文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは創業以来、「人間尊重と優良品の生産を基礎として、会社をめぐるすべての関係者との共存共栄をはかる」という創業の精神を変えてはならない経糸(たていと)とし、社会からの期待に誠意をもって柔軟に応えることを緯糸(よこいと)とし、様々な製品やサービスの提供を通じて時代に求められた社会課題の解決に取り組み、それぞれの分野で業界オンリーワンを目指しております。
(2) 中期的な経営戦略
当社グループは、2014年6月に2021年3月期までの中期経営計画「CAN20」を発表しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による経営への影響を鑑み、中期経営計画の最終年度を2022年3月期まで延長することとしました。
中期経営計画「CAN20」では、2014年度~2016年度を第1フェーズ、2017年度~2021年度を第2フェーズとし、3つの基本戦略である①セグメント別事業戦略、②新規事業創出、③経営基盤強化の強力推進により、グル-プ経営ビジョンである「グンゼしかできない「ここちよさ」をお客さまに提供するグローバル企業としての社会貢献」の実現に注力しております。セグメント別事業戦略では、『集中と結集』をキーコンセプトにしたSBU(戦略ビジネスユニット)分類評価により重点事業領域を明確化し、リソースの傾斜配分により既存事業の再成長の実現を目指しております。新規事業創出では、組織横断でのCFA(クロス ファンクショナル アプローチ)プロジェクトにより当社グル-プの経営資源を組み合わせて効率的に新規事業を創出・育成し、QOL(クオリティ オブ ライフ)の向上に貢献する健康・医療分野などの事業拡大に取組んでおります。また、経営基盤強化では、コア技術力・人財力・グローバル対応力・コーポレートブランド価値など無形資産の強化に努めております。
(CAN20第2フェーズ3つの基本戦略)
①セグメント別事業戦略
・機能ソリューション事業の成長回帰
メディカル事業の継続的成長、セグメントの連携強化による新規領域への挑戦
(フィルム事業の再構築、社内外コラボレーション推進による新規ビジネスの創出)
・アパレル事業の成長加速
新規販路・売場の拡大戦略(国内ECビジネスのシステム再構築など)
差異化技術・商品/ブランド/売場編集力の強化による成長加速(レディース分野の積極拡大など)
・ライフクリエイト事業の安定的拡大
現行ビジネスの強靭化を進めるとともに、安定的な事業拡大を図る
(ショッピングセンター事業の強化)
②新規事業創出
・第1フェーズプロジェクトの事業化促進
健康・医療事業拡大(メディキュア(メディカル衣料)・医療向け高機能ワイヤーの拡大)
新規事業の創造(2つの事業枠組み(高機能テキスタイル・シート部材)で新規事業創出戦略を推進)
・M&A活用による事業領域拡大
シナジー性を踏まえたM&A(アパレル小売事業の拡充、メディカル分野の関連領域拡大)
・新規テーマ創出の仕組み構築
第1フェーズの反省を踏まえ、新規事業創出の取り組みを強化
ストレッチプラン(新規ビジネス創出を促進する新しい取り組み)による事業部門での新規領域への挑戦
現行市場に拠らない新ビジネスの探索
③経営基盤強化
・生産基盤の強化による競争力の向上
現場力強化による強靭な生産体制の構築
(品種構成変化を先取りした生産対応力の強化、生産難易度に左右されない生産効率の追求)
・経営体質の強化
これからの社会に貢献し続けられる会社に
これからのライフスタイルに対応し続けられる会社に
(3) 目標とする経営指標
CAN20第2フェーズ最終年度の2021年度経営目標はグループ売上高1,500億円、営業利益80億円、親会社株主に帰属する当期純利益56億円、ROE5%以上としております。
中でもROE(自己資本利益率)をグループ重点指標として掲げ、その向上に取組んでおり、資本コスト経営として、①投下資本、②投下資本収益率(ROIC)、③加重平均資本コスト(WACC)の視点を経営管理に加え、業績についても投下資本に対する資本コストを踏まえた経済的付加価値指標「GVA(GVA=Gunze Value Added)」による評価を導入し、全社的なマインドチェンジに取り組んでおります。
今後も急速に変化する状況に応じて必要な対策を実施し、組織のバインド力(結束力)を高め、全構成員が一丸となり目標達成を目指してまいります。
(4) 当社グループの対処すべき課題
日本経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛、休業要請等に加えて緊急事態宣言発令の影響により、個人消費や企業活動が著しく制限されております。今後はワクチン接種の本格化に伴い、収束に向かう方向にあると考えていますが、当面は引き続き、経済へのマイナス影響は避けられないと考えております。
