第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当事業年度の売上高は4,219,402千円(前事業年度比4.9%増)、営業利益は78,831千円(前事業年度は営業損失57,533千円)、経常利益は80,290千円(前事業年度は経常損失56,440千円)、当期純利益は51,883千円(前事業年度は当期純損失81,983千円)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(小売事業)

 当事業年度におきましては、「三代目茂蔵」のブランド力を強化・確立することで、売上高及び利益の向上を図ってまいりました。

 商品につきましては、消費者にとって価値のある商品づくりを目指し、豆腐、豆乳、おから等を使用した「茂蔵オリジナル商品」、それ以外の厳選された「茂蔵定番商品」、協力工場等からの「本日のお買い得品」の3つに分類し、この中でも特に茂蔵でしか購入することのできない「茂蔵オリジナル商品」の新商品開発及び既存商品のリニューアルを強化してまいりました。具体的には「京都茂蔵」シリーズとして「京とうふ絹」、「京都滝川とうふ」、「京都湯葉おぼろ」、「京都くちどけ豆腐」などの新商品を開発し販売してまいりました。また、既存商品につきましては、量目をボリュームアップ等することで価格の見直しを行ってまいりました。

 店舗におきましては、前事業年度に実施したパッケージの統一化による茂蔵ブランドの認知度向上を引き続き推し進めるとともに、多段棚の有効活用を進めてまいりました。なお、新店につきましては既存業態を3店舗出店し本格的な出店再開の準備のため、店舗運営等のマニュアル作成に取り組み、売上等の結果検証を進めてまいりました。

 これらにより、1店舗平均の顧客数は、店舗での販売形態の見直しの影響等もあり、前事業年度比96.1%となりました。一方で、1商品あたり買上単価は前事業年度比113.5%となったことが大きく貢献し、1店舗平均の顧客単価は同109.8%となりました。なお、一人あたりの買上点数は前事業年度を下回りましたが、前事業年度に取扱アイテム数を増加したことにより、前々事業年度との比較においては105.1%と増加しております。

 売上総利益率につきましては、価格の見直しを行ったことで商品売上原価率が前事業年度比2.0ポイント改善したことが要因となり、30.6%と前事業年度と比較して2.0ポイント上昇しました。

 営業利益につきましては、前事業年度において不採算店舗を閉店したことにより、販管費の売上高構成比が1.2ポイント減少したことが要因となり前事業年度と比較して3.2ポイント上昇し、109,570千円の増加となりました。

 以上の結果、小売事業の売上高は3,491,581千円(前事業年度比1.5%減)、セグメント利益(営業利益)は166,141千円(前事業年度比193.7%増)となりました。

 

(その他事業)

 その他事業は、小売加盟店及び業務用得意先への卸売事業並びに通販事業であります。

 その他事業の売上高は727,820千円(前事業年度比53.2%増)、セグメント利益(営業利益)は35,457千円(前事業年度比3.2%減)となりました。

 

 なお、当事業年度の出店状況は、次のとおりであります。

(単位:店)

 

前事業年度末

店舗数

増加

減少

当事業年度末

店舗数

小売事業

「三代目茂蔵」(直営店)

55

3

3

55

その他事業

「三代目茂蔵」(加盟店)

133

33

16

150

合計

188

36

19

205

 

(2) キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度と比較して255,526千円増加し584,365千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、265,398千円(前事業年度は96,639千円の支出)となりました。これは主に、増加要因として、税引前当期純利益80,080千円、減価償却費及びその他の償却費36,514千円、仕入債務の増加額133,776千円、未払金の増加額48,146千円及び未払消費税等の増加額22,538千円、減少要因として、売上債権の増加額12,759千円、たな卸資産の増加額22,246千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は、4,233千円(前事業年度は4,456千円の支出)となりました。これは主に、増加要因として、敷金及び保証金の回収による収入13,058千円、リース債権の回収による収入6,708千円、減少要因として、有形固定資産の取得による支出6,016千円、敷金及び保証金の差入による支出8,995千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、14,110千円(前事業年度は40,838千円の支出)となりました。これは配当金の支払額14,110千円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 該当事項はありません。

 

(2) 仕入実績

 当事業年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年10月1日

 至 平成29年9月30日)

前年同期比(%)

小売事業(千円)

2,442,948

95.8

その他事業(千円)

573,355

149.5

合計(千円)

3,016,303

102.8

(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。

2.金額は、仕入価格で記載しております。

 

(3) 受注状況

 該当事項はありません。

 

(4) 販売実績

  当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年10月1日

 至 平成29年9月30日)

前年同期比(%)

小売事業(千円)

3,491,581

98.5

その他事業(千円)

727,820

153.2

合計(千円)

4,219,402

104.9

(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。

2.販売実績総額に対する割合が、100分の10以上に該当する相手先はありません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針及び対処すべき課題

