文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループの経営理念は「自由闊達にして公正で節度ある企業活動により、食文化の創造と発展を通して、顧客満足・株主還元・社会貢献の実現を図り、社会的に価値ある企業として、この会社に係わるすべての人が誇りを持てる会社を目指す」であります。
この経営理念のもと、「素材の風味を活かし、生産・流通・販売において温度帯にとらわれず、手軽に食べられ、様々な食シーンにマッチする、楽しさの演出に欠かせないおつまみをお客様にお届けします。」をミッションとし、「ひとつまみの幸せ。」を企業メッセージとして、「おつまみ」事業の維持・拡大及び収益力の強化に努めております。
当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、世界的な原材料価格の高騰や、急速な為替円安の進行、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の上昇等に加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響の規模及び収束時期は見通せず、先行き不透明な状況が継続しております。
このような環境の中、当社グループは第75期(2023年3月期)から第80期(2028年3月期)を対象期間とする第6次中期経営計画「Next Value up for 80」をスタートさせました。第80期のビジョンとして「私たちは、『“もっと”おいしく、楽しく、ワクワクするおつまみをお届けする会社』を目指していきます。」を掲げ、時代の変化と共に多様化している「お客様が感じる様々な楽しさ」にお応えしていくため、3つの重点戦略に全社一丸となって取り組み、新しい付加価値を創り出し、なとりファンの拡大を通して持続的に成長し続けてまいります。

当社は、収益力の観点から売上高営業利益率、株主重視の観点からROEをそれぞれ向上すべく常に意識した経営を進めております。
なお、2023年3月期は、連結売上高457億円、連結営業利益6億60百万円を目指しております。
当社グループが対処すべき主な課題は、以下のとおりであります。
原材料価格の上昇、円安の影響、エネルギー価格高騰による動力燃料費の増加、コロナ禍の見通しとその影響の不透明さなど、当社にとって厳しい環境にありますが、第75期(2023年3月期)から第80期(2028年3月期)までを対象期間とする第6次中期経営計画「Next Value up for 80」の第80期ビジョンである「私たちは、『“もっと”おいしく、楽しく、ワクワクするおつまみをお届けする会社』を目指していきます。」の実践を目指して、重点戦略である「1.新しい楽しさをもった『おつまみ』の提供により なとりファンの拡大を目指します」「2.すべての人材が活躍でき 働きがいのある職場づくりを目指します」「3.SDGsへの取り組みとガバナンスの強化を目指します」に全社一丸となって取り組み、今後も持続的に成長し続ける企業を目指します。
2023年3月期の連結業績予想(2022年4月1日~2023年3月31日)
当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、世界的な原材料価格の高騰や、急速な為替円安の進行、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の上昇等に加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響の規模及び収束時期は見通せず、先行き不透明な状況が継続しております。
2023年3月期の売上高につきましては、新製品の投入と市場定着を図るとともに、きめ細かな販売促進策に取り組み、インストアシェアアップと新規開拓を進めることで引き続き増収を見込んでおります。
損益につきましては、原材料価格の上昇や、円安の影響、エネルギー価格高騰による動力燃料費の増加等に対して諸施策を講じてまいりますが、自助努力だけでは減益要因の全てを吸収できない状況です。
新製品の投入による売上増加、プロダクトミックスの改善、製品規格の見直し、一層の効率化など収益改善に努めてまいりますが、全ての施策の効果を2023年3月期において業績に反映させることは困難であり、大幅な減益を見込んでおります。
なお、新たな中期経営計画期間となります2024年3月期以降において、従来以上の利益水準の回復を図るべく諸施策等を進めて、更なる成長を目指してまいります。
当社は、当社グループの事業活動に関する様々なリスクの管理を所轄するリスク管理委員会を設置し、原則、毎月開催しております。委員会では、リスクの抽出とその対応策を策定するとともに、リスクマネジメントシステムが有効に機能しているかどうかの検証・評価を行っております。当連結会計年度は、特に新型コロナウイルス感染症の予防策や緊急事態宣言期間中並びに解除後の対応等、コロナ禍における事業継続のための具体策について検討を行い、グループ内への周知徹底を図るとともに、ロシア・ウクライナ情勢の影響を踏まえた事業継続のための具体策について検討し対応を進めております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。以下は、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