これに対して当社グループでは、以前より取り組んできたIT、AI活用含む生産革新、環境対応、資本コスト経営、EC等成長チャネル・分野へのシフトを加速させるとともに、新しい時代に合致した働き方改革を推進し、競争力を更に強化してまいります。
(資本コスト経営)
当社グループでは資本コスト経営として、ROEの改善を重視した取り組みを行っております。当社グループのROE水準は2020年度については新型コロナウイルス感染症拡大の影響により悪化しておりますが、前述の経営管理指標への導入や評価を通じて改善のための基盤整備は進んでおります。引き続き事業ポートフォリオの見直しや経営資源の配分、政策保有株式への対応、また事業部門別WACCによる事業特性別投資判断基準の明確化等対策を講じています。次期中期経営計画でのGVA黒字化、株主資本コストを上回るROEの達成に向けて取り組んでまいります。
(セグメント別戦略課題)
機能ソリューション事業では、プラスチックフィルム分野は環境対応型新商品の市場投入に加え、国内ではサーキュラーファクトリー(資源循環型工場)実現に向けたプロジェクトを推進します。また、デジタル技術導入・横展開により生産革新を進める一方、米国・中国を中心とした海外拡販を強化してまいります。エンジニアリングプラスチックス分野は、主力のOA市場向け製品のシェア拡大に加え、健康・医療関連ならびに産業機器向け製品の拡販を目指します。メディカル分野は、米国・中国を海外事業重点拠点として販売を強化するとともに、国内では2019年度に子会社化した株式会社メディカルユーアンドエイを活用した拡販と次期大型新商品の上市を目指します。
アパレル事業では、消費行動変化に伴い伸長加速しているECチャネルで更なる拡販を強化するとともに、Withコロナに対応したデジタル営業改革を推進します。インナーウエア分野は、消費者ニーズの天然素材回帰、カジュアル化、健康志向に即した新素材・新商品をYG、BODYWILDブランド等で投入するとともに、差異化ファンデーションの展開強化を通じてレディスインナーの拡販を図ります。レッグウエア分野は、消費者ニーズの変化に基づく市場対応力を強化し、レギンス・ボトムカテゴリーの新商品を積極的に展開するとともに、最適生産体制によるコスト構造改革を推進します。
ライフクリエイト事業では、商業施設の収益力向上の推進や投資効率を重視した物件別管理を強化してまいります。また、スポーツクラブ分野は、新型コロナウイルス感染拡大による影響が当面継続すると想定されますが、感染防止対策を万全にした上で、地域・店舗特性に合わせた会員拡大策を講じてまいります。
(サステナブル経営)
当社グループは持続的な成長を図り、企業価値を高めるため、SDGs・CSV経営を見据え、以下の課題に取り組んでまいります。
①QOLの向上への貢献(健康・福祉への貢献)
②緑豊かな環境づくりと環境問題対応
③職場環境改善・働き方改革
④より良いコミュニティ・社会づくり
⑤プラスチック資源循環戦略の推進(資源循環基本方針に基づく推進)
1. 当社グループのリスクマネジメント体制
当社グループにおいて発生しうるリスクの防止に係る管理体制の整備及び発生したリスクへの対応について「リスク管理規程」を定めております。
本規程ではリスクを「企業の妨げとなる可能性のある、社内外から受ける不確実な危険性であって、当社グループの経営にとってマイナスの結果をもたらす可能性のあるもの」と定義し、ステークホルダーに対する責任及び影響に鑑み、リスクを可能な限り排除することを基本方針としております。ただし、関係法令、社内諸規則及び社会秩序に反しない限りで、事業遂行に必要と認められるときは、適切なリスクを取ることがあります。
当社グループにおいて、リスクが事象として発生した際には、ステークホルダーに対する影響を最小限にとどめることを第一の目的とし、以下の行動を実施いたします。
(1) 当該リスクに対する方策の迅速な実施
(2) 当該リスクの発生の原因究明及び適切な再発防止策の策定
(3) ステークホルダーに対しての適切な情報提供
また、当社グループでは、必要に応じコンプライアンス担当責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会を開催し、リスク事象の発生、採られた又は採られる予定の措置、リスク予防などについて協議しております。
現在、海外子会社ガバナンス、個人情報保護、メディカル部門のコンプライアンスを重点リスク管理分野として取り組んでおりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響も踏まえながら重点リスクについては適宜見直しを行って参ります。
2. 主要リスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(事業運営上生じうるリスク)
(1) 経営戦略的リスクについて
