わが国経済は、国の各種政策の効果もあり雇用環境に改善傾向が見られ、緩やかな回復基調が続くものの、不安定な国際情勢や食料品・生活必需品などの物価上昇、消費税増税等による景気の下振れ懸念もあり、個人消費は節約志向が依然として根強く、当社グループを取り巻く経営環境は依然予断を許さない状況が継続すると予想されます。
このような環境のなか、2019年度は中期経営計画『CAN 20(2014年度~2020年度)』の第2フェーズ(2017年度~2020年度)の3年目にあたり、主力商品・主力チャネルの成熟化に対する戦略課題に全構成員の力を結集し、更なる成長に向けた取り組みを前倒しで進めてまいります。
『CAN20』ではポートフォリオ戦略として、SBU(戦略ビジネスユニット)分類評価による『集中と結集』をキーコンセプトに、グル-プ経営ビジョンの実現に向けて推進しております。成長戦略の要として、組織横断でのCFA(クロス ファンクショナル アプローチ)プロジェクトにより当社グル-プの経営資源を組み合わせて効率的に新規事業を創出・育成し、QOL(クオリティ オブ ライフ)の向上に貢献する健康・医療分野などの事業拡大に取組んでおります。また、成長戦略を支援する経営基盤強化対策として、コア技術力・グローバル対応力・コーポレートブランド価値など無形資産の強化を図っております。
『CAN20』の第2フェーズでは、「セグメント別事業戦略」「新規事業創出」「経営基盤強化」を3つの基本戦略とし、元来ポテンシャルを有している技術力を武器にプラスチックフィルム分野など機能ソリューション事業の成長回帰と、アパレル事業の成長加速をグループの両輪としてグループ経営を支えるとともに、メディカル分野などのQOL関連事業を成長エンジンとして、戦略目標の実現を目指してまいります。
2018年6月に改定されたコーポレートガバナンス・コードでは、自社の資本コストを的確に把握したうえで、事業計画や資本政策の策定、事業ポートフォリオの見直しや経営資源の配分、政策保有株式への対応が求められております。当社グループでも、株主重視の観点からROE(自己資本当期純利益率)をグループ重点指標として掲げ、その向上に取組んでおりますが、2019年度から、資本コスト経営として、①投下資本、②投下資本収益率(ROIC)、③加重平均資本コスト(WACC)の視点を経営管理に加え、業績についても投下資本に対する資本コストを踏まえた評価など、全社的なマインドチェンジに取り組んでまいります。
また当社グループでは、2018年度から事業活動を通じて社会課題の解決をめざす「CSV経営(CSV:Creating Shared Value 共通価値の創造)」をSDGsに配慮して推進しております。
私たちは、「お客さまへ『ここちよい商品、ここちよいサービス』の提供に徹し社会に貢献する」という強い意志を持ち、「社会にとって必要とされる企業」「社会とともに持続的に発展する企業」として顧客満足と企業価値のより一層の向上を図ってまいります。
機能ソリューション事業では、プラスチックフィルム分野は業績が拡大しているなか、新市場・新商品の開発とベトナム新工場を立上げグロ-バル生産体制を更に強化してまいります。エンジニアリングプラスチックス分野は、主力OA市場向け商品及び半導体関連等繊維技術製品の拡大のため、江南工場の増設を計画しております。メディカル分野は、新たに株式会社メディカルユーアンドエイを子会社化し骨接合材等の拡大を目指してまいります。
アパレル事業では、インナーウエア分野は、BODYWILD「AIRZ」の展開店舗拡大に加え、完全無縫製・カットオフ商品、スポーツカテゴリー商品を拡販するとともにEC等の新規販路の拡大を図ってまいります。レッグウエア分野は、サブリナ等の主力ブランドを核とし、市場トレンドと消費者潜在ニーズを先取りした新市場・新商品開発に努めてまいります。
ライフクリエイト事業では、商業施設の収益力向上とグル-プの発展に向けて投資効率を考慮した保有資産の有効活用を推進してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は「会社の支配に関する基本方針」を定めており、その内容は以下の通りであります。
会社の支配に関する基本方針
当社グループは、「品質第一」と「技術立社」を基盤に、創業の精神である「人間尊重」、「優良品の提供」、「共存共栄」を企業理念として顧客起点の事業運営を行っております。この理念の下、企業の社会的責任(CSR)に積極的に取り組むとともに、各事業の商品、サービスを通して「お客さまに“ここちよさ”をお届けしていく」という強い意思をもち、「社会にとって必要とされる企業」「社会とともに持続発展する企業」を目指しております。また、当社グループは、企業価値向上を目指し、株主重視の経営姿勢を堅持していくことを基本に、収益性の向上、資本の効率化に取り組むとともに、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要政策と位置づけ、配当金支払い・自己株式取得等を通じて、中長期的な業績見通しに基づいた、安定的・継続的な利益還元を図っております。
