当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等により緩やかに回復しておりますが、米国の通商政策の影響や継続的な物価上昇がもたらす個人消費の下振れ等、景気を下押しするリスクが残る先行き不透明な状況が続いております。
食品業界においても、物価上昇等の影響を受け、消費者の節約・低価格志向が継続することが予想され、依然として厳しい経営環境が続くものと推測されます。
しかしながら、消費者のライフスタイルの変容に伴う時短・簡便といったニーズの高まりとコメ価格の高騰を背景にパックごはんや包装餅といった即食性のある商品の利用機会が拡大するなど、これまでになくコメ製品に対する世間の関心も高まる中、当社は従来通り日本の食文化を大切にし、良質のコメを原料に最新の技術を駆使した独自の製法にこだわりつつ、包装米飯および包装餅製品の生産・安定供給・適正価格での販売に努めることを基本に、安全・安心に重点をおいた事業活動を推進してまいりました。
具体的には、おいしさの追求はもちろんのこと、無菌化包装技術を駆使した利便性の高い製品群の生産と、消費者の消費動向を捉え、かつ、拡大する商品需要にも対応しうる生産体制の整備を進めてまいりました。また、時代とともに変化する消費者ニーズにお応えすべく、「プチ贅沢」「健康・機能性」「タイムパフォーマンス(タイパ)志向」などに対応した商品ラインナップを拡充し、商品ブランドのさらなる価値向上に努めながら、原材料費および物流費の高騰といった事業環境の変化を鑑み、当社は適正な利益確保ならびに製品の安定供給を目的とし、商品価格の改定を適時実施しました。
さらに当社は、「米食回帰・健康維持・多様化をキーワードとした新たな食の創造」を念頭に、全社一体となった営業活動に取り組むことで持続的な成長の実現を図ってまいりました。具体的には、当社はテレビCMの全国放映や有名アニメキャラクターとのコラボレーション商品の展開など、積極的に広告宣伝および販売促進活動を実施することで喫食機会の拡大および商品ブランドの認知度向上に努めてまいりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は、包装米飯及び包装餅製品ともに主力製品を中心に販売が堅調に推移し、204億80百万円(前年同期比9.8%増)となりました。
利益面につきましては、各種原材料費・物流費の価格高騰の影響を増収効果で吸収したことや、減価償却の進行にともない償却費負担が減少した結果、営業利益は20億21百万円(前年同期比134.4%増)、経常利益は22億9百万円(前年同期比105.9%増)となりました。また、当中間期においては、政策的に保有していた三菱食品株式について、株式公開買付け(TOB)に応じて売却したことによる特別利益5億46百万円が発生いたしました。この一時的要因により、親会社株主に帰属する中間純利益は19億14百万円(前年同期比161.6%増)となりました。
しかしながら、今後も原料米価格の動向については依然として先行不透明な状況にあり、価格高騰に加え安定調達が容易でなくなることも懸念されていることから、当社を取り巻く事業環境についても、予断を許さない状況が続くことが予想されます。
当社は、食品ロスの削減などの環境問題に対する社会的な問題意識の高まりを考慮し、年末に需要が集中する鏡餅につきましては、受注締日をこれまでよりも早期に設定することで、過剰生産や製造現場における人材不足の解消に取り組んでおります。また、鏡餅商品の仕様をエコパッケージへ変更することで、環境配慮へ向けた取り組みを進めております。
また、当社は、流通業界を取り巻く環境問題の解決に取り組むとともに、鏡餅の伝統文化継承を持続的に展開できるよう努めてまいります。具体的には、運送会社との連携強化により出荷の平準化、人員の最適化を図るとともに、環境負荷の低い輸送手段への変更を行ってまいります。今後は積載効率、運航効率のさらなる向上に取り組んでまいります。
当社は今後も、コメ消費基盤の一端を担う食品製造会社として、包装米飯・包装餅製品の持続可能な生産・供給体制の構築に向けて、最適な原材料の調達、人材の確保および設備投資に関する計画を立案・実践し、豊かな消費社会の実現のため貢献してまいります。
なお、昨今の原料米の急激な高騰及び資材費・人件費・物流費の上昇を自社の企業努力だけで吸収し続けることは極めて困難であるとの判断により、包装米飯および包装餅製品は2025年10月1日出荷分より商品価格の改定を実施いたしました。さらに、令和7年産米の調達価格は、概算金の高騰や作付転換による生産量減少に伴い本年10月の価格改定で見込んだ以上の高値で推移しており、自助努力だけでは現行価格の維持が難しい状況です。このような背景から、やむを得ず包装米飯および包装餅製品ともに、2026年3月2日出荷分より、再度商品価格の改定を予定しております。
製品分類別の販売動向
当社グループは、食品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しておりますが、製品分類別における販売の動向は以下のとおりであります。なお、主力製品である包装餅が季節商品(特に鏡餅)であり、その販売が年末に集中するため、第3四半期連結会計期間の売上高および利益が他の四半期連結会計期間に比べ著しく増加する傾向があります。
