第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは創業以来、「人間尊重と優良品の生産を基礎として、会社をめぐるすべての関係者との共存共栄をはかる」という創業の精神を変えてはならない経糸(たていと)とし、社会からの期待に誠意をもって柔軟に応えることを緯糸(よこいと)とし、様々な製品やサービスの提供を通じて時代に求められた社会課題の解決に取り組み、それぞれの分野で業界オンリーワンを目指しております。

 

(2) 中期的な経営戦略

当社グループは、2014年6月に2021年3月期までの中期経営計画「CAN20」を発表しましたが、新型コロナウイルスの世界的感染拡大が、当社グループに大きな影響を及ぼしていることから、2020年度は、その影響を最小限とする取り組みを最優先とし、中期経営計画の最終年度を2022年3月期まで延長することとしました。

中期経営計画「CAN20」では、2014年度~2016年度を第1フェーズ、2017年度~2021年度を第2フェーズとし、3つの基本戦略である①セグメント事業戦略、②新規事業創出、③経営基盤強化の強力推進により、グル-プ経営ビジョンである「グンゼしかできない「ここちよさ」をお客さまに提供するグローバル企業としての社会貢献」の実現に努めております。セグメント事業戦略では、『集中と結集』をキーコンセプトにしたSBU(戦略ビジネスユニット)分類評価により重点事業領域を明確化し、リソースの傾斜配分により既存事業の再成長を実現します。次に新規事業創出では、組織横断でのCFA(クロス ファンクショナル アプローチ)プロジェクトにより当社グル-プの経営資源を組み合わせて効率的に新規事業を創出・育成し、QOL(クオリティ オブ ライフ)の向上に貢献する健康・医療分野などの事業拡大に取組んでおります。また、経営基盤強化では、コア技術力・グローバル対応力・コーポレートブランド価値など無形資産の強化により成長戦略支援を図っております。

 

(CAN20第2フェーズ3つの基本戦略)

①セグメント事業戦略

・機能ソリューション事業の成長回帰

メディカル事業の継続的成長、セグメントの連携強化による新規領域への挑戦

(フィルム事業の再構築、社内外コラボレーション推進による新規ビジネスの創出)

・アパレル事業の成長加速

新規販路・売場の拡大戦略(国内ECビジネスのシステム再構築など)

差異化技術・商品/ブランド/売場編集力の強化による成長加速(レディース分野の積極拡大など)

・ライフクリエイト事業の安定的拡大

現行ビジネスの強靭化を進めるとともに、安定的な事業拡大を図る

(ショッピングセンター事業の強化)

②新規事業創出

・第1フェーズプロジェクトの事業化促進

健康・医療事業拡大(メディキュア(メディカル衣料)・医療向け高機能ワイヤーの拡大)

新規事業の創造(2つの事業枠組みで新規事業創出戦略を推進(高機能テキスタイル・シート部材))

・M&A活用による事業領域拡大

シナジー性を踏まえたM&A(アパレル小売事業の拡充、メディカル分野の関連領域拡大)

・新規テーマ創出の仕組み構築

第1フェーズの反省を踏まえ、新規事業創出の取り組みを強化

(ストレッチプラン※による事業部門で新規領域への挑戦)

※ストレッチプラン…事業部門において、新規ビジネス創出を促進する新しい取り組み

 

③経営基盤強化

・生産基盤の強化による競争力の向上

現場力強化による強靭な生産体制の構築

(品種構成変化を先取りした生産対応力の強化、生産難易度に左右されない生産効率の追求)

・経営体質の強化

これからの社会に貢献し続けられる会社に

これからのライフスタイルに対応し続けられる会社に

CSR委員会

:解決すべき社会的課題に対し事業活動を通じて解決する戦略的CSRの実践

働き方改革委員会

:業務改革による仕事の付加価値向上と労働時間管理の徹底の定着

  女性活躍等のダイバーシティ推進や就労ニーズに対応した柔軟で創造的な働き方への改革

 

 

(3) 目標とする経営指標

CAN20第2フェーズ最終年度の2021年度経営目標はグループ売上高1,500億円、営業利益80億円、親会社株主に帰属する当期純利益56億円、ROE(自己資本利益率)5%以上としております。

中でもROEをグループ重点指標として掲げ、その向上に取組んでおり、昨年度から、資本コスト経営として、①投下資本、②投下資本収益率(ROIC)、③加重平均資本コスト(WACC)の視点を経営管理に加え、業績についても投下資本に対する資本コストを踏まえた経済的付加価値指標「GVA(GVA=Gunze Value Added)」による評価を導入し、全社的なマインドチェンジに取り組んでおります。

今後も急速に変化する状況に応じて必要な対策を実施し、組織のバインド力(結束力)を高め、全構成員が一丸となり目標達成を目指してまいります。

 

(4) 当社グループの対処すべき課題

(資本コスト経営)