なお、当該事項の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(経営の影響度:大、 発生の可能性:高、 経営戦略等との関連性:1.(3)商品供給を支えるサプライチェーンの強化を進めます)
当社は、食品の原材料・資材として、いかなどの水産品、チーズなどの酪農品、牛肉などの畜産品、ナッツ類・梅などの農産品、あるいは包装材料など、幅広く使用しており、その調達先も多岐にわたっています。
これらの調達にあたっては、自然環境や世界的な食糧需給構造の変化、生産・調達先である企業の経営状況、輸入関税の変動、環境や人権に配慮した原材料の調達等により、調達量及びコストが変動することが予想されます。安定的に調達するため、特定の原材料、生産品、仕入先に多く依存することを避け、在庫管理などの対応を行っておりますが、総資産に占める原材料及び貯蔵品の比率や、製造原価に占める原材料価格の比率が高いため、原材料価格が高騰した場合や予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:大、 発生の可能性:低、 経営戦略等との関連性:1.(3)商品供給を支えるサプライチェーンの強化を進めます)
当社グループは、食品の安全性を経営上の最重要課題の1つと認識しており、トレーサビリティーの推進、仕入先への指導・多様化、的確な業務処理を徹底しております。しかし、鳥インフルエンザや豚熱など家畜疫病の発生、有害物質や異物の混入等、食品の安全に関する事態が発生した場合、生産・調達先の変更等に伴うコスト増加が予想されます。想定を超える事態あるいは会社としての対応を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:大、 発生の可能性:中、 経営戦略等との関連性:1.(2)品質向上と新製品開発によってお客様の 満足度をさらに高めます)
当社グループは、食品の製造・販売を主たる事業としており、全従業員が食品会社に従事していることを認識し、お客様の立場に立って、原材料の仕入れから販売までを安全・安心に行うことを徹底しております。万が一、品質や安全性が疑われる問題が発生した場合、当社商品の回収や販売停止など、品質の信頼性を維持するための売上減少と費用増加が予想されます。商品の安全・安心を担保するために、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格FSSC22000を導入しており、部門横断の品質管理委員会を原則、毎月開催し、商品クレームや事故の未然防止のため、工場職場との緊密な連携によってリスクを予見し摘み取る活動や、商品表示の適正化に取り組んでおります。また、いわゆる「フード・ディフェンス」の考え方を取り入れ、意図的な異物混入を防御すると共に異常が無いことを証明できる体制を整備し、常にお客様に信頼される安全・安心な商品を提供するために原料仕入から生産現場、店頭に並ぶまでの衛生管理や履歴管理を徹底しております。これらの取り組みを今後も深化させてまいりますが、想定を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:大、 発生の可能性:高、 経営戦略等との関連性:1.(3)商品供給を支えるサプライチェーンの強化を進めます)
当社原材料のうち、海外に依存しているものは全体の約6割あります。特に為替変動の影響を受けるものは全体の約4割です。各原材料の複数通貨建の購買体制の構築や、一部原料の調達先の国内回帰、海外への輸出拡大など為替リスクを極小化するよう努めておりますが、そのリスクは当社に帰属いたします。また、中国国内における生産販売を行っている合弁企業にも投資を行っております。為替相場が急激に変動した場合、あるいは投資先の状況により、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:大、 発生の可能性:低、 経営戦略等との関連性:1.(2)品質向上と新製品開発によってお客様の満足度をさらに高めます)
当社及びグループ企業の一部は食品製造販売会社であり、食品表示法、食品衛生法、製造物責任法、容器包装リサイクル法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、不当景品類及び不正表示防止法、工場設備に関係する諸法律などの制約を受けます。万が一、これらの法律あるいは新たに当社グループの事業に関係する法律が改訂あるいは制定される等の理由により、対応できず法令違反や規制に反した行動等が発生した場合、法令による処罰、社会的制裁を受けることもありえます。各主管部門と法務部門が連携し、関連諸法規の遵守に万全の体制で臨んでおりますが、期限までに対処できない事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:大、 発生の可能性:中、 経営戦略等との関連性:1.(3)商品供給を支えるサプライチェーンの強 化を進めます)
震災や台風等の天災に伴う当社事業所の損壊や、物流網の遅滞、原材料の調達不足、電力の使用制限による工場の生産能力及び生産性の低下、風評被害の発生、サプライチェーンの寸断、交通網の麻痺による従業員の通勤不能、大規模イベントに伴う物流網の制約・混乱等により、当社の仕入、生産、販売において予期しえない事態が起こることもありえます。日頃より仕入先の分散を実施するなど、リスクを極小化するよう努めておりますが、会社としての対応を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