(包装米飯製品)
近年の少子高齢化を背景とした消費者のライフスタイルの変容に伴い「タイパ志向」が高まったことで、家庭での炊飯機会は減少し、ご飯は「家庭で炊くもの」から「買うもの」へと変化しております。電子レンジ調理などの簡便、時短調理等、家庭内での調理ニーズが多様化する中で、包装米飯製品は、家庭内での日常の需要が拡大し、ストックおよびレンジ調理が可能なパックごはん市場は堅調に推移しております。
これらの消費動向の変化を背景に、まとめ買いニーズへの対応や「食物繊維で始めるおいしい新健康生活」の提案など様々な販売促進活動により、包装米飯製品の「家庭のご飯に代わる」日常食化に引き続き取り組んでまいりました。また、人気お笑いコンビ「オードリー」を起用し、「おいしさの理由である“厚釜炊き製法”」を紹介するテレビCM『「おいしさは炊き方で決まる」篇』を全国放映しました。
これらの取り組みとともに、1988年の発売当初より「炊きたてのおいしさ」を目指してきた「サトウのごはん」がパックごはん市場で確固たるブランドを確立し、より多くの食卓に受け入れられたこと、さらに、パックごはんが備蓄食だけではなく日常食というポジションに変位してきていることから、売上高が堅調に推移しました。
その結果、包装米飯製品の売上高は156億19百万円(前年同期比12.2%増)となり、前年を上回りました。
なお、当社は、約80億円を投じて聖籠ファクトリー(新潟県北蒲原郡聖籠町)の敷地内に新たな工場(「サトウのごはん聖籠ファクトリー第二工場」)を建設しております。新工場は2026年12月より稼働を開始する予定であり、稼働開始後は聖籠ファクトリー全体で日産約60万食のパックごはんを生産することが可能となります。この新工場建設により、商品を市場に安定供給できる体制を構築するとともに、販売体制のさらなる強化を目指し、拡大するパックごはん需要に積極的に対応してまいります。
(包装餅製品)
年末に需要が集中する鏡餅を中心に包装餅製品は国内における消費の需要に季節性があり、内食需要の減退により包装餅市場全体は縮小傾向を見せ始める中、当社は包装餅製品のトップブランドとして、引き続き、「ながモチフィルム」に代表される独自の強みを活かした提案販売や様々な餅の食し方提案による通年需要の喚起に積極的に取り組んでまいりました。
切り餅については、従来の3つのライン(「プレミアムライン」、「レギュラーライン」、「トライアルライン」)に加え、新たに「プライムライン」を導入しております。プライムラインは、消費者の日常生活や行動範囲内で手軽に購入できる、いわゆる"プチ贅沢"需要に対応することを目的としており、これにより4つのセグメントからなる商品ラインナップを全国展開してまいりました。
また、当社独自の技術である「ながモチフィルム」の優位性を引き続き積極的にアピールしております。この技術は、鮮度保持剤を使用することなく、つきたての美味しさを24か月間保持することが可能となっており、この特徴を訴求するため、女優の芦田愛菜さんを起用したテレビCMを展開し、消費者への認知度向上を図ってまいりました。「サトウの切り餅シングルパックミニ」では、"ちょうどいい"サイズという特徴を芦田愛菜さん起用のテレビCMで紹介しております。今年で発売11周年を迎える「サトウの切り餅いっぽん」では、そのスティック形状を活かした多様な食べ方を提案するテレビCMを放映するとともに、商品パッケージのリニューアルを行い、商品の用途拡大を図ってまいりました。
さらに、従来のマスメディア広告に加え、人気動画クリエイターとのタイアップによる動画配信にも積極的に取り組み、若年層を含む幅広い消費者層への訴求を強化しております。
特に「サトウの切り餅いっぽん」、「サトウの切り餅シングルパックミニ」、「うさぎもちの焼いて食べるあんこ餅」を中心としたバラエティ商品群の売上は今後も好調な推移が予想されることから、さらなる売上拡大を目指し、テレビCMや動画配信、キャラクターコラボ、メーカーコラボ等のプロモーションを効果的かつ積極的に展開してまいります。
鏡餅については、干支マスコットを中心とした商品デザインのリニューアルや最需要期に向けたテレビCMの放映を通じて、販売促進を図ってまいります。さらに、フードロスの削減や物流輸送の効率化、環境への配慮等、持続可能な循環型社会の実現に向けた商品デザインを引き続き採用してまいります。最後に、ダウンサイジング化が進む市場動向を踏まえて、「どこでも簡単に飾れる手頃なサイズの鏡餅」をコンセプトとした化粧箱入りの「サッと鏡餅」および置き場所を選ばない「小飾り」タイプの品揃えを拡充するとともに、取扱店の拡大に向けて、商品を陳列する際に開封作業を軽減する「簡単!楽ちん段ボール」を採用し、流通各社への提案を進めてまいります。このような取り組みのほか、コメ価格高騰による代替需要品として包装餅の需要が高まり、好調な売れ行きを見せた結果、包装餅製品の売上高は48億51百万円(前年同期比2.9%増)となり、前年同期を上回りました。
(2) 財政状態