当社グループでは資本コスト経営として、ROEの改善を重視した取り組みを行っております。当社グループのROE水準は改善の傾向にあるものの、依然として低位で推移しており、事業ポートフォリオの見直しや経営資源の配分、政策保有株式への対応、また事業部門別WACCによる事業特性別投資判断基準の明確化等対策を講じています。次期中期経営計画での全事業部門のGVA黒字化、株主資本コストを上回るROEの達成に向けて取り組んでまいります。

 

(セグメント別戦略課題)

機能ソリューション事業では、プラスチック分野では、海洋プラスチック問題や、食品ロスの削減に寄与する環境対応型新商品を開発し市場への投入を目指します。また、今期より稼働を開始したベトナム新工場の垂直立上げを実現し、早期経営貢献を目指すとともに、国内では守山でのサーキュラーファクトリー(資源循環型工場)実現に向けたプロジェクトをスタートします。エンジニアリングプラスチックス分野では、主力のOA市場向け製品に加え、産業機器向け製品の拡販を目指します。メディカル分野では、昨年度子会社化した株式会社メディカルユーアンドエイとのシナジーをさらに推進するとともに中国他海外市場での拡販、次期大型新商品の承認取得を目指します。

アパレル事業では、新型コロナウイルス感染拡大による影響により、店頭での販売不振が懸念される中、ECチャネルでの商品訴求力を強化します。インナーウエア分野は、消費者ニーズの天然素材回帰、カジュアル化に即した新素材・新商品をYG、BODYWILDブランドで投入します。レッグウエア分野は、消費者ニーズの変化に基づく市場対応力を強化し、若年層ターゲットにしたサブリナの新商品、カジュアルトレンドに対応したTucheのフルリニューアル等積極的に投入します。

ライフクリエイト事業では、商業施設の収益力向上の推進や投資効率を重視した物件別管理を強化してまいります。また、スポーツクラブ分野については、新型コロナウイルス感染拡大による影響が継続すると想定されますが、会員の皆様とスタッフの健康と安全を第一に考え、取り組んでまいります。

 

 

(CSR重要課題)

当社グループは持続的な成長を図り、企業価値を高めるため、SDGs・CSV経営を見据え、以下の課題に取り組んでまいります。

①QOLの向上への貢献(健康・福祉への貢献)

②緑豊かな環境づくりと環境問題対応

③職場環境改善・働き方改革

④より良いコミュニティ・社会づくり

⑤プラスチック資源循環戦略の推進

特に「⑤プラスチック資源循環戦略の推進」については、昨今の海洋プラスチック問題に対する国際的意識の高まりから、使い捨てプラスチックに対する規制強化の流れが加速しており、当社としてもプラスチック資源循環基本方針※を策定し、社会の要請に対する方針を明確化しました。

当社グループはプラスチック包装材料等を製造販売、またアパレル製品にプラスチック材料を使用しており、事業を通じてプラスチックの3R+Renewableを推進し、CSV経営により社会的責任を果たしてまいります。

 

資源循環基本方針

 

われわれは、プラスチックの3R+Renewable※を積極的に推進し、廃棄量を削減することで、

プラスチック資源が循環する社会の実現に貢献する。

(1)プラスチックの減量化・再利用を推進する。

(2)分別・リサイクルし易い製品設計と再生原料の積極的使用により、効果的・効率的な

      プラスチック資源循環に貢献する。

(3)植物由来原料による製品開発を行い、石油化学原料の使用量削減に貢献する。

(4)廃棄物の適切な管理と環境負荷を低減する生産活動により、つくる責任を果たす。

※3R+Renewable:

3Rは、Reduce(リデュース=製品をつくる時に使う資源の量を少なくすることや廃棄物の発生を少なくすること)、Reuse(リユース=使用済製品やその部品等を繰り返し使用すること)、Recycle(リサイクル=廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用すること)の頭文字Rを指し、これにRenewable(リニューアブル=再生利用)を加えたもの。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

 1. 当社グループのリスクマネジメント体制

当社グループにおいて発生しうるリスクの防止に係る管理体制の整備及び発生したリスクへの対応について「リスク管理規程」を定めております。

本規程ではリスクを「企業の妨げとなる可能性のある、社内外から受ける不確実な危険性であって、当社グループの経営にとってマイナスの結果をもたらす可能性のあるもの」と定義し、ステークホルダーに対する責任及び影響に鑑み、リスクを可能な限り排除することを基本方針としております。ただし、関係法令、社内諸規則及び社会秩序に反しない限りで、事業遂行に必要と認められるときは、適切なリスクを取ることがあります。

当社グループにおいて、リスクが事象として発生した際には、ステークホルダーに対する影響を最小限にとどめることを第一の目的とし、以下の行動を実施いたします。

(1) 当該リスクに対する方策の迅速な実施

(2) 当該リスクの発生の原因究明及び適切な再発防止策の策定

(3) ステークホルダーに対しての適切な情報提供

また、当社グループでは、必要に応じCSR担当取締役を議長とするリスクマネジメント委員会を開催し、リスク事象の発生、採られた又は採られる予定の措置、リスク予防などについて協議しており、特に海外子会社ガバナンス、個人情報保護、メディカル部門のコンプライアンスを重点リスク管理分野として取り組みを強化しております。