当社グループの成長戦略の一つとして、新規事業創出を掲げており、「M&A活用による事業拡大」、「新規テーマ創出の仕組み構築」に向けた取り組みを強化しております。M&A等外部の経営資源獲得に当たっては、慎重に検討を行い、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に限り実行いたします。しかしながら、期待したシナジー効果が創出できなかった場合や、買収した事業における製品・サービス等の需要を維持できない場合等により、期待する成果が得られない可能性があります。
また、研究開発部門を中心として新規テーマに取り組んだ結果、市場環境の変化や技術革新、消費者ニーズの変化等により、そのテーマの事業化が困難と判断した場合は、研究開発等に要したコストが回収されず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社グループは、経営の効率化及び競争力強化のため、子会社や関連会社を含めた不採算事業の構造改革や製造・販売・物流拠点の再編等、事業の再構築を行うことがあります。これらの施策を実施する場合、一時的な損失の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 製品・サービスの安全性、品質について
当社グループは「品質第一主義 優良品の提供」を事業の根幹に置き、より安心・安全で、より快適な、魅力ある製品とサービスの提供のために、徹底した安全性と品質の確認を実施しております。しかしながら当社グループの製品の重大な品質トラブルや、当社グループの商業施設やスポーツクラブ内においてお客様の事故が発生した場合には、該当する製品・施設のみならず、当社グループの社会的信用やブランドイメージにも重大な影響を与え、売上高の減少によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 競合他社との競争について
当社グループの各事業分野における製品・サービスは、国内外の市場で競合他社との激しい競争にさらされております。当社グループの競合先には、各事業分野でのシェアの優位性の他、研究開発や製造、販売面で有力な企業が存在しております。
当社グループは、当社が持つ強みを更に強化し、当社しかできない「ここちよさ」をお客さまに提供するグローバル企業として社会に貢献することを経営ビジョンに掲げ、人々のクオリティ オブ ライフ(QOL)の向上に貢献する健康・医療関連分野を成長の核とするとともに、集中と結集によりそれぞれの分野で業界オンリーワンの地位を確立することを経営目標とし、これら競合他社との差異化を図るべく、商品開発、生産・販売革新及び提供サービスの向上を行っております。
しかしながら、競合他社が提供する商品・サービスに対して当社グループが適切に対応できず、当社グループが提供する製品・サービスが競合他社に劣後した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(4) 情報セキュリティについて
当社グループは、事業に関連する情報の大部分を電子データとして保有し、セキュリティ対策を施したIT機器、ソフトウエア、ネットワークインフラ環境で運用しております。またアパレル事業の公式通販サイトの顧客情報、スポーツクラブや商業施設の会員情報といった個人情報に対しては、アクセスできる端末・人を限定しております。
各種情報の取り扱いに関し、「ITセキュリティ方針」を定め、各種のセキュリティ対策を施し、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約などを行い、その管理に万全を期しておりますが、外部からのサイバー攻撃やウイルス感染等、予期せぬ事態により重要情報が漏えいまたは不正使用された場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、更には損害賠償責任の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人財確保について
我が国の労働力人口は減少傾向にあり、労働市場における人財獲得競争はコロナ禍においても厳しい状況に変わりなく、当社グループでも優秀な人財の確保が課題となっております。特に当社は、50歳以上が45%を占める従業員構成となっており、技術革新による効率化を推進する一方で、継続的な一定数の人財確保と活性化が事業継続と成長、技術伝承には必要不可欠となっております。
また開発・生産・販売の各活動において、多様な資質の高い人財を採用し、 自律性・挑戦性ある人財への育成とその後の活用を図って参りますが、十分な人財確保ができず、事業を担い新たな価値を創造する人財の育成ができなかった場合、当社グループの成長性と将来における経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