 当社は、「1.全ての事に感謝します。2.全ての事に正直でいます。3.全ての事にあきらめず挑戦します。4.全ての事を大切にします。5.全ての事のルールを守ります。」を全従業員の行動規範とし、経営理念・経営方針として「よりいいものをより安く」提供することを通じて、全ての人の生きていくための糧となり、全ての人の健康と幸せに貢献することを使命とし、常に消費者としての感覚を忘れず、消費者にとって価値のある商品づくり、人づくり、店づくりを目指しております。また、持続的・安定的な成長を図ることを経営の重要課題であると認識し、着実に推し進めるべく、以下の課題に取り組んでおります。

 

① 収益力向上

 当社は、製造小売(豆腐版SPA)事業に全ての経営資源を集中し、事業拡大を推進しております。「三代目茂蔵」のブランド力を高め、消費者に支持されるべく当社オリジナルの新商品開発や既存商品のリニューアルを積極的に行うとともに、販売力の強化として、新規店舗の出店や新規業態開発を行い、当社の持続的・安定的な成長を図ってまいります。

 

② 人材の確保・育成

 当社の持続的・安定的な成長を実現させるためには、必要な人材を十分に確保し、育成していくことが、重要な課題であると認識しております。多様な働き方を推奨し、適正な評価を行うことで優秀な人材を確保し、従業員の教育・能力の開発に積極的に取り組んでまいります。

 

③ コンプライアンス体制の強化

 当社は社会的責任を果たすべく、また、当業界を取り巻く消費者の安全・安心志向がより高まる中、全社的にコンプライアンス体制を整備強化していくことが、注力すべき課題と考えております。そのために単なる整備強化に止まらず、ひとりひとりの意識をより高め、社会的責任を果たせるコンプライアンス体制を確立してまいります。

 

(2) 経営戦略等

 当社の経営戦略の根幹は、「よりいいものをより安く」消費者に提供し続けることにより、強固な収益基盤と成長を実現していくことです。そのために、①消費者に価値を感じて頂きながら適正な利益を確保するための販売チャネル(製造小売モデル)を拡大すること、②消費者のニーズに合った、またニーズを喚起出来る商品をたゆまなく開発していくこと、以上を中長期的な経営戦略における主要テーマとして注力し、小売事業による販売チャネルを一層拡大することで、より幅広い購買者層に当社ブランドの認知度を向上させ、収益基盤をより強固なものとし、持続的な成長を実現し企業価値向上を図ってまいります。

 商品につきましては、引き続き消費者にとって価値のある商品づくりを目指し、豆腐、豆乳、おから等を使用した「茂蔵オリジナル商品」、それ以外の厳選された「茂蔵定番商品」、協力工場等からの「本日のお買い得品」の3つに分類し、この中でも特に「茂蔵オリジナル商品」の開発・強化に注力することで、顧客数の増加に努めてまいります。また、「本日のお買い得品」につきましても、協力工場等のネットワークを拡大し原材料調達を強化することで、顧客のリピート率の上昇に努めてまいります。

 店舗におきましては、前事業年度に導入した多段棚のさらなる有効活用を検証し、消費者にとって魅力のある売り場づくりを引き続き推し進めてまいります。また、店舗運営においては、「三代目茂蔵」としてのブランドのクオリティを向上させるべく、人材の確保・育成、売り場のチェック体制等の強化を図ってまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、拡大成長が見込まれる小売事業に経営資源を集中させることで収益の最大化に向けて邁進しており、持続的・安定的な経営を実現させるため、重要な経営指標として本業の儲けに対してその効率性を示す売上高営業利益率を重視し5%以上を目標としております。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社の経営成績、今後の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(平成29年12月21日)において当社が判断したものであります。

 

(1) 今後の事業戦略及び出店施策

 当社は、お客様に「よりいいものをより安く」提供し、高品質な商品を適正価格で販売するという設立以来の事業方針に基づき、今後も全社において小売事業を積極的に進めてまいりますが、既存業態及び新規業態の条件に見合う物件がない場合には出店は行わないため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 消費者の嗜好の変化について

 当社が取扱う商品は、消費者の嗜好の変化による影響を受けやすく、特に食料品の分野においては消費者の嗜好の変化のスピードが早まっており、消費者の需要動向にあった商品開発が行われなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 債権管理について

 当社は、取引先や小売加盟店に対しての売上債権や売上金の保全に努めますが、当該取引先または小売加盟店が経営不振等に陥った場合、当該取引先や小売加盟店から売上債権や売上金が回収できない場合が想定されます。また、直営店舗につきましては敷金・保証金等の保全に努めますが、当該店舗賃貸者等が経営不振に陥った場合、敷金・保証金等の回収ができない場合が想定され、それらの結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 特定の取引先への依存度について

 当社は、年間仕入総額の37.2%を株式会社ハギワラから仕入れております。株式会社ハギワラは、主要な協力工場のひとつであり、当社の2工場における生産を全て委託しております。

 今後、同社との売買条件が変更になった場合、同社との契約更新が円滑に進まなかった場合等、何らかの理由で同社からの仕入につき支障が生じた場合には、当社の店舗運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 当社の管理体制について