 

2. 主要リスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(事業運営上生じうるリスク)

(1) 経営戦略的リスクについて

当社グループの成長戦略の一つとして、新規事業創出を掲げており、「M&A活用による事業拡大」、「新規テーマ創出の仕組み構築」に向けた取り組みを強化しております。M&A等外部の経営資源獲得に当たっては、慎重に検討を行い、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に限り実行いたします。しかしながら、期待したシナジー効果が創出できなかった場合や、買収した事業における製品・サービス等の需要を維持できない場合等により、期待する成果が得られない可能性があります。

また、研究開発部門を中心として新規テーマに取り組んだ結果、市場環境の変化や技術革新、消費者ニーズの変化等により、そのテーマの事業化が困難と判断した場合は、研究開発等に要したコストが回収されず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は29億円であります。

 

(2) 製品・サービスの安全性、品質について

当社グループは「品質第一主義 優良品の提供」を事業の根幹に置き、より安心・安全で、より快適な、魅力ある製品とサービスの提供のために、徹底した安全性と品質の確認を実施しております。しかしながら当社グループの製品の重大な品質トラブルや、当社グループの商業施設やスポーツクラブ内においてお客様の事故が発生した場合には、該当する製品・施設のみならず、当社グループの社会的信用やブランドイメージにも重大な影響を与え、売上高の減少によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 競合他社との競争について

当社グループの各事業分野における製品・サービスは、国内外の市場で競合他社との激しい競争にさらされております。当社グループの競合先には、各事業分野でのシェアの優位性の他、研究開発や製造、販売面で有力な企業が存在しております。

当社グループは、当社が持つ強みを更に強化し、当社しかできない「ここちよさ」をお客さまに提供するグローバル企業として社会に貢献することを経営ビジョンに掲げ、人々のクオリティ オブ ライフ(QOL)の向上に貢献する健康・医療関連分野を成長の核とするとともに、集中と結集によりそれぞれの分野で業界オンリーワンの地位を確立することを経営目標とし、これら競合他社との差異化を図るべく、商品開発、生産・販売革新及び提供サービスの向上を行っております。

しかしながら、競合他社が提供する商品・サービスに対して当社グループが適切に対応できず、当社グループが提供する製品・サービスが競合他社に劣後した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 情報セキュリティについて

当社グループは、事業に関連する情報の大部分を電子データとして保有し、セキュリティ対策を施したIT機器、ソフトウエア、ネットワークインフラ環境で運用しております。またアパレル事業の公式通販サイトの顧客情報、スポーツクラブや商業施設の会員情報といった個人情報に対しては、アクセスできる端末・人を限定しております。

各種情報の取り扱いに関し、「ITセキュリティ方針」を定め、各種のセキュリティ対策を施し、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約などを行い、その管理に万全を期しておりますが、外部からのサイバー攻撃やウイルス感染等、予期せぬ事態により重要情報が漏えいまたは不正使用された場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、更には損害賠償責任の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 人財確保について

我が国の労働力人口は減少傾向にあり、労働市場における人財獲得競争は近年益々激しさを増しており、当社グループでも優秀な人財の確保が課題となっております。特に当社は、50歳以上が45%を占める従業員構成となっており、技術革新による効率化を推進する一方で、継続的な一定数の人財確保と活性化が事業継続と成長、技術伝承には必要不可欠となっております。

また開発・生産・販売の各活動において、多様な資質の高い人財を採用し、 自律性・挑戦性ある人財への育成とその後の活用を図って参りますが、十分な人財確保ができず、事業を担い新たな価値を創造する人財の育成ができなかった場合、当社グループの成長性と将来における経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

 

(6) 固定資産の減損について

当社グループは固定資産の減損に係る会計基準を適用しています。投資判断については事業部門ごとにWACC(加重平均資本コスト)を設定し、低収益事業への投資に歯止めをかけておりますが、当社グループが保有する固定資産について、投資判断時に想定できなかった水準で経営環境が著しく悪化し、収益性の低下や市場価格の下落等により期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、設備投資により計上した固定資産や、M&Aにより計上したのれんの減損処理により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度においては、スポーツクラブ分野の競争激化に伴い、店舗のうち営業活動から生じるキャッシュ・フローが継続してマイナスとなる資産グループについて、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減少額8億円を減損損失として特別損失に計上しております。

なお、当連結会計年度末時点で当社グループが保有している有形固定資産は679億円、無形固定資産は17億円であります。

 

 

(7) 訴訟リスクについて

当社グループは、事業を遂行していくうえで、知的財産権、製造物責任、環境、労務等、様々な訴訟を提起される可能性があります。万一当社グループが訴訟を提起された場合、また訴訟の結果によっては、損害賠償責任の発生等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) ライセンス契約に関連するリスク