(6) 固定資産の減損について
当社グループは固定資産の減損に係る会計基準を適用しています。投資判断については事業部門ごとにWACC(加重平均資本コスト)を設定し、低収益事業への投資に歯止めをかけておりますが、当社グループが保有する固定資産について、投資判断時に想定できなかった水準で経営環境が著しく悪化し、収益性の低下や市場価格の下落等により期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、設備投資により計上した固定資産や、M&Aにより計上したのれんの減損処理により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度においては、スポーツクラブ分野の競争激化に伴い、店舗のうち営業活動から生じるキャッシュ・フローが継続してマイナスとなる資産グループについて、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減少額4億円を減損損失として特別損失に計上しております。
なお、当連結会計年度末時点で当社グループが保有している有形固定資産は649億円、無形固定資産は16億円であります。
(7) 訴訟リスクについて
当社グループは、事業を遂行していくうえで、知的財産権、製造物責任、環境、労務等について、様々な訴訟を提起される可能性があります。万一当社グループが訴訟を提起された場合、また訴訟の結果によっては、損害賠償責任の発生等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) ライセンス契約に関連するリスク
当社グループは、アパレル部門において国内外企業が所有する商標の使用許諾を得て製造・販売している製品がありますが、不測の事由によりライセンス契約が継続できない状況が発生し、当該製品の製造・販売ができなくなった場合、売上高の減少等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) レピュテーションリスクについて
ソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)は社会一般に浸透しております。SNSは利用するメリットが大きい一方で、誤った使い方をするとお客様や取引先のみならず、会社や自分自身に多大な損害を与えるリスクがあります。当社グループにおいても、広告等での不適切な表現や、不適切な書き込み等がSNSを通じて拡散した場合、また、当社製品やブランド、事業活動等について誤った投稿が拡散した場合、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下につながり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) メディカル事業のコンプライアンスリスク
当社グループのメディカル分野は、生体吸収性材料を中心とした医療機器の開発、製造、販売を行っておりますが、医療機器の品質保持については、薬機法、臨床試験法、各種省令等の法令遵守が厳しく求められています。当社グループは、高い倫理性と公共性が求められる医療関連企業の一員として、法令遵守については当然のことながら、営業活動についても、日本医療機器産業連合会が策定する「医療機器業界における医療機関等との透明性ガイドライン」 および医療機器業公正取引協議会が定める「医療機器業公正競争規約」とそれらの精神に従い、 医療機関等との関係の透明性に関する企業方針として、「医療機関等との関係の透明性に関する指針」を公表しております。
これらを遵守するために、法令および社内規定の遵守をモニタリングしておりますが、法令違反等が発生した場合、法令による処罰や制裁、訴訟の提起を受ける可能性があり、社会的な信頼を失うとともに金銭的損害等により、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) プラスチック使用規制強化に伴うリスク
昨今の海洋プラスチック問題に対する国際的意識の高まりから、使い捨てプラスチックに対する規制強化の流れが加速しており、当社としても「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のプラスチック資源循環基本方針を策定し、プラスチック包装材料等を製造販売、使用する企業として、事業を通じてプラスチックの3R+Renewableを推進し、社会的責任を果たしてまいる所存であります。
しかしながら、プラスチックを大量に使用する製品に対する社会の目は厳しくなっており、当社グループのプラスチック包装材料等に関する施策を上回るスピードでプラスチック代替品が普及した場合、売上高の減少・在庫の増加などにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 保有不動産の環境汚染によるリスク
