります。最新の情報に基づく事業計画の見直し等により、資金調達先の分散や、借入期間の適正化、リスクの最小化に努めておりますが、社会環境の激変など予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑬ 新型コロナウイルス感染症拡大の影響

2019年末より、短期間で全世界に感染拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、当社グループでは、顧客、取引先及び従業員の安全を第一に考え、日頃から感染を予防するために考え得る様々な対応を実施しております。引き続き感染防止策を徹底した上で、事業を継続し、商品の供給責任をできる限り果たせるよう努めてまいりますが、今後、事態の長期化・深刻化し、景気が悪化、消費のさらなる冷え込みによっては、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

○主な感染防止策の例

・マスクの着用、アルコール消毒、
 こまめな手洗い・うがいの実施
・体温計測による体調管理
・室内の定期的な換気の実施
・感染リスクが高い国、地域への渡航・移動を
 原則禁止
・工場見学や即売会の中止
・大人数での会食や従業員同士の会食の自粛
・イベントや多人数が1カ所に集まる場所や密になり
 やすい場所への外出自粛
・疑わしい場合におけるPCR検査、自宅待機
 期間の確保 

・会議室・食堂・エレベーター等の人数制限、
 仕切り設置
・内勤者の座席間隔の確保
・勤務地の分散化
・テレワーク
・事業所間の移動制限
・時差出勤
・営業員の交代勤務
・近距離での会話制限
・昼休憩時間の分散化
・Web会議システムや電子承認システムの範囲
 拡大 等

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 (1) 経営成績の状況

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、外出自粛の要請や緊急事態宣言が発出されるなど経済活動が抑制され厳しい状況となりました。現時点でも感染症の収束時期や消費行動、企業活動への影響は先行きが見えず、依然として不透明感が広がっております。

食品業界では、コロナ禍の長期化で内食需要が高まっており、食シーンの変化に応じた商品の供給に取り組んでおります。

この様な状況の中、当社グループは、第71期(2019年3月期)から第74期(2022年3月期)までを対象期間とする4ヶ年中期経営計画「バリューアップ イノベーション74」の3年目として、基本方針である「① 安定的な売上伸長」「② 全部門の生産性向上」「③ 積極的な人材育成」「④ 着実な利益成長」に全社一丸となって取り組み、特にビジョンである「品質にこだわる経営」を基本に戻り実践してまいりました。そして、衛生管理と感染リスク対策を徹底の上、食品メーカーとして製品の供給責任を果たしていくことに重点を置いた事業活動を行ってまいりました。

 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額・増減率

 

百万円

百万円

百万円

売  上  高

47,974

100.0

49,041

100.0

1,066

2.2

売 上 総 利 益

13,384

27.9

14,242

29.0

857

6.4

販売費及び一般管理費

11,834

24.7

11,989

24.4

154

1.3

営 業 利 益

1,550

3.2

2,253

4.6

703

45.4

経 常 利 益

1,635

3.4

2,498

5.1

863

52.8

親会社株主に帰属する当期純利益

1,105

2.3

1,736

3.5

630

57.0

 

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

売上面においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で春の大型連休、夏休みの帰省・行楽等の需要が著しく減少しましたが、4月~7月は巣ごもり需要により増収となりました。8月以降は買い控えの傾向が続く中、節約志向に対応した新製品の導入と市場定着、きめ細かい販売促進策等を積極的に進めた結果、月毎に一進一退が続く厳しい状況となりましたが、通期において増収を確保することができました。利益面においては、2017年3月期の下期より続く国産するめいかの不漁等に順次対応しているものの、当連結会計年度も原材料費や運送費の値上がり影響を受けており、設備投資に伴う費用増もありましたが、売上増及びプロダクトミックスの改善に伴う利益の増加や工場の稼働率増加による原価低減、一部製品の規格変更、業務の無駄取りなどあるべきコストを追求するコストコントロール等の諸施策を講じたことに加え、新型コロナウイルス感染症拡大防止の対策に伴い出張費用をはじめとした販売費及び一般管理費が減少した結果、増益となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は490億41百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は22億53百万円(同45.4%増)、経常利益は24億98百万円(同52.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億36百万円(同57.0%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