当社グループは、アパレル部門において国内外企業が所有する商標等知的財産権の使用許諾を得て製造・販売している製品がありますが、不測の事由によりライセンス契約が継続できない状況が発生し、当該製品の製造・販売ができなくなった場合、売上高の減少等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) メディカル事業のコンプライアンスリスク

当社グループのメディカル分野は、生体吸収性材料を中心とした医療機器の開発、製造、販売を行っております。これらの製品の品質維持や研究開発体制については、コンプライアンスの担保が求められており、高い倫理性と公共性が求められる医療関連企業の一員として、 日本医療機器産業連合会が策定する「医療機器業界における医療機関等との透明性ガイドライン」 および医療機器業公正取引協議会が定める「医療機器業公正競争規約」とそれらの精神に従い、 医療機関等との関係の透明性に関する企業方針として、「医療機関等との関係の透明性に関する指針」を公表しております。

これらを遵守するために、リスクマネジメント委員会での重点管理を推進しておりますが、法令違反等が発生した場合、取引先からのペナルティや品質不良問題が発生した際には多額の補償費が発生する可能性が高く、当社グループの経営成績、財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(10) プラスチック使用規制強化に伴うリスク

昨今の海洋プラスチック問題に対する国際的意識の高まりから、使い捨てプラスチックに対する規制強化の流れが加速しており、当社としても「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のプラスチック資源循環基本方針を策定し、プラスチック包装材料等を製造販売、使用する企業として、事業を通じてプラスチックの3R+Renewableを推進し、CSV経営により社会的責任を果たしてまいる所存であります。

しかしながら、プラスチックを大量に使用する製品に対する社会の目は厳しくなっており、当社グループのプラスチック包装材料等に関する施策を上回るスピードでプラスチック代替品が普及した場合、売上高の減少・在庫の増加などにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 保有不動産の環境汚染によるリスク

当社グループが所有する不動産について、土壌汚染等環境問題が判明した場合には資産価値の毀損や多額の対策費用が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、PCBやアスベスト等建物に関して有害物質が使用されている場合には、解体費用や処分等多額の費用が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(財務上のリスク)

(1) 為替相場の変動

当社グループの取引には外貨による輸出・輸入が含まれており、外国為替レートの変動の影響を受けます。特に海外からの原材料・商品等の仕入については、その多くが米ドルでの決済となることから、当社グループにおいては米ドルの為替変動による影響が大きくなっております。そのため為替予約等により為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、そのリスクを全て排除することは不可能であります。また外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社等の財務諸表の円貨換算額についても外国為替レートの変動の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(2) 投資有価証券の価格変動

当社グループは取引関係の維持・強化を目的として一部の取引先について株式を所有しております。これらのいわゆる政策保有株式については、配当や当社利益への貢献度と保有コストの観点から、2021年3月末までに金額ベースで2018年3月末比30%の削減を目指しております。しかしながらこれらの投資有価証券は金融商品会計基準に基づき時価評価を行っており、保有銘柄の株価が著しく下落した場合、基準に基づき減損処理を実施しております。また、減損に至らない場合でも時価の変動により包括利益は大きく変動することが考えられるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度末時点において当社グループが保有している時価のある有価証券は145億円であります。

 

(3) 退職給付債務

当社グループの退職給付制度の一部は、確定給付型制度を採用しております。退職給付債務については安全性の高い長期の債券の利回りを基準とした割引率に基づいて算定しており、金利の変動は退職給付債務に影響を与えます。また、確定給付型年金制度における年金資産はその一部を株式等のリスク資産に投資しており、株式市場の下落等により、その運用利回りは悪化する可能性があります。このように長期金利の変動及び株式市場の下落等運用環境の悪化は、退職給付債務の増加につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループが連結貸借対照表に計上した退職給付に係る負債は当連結会計年度末時点で54億円であります。

 

(4) 資金の流動性に関するリスク

当社グループは、事業資金の一部を主に金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行等により調達しており、金融市場の不安定化や金利上昇、または格付機関による当社グループの信用格付けの引下げが行われた場合等には、資金調達に大きな制約が出る、もしくは資金調達コストが大幅に増加し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末時点で当社グループが連結貸借対照表に計上しているコマーシャル・ペーパーを含む長短借入金の残高は246億円であります。

 

(外部環境に起因するリスク)

(1) 市場トレンドや消費者の嗜好変化について

当社グループのアパレル事業は、市場トレンドや消費者の嗜好の変化に的確に対応するために、フレキシブルに対応する生産構造の変革に取り組んでおりますが、消費者の嗜好及び需要が想定外に変化し、市場動向の判断を誤った場合は売上高の減少・在庫の増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業展開国のカントリーリスクについて