当社グループが所有する不動産について、土壌汚染等環境問題が判明した場合には資産価値の毀損や多額の対策費用が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、PCBやアスベスト等建物に関して有害物質が使用されている場合には、解体費用や処分等多額の費用が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(財務上のリスク)
(1) 為替相場の変動
当社グループの取引には外貨による輸出・輸入が含まれており、外国為替レートの変動の影響を受けます。特に海外からの原材料・商品等の仕入については、その多くが米ドルでの決済となることから、当社グループにおいては米ドルの為替変動による影響が大きくなっております。そのため為替予約等により為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、そのリスクを全て排除することは不可能であります。また外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社等の財務諸表の円貨換算額についても外国為替レートの変動の影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 投資有価証券の価格変動
当社グループは取引関係の維持・強化を目的として一部の取引先について株式を所有しております。これらのいわゆる政策保有株式については、配当や当社利益への貢献度と保有コストの観点から、2021年3月末までに金額ベースで2018年3月末比30%の削減を目指しております。しかしながらこれらの投資有価証券は金融商品会計基準に基づき時価評価を行っており、保有銘柄の株価が著しく下落した場合、基準に基づき減損処理を実施しております。また、減損に至らない場合でも時価の変動により包括利益は大きく変動することが考えられるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度末時点において当社グループが保有している時価のある有価証券は146億円であります。
(3) 退職給付債務
当社グループの退職給付制度の一部は、確定給付型制度を採用しております。退職給付債務については安全性の高い長期の債券の利回りを基準とした割引率に基づいて算定しており、金利の変動は退職給付債務に影響を与えます。また、確定給付型年金制度における年金資産はその一部を株式等のリスク資産に投資しており、株式市場の下落等により、その運用利回りは悪化する可能性があります。このように長期金利の変動及び株式市場の下落等運用環境の悪化は、退職給付債務の増加につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループが連結貸借対照表に計上した退職給付に係る負債は当連結会計年度末時点で36億円であります。
(4) 資金の流動性に関するリスク
当社グループは、事業資金の一部を主に金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行等により調達しており、金融市場の不安定化や金利上昇、または格付機関による当社グループの信用格付けの引下げが行われた場合等には、資金調達に大きな制約が出る、もしくは資金調達コストが大幅に増加し、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末時点で当社グループが連結貸借対照表に計上しているコマーシャル・ペーパーを含む長短借入金の残高は172億円であります。
(外部環境に起因するリスク)
(1) 市場トレンドや消費者の嗜好変化について
当社グループのアパレル事業は、市場トレンドや消費者の嗜好の変化に的確に対応するために、フレキシブルに対応する生産構造の変革に取り組んでおりますが、消費者の嗜好及び需要が想定外に変化し、市場動向の判断を誤った場合は売上高の減少・在庫の増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(2) 事業展開国のカントリーリスクについて
当社グループは、中国、東南アジアを中心に海外に生産・販売拠点を設置しております。海外事業所においては、事業の進捗管理や財政状態等の情報収集、内部統制の体制構築に加えて、当該事業所との密接なコミュニケーションを通してガバナンス体制を強化しております。しかしながら、事業展開する海外各国において、法律・規制の大きな変化、政治・経済状況の急激な変化、テロや戦争、知的財産権訴訟、疾病といった予測し難い事態が生じ、事業活動に大きな影響を受け、事業継続が困難になった場合、海外での事業活動の停滞や不測の事態による損害の発生等、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(3) 天候不順について