一方、当社の株主のあり方については、当社株式の自由な取引を通じて決定されるものであると考えており、会社の支配権の移転をともなう買収提案がなされた場合に、これに応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆様の意思に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、上記のような取り組みを通して、企業価値・株主共同の利益の持続的な向上を図るためには、株主の皆様はもとより、お客様・取引先・従業員・地域社会等のステークホルダーとの適切な関係を維持し、発展させていくことが重要であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、ステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行うことが可能な者である必要があると考えております。
従って、当社グループの企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大量買付行為又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社グループの企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
当社は、基本方針の実現に資する取り組みとして以下の施策を実施し、当社グループの企業価値及び株主共同の利益の向上に努めております。
①中期経営計画の推進
当社グループは、中期経営計画(CAN20計画:第119期~第125期)を展開しており、『集中と結集』をキーコンセプトに、「SBU(戦略的ビジネスユニット)戦略による既存事業の選択と集中」、「CFA(クロス ファンクショナル アプローチ)活動による成長・新規事業の育成・創出」、「成長戦略を支援する経営基盤強化」を基本戦略として、企業価値の向上を図っていくこととしております。
また、株主重視の観点からROE(自己資本当期純利益率)をグループ重点指標として掲げ、収益性の向上、資本の効率化並びに自己株式の取得等により、その向上に取り組んでまいります。そのために、各事業の投資効率を計る指標としてROA(総資産営業利益率)目標を事業部門・関係会社単位で設定し、売上高利益率・総資産回転率の向上に努めてまいります。
②コーポレートガバナンスの強化
当社は、意思決定の迅速化、経営監督機能の強化を図るため、第110期(2005年度)に執行役員制度の導入、取締役員数の削減を行うとともに、取締役の経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制とするため、第111期(2006年度)に取締役任期を2年から1年に変更し、併せて経営の透明性の確保を図るため社外取締役の選任を行うなど、コーポレートガバナンスの強化に努めております。
なお、2015年12月18日開催の取締役会において、当社グループのコーポレートガバナンスに関する基本方針として、「グンゼ コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定いたしました。その内容は、以下の当社ホームページに掲載しております。
https://www.gunze.co.jp/ir/policy/governance/index.html
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
当社取締役会は、これらの取り組みが、当社の支配の基本方針に沿うものであり、企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、また取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは「品質第一主義 優良品の提供」を事業の根幹に置き、より安心で、より快適な、魅力ある商品とサービスの提供のために、徹底した安全性と品質の確認を実施しておりますが、予想を超える重大な品質トラブルが発生した場合には、該当する商品のみならず、当社グループの製品全体の評価にも重大な影響を与え、売上の低下によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの衣料品事業は、消費者の嗜好及び需要の変化に的確に対応するために、SCMの構築・カテゴリーチェンジ(品種構成の革新)などに取り組んでおりますが、消費者の嗜好及び需要は急激に変化することから、市場動向の判断を誤った場合は売上高の減少・在庫の増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの事業は、シーズン商品の販売が多いことから、冷夏・暖冬等の天候不順が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの製品は、原糸・綿糸・プラスチック樹脂等を主たる原材料としており、原材料価格は市況により変動しております。原材料価格の高騰は原価高に繋がり、製品価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業遂行に関連して、個人情報をはじめとする多数の重要情報を管理しております。