また、世界規模の感染症の蔓延による社会的混乱が発生した場合においては、当社グループは顧客、取引先及び従業員の安全を第一に考えて感染防止策を徹底すると同時に、事業活動の継続、商品の供給責任をできる限り果たせるよう努めてまいりますが、予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:中、 発生の可能性:中、 経営戦略等との関連性:1.(1)クリエイティブな発想とチャレンジ精神で新素材・新技術を活用し、幅広いお客様を開拓します)
お客様の嗜好の多様性や健康志向の高まり、国内の少子高齢化、購買パターンの変化、売場のボーダレス化等、市場の変化にいかに迅速に対応し、お客様のニーズにマッチした商品を開発できるかが、当社グループが事業成長を続けていくために重要な課題となっております。おつまみ業界におきましては、競争が一層激しくなっており既存品のみではシェア・売上低下は避けられない状況にあります。このような状況に対処すべく、新商品開発の強化と既存品のリニューアルなどでシェアを維持・拡大しながら売上の伸張を図っておりますが、お客様のニーズに応えられる商品を提供できなかった場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:大、 発生の可能性:低、 経営戦略等との関連性:1.(3)商品供給を支えるサプライチェーンの強化を進めます)
当社は、世界の各地から原材料を輸入しているほか、中国の合弁企業への投資、商品の輸出を行っています。各国の法令・規制の変化、テロ・戦争やその他の要因による政治・経済・社会的混乱、文化や慣習の違いに起因するトラブル発生、疫病の発生・蔓延等が予想されます。各担当部門が情報収集を行い、個々に対策を打ってまいりますが、各地において政治・経済・社会的混乱など予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:小、 発生の可能性:低、 経営戦略等との関連性:1.(3)商品供給を支えるサプライチェーンの強化を進めます)
当社グループは、事業の用に供する工場や生産設備、不動産、有価証券等の様々な資産を保有しております。これら資産は、時価の下落や生産品目の動静などにより、将来のキャッシュ・イン・フローが悪化し、減損会計の適用を受ける可能性があります。予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:大、 発生の可能性:中、 経営戦略等との関連性: 3.SDGsへの取り組みとカバナンスの強化を目指します)
当社グループは、持続的成長と企業価値向上のために、おつまみ事業の拡大と共に、気候変動の影響に関わる継続的な情報収集・分析・把握と事業活動を通じた環境問題への取り組みが欠かせないものと認識しております。具体的には、フードロスの低減に向けた賞味期間の延長及び賞味期限の年月表示化、原料廃棄の回避、環境配慮型素材への切替などの対応であり、プラスチック使用量の削減、資源のリサイクル、二酸化炭素排出量削減等に取り組み、環境問題に関連する各種法律、規制を遵守しています。当社は、今後も世界共通の社会課題として掲げられた持続可能な開発目標(SDGs)に紐づく活動に努めてまいります。しかしながら、関係法令等の改正によって、新規設備の投資等による大幅なコスト増加など、予想を超える事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:大、 発生の可能性:中)
当社グループでは、取引業務の遂行や顧客とのデータのやり取りにおいて、取引先や個人の情報を保持しております。このため、コンピュータウイルスの感染や不正アクセスによる情報の消失、データの改ざん、個人情報や会社の重要機密情報が漏洩するリスクがあります。また、地震等自然災害の発生による一時的な混乱が生じる可能性があります。これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、適切なセキュリティ管理やバックアップ体制の整備と共に、従業員教育を実施しておりますが、悪意を持った第三者の介入など予想を超えた事態が発生した場合、情報システムの崩壊に伴う事業の中断、セキュリティ対策費用の増加により、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(経営の影響度:小、 発生の可能性:低)
当社グループは、自己資金に加え、主に金融機関からの借入及びリースにより事業資金を調達しています。金融市場の不安定化・金利上昇が生じた場合等には、資金調達の制約を受け、資金調達コストが増加する可能性、あるいは全くできない状況に直面する可能性があります。最新の情報に基づく事業計画の見直し等により、資金調達先の分散や、借入期間の適正化、リスクの最小化に努めておりますが、社会環境の激変など予想を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