当社グループのアパレル事業は、お客様に心からここちよいと感じていただくために、インナーウエアではCool MagicやHot Magicといったシーズンに応じた涼感、保温等の機能性を高めた商品を展開しております。冷夏・暖冬等の天候不順となった場合は、当社製品の機能性のニーズは減少し、販売量は想定を下回る可能性があります。
また、プラスチック事業においては、飲料用途向けシュリンクラベルを生産し、飲料メーカーに販売しておりますが、最需要期の夏場において、長雨等でレジャー、イベント等の消費動向が低調となり、飲料の販売量が低迷する場合は、売上高の減少・在庫の増加などにより当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(4) 原材料価格の変動
当社グループはメーカーとして、アパレル事業のインナーウエア分野、レッグウエア分野は原糸(綿糸・合繊糸)、機能ソリューション事業のプラスチック分野、エンジニアリングプラスチックス分野はプラスチック樹脂、メディカル分野は生分解性高分子材料等多岐にわたる原材料を購入し、それぞれの事業を通じて製品化しております。原材料価格は市況により変動するため、原材料価格が高騰した場合は原価高となり採算性が悪化し、製品価格に転嫁できない場合には、製品の収益性が低下することにより当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(5) 自然災害の発生
当社グループは、機能ソリューション部門およびアパレル部門において国内外に生産工場等の事業所を配置しております。それぞれにおいて自然災害に対する被害・損害を最小限にするための防災、減災に努めていますが、想定を上回る大規模な地震や台風、洪水等の自然災害の発生により、生産拠点や物流拠点が被災した場合、別拠点からの商品供給のバックアップ対応を行うものの、一部商品については供給がストップするなどサプライチェーンに支障を来す可能性があります。また、ライフクリエイト部門の商業施設においては、商品の納品遅れや、施設の一時的な休館が生じる場合、テナントの売上高が減少するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6) 新型コロナウイルス感染症の影響
当社グループは、新型コロナウイルス感染症対策について、リスクマネジメント委員会において課題を討議し、全社的な考え方をまとめた上で、所管の機能部門で具体策を策定し、各事業部門、各拠点に対して適宜対応を指示しております。各職場における感染防止策および従業員への感染予防行動の徹底を通して、当社グループで罹患者が発生しないよう、また発生した場合でも感染拡大を最小限に抑えることができるよう努めており、事前のリスク対策実施により、現時点では業務に大きな支障を発生させることなく事業運営体制を維持しております。
しかしながら、当社グループの従業員等の感染や、感染拡大防止措置により生産活動を中断せざるを得なくなった場合、アパレル事業や機能ソリューション事業においては生産工場の操業停止、物流遅延による商品供給の遅れ、ライフクリエイト事業においては商品の納品遅れやそれに伴う施設の一時的な休館等により収入が減少するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、外出自粛や休業要請などの経済活動の制約が発生した場合、アパレル事業ではインナーウエア、レッグウエア分野において店頭販売が低迷し、ライフクリエイト事業では不動産関連分野において商業施設の休館に伴うテナント売上減少等により賃料収入が減少し、スポーツクラブ分野においては休館等により収入が減少するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛、休業要請等の影響を受けて個人消費や企業活動が著しく制限され、新型コロナウイルス感染症の再拡大による緊急事態宣言の再発令など、今後も予断を許さない状態が継続しています。また株式市場では、積極的な金融緩和政策もあり日経平均株価もバブル崩壊後高値を更新するなど大幅に上昇しており、実体経済との乖離が懸念されています。
当社グループでは、中期経営計画「CAN20計画第2フェーズ」において、『集中と結集』をコンセプトに、「セグメント別事業戦略」「新規事業創出」「経営基盤強化」の3つの基本戦略への取り組みを進めておりますが、新型コロナウイルスの世界的感染拡大が、当社グループに大きな影響を及ぼしていることから、中期経営計画「CAN20計画第2フェーズ」の最終年度を2022年3月期まで1年間延長し、2020年度はその影響を最小限とする取り組みを最優先と致しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、機能ソリューション事業は、各分野で影響を受けました。アパレル事業は、成長販路であるECチャネルでの大幅な販売拡大を進めましたが、店舗販売の低迷をカバーできませんでした。またライフクリエイト事業は、ショッピングセンターやスポーツクラブの臨時休業の影響を受けました。