これらの情報については、情報システムに対するセキュリティ管理、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約などを行い、その管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により重要情報が漏えいしたり、不正使用された場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、更には損害賠償責任の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外に生産工場等の事業所を配置しております。大規模な地震や台風、洪水等の自然災害及び新型インフルエンザ等の感染症の発生により、生産活動や販売活動などに支障をきたした場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの海外事業は、現地における政変や社会・経済情勢、テロや戦争、知的財産権訴訟、疾病といったリスクを内在しております。このような問題が顕在化したときは事業活動の継続が困難になることがあるため、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの取引には外貨による輸出・輸入が含まれております。そのため為替予約等により為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、そのリスクを全て排除することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に少なからず影響を与える可能性があります。
当社グループは営業活動・業務提携等の一環として、一部の取引先について株式を所有しております。当該株式の多くは上場株式であり、株式市場の下落等により、当社グループの経営成績及び財政状態に少なからず影響を与える可能性があります。
当社グループの退職給付制度は、一部を除いて確定給付型制度を採用しております。退職給付債務については安全性の高い長期の債券の利回りを基準とした割引率に基づいて算定しており、金利の変動は退職給付債務に影響を与えます。また、確定給付型年金制度における年金資産はその一部を株式等のリスク資産に投資しており、株式市場の下落等により、その運用利回りは悪化する可能性があります。このように長期金利の変動及び株式市場の下落等運用環境の悪化は、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この作成において見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当期のわが国経済は、企業業績や雇用環境の改善等を背景に全体としては緩やかな回復基調にあるものの、相次ぐ自然災害による消費者マインドの低下、食料品や生活必需品の物価上昇懸念に加えて、米中間の貿易摩擦、新興国等の海外経済の不確実性などにより、先行き不透明な経営環境が続きました。
このような状況において、当社グループでは、中期経営計画「CAN20計画第2フェーズ(2017年度~2020年度)」の2年目を迎え、『集中と結集』をキーコンセプトに、「セグメント別事業戦略」「新規事業創出」「経営基盤強化」の3つの基本戦略への取り組みを進めました。
機能ソリューション事業は、プラスチックフィルム分野及びエンジニアリングプラスチックス分野を中心に好調に推移しました。アパレル事業は、消費者の節約志向と天候影響を受ける中、インナーウエア差異化商品の拡販と成長販路への取り組みを強化しましたが、レッグウエアが苦戦しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は140,706百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は6,690百万円(前年同期比7.2%増)、経常利益は7,152百万円(前年同期比11.0%増)となりました。海外関係会社の売却損を計上しましたが、固定資産売却益を計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は4,087百万円(前年同期比17.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
プラスチックフィルム分野は、主力のシュリンクフィルムが国内・海外ともに堅調であり、ナイロンフィルムも好調に推移しました。エンジニアリングプラスチックス分野は半導体市場向け、産業機器向けが引き続き好調に推移しました。電子部品分野では、業務用タッチパネルは堅調に推移し、中国工場も採算性が改善しました。メディカル分野は、縫合補強材の国内新販売体制が順調に立ち上がり、人工皮膚も堅調に推移しましたが、治験費用等の増加影響を受けました。
以上の結果、機能ソリューション事業の売上高は53,234百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は6,160百万円(前年同期比14.5%増)となりました。
インナーウエア分野は、BODYWILD「AIRZ」などの差異化商品の新展開に加えて、カットオフ等の主力商品、スポーツカテゴリー商品が順調に推移しました。レッグウエア分野はファッションボトムトレンドの変化や天候影響もあり、低調に推移しました。繊維資材は、海外事業環境変化による生産性悪化の影響を受けました。