当社グループは、中国、東南アジアを中心に海外に生産・販売拠点を設置しております。海外事業所においては、リスクマネジメント委員会を通じガバナンス体制を強化しておりますが、事業展開する海外各国において、法律・規制の大きな変化、政治・経済状況の急激な変化、テロや戦争、知的財産権訴訟、疾病といった予測し難い事態が生じ、事業活動に大きな影響を受け、事業継続が困難になった場合、海外での事業活動の停滞や不測の事態による損害の発生等、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

また、当社は海外関係会社の銀行借入などに対して債務保証を行っており、海外関係会社の事業継続が困難になった場合には、当該保証の履行により当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。当連結会計年度末における当社グループの海外関係会社に対する債務保証の残高は5億円であります。

 

 

(3) 天候不順について

当社グループのアパレル事業は、お客様に心からここちよいと感じていただくために、インナーウエアではCool MagicやHot Magicといったシーズンに応じた涼感、保温等の機能性を高めた商品を展開しております。冷夏・暖冬等の天候不順となった場合は、当社製品の機能性のニーズは減少し、販売量は想定を下回る可能性があります。

また、プラスチック事業においては、飲料用途向けシュリンクラベルを生産し、飲料メーカーに販売しておりますが、最需要期の夏場において、長雨等でレジャー、イベント等の消費動向が低調となり、飲料の販売量が低迷する場合は、売上高の減少・在庫の増加などにより当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

(4) 原材料価格の変動

当社グループはメーカーとして、アパレル事業のインナーウエア分野、レッグウエア分野は原糸(綿糸・合繊糸)、機能ソリューション事業のプラスチック分野、エンジニアリングプラスチックス分野はプラスチック樹脂、メディカル分野は生分解性高分子材料等多岐にわたる原材料を購入し、それぞれの事業を通じて製品化しております。原材料価格は市況により変動するため、原材料価格が高騰した場合は原価高となり採算性が悪化し、製品価格に転嫁できない場合には、製品の収益性が低下することにより当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

 

(5) 自然災害の発生

当社グループは、機能ソリューション部門およびアパレル部門において国内外に生産工場等の事業所を配置しております。それぞれにおいて自然災害に対する被害・損害を最小限にするための防災、減災に努めていますが、想定を上回る大規模な地震や台風、洪水等の自然災害の発生により、生産拠点や物流拠点が被災した場合、別拠点からの商品供給のバックアップ対応を行うものの、一部商品については供給がストップするなどサプライチェーンに支障を来す可能性があります。また、ライフクリエイト部門の商業施設においては、商品の納品遅れや、施設の一時的な休館が生じる場合、テナントの売上高が減少するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新型コロナウイルス感染症拡大の影響

新型コロナウイルス感染症対策については、リスクマネジメント委員会において課題を討議し、全社的な考え方をまとめた上で、所管の機能部門で具体策を検討し、事業部門に対して適宜対応を指示しており、政府の緊急事態宣言以前からリモートワークを推進するなど事前のリスク対策を実施した結果、業務に大きな支障を発生させることなく事業運営体制を維持しております。

しかしながら、当社グループの各事業分野において当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼしております。アパレル事業のインナーウエア、レッグウエア分野においては国内での非常事態宣言を受け、外出自粛、ステイホームの影響により、総じて販売が低迷しております。またライフクリエイト事業においては、商業施設の休館に伴うテナント売上減少等により賃料収入が減少、スポーツクラブ分野は政府の緊急事態宣言を受け休館等により大変厳しい状況となっております。これらの新型コロナウイルスの感染拡大による当社グループ全体の経営成績及び財政状態への影響は現段階では合理的な算定が困難であるため、次期の業績予想も未定としておりますが、事態が長期化又は更なる感染拡大が進行すれば、原材料確保の困難、または原材料価格の高騰等が生じ、また販売不振が長期化し、当社グループの経営成績及び財政状態にさらに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

我が国の経済状況は、「平成」から「令和」へと時代が変わる大きな歴史の転換点の中で、前半は企業業績や雇用環境の改善等を背景に全体としては緩やかな回復基調にあったものの、10月の消費増税、米中貿易摩擦の長期化、令和元年東日本台風(台風19号)など大規模自然災害の発生や暖冬などのマイナス要因に加えて、年明けからの新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けて、当社を取り巻く環境は大きく変化しております。

このような状況において、当社グループでは、中期経営計画「CAN20第2フェーズ」の3年目を迎え、『集中と結集』をキーコンセプトに、「セグメント別事業戦略」「新規事業創出」「経営基盤強化」の3つの基本戦略への取り組みを進めました。

機能ソリューション事業は、半導体市場の低迷による影響を受けましたが、M&Aによる効果もあり増収となりました。アパレル事業は、消費増税後の消費マインドの低下や、大型台風等の自然災害、暖冬、及び新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けましたが、事業体質改善により営業増益となりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は140,311百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は6,746百万円(前年同期比0.8%増)、経常利益は6,868百万円(前年同期比4.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,387百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