売上高

営業利益

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

金額

金額

金額

利益率

金額

利益率

 

百万円

百万円

百万円

百万円

食品製造販売事業

47,656

48,719

2.2

1,333

2.8

2,031

4.2

52.4

不動産賃貸事業

317

321

1.1

217

68.3

221

69.0

2.2

合計

47,974

49,041

2.2

1,550

3.2

2,253

4.6

45.4

 

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

セグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。

区         分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額・増減率

金額

構成比

金額

構成比

増減額

増減率

食品 製 造 販 売 事 業

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

水 産 加 工 製 品

20,217

 

42.1

21,360

 

43.6

1,142

 

5.7

畜 肉 加 工 製 品

8,629

 

18.0

9,176

 

18.7

546

 

6.3

酪 農 加 工 製 品

8,761

 

18.3

9,120

 

18.6

358

 

4.1

農 産 加 工 製 品

1,954

 

4.1

2,033

 

4.1

78

 

4.0

素 材 菓 子 製 品

2,371

 

4.9

2,010

 

4.1

△360

 

△15.2

チ  ル  ド  製 品

1,502

 

3.1

1,537

 

3.1

35

 

2.3

そ  の  他  製 品

4,219

 

8.8

3,481

 

7.1

△737

 

△17.5

47,656

 

99.3

48,719

 

99.3

1,063

 

2.2

不動産賃貸事業計

317

 

0.7

321

 

0.7

3

 

1.1

売上高合計

47,974

 

100.0

49,041

 

100.0

1,066

 

2.2

 

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(食品製造販売事業)

売上高を製品群別に分類しますと、水産加工製品は、「お得なおつまみ」シリーズなど大袋のいか製品や、巾着タイプのチーズかまぼこ、お徳用の昆布製品、いかフライなどの揚物製品が売上を伸ばし増収となりました。畜肉加工製品は、小袋タイプの新製品「一度は食べていただきたいおいしいサラミ」や「18本入りペンシルカルパス」、「徳用カルパス」などのドライソーセージ製品が全体的に好調に推移し増収となりました。酪農加工製品は、「チーズ鱈® BLACK イカスミ風味」などの期間限定品や、「チータラ®お徳用」などの チーズ鱈® 製品がNB製品を中心に好調に推移したことに加え、「徳用チーズスモーク」などのおつまみチーズ製品も売上を伸ばし増収となりました。農産加工製品は、食塩無添加のナッツ製品や、新製品「JOLLY PACK  つぶ餅ピーナッツお買得セット」が売上を伸ばし増収となりました。素材菓子製品は、干し梅製品等が売上を落とし減収となりました。チルド製品は、カルビーとコラボした期間限定の新製品「まろやか チータラ®  ピザポテト味」などのチルド チーズ鱈®  製品が好調に推移し増収となりました。その他製品は、レトルト製品とアソート製品が売上を落として減収となりました。

以上の結果、食品製造販売事業の売上高は487億19百万円(同2.2%増)、営業利益は20億31百万円(同52.4%増)となりました。

 

  (不動産賃貸事業)

売上高は3億21百万円(同1.1%増)、営業利益は2億21百万円(同2.2%増)となりました。

 

 (2) 財政状態の状況

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

資産合計(百万円)

38,292

39,168

875

負債合計(百万円)

17,574

16,886

△687

純資産合計(百万円)

20,718

22,281

1,563

自己資本比率(%)

54.1

56.9

2.8

 

 

当連結会計年度末の連結総資産は391億68百万円(前連結会計年度末比8億75百万円増)となりました。

資産の部では、有形固形資産は減価償却により10億3百万円減少した一方で、現金及び預金が10億74百万円増加したことや、売上増で受取手形及び売掛金が3億15百万円増加したこと、投資有価証券が時価評価で1億61百万円増加したこと等により、総資産が増加いたしました。