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は327億45百万円となり、前連結会計年度末に比べ88億56百万円増加いたしました。
これは主に、現金及び預金が10億円減少したものの、商品及び製品が61億64百万円、売掛金が21億20百万円、原材料及び貯蔵品が12億78百万円増加したことによるものであります。
固定資産は282億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億36百万円増加いたしました。
これは主に、有形固定資産のその他が31億63百万円増加したことによるものであります。増加した有形固定資産のその他の主なものは建設仮勘定であります。
この結果、総資産は610億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ121億93百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は229億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億89百万円増加いたしました。
これは主に、運転資金としての短期借入金が36億円、買掛金が35億62百万円、未払金が30億34百万円増加したことによるものであります。
固定負債は141億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ93百万円減少いたしました。これは主に、固定負債のその他が718百万円増加したものの、長期借入金が810百万円減少したことよるものであります。増加した固定負債のその他の主なものは圧縮未決算特別勘定であります。
この結果、負債合計は370億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ106億95百万円増加いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における株主資本は228億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億61百万円増加いたしました。増加要因は、親会社株主に帰属する中間純利益19億14百万円であり、減少要因は、剰余金の配当3億53百万円であります。
その他の包括利益累計額は11億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ63百万円減少いたしました。これは主に、保有株式の売却によりその他有価証券評価差額金が減少したことによるものであります。
この結果、純資産合計は239億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億97百万円増加いたしました。
なお、自己資本比率は39.3%(前連結会計年度末は46.0%)となりました。
(3) キャッシュフローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末(48億67百万円)に比べ10億円減少し、38億67百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は35億43百万円(前年同期比21億26百万円の支出増加)となりました。
これは主に、税金等調整前中間純利益に、減価償却費等の非資金項目、売上債権や棚卸資産、仕入債務等の営業活動に係る資産及び負債の増減、投資有価証券売却益、法人税等の支払額を加減算したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は4億69百万円(前年同期比11億81百万円の支出減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出、投資有価証券の売却による収入、補助金の受取による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は30億12百万円(前年同期比7億89百万円の収入減少)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額、長期借入れによる収入、長期借入金の返済による支出、配当金の支払額によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じたものはありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は90百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備
①主要な設備の状況
当中間連結会計期間において、主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等により著しい変動はありません。
②設備の新設、除却等の計画
当中間連結会計期間において、前連結会計年度末に計画中であった新設、休止、大規模改修、除却、売却等に重要な変更はありません。
該当事項はありません。