以上の結果、アパレル事業の売上高は72,609百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益は2,507百万円(前年同期比4.6%減)となりました。
不動産関連分野では、ショッピングセンター事業は地域に密着した運営により堅調に推移し、また賃貸事業では新規物件が貢献しました。スポーツクラブ分野は、競争激化により苦戦しました。
以上の結果、ライフクリエイト事業の売上高は15,285百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は1,241百万円(前年同期比10.5%減)となりました。
総資産は169,632百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,640百万円減少しました。主な増加要因は、建物及び構築物の増加2,007百万円であり、主な減少要因は、投資有価証券の減少4,604百万円、現金及び預金の減少1,375百万円であります。
負債は58,563百万円となり、前連結会計年度末に比べ580百万円減少しました。主な増加要因は、長期借入金1,060百万円、未払法人税等1,038百万円であり、主な減少要因は、1年内返済予定の長期借入金2,976百万円であります。
純資産は111,068百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,060百万円減少しました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加4,087百万円であり、主な減少要因は、その他有価証券評価差額金の減少2,487百万円、配当による減少1,654百万円、自己株式の取得等による減少1,286百万円であります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
機能ソリューション事業のセグメント資産は47,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,126百万円増加しました。主な増加要因は、プラスチックフィルム分野における出資金の増加等であります。
アパレル事業のセグメント資産は58,086百万円となり、前連結会計年度末に比べ607百万円増加しました。主な増加要因は繊維資材分野における固定資産の増加等であります。
ライフクリエイト事業のセグメント資産は35,995百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,952百万円増加しました。主な増加要因は不動産分野及びスポーツクラブ分野における固定資産の増加等であります。
また、各報告セグメントに配分していない全社資産の調整額は27,786百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,327百万円減少しました。主な減少要因は時価下落による投資有価証券の減少等であります。
当社は、株主重視の観点からROE(自己資本当期純利益率)をグループ重点指標として掲げ、収益性の向上、資本の効率化並びに自己株式の取得等により、その向上に取り組んでおります。そのために、各事業の投資効率を計る指標としてROA(総資産営業利益率)目標を事業部門・関係会社単位で設定し、売上高利益率・総資産回転率の向上に努めております。
当連結会計年度は、機能ソリューション事業のプラスチック分野において主力のシュリンクフィルムが国内・輸出とも堅調に推移したことやエンジニアリングプラスチックス分野において半導体市場向け、産業機器向けが引き続き好調に推移したこと等により、ROEは3.7%(前年同期3.2%)、ROAは3.9%(前年同期3.7%)と改善しました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,375百万円減少し、8,102百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,484百万円増加し、11,491百万円となりました。主なキャッシュ・インの要因は税金等調整前当期純利益6,295百万円、減価償却費6,532百万円であり、主なキャッシュ・アウトの要因はたな卸資産の増加1,247百万円であります。
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して1,419百万円増加し、7,373百万円となりました。主なキャッシュ・アウトの要因は機能ソリューション事業の設備投資など固定資産の取得による支出5,891百万円、子会社出資金の取得による支出1,685百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して3,699百万円減少し、5,483百万円の支出となりました。主なキャッシュ・インの要因は長期借入れによる収入3,000百万円であり、主なキャッシュ・アウトの要因は長期借入金の返済による支出5,363百万円、配当金の支払い1,648百万円、自己株式の取得による支出1,327百万円であります。
当社グループは、企業価値向上に向けて安定的財務基盤を維持しながら資本効率を向上させることを財務戦略の基本方針としております。