負債の部では、仕入債務や未払金、未払法人税等が増加した一方で、リース債務が6億77百万円減少したことや、長期借入金の返済で5億24百万円減少したこと等により、負債合計は168億86百万円(同6億87百万円減)、純資産の部では配当金2億51百万円に対し、当期純利益17億36百万円で利益剰余金が14億73百万円増加したこと等により、純資産合計が222億81百万円(同15億63百万円増)となりました。

なお、自己資本比率は前連結会計年度比2.8ポイント増加の56.9%となっております。

 

 (3) キャッシュ・フローの状況

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

 

百万円

百万円

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,323

3,304

投資活動によるキャッシュ・フロー

△791

△405

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,834

△1,824

現金及び現金同等物の期末残高

2,266

3,341

 

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ10億74百万円増加し、33億41百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、33億4百万円の収入(前年同期は13億23百万円の収入)となりました。主に、税金等調整前当期純利益が25億53百万円、減価償却費が17億39百万円あった一方で、法人税等の支払額が6億39百万円あったこと等によるものです。

なお、前期と比べて仕入債務の増減額が13億74百万円増加した要因は、前連結会計年度における金融機関の休業日による影響です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、4億5百万円の支出(前年同期は7億91百万円の支出)となりました。主に、工場における生産設備の導入等、有形固定資産の取得による支出が4億2百万円あった一方で、投資有価証券の売却による収入が1億29百万円あったこと等によるものです。

この結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュフローは、28億99百万円の収入(同5億31百万円の収入)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、18億24百万円の支出(前年同期は18億34百万円の支出)となりました。主に、ファイナンス・リース債務の返済による支出が10億49百万円、長期借入金の返済による支出が5億24百万円、及び配当金の支払額が2億50百万円あったこと等によるものです。

 

2022年3月期のキャッシュ・フローにつきましては、収益面では厳しい環境にありますが、在庫水準、債権債務等のきめ細かい管理に努め営業キャッシュ・フローの向上に注力いたします。投資活動によるキャッシュ・フローは、商品の安全・安心の対策、老朽化設備の更新、合理化・改善のための設備投資、情報システム強化のための投資などを予定しており、更なる事業規模の拡大と企業体質の強化に取り組んでまいります。

 

 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産)

将来の事業計画に基づき、課税所得が十分に確保され、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに基づいており、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じて見積りが減少した場合には、繰延税金資産の取り崩しを行う可能性があります。

 

(退職給付費用及び退職給付債務)

退職給付費用及び債務について、割引率、昇給率等の数理計算上の前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

 

(固定資産の減損)

固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じて見積りが減少した場合には、減損損失が必要となる可能性があります。

 

なお、当期の連結財務諸表の作成にあたって、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を見通すことは極めて困難な状況でありますが、その影響は翌連結会計年度も継続するものと仮定した上で、会計上の見積りを行っております。現時点においては重要な影響を与えるものではないと判断しておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は不確実性が高く、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (5) 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要は主に、原材料調達のほか、製造経費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期の資金需要は、食品メーカーとしての生産設備、研究開発、情報システムなどの成長投資等によるものであります。

運転資金及び長期資金は、主として営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金などによる調達を実施いたします。また、当社グループの資金は、当社が全体を管理することにより、資金効率の向上を図っております。

配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。

なお、2022年3月期における重要な資本的支出につきましては、埼玉工場をはじめとする各工場の増産設備や老朽化設備の入替など、総額10億円の設備投資を予定しております。

 

 (6) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品製造販売事業

水産加工製品

15,231

101.2

畜肉加工製品

7,050

106.9

酪農加工製品

6,041

105.8

農産加工製品

554

116.3

素材菓子製品

1,578

87.5

チルド製品

727

83.5

その他製品

1,322

76.8

32,505

100.8

合計

32,505

100.8

 

    (注) 1.金額は、製造原価によるものであります。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    3.不動産賃貸事業においては、該当事項はありません。

 

② 受注実績

当社グループ(当社及び連結子会社)は、受注予測による見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績については、「(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱食品株式会社

7,421

15.5

6,865

14.0

コンフェックス株式会社

5,177

10.6

 