2019年末より、短期間で全世界に感染拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、当社グループでは、顧客、取引先及び従業員の安全を第一に考え、日頃から感染を予防するために考え得る様々な対応を実施しております。引き続き感染防止策を徹底した上で、事業を継続し、商品の供給責任をできる限り果たせるよう努めてまいりますが、今後、事態が長期化・深刻化し、景気の悪化、消費のさらなる冷え込みによっては、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
○主な感染防止策の例
当社グループの一部商品でロシア産、ウクライナ産の水産原材料を使用しておりましたが、数量はわずかであり、他の産地からの購買によって必要とする数量は確保できる見込みであることから、現時点で業績への影響は軽微であると見込んでおります。
しかしながら、世界的なエネルギー価格の上昇に伴う動力燃料費・包材・物流コストの増加、小麦や飼料などの穀物価格の上昇に伴う原材料コストの高騰あるいはより広範囲のサプライチェーンの見直しが必要な場合、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の業績は、売上高450億94百万円(前連結会計年度は490億41百万円)、営業利益22億72百万円(同22億53百万円)、経常利益23億6百万円(同24億98百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益15億57百万円(同17億36百万円)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、当連結会計年度に係る各数値については、収益認識会計基準等を適用した後の数値となっているため、対前年同期増減額及び増減率は記載しておりません。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
(食品製造販売事業)
売上高は447億20百万円(前連結会計年度は487億19百万円)、営業利益は20億22百万円(同20億31百万円)となりました。
(不動産賃貸事業)
売上高は3億74百万円(同3億21百万円)、営業利益は2億50百万円(同2億21百万円)となりました。
以下の経営成績に関する説明は、前連結会計年度に収益認識会計基準等を仮に適用した場合の数値との比較・分析を行ったものです。
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進みましたが、変異株の感染拡大により緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の実施などで経済活動が抑制され、予断を許さない厳しい状況が続きました。現時点でも感染症の収束時期や消費行動、企業活動への影響は先行きが見えず、依然として不透明感が続いております。さらに、ロシアのウクライナ侵攻を契機に世界的に先行き不透明な状況が広がっております。
食品業界では、コロナ禍の長期化で内食需要が高まった状態が継続しており、食シーンの変化に応じた商品の供給に取り組んでおります。
この様な状況の中、当社グループは、第71期(2019年3月期)から第74期(2022年3月期)までを対象期間とする4ヶ年中期経営計画「バリューアップ イノベーション74」の最終年度として、「基本方針」である「①安定的な売上伸長」「②全部門の生産性向上」「③積極的な人材育成」「④着実な利益成長」に全社一丸となって取り組み、特にビジョンである「品質にこだわる経営」を基本に立ち返って実践してまいりました。そして、衛生管理と感染リスク対策を徹底の上、食品メーカーとして製品の供給責任を果たしていくことに重点を置いた事業活動を行ってまいりました。
売上面では、前年度の巣ごもり需要の反動を受けましたが節約志向やプチ贅沢需要に対応した期間限定品などの新製品導入と市場定着、きめ細かい販売促進策に引き続き積極的に取り組んだことにより、増収となりました。利益面では、一部原材料の価格は引き続き高止まりしていますが、売上増とプロダクトミックスの改善に伴う利益の増加や、前年度に実施した一部製品の規格変更による効果の持続、業務の無駄取りなどあるべきコストを追求するコストコントロール等の諸施策を講じたことにより、営業利益は増益となりました。なお、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益が減益になったのは、前年度に発生した受取保証金が今年度はなく、受取配当金、助成金収入等の営業外収益が減少したためです。
この結果、当連結会計年度の売上高は450億94百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は22億72百万円(同3.8%増)、経常利益は23億6百万円(同5.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億57百万円(同7.9%減)となりました。
参考 前連結会計年度に収益認識会計基準等を適用したと仮定して算出した数値との比較
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
セグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
(食品製造販売事業)