機能ソリューション事業

プラスチックフィルム分野は、ナイロンフィルムが堅調に推移したものの、OPPフィルムや多層シートは市況の影響を受け苦戦しました。エンジニアリングプラスチックス分野は、半導体市場向け及び産業機器向けは苦戦しましたが、OA向け製品が引き続き堅調に推移しました。電子部品分野は、中国内販は堅調に推移しましたが、フィルム販売は減少しました。メディカル分野は、株式会社メディカルユーアンドエイの子会社化により増収となりましたが、米国向け縫合補強材の減少と治験費用等の増加影響を受けました。

以上の結果、機能ソリューション事業の売上高は56,361百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は6,120百万円(前年同期比0.6%減)となりました。

 

アパレル事業

アパレル事業全体では、消費増税後の消費マインドの低下や、大型台風等の自然災害、暖冬、及び新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け苦戦しましたが、インナーウエア分野では、メンズインナーのBODYWILD「AIRZ」とYG「カットオフ」や、レディスインナーのKIREILABOを中心に順調に推移し、レッグウエア分野を含めた商品開発力強化により、収益性が向上しました。

以上の結果、アパレル事業の売上高は69,491百万円(前年同期比4.3%減)、営業利益は2,743百万円(前年同期比9.4%増)となりました。

 

ライフクリエイト事業

不動産関連分野では、ショッピングセンター事業は消費増税や新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けましたが、地域に密着した取り組みや、賃貸事業における新規物件が貢献しました。スポーツクラブ分野では、会員数の減少に歯止めがかかったものの、新型コロナウイルス感染拡大による影響を大きく受けました。

以上の結果、ライフクリエイト事業の売上高は14,945百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は1,187百万円(前年同期比4.4%減)となりました。

 

 

② 財政状態の概況

総資産は166,633百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,998百万円減少しました。主な増加要因は、プラスチックフィルム分野でのベトナム新工場建設等による建設仮勘定の増加4,354百万円であり、主な減少要因は、保有株式の時価下落や政策保有株式の売却等による投資有価証券の減少3,579百万円、投資その他の資産その他の減少2,275百万円(出資金等)であります。

負債は57,494百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,069百万円減少しました。主な減少要因は、コマーシャル・ペーパーを含む長短借入金の減少1,042百万円であります。

純資産は109,139百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,929百万円減少しました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加4,387百万円であり、主な減少要因は、その他有価証券評価差額金の減少2,842百万円、配当による減少1,995百万円、自己株式の取得による減少1,964百万円であります。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

機能ソリューション事業のセグメント資産は54,073百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,310百万円増加しました。主な増加要因は、株式会社メディカルユーアンドエイの子会社化による売上債権や棚卸資産の増加およびプラスチックフィルム分野でのベトナム新工場建設等による建設仮勘定の増加等であります。

アパレル事業のセグメント資産は53,995百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,091百万円減少しました。主な減少要因は昨年度末が休日であったこと等による売上債権の減少等であります。

ライフクリエイト事業のセグメント資産は33,908百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,087百万円減少しました。主な減少要因はスポーツクラブ分野の競合激化により、減損損失を計上したことに伴う固定資産の減少等であります。

また、各報告セグメントに配分していない全社資産の調整額は24,656百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,130百万円減少しました。主な減少要因は保有株式の時価下落や政策保有株式の売却等による投資有価証券の減少等であります。

 

③ キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,165百万円増加し、9,267百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。

営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して2,196百万円増加し、13,688百万円となりました。主なキャッシュ・インの要因は税金等調整前当期純利益5,899百万円、減価償却費6,390百万円、売上債権の減少3,385百万円であり、主なキャッシュ・アウトの要因は法人税等の支払額2,174百万円であります。

投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して888百万円増加し、8,262百万円となりました。主なキャッシュ・アウトの要因は機能ソリューション事業の設備投資など固定資産の取得による支出9,599百万円、主なキャッシュ・インの要因は固定資産の売却による収入2,195百万円であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して597百万円増加し、4,886百万円の支出となりました。主なキャッシュ・インの要因は長期借入れによる収入1,643百万円であり、主なキャッシュ・アウトの要因は長期借入金の返済による支出2,454百万円、配当金の支払い1,989百万円、自己株式の取得による支出1,487百万円であります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

機能ソリューション事業

36,617

△2.3

アパレル事業

40,877

△6.2

合計

77,495

△4.4

 

(注) 1.上記金額は、製造原価ベースで表示しており、外注生産高を含んでおります。

2.上記生産実績以外に、下記の商品仕入高があります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前期比(%)

機能ソリューション事業

3,104

1,103.4

アパレル事業

6,911

△11.2

ライフクリエイト事業

2,588

△2.6

合計

12,605

17.8

 

(注)当連結会計年度、機能ソリューション事業における商品仕入高に著しい変動がありました。これは、㈱メディカルユーアンドエイの株式を取得し、子会社化したことによるものです。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当社及び連結子会社は、機能ソリューション事業に含まれる機械類を除き、原則として見込生産であります。

機能ソリューション事業に含まれる機械類の受注高、受注残高は下記のとおりであります。

 