  (注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

     2.前連結会計年度におけるコンフェックス株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

 (7) 経営成績に重要な影響を与える要因

現在の当社グループを取り巻く環境は、「少子高齢化を背景とした珍味顧客の高齢化や低年齢層の減少」「消費者ニーズの多様化による業種業態を超えた食品売場のボーダレス化」など、需要構造が徐々に変わってきております。これに対して、当社グループといたしましては、新たな発想による新しいおつまみの開発やおつまみ加工技術を活用し、珍味売り場向けの水産加工製品、畜肉加工製品、酪農加工製品を中心に、珍味外売り場向けの素材菓子製品、チルド製品などの開発も積極的に行い、新しい需要を創造し、成熟型社会に対応した企業基盤の確立に取り組んでおります。

当面の課題としては、前述の新型コロナウイルスの他に原材料高などであります。代替原材料への切替などの対策を検討しておりますが、更なる値上げなどが発生し、当社グループの企業努力の限界を超えた場合、企業収益を圧迫することがあります。

また、食の安全を確保するための法令改正や指導が行われた場合、追加設備投資あるいは費用などにより財政状態及び経営成績に重要な影響が生じる場合もあります。これらにつきましては、「2 事業等のリスク」に記載いたしましたのでご参照ください。

 

経営方針・経営戦略につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしましたのでご参照ください。

 

 (8) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしましたのでご参照ください。

 

 

 (9) 4ヶ年中期経営計画「バリューアップ イノベーション74」の業績面における進捗状況 

2017年度(第70期)を比較基準年度として、2020年度(第73期)までの連結売上高は、当社の主力である常温の珍味売り場の売上伸長を進めながら、珍味外売り場の拡販に取り組み、既存及び新市場の維持・拡大に取り組んできた結果、3期連続の増収(累計35億59百万円増)、年平均成長率(CAGR※)は2.5%となりました。

連結営業利益は、工場と配送センターを中心に更なる生産性の向上を追求すると共に、原材料の価格変動や環境変化に対して迅速な対応策を打ち、プロダクトミックスの最適化と利益管理の更なる充実に取り組んできた結果、2020年度は2017年度に対し、CAGRは20.2%となりました。連結営業利益率は累計1.7ポイント増となりました。

なお、連結経常利益は3期連続の増益(累計12億9百万円増)でCAGRは24.7%、連結経常利益率は累計2.3ポイント増となりました。

2021年度(第74期)も、4ヶ年中期経営計画「バリューアップ イノベーション74」の4年目として、引き続き4つの基本方針である「① 安定的な売上伸長」「② 全部門の生産性向上」「③ 積極的な人材育成」「④ 着実な利益成長」に全社一丸となって取り組み、「品質にこだわる経営」を実践してまいります。

※CAGR(Compound Annual Growth Rate)…複数年にわたる成長率から1年あたりの成長率を複利で計算したもの。

 


 


 


 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発部門は、なとり「新おつまみ宣言」の実現に向け、素材の風味を活かし、手軽に食べられ、楽しさを演出する独創性あるおつまみの創出と、既存品の改良を継続的に行い、おつまみの可能性を追求しております。そのために新技術を開発・導入し、日々急激に変化するマーケット動向を見据え製品開発のスピードアップに取り組みながら、お客様にとって安全・安心でおいしい食品の開発を推進しております。

 

(1) 研究の目的及び主要課題

当社グループでは、食品総合ラボラトリーを中心に「安全・安心で高品質な製品」を生み出すべくマーケティング部門、生産部門、営業部門等の関係部署との密なる連携により研究開発活動を展開しております。特にマーケティング部門とはさらなる連携強化のために組織を統合して、新製品のレベルアップ化を図っております。
 研究開発の主要課題は、素材の持つ良さを最大限に引き出すことであります。素材の良さとは味・香り・食感・色などであり、これらを最大限に引き出すことで従来には無かった新たな価値を持った新製品をお客様に提供することを目指しております。また、お客様の嗜好の変化に合わせて既存品の改良を進めて、今後も愛され続ける製品にすることであります。
 さらに現在のコロナ禍においては、お客様の「安心」を求める心理や、「家飲み」など家庭での消費傾向が強まっていることから、それらに対応した製品開発の強化を行っています。