売上高を製品群別に分類しますと、水産加工製品は、巾着タイプのチーズかまぼこや、おやつ需要にも対応した「味付焼きかまぼこ」などが売上を伸ばしましたが、前年度に「あたりめ」などのいか製品が大きく伸びたこともあり、減収となりました。畜肉加工製品は、「18本入りペンシルカルパス」や、小袋タイプの新製品「一度は食べていただきたい おいしいサラミ」、「一度は食べていただきたい 粗挽きサラミ」などのドライソーセージ製品が好調に推移し増収となりました。酪農加工製品は、小袋タイプの新製品「一度は食べていただきたい 贅沢な チーズ鱈®」や期間限定品の チーズ鱈® 製品が売上を伸ばし増収となりました。農産加工製品は、食塩無添加のナッツ製品や期間限定品の「JOLLY PACK バタピーお買得セット」などが売上を伸ばしましたが、わずかに減収となりました。素材菓子製品は、カリカリ梅などの梅製品が売上を伸ばし増収となりました。チルド製品は、新製品「チータラ® 粗挽きブラックペッパー入り」、「まろやか チータラ® ピスタチオ」などのチルドチーズ鱈® 製品が好調に推移し増収となりました。その他製品は、「おつまみセレクション」などのアソート製品や、2021年3月にリニューアルした「酒肴逸品」シリーズなどのレトルト製品が好調に推移し増収となりました。
以上の結果、食品製造販売事業の売上高は447億20百万円(同2.1%増)、営業利益は20億22百万円(同2.8%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
売上高は3億74百万円(同16.5%増)、営業利益は2億50百万円(同12.9%増)となりました。
当連結会計年度末の連結総資産は413億88百万円(前連結会計年度末比22億20百万円増)となりました。
資産の部では、現金及び預金が12億45百万円増加したことや、賃貸不動産の取得で土地と建物等が合わせて16億87百万円増加したこと等により、総資産が増加いたしました。
負債の部では、リース債務は返済が進み6億58百万円減少しましたが、売上増加に伴う仕入増加により支払手形及び買掛金が4億23百万円増加したことや、賃貸不動産の取得に係る資金として長期借入金を12億円調達したこと等により、負債合計は179億82百万円(同10億96百万円増)、純資産の部では配当金2億89百万円に対し、当期純利益15億57百万円で利益剰余金が10億5百万円増加したこと等により、純資産合計が234億6百万円(同11億24百万円増)となりました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度比0.3ポイント減少の56.6%となっております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ12億47百万円増加し、45億89百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、36億69百万円の収入(前年同期は33億4百万円の収入)となりました。 主に、税金等調整前当期純利益が23億1百万円、埼玉第二工場を中心とする減価償却費が16億98百万円あった一方で、法人税等の支払額が8億29百万円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、21億76百万円の支出(前年同期は4億5百万円の支出)となりました。
主に、賃貸不動産の取得や、工場における生産設備の導入等、有形固定資産の取得による支出が18億7百万円あったこと等によるものです。
この結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュフローは14億93百万円の収入(同28億99百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億46百万円の支出(前年同期は18億24百万円の支出)となりました。主に、賃貸不動産の取得に係る資金として長期借入金を12億円調達した一方で、ファイナンス・リース債務の返済による支出が9億95百万円あったこと等によるものです。
2023年3月期のキャッシュ・フローにつきましては、収益面では厳しい環境にありますが、在庫水準、債権債務等のきめ細かい管理に努め営業キャッシュ・フローの向上に注力いたします。投資活動によるキャッシュ・フローは、商品の安全・安心の対策、老朽化設備の更新、合理化・改善のための設備投資、情報システム強化のための投資などを予定しており、更なる事業規模の拡大と企業体質の強化に取り組んでまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
将来の事業計画に基づき、課税所得が十分に確保され、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに基づいており、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じて見積りが減少した場合には、繰延税金資産の取り崩しを行う可能性があります。
(退職給付費用及び退職給付債務)
退職給付費用及び債務について、割引率、昇給率等の数理計算上の前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損)
固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じて見積りが減少した場合には、減損損失が必要となる可能性があります。