区分

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

機能ソリューション事業に含まれる機械類

2,827

△5.1

733

△29.6

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

機能ソリューション事業

56,361

5.9

アパレル事業

69,491

△4.3

ライフクリエイト事業

14,945

△2.2

小計

140,798

△0.2

内部売上控除

△487

合計

140,311

△0.3

 

(注) 1.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える販売先はありません。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、中期経営計画「CAN20」を策定し、「集中と結集」をキーコンセプトとして、計画期間を第1フェーズ(2014年度~2016年度)と第2フェーズ(2017年度~2021年度)に分け、グループ経営ビジョンの実現に向け取り組みを進めています。CAN20第2フェーズ最終年度の2021年度経営目標はグループ売上高1,500億円、営業利益80億円、親会社株主に帰属する当期純利益56億円、ROE(自己資本利益率)5%以上としております。

中でもROEをグループ重点指標として掲げ、その向上に取組んでおり、昨年度から、資本コスト経営として、①投下資本、②投下資本収益率(ROIC)、③加重平均資本コスト(WACC)の視点を経営管理に加え、業績についても投下資本に対する資本コストを踏まえた経済的付加価値指標「GVA(GVA=Gunze Value Added)」による評価を導入し、全社的なマインドチェンジに取り組んでおります。

当連結会計年度は、アパレル事業において、消費増税後の消費マインドの低下や、大型台風等の自然災害、暖冬、及び新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けたものの、事業体質改善により営業増益を達成したことに加えて、政策保有株式については配当や当社利益への貢献度と保有コストの観点から一部の株式売却を進める等、投下資本の削減に取り組みました。その結果、ROEは4.0%(前年同期3.7%)、ROA(総資産営業利益率)は4.0%(前年同期3.9%)と改善しました。

 

(CAN20第2フェーズの経営成績推移)

(単位:億円)

 

 2017年度
(2018年3月期)
 

 2018年度
(2019年3月期)
 

 2019年度
(2020年3月期)
 

2020年度
(2021年3月期)
  業績予想※2

 2021年度
(2022年3月期)
目標

売上高

1,405

1,407

1,403

1,500

営業利益

62

66

67

80

営業利益率

4.4%

4.8%

4.8%

5.3%

当期純利益※1

34

40

43

56

ROA

3.7%

3.9%

4.0%

4.7%

ROE

3.2%

3.7%

4.0%

5.0%

 

※1.当期純利益=親会社株主に帰属する当期純利益

※2.2020年度(2021年3月期)の業績予想は現時点では未定

 

(新型コロナウイルス感染症に関する現在の状況について)

2020年4月7日、政府の「緊急事態宣言」により、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づく外出自粛要請・ステイホームが呼びかけられるなか、新型コロナウイルス感染拡大による影響は当社グループにも大きな影響を与えています。中でも、アパレル事業のインナーウエア、レッグウエア分野においては店頭販売が減少し、ライフクリエイト事業において運営しておりますスポーツクラブおよび温浴施設は、6月以降順次再開しているものの、5月までの全館臨時休館の影響もあり、売上高が大きく減少しております。

海外を含む生産活動については、今のところサプライチェ-ンに大きな支障はなく、複数ラインでの生産体制により製品供給に問題はないと認識しております。

財政状態については運転資金は自己資金の充当およびコマーシャル・ペーパーの発行により調達しておりますが、コマーシャル・ペーパーについては発行枠300億円(当連結会計年度末発行残高66億円)を有しており、これ以外にもコミットメントライン50億円(借入実行残高なし)および取引銀行における当座貸越(借入実行残高なし)においても十分な枠を保有しているなど、当面の資金調達については十分な余力を有していると判断しております。事態が長期化又は更なる感染拡大が進行すれば当社グループの財政状態にも少なからず影響を及ぼす可能性があることから、状況の変化に応じて新規の資金調達枠についても適宜、検討してまいる予定です。

今後も新型コロナウイルス感染拡大に関する情報収集および対応を継続的に実施し、その影響の極小化に努めるとともに、「新しい生活様式」等、「アフターコロナ」での社会構造変化に対応した事業運営に取り組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。

当社グループは、企業価値向上に向けて安定的財務基盤を維持しながら資本効率を向上させることを財務戦略の基本方針としております。

安定的財務基盤を維持するために自己資本比率および有利子負債/EBITDA倍率について適正値を定め、事業資金の財源確保を図っております。有利子負債については、長期資金による調達比率50%程度を目安とし、長期資金については銀行借入、短期資金についてはコマーシャルペーパー(CP)を中心に安定有利調達に努めております。

また、地域別の調達体制としては、国内グループは親会社を中心としたCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)、海外グループはプーリング取引により資金の集約化を図るとともに、取引銀行との間で協調融資型特定融資枠契約(コミットメントライン契約)を締結することにより、過剰に手元流動性を確保することなく安定的な資金調達を実現しております。