「水産加工製品」「畜肉加工製品」「酪農加工製品」「チルド製品」を重点ジャンルと位置付け、開発資源を集中的に投入し、各製品群のさらなるアイテム充実を目標として、様々なバリエーション展開する中で、顧客ニーズを的確に把握した開発を進めております。
 さらに基盤研究の推進にも注力し、当社グループで取り扱っている様々な原材料や加工・保存方法に関する研究・調査を進め、データ蓄積や新技術開発を目指しております。また、外部機関との共同研究に取り組み、製品の栄養機能性を活かした製品開発や、さらなる高度な技術開発、製品化のスピードアップを目指しております。基盤研究から生み出されたシーズの新製品開発への導入も強力に進めております。 

なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は603,809千円であります。(すべて食品製造販売事業に係るものであります。)

 

(2) 研究開発体制

研究開発活動の中心的役割を担う食品総合ラボラトリーは、「製品開発」・「製品評価」・「基盤研究」の3つの機能を持ち活動しております。
 「製品開発」に関しては、水産、畜肉、酪農、農産の各種原材料の特性を活かし、独自の加工技術を駆使したスピーディーな新製品開発に特化しております。
  「製品評価」に関しては、理化学・微生物検査を駆使し、製品・原材料の安全性確保を目的に活動しております。また、美味しさの数値化についても活動しております。
 「基盤研究」は新たな加工・保存技術の探求や今後取り組むべき課題の抽出等、製品開発に有用な情報創出を目的に活動しております。
 また、食品総合ラボラトリーから独立した組織である品質保証部を中心として、工場の衛生管理・品質管理に関する監視及び特許・商標等の知的財産の取得・管理を行っております。 

 

(3) 研究開発活動

研究開発成果は、以下のとおりであります。

① 製品開発

現在、当社製品を購入していただいている主要なお客様は50歳以上の方ですが、幅広い年齢層のお客様に購入していただけるように、若年層向けの製品開発に取り組んでおります。若年層のライフスタイル・感覚に合わせた開発や、おつまみだけでなく、おやつ用途にもなる商品を開発しております。
 また、引き続きコロナ禍の影響が続く事から、「家飲み」の変化や新しい生活様式を総称した「ニューノーマル」に対応した開発も行ってまいります。「安心」意識の高まりを受けての個包装製品や主力ブランドの拡充、「健康志向」の高まりを受けてのおつまみの健康訴求を行うとともに、利便性や経済性をさらに追求した開発も進めました。

 

 

② 製品評価

理化学・微生物検査・高度分析機器を駆使し、製品・原材料の安全性確認、賞味期間の設定、衛生管理への提言等を行っております。あわせて安全・安心に関わる新しい検査・分析技術の導入も積極的に進め、当社グループ工場への水平展開も進めております。
 また、味覚センサーやアミノ酸分析等さまざまな分析を用いて、商品の味や物性を数値化し、時間経過による味の変化や自社・他社品との味の違いなどを明確にし、製品開発や営業活動への適切なサポートを行った実績をあげております。また、賞味期間設定のための保存試験期間の短縮化にも取り組んでおります。

 

③ 基盤研究

基盤研究は、各種原材料素材に関して加工・保存時の品質変化や栄養成分の調査・研究を進め、さらなるおいしさや健康価値を持つ製品開発のための基盤データ収集を行っております。

開発の課題解決につながる共同研究や、他企業との協同による新しい切り口の開発などオープンイノベーションを強力に進めております。
 いか製品を中心とした咀嚼の探求も継続して進めており、食育活動の一環として当社ホームページ等に情報を掲載し、咀嚼を通していか製品等の健康価値を訴求しております。
 また、マーケティング部門で行ったweb調査等を活用し、将来のマーケットニーズや属性別の嗜好性に基づいた新製品開発を推進しております。さらに、マーケットニーズや嗜好性の変化に対応するために、基盤研究や新技術の探索に注力し、その中から採用した新技術については特許出願を視野に入れた研究を行っております。