なお、当期の連結財務諸表の作成にあたって、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を見通すことは極めて困難な状況でありますが、その影響は翌連結会計年度も継続するものと仮定した上で、会計上の見積りを行っております。現時点においては重要な影響を与えるものではないと判断しておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は不確実性が高く、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの運転資金需要は主に、原材料調達のほか、製造経費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期の資金需要は、食品メーカーとしての生産設備、研究開発、情報システムなどの成長投資等によるものであります。
運転資金及び長期資金は、主として営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金などによる調達を実施いたします。また、当社グループの資金は、当社が全体を管理することにより、資金効率の向上を図っております。
配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
なお、2023年3月期における重要な資本的支出につきましては、埼玉工場をはじめとする各工場の増産設備や老朽化設備の入替など、総額6億円の設備投資を予定しております
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、製造原価によるものであります。
2.不動産賃貸事業においては、該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、受注予測による見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績については、「(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注) 前連結会計年度における株式会社山星屋に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
現在の当社グループを取り巻く環境は、「少子高齢化を背景とした珍味顧客の高齢化や低年齢層の減少」「消費者ニーズの多様化による業種業態を超えた食品売場のボーダレス化」など、需要構造が徐々に変わってきております。これに対して、当社グループといたしましては、新たな発想による新しいおつまみの開発やおつまみ加工技術を活用し、珍味売り場向けの水産加工製品、畜肉加工製品、酪農加工製品を中心に、珍味外売り場向けの素材菓子製品、チルド製品などの開発も積極的に行い、新しい需要を創造し、成熟型社会に対応した企業基盤の確立に取り組んでおります。
当面の課題としては、世界的な原材料価格の高騰や、急速な為替円安の進行、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の上昇等に加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響などであります。代替原材料への切替、一部原料の調達先の国内回帰や、エネルギーの効率的使用などの対策を検討しておりますが、更なる値上げなどが発生し、当社グループの企業努力の限界を超えた場合、企業収益を圧迫することがあります。
また、食の安全を確保するための法令改正や指導が行われた場合、追加設備投資あるいは費用などにより財政状態及び経営成績に重要な影響が生じる場合もあります。これらにつきましては、「2 事業等のリスク」に記載いたしましたのでご参照ください。
経営方針・経営戦略につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしましたのでご参照ください。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載いたしましたのでご参照ください。
2017年度(第70期)を比較基準年度として、2021年度(第74期)までの連結売上高は、当社の主力である常温の珍味売り場の売上伸長を進めながら、珍味外売り場の拡販に取り組み、既存及び新市場の維持・拡大に取り組んできた結果、実質的に4期連続の増収を達成し、収益認識会計基準等を適用する前の会計期間である2020年度までの年平均成長率(CAGR※)は2.5%、前連結会計年度に収益認識会計基準等を仮に適用した場合の2021年度の成長率は2.2%となりました。
連結営業利益は、工場と配送センターを中心に更なる生産性の向上を追求すると共に、原材料の価格変動や環境変化に対して迅速な対応策を打ち、プロダクトミックスの最適化と利益管理の更なる充実に取り組んできた結果、2021年度は2017年度に対し、CAGRが15.1%となりました。
2022年度(第75期)は、第6次中期経営計画「Next Value up for 80」の初年度として、第80期ビジョン「私たちは、『“もっと”おいしく、楽しく、ワクワクするおつまみをお届けする会社』を目指していきます。」の達成を目指して、これからも持続的に成長し続けてまいります。
※CAGR(Compound Annual Growth Rate)…複数年にわたる成長率から1年あたりの成長率を複利で計算したもの。



該当事項はありません。