 当社が今後業容を拡大していく際、併せて内部管理体制も強化・充実させていく必要があります。しかし、当社の事業の拡大や人員の増強に対して、適切かつ十分な組織的対応ができるか否かは不透明であり、その結果、当社の事業遂行及び拡大に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料価格の高騰に関するリスク

 当社商品の主要原材料は、大豆などの農産物であり、また包材については石油製品を使用しており、その価格は市場の状況により変動いたします。今後、異常気象や原油価格の高騰等、予測困難な問題により原材料価格が上昇した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 食品衛生の安全管理について

 当社の事業の多くは、「食品衛生法」の規制を受けており、監督官庁より営業許可を取得しております。当社では、食品販売における衛生管理の重要性に鑑み、法定の食品衛生検査をはじめ、食品衛生責任者の設置、害虫駆除の定期的実施等により、安全な商品を顧客に提供するため衛生管理を徹底しております。

 しかしながら、食中毒等の衛生問題が発生した場合、当社において損害賠償の請求を受けたり、商品回収による損失や費用の発生及び当社のブランドイメージ低下による売上の減少等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 災害等の発生による影響について

 当社は事業の特性上、売上高の基となる顧客数が天候及び気温に左右される傾向にあります。従って猛暑・厳冬等の異常気象が発生した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社は、関東地方を中心に事業を展開しており、地震・洪水等の自然災害の発生による被害を被る可能性があり、その被害の程度によっては、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。加えて、取引先の工場・倉庫・輸送手段等が被災し、商品供給が影響を受ける可能性があり、その被災の程度によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 労務関連のリスク

 当社は、多くのパートタイム従業員が業務に従事しておりますが、今後の人口態様の変化により、適正な労働力を確保できない可能性があるほか、今後、社会保険、労働条件に係わる諸制度に変更がある場合、人件費の増加となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報リスクについて

 当社は、店舗及び事務所等において、ネットワークを構築し、営業・財務・個人データ等の様々な会社情報をコンピューター管理しております。IT統制・IT業務管理規程等を設けて、厳正な情報管理を実施しておりますが、犯罪行為やネットワーク障害、情報の漏洩・流出及びシステムの破壊・破損の発生等により営業活動に支障が生じた場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」をご参照下さい。

 

(2) 当事業年度の経営成績の分析

① 売上高

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照下さい。

② 売上原価及び売上総利益

売上総利益は1,225,830千円(前事業年度比10.5%増)となり、売上総利益率は29.1%(前事業年度は27.6%)となりました。前事業年度においては、100円商品のアイテム数を大幅に増加させた商品施策を行ったことにより、1商品あたりのコストは増加し売上高は減少したことから、当事業年度においては、商品の価格を前々事業年度と同じ価格帯に戻し、さらに200円超の新しい価格帯の商品も積極的に投入した結果、商品の売上原価率は前事業年度の64.6%から63.7%と0.9ポイント改善され、また物流費の対売上比につきましても前事業年度の7.8%から7.2%と0.6ポイント改善されたことにより、売上総利益は前事業年度より115,981千円の増加となりました。

③ 販売費及び一般管理費及び営業利益

販売費及び一般管理費は1,146,998千円(前事業年度は1,167,383千円)、営業利益は78,831千円(前事業年度は営業損失57,533千円)となりました。販売費及び一般管理費につきましては、売上高が増加したこと及び前事業年度において小売事業における不採算店舗を閉店したことや役員報酬の減額を行ったこと等により、対売上比は前事業年度の29.0%から27.2%と1.8ポイント改善され、結果、前事業年度の営業損失57,533千円から当事業年度は営業利益78,831千円となりました。

④ 当期純利益

当期純利益につきましては、前述の①、②、③が主な要因となったこと、特別利益として当社が行っている債務保証に伴う債務保証損失引当金戻入額2,750千円の計上、特別損失として店舗閉鎖損失2,865千円の計上及び法人税、住民税及び事業税28,197千円を計上した結果、当期純利益は51,883千円となりました。

 

(3) 当事業年度の財政状態の分析

① 資産

当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末と比較して246,767千円増加し1,810,437千円となりました。これは主に、増加要因として、現金及び預金の増加255,526千円、売掛金の増加12,759千円、商品の増加22,731千円、減少要因として、建物(純額)の減少12,644千円、工具、器具及び備品(純額)の減少6,699千円、敷金及び保証金の減少5,686千円、リース債権の減少6,708千円等によるものであります。

② 負債

当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末と比較して209,115千円増加し583,625千円となりました。これは主に、買掛金の増加133,776千円、未払金の増加70,057千円、未払法人税等の増加10,066千円等によるものであります。

③ 純資産

当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比較して37,651千円増加し1,226,811千円となりました。これは主に、当期純利益の計上51,883千円、剰余金の配当14,157千円等によるものであります。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照下さい。

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当事業年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー265,398千円、投資活動によるキャッシュ・フロー4,233千円、財務活動によるキャッシュ・フロー△14,110千円となりました。詳しくは「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照下さい。