安定的財務基盤を維持するために自己資本比率および有利子負債/EBITDA倍率について適正値を定め、事業資金の財源確保を図っております。有利子負債については、長期資金による調達比率50%程度を目安とし、長期資金については銀行借入、短期資金についてはコマーシャルペーパー(CP)を中心に安定有利調達に努めております。
また、地域別の調達体制としては、国内グループは親会社を中心としたCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)、海外グループはプーリング取引により資金の集約化を図るとともに、取引銀行との間で協調融資型特定融資枠契約(コミットメントライン契約)を締結することにより、過剰に手元流動性を確保することなく安定的な資金調達を実現しております。
資本効率向上については、運転資本の圧縮、資本コストを加味した投資採算性の検証等により、総資産営業利益率の向上に努めるとともに、現在の中期計画「CAN20 フェーズⅡ(2017年度~2020年度)」期間中は連結総還元性向((配当+自己株式取得)÷連結当期純利益)100%(多額の投資がある場合は除く)を目標値とし株主還元を進めてまいります。
このような方針のもと、当連結会計年度は、順調な業績向上による営業キャッシュフロ-を獲得(114億円)し、設備投資や株主還元資金について自己資金で調達したことに加えて、有利子負債の削減(23億円)を実施することができました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記金額は、製造原価ベースで表示しており、外注生産高を含んでおります。
2.上記生産実績以外に、下記の商品仕入高があります。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社及び連結子会社は、機能ソリューション事業に含まれる機械類を除き、原則として見込生産であります。
機能ソリューション事業に含まれる機械類の受注高、受注残高は下記のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える販売先はありません。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、機動的かつ安定的な資金調達手段の確保を目的として、2018年12月に取引銀行3行と協調融資型特定融資枠契約を締結しております(特定融資枠の額:50億円、契約期限:2019年12月)。
当社グループは、プラスチックフィルム、エンジニアリングプラスチックス、電子部品、機械、メディカル材料、インナーウエア・レッグウエア等衣料品、繊維資材等の事業活動を展開しており、当社の研究開発部、QOL研究所、各事業傘下の開発部門では、これらを支える研究開発活動として、新規付加価値商品の開発及び生産技術革新等の事業部門サポート、並びに新規事業創出に向けた技術開発や基礎研究に取り組んでおります。また、研究成果の知財権利化を進め、事業基盤強化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費は
(1)機能ソリューション事業
プラスチックフィルム分野では、コア技術である多層押出技術に、機能性を付与する新たな技術を融合させることで、包装材料における高付加価値化や新規分野への展開を目指した取り組みを進めております。
エンジニアリングプラスチックス分野では、複写機・プリンター用機能性ベルトで培ったフィラー分散技術を生かした高機能部材研究や、フッ素樹脂の特性を生かした医療用具向け製品で、産業資材への展開を進めております。
電子部品分野では、ウェット/ドライの薄膜形成技術や基材フィルム製造技術などを組み合わせ、各種機能フィルムの開発を進めております。さらに、上記3事業部門の固有技術を組み合わせた機能性フィルムの開発にも注力しております。
また、各事業部門の生産工程革新につながる製造技術・装置の研究開発に加え、新機能性商品に関するオリジナル製造装置の研究開発に取り組んでおります。
メディカル分野では、生体内吸収性高分子の機能を生かした医療機器の研究開発に取り組んでおります。また、患者自身の組織に置き換わる血管、軟骨、半月板等の研究に取り組み、再生医療の実用化に向けての製品開発を進めています。
新規事業分野では、機能ソリューションの各事業が持つ技術をベースに新たな提供価値を創造する高機能フィルムの開発を積極的に推進しております。今後とも社内保有技術の更なる活用と新市場創出を目指す取り組みに注力してまいります。
当該セグメントに係る研究開発費は
(2)アパレル事業
衣料品分野では、「お客さまのためのここちよさの追求」をキーワードに、人の生理学的研究とこれまで蓄積した多くの繊維加工技術を活かした快適インナーの開発を進めております。また、無縫製商品群の拡大を継続的に推進する為に、独自に開発した接着縫製技術を更に進化させるべく取り組んでおります。
更に、衣料製品の技術を活用して医療に貢献するメディカル衣料(衣療)プロジェクトは、様々なニーズに対応し手術後患者様等のQOL向上に貢献すべく取り組んでおります。
また従来のアパレル商品の快適性・品質・安全性評価に加え、インナーウエア等は、培養皮膚キットを用いた化学的刺激について安全性評価も行っており、より安全・安心・快適な商品開発に努めております。
当該セグメントに係る研究開発費は