当社グループの研究開発部門は、なとり「新おつまみ宣言」の実現に向け、素材の風味を活かし、手軽に食べられ、楽しさを演出する独創性あるおつまみの創出と、既存品の改良を継続的に行い、おつまみの可能性を追求しております。そのために新技術を開発・導入し、日々急激に変化するマーケット動向を見据え製品開発のスピードアップに取り組みながら、お客様にとって安全・安心でおいしい食品の開発を推進しております。
当社グループでは、食品総合ラボラトリーを中心に「安全・安心で高品質な製品」を生み出すべくマーケティング部門、原材料調達部門、生産部門、営業部門等の関係部署との密なる連携により研究開発活動を展開しております。
研究開発の主要課題は、素材の持つ良さを最大限に引き出すことです。素材の味・香り・食感・色などを最大限に活かすことで、従来には無かった新たな価値を持った新製品をお客様に提供することを目指しております。また、お客様の嗜好の変化に合わせて既存品の改良を進めて、愛され続ける製品になることを目指しております。
さらに、現在のコロナ影響の先行きが見通せない状況においては、お客様の「安心」を求める心理や、「家飲み」など家庭での消費傾向が強まっていることから、それらに対応した製品開発の強化を行っております。
「水産加工製品」「畜肉加工製品」「酪農加工製品」「チルド製品」を重点ジャンルと位置付け、開発資源を集中的に投入し、各製品群のさらなるアイテム充実を目標として、様々なバリエーション展開を進めております。
さらに基盤研究の推進にも注力し、当社グループで取り扱っている様々な原材料や加工・保存方法に関する研究・調査を進め、データ蓄積や新技術開発を目指しております。また、基盤研究から生み出されたシーズの新製品開発への導入も強力に進めております。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
研究開発活動の中心的役割を担う食品総合ラボラトリーは、「製品開発」・「製品評価」・「基盤研究」の3つの機能を持ち活動しております。
「製品開発」に関しては、水産、畜肉、酪農、農産の各種原材料の特性を活かし、独自の加工技術を駆使したスピーディーな新製品開発に特化しております。
「製品評価」に関しては、理化学・微生物検査を駆使し、製品・原材料の安全性確保を目的に活動しております。また、美味しさの数値化についても取り組んでおります。
「基盤研究」は新たな加工・保存技術の探求や今後取り組むべき課題の抽出等、製品開発に有用な情報創出を目的に活動しております。
また、食品総合ラボラトリーから独立した組織である品質保証部を中心として、工場の衛生管理・品質管理に関する監視及び特許・商標等の知的財産の取得・管理を行っております。
研究開発成果は、以下のとおりであります。
① 製品開発
現在、当社製品を購入していただいている主要なお客様は50代以上の方ですが、幅広い年齢層のお客様に購入していただけるように、若年層向けの製品開発にも取り組んでおります。SNSを通じたキャンペーンの実施や、若年層のライフスタイル・感覚に合わせた開発、おつまみだけでなく、おやつ用途にもなる商品を開発しております。「チーズ鱈」については、発売40周年を記念し、感謝の気持ちを込め、キャンペーンを実施し、若者層含めた幅広い層の認知向上、市場定着化を図りました。その他定番製品についても、より品質を上げるべく、改善・改良を進めております。
長引くコロナ禍において、「家飲み」のニーズにも変化が出てきております。より本格的な品質へのこだわりや、新しい「家飲み」の楽しみ方など、おうち時間をポジティブに過ごす「充実志向」に対応し、品質へのこだわりや楽しさを感じていただける製品開発にも取り組んでおります。
また、SDGsへの取り組みとして、持続可能な環境と社会の実現に貢献するため、環境に配慮した原料や包装材料の使用、廃棄ロス削減のための賞味期限の年月表示、賞味期間延長にも取り組んでおります。
そして、「安心」意識の高まりを受けての個包装製品や主力ブランドの拡充、「健康志向」の高まりを受けてのおつまみの健康訴求を行うとともに、利便性や経済性をさらに追求した開発や、おつまみの用途開発として非常食市場を見据えた製品開発も進めてまいります。
② 製品評価
理化学・微生物検査・高度分析機器を駆使し、製品・原材料の安全性確認、賞味期間の設定、衛生管理への提言等を行っております。あわせて安全・安心に関わる新しい検査・分析技術の導入も積極的に進め、当社グループ工場への水平展開も進めております。
また、味覚センサーやアミノ酸分析等さまざまな分析を用いて、商品の味や物性を数値化し、時間経過による味の変化や自社・他社品との味の違いなどを明確にし、製品開発や営業活動への適切なサポートを行った実績をあげております。また、賞味期間設定のための保存試験期間の短縮化にも取り組んでおります。
③ 基盤研究
基盤研究は、各種原材料素材に関して加工・保存時の品質変化や栄養成分の調査・研究を進め、さらなるおいしさや健康価値を持つ製品開発のための基盤データ収集や、賞味期間延長、品質向上のための研究等も行っております。
開発の課題解決につながる共同研究や、他企業との協同による新しい切り口の開発などオープンイノベーションを強力に進めております。
いか製品を中心とした咀嚼の探求も継続して進めており、食育活動の一環として当社ホームページ等に情報を掲載し、咀嚼を通していか製品等の健康価値を訴求しております。
また、マーケティング部門で行ったweb調査等を活用し、将来のマーケットニーズや属性別の嗜好性に基づいた新製品開発を推進しております。