資本効率向上については、運転資本の圧縮、資本コストを加味した投資採算性の検証等により、総資産営業利益率の向上に努めるとともに、現在の中期計画「CAN20第2フェーズ(2017年度~2021年度)」期間中は連結総還元性向((配当+自己株式取得)÷連結当期純利益)100%(多額の投資がある場合は除く)を目標値とし株主還元を進めてまいります。

このような方針のもと、当連結会計年度は、順調な業績向上による営業キャッシュ・フロ-を獲得(136億円)し、設備投資や株主還元資金について自己資金で調達したことに加えて、有利子負債の削減(11億円)を実施することができました。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(新型コロナウイルス感染症に関する現在の状況について)」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計方針及び見積り及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。

a. 有形固定資産、無形固定資産

当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しています。この判定は、事業用資産についてはグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っています。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えていますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。

新型コロナウイルス感染拡大による影響は、当社グループの事業活動にも大きな影響を及ぼしています。当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響を将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りに反映するにあたり、主として次のような仮定を置いております。現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、不確実性の極めて高い環境下にあり、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

・新型コロナウイルス感染症の収束時期は不確実であり予測が困難ですが、当社グループは、最善の見積りを行う上で、2021年3月末までに収束するシナリオを想定しています。

 

b. 繰延税金資産

当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されています。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断していますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。

新型コロナウイルス感染拡大による影響は、当社グループの事業活動にも大きな影響を及ぼしています。当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響を将来の課税所得の見積りに反映するにあたり、主として次のような仮定を置いております。現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、不確実性の極めて高い環境下にあり、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

・新型コロナウイルス感染症の収束時期は不確実であり予測が困難ですが、当社グループは、最善の見積りを行う上で、2021年3月末までに収束するシナリオを想定しています。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(特定融資枠契約)

当社は、機動的かつ安定的な資金調達手段の確保を目的として、2019年12月に取引銀行3行と協調融資型特定融資枠契約を締結しております(特定融資枠の額:50億円、契約期限:2020年12月)。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、プラスチックフィルム、エンジニアリングプラスチックス、電子部品、メカトロ、メディカル材料、インナーウエア・レッグウエア等衣料品、繊維資材等の各事業部門傘下での開発部門による商品開発に加え、研究開発部、QOL研究所、技術開発部において、新規付加価値商品の開発及び生産技術革新等の事業部門サポート、並びに新規事業創出に向けた技術開発や基礎研究に取り組んでおります。また、研究成果の知財権利化を進め、事業基盤強化を図っております。

当連結会計年度における研究開発費は2,953百万円であります。セグメントの主な研究開発活動及び研究開発費の金額は次のとおりであります。

 

(1)機能ソリューション事業

プラスチックフィルム分野では、コア技術である多層押出延伸技術をベースに高付加価値包装フィルム及び新規分野への展開を目指した取り組みを行っております。また、SDGs対応として環境対応プラスチックフィルムの開発に対しても積極的に取り組んでおります。

エンジニアリングプラスチックス分野では、複写機・プリンター用機能性ベルトで培ったフィラー分散技術を生かした高機能部材研究や、フッ素樹脂の特性を生かした医療用具向け製品で、産業資材への展開を進めております。

電子部品事業では、独自のコーティング技術を利用し光学フィルム材料を開発しており、差異化商品群を創出すべく取り組んでおります。

メディカル分野では、「人々のクオリティ オブ ライフ(QOL)」の向上に寄与するために、生体吸収性高分子の機能を活かした、患者自身の組織に置き換わる血管、軟骨、半月板、乳房等再生医療を実用化する医療機器の研究開発を進めています。

また、機能ソリューションの各事業が持つ技術をベースに新たな環境対応のフィルムを研究開発部門で積極的に推進しております。新たな柱商品となるべく今後とも社内保有技術の更なる活用と新市場創出を目指す取り組みに注力してまいります。

さらに、生産部門支援としてデジタル技術等を導入し各事業部門の生産工程革新につながる製造技術・装置の研究開発に加え、新機能性商品に関するオリジナル製造装置の研究開発に取り組んでおります。

当該セグメントに係る研究開発費は2,380百万円であります。

 

(2)アパレル事業

衣料品分野では、「お客さまのためのここちよさの追求」をキーワードに、人の生理学的研究とこれまで蓄積した多くの繊維加工技術を活かした快適インナーの開発を進めております。また、無縫製商品群の拡大を継続的に推進する為に、独自に開発した接着縫製技術を更に進化させるべく取り組んでおります。

更に、衣料製品の技術を活用して医療に貢献するメディカル衣料(衣療)プロジェクトは、様々なニーズに対応し手術後患者様等のQOL向上に貢献すべく取り組んでおります。

また従来のアパレル商品の快適性・品質・安全性評価に加え、培養皮膚キットを用いた化学的刺激について安全性評価も行っており、より安全・安心・快適な商品開発に努めております。

当該セグメントに係る研究開発費は572百万円であります。