その結果、当連結会計年度の売上高は123,649百万円(前年同期比11.9%減)、営業利益は4,673百万円(前年同期比30.7%減)、経常利益は5,094百万円(前年同期比25.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,147百万円(前年同期比51.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
プラスチックフィルム分野は、収縮ラベル用フィルムが外出・イベント自粛により飲料向けで低迷しましたが、包装用フィルムが内食需要で好調に推移しました。エンジニアリングプラスチックス分野は、半導体市場向け製品が堅調に推移しましたが、オフィス関連向けOA製品が低迷しました。電子部品分野は、既存商品のリピート停滞と新商品の延期によりタッチパネルの販売が減少しました。メディカル分野は、外科手術の減少や医療機関への立ち入り制限の影響はあるものの回復基調となりました。
以上の結果、機能ソリューション事業の売上高は49,673百万円(前年同期比11.9%減)、営業利益は4,852百万円(前年同期比20.7%減)となりました。
アパレル事業全体では回復基調となってきたものの、緊急事態宣言再発令などにより、店頭販売の不振が影響しました。インナーウエア分野は、EC、ドラッグストアのチャネルが好調に推移し、ベーシック商品や、レディス商品が伸長しました。また、レッグウエア分野は、一部レギンス等は好調に推移しましたが、外出・イベントの自粛によりストッキングの着用機会が大幅に減少しました。
以上の結果、アパレル事業の売上高は62,640百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益は2,306百万円(前年同期比15.9%減)となりました。
不動産関連分野は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響により、集客が伸び悩み苦戦しましたが、新規物件が賃貸事業に寄与しました。スポーツクラブ分野は、新型コロナウイルス感染症拡大により会員数が大きく減少し、再開後の会員の戻りも遅く影響を受けました。
以上の結果、ライフクリエイト事業の売上高は11,976百万円(前年同期比19.9%減)、営業利益は482百万円(前年同期比59.4%減)となりました。
総資産は159,629百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,003百万円減少しました。主な増加要因は、プラスチックフィルム分野でのベトナム新工場稼働等による機械装置及び運搬具の増加1,272百万円であり、主な減少要因は、新工場稼働等による建設仮勘定の減少3,940百万円、繰延税金資産の減少1,877百万円、仕掛品の減少958百万円、商品及び製品の減少763百万円であります。
負債は44,451百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,043百万円減少しました。主な減少要因は、コマーシャル・ペーパーを含む長短借入金の減少7,350百万円、支払手形及び買掛金の減少2,440百万円、退職給付に係る負債の減少1,801百万円であります。
純資産は115,178百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,039百万円増加しました。主な増加要因は、その他有価証券評価差額金の増加4,939百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加2,147百万円、退職給付に係る調整累計額の増加1,306百万円であり、主な減少要因は、配当による減少2,042百万円であります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
機能ソリューション事業のセグメント資産は51,342百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,730百万円減少しました。主な減少要因は、電子部品分野でのタッチパネル販売減少等による売掛金の減少や、2021年2月に発生した福島県沖地震により、プラスチックフィルム分野で一時的に生産活動を停止したこと等による仕掛品の減少等であります。
アパレル事業のセグメント資産は53,657百万円となり、前連結会計年度末に比べ338百万円減少しました。主な減少要因は繊維資材分野やレッグウエア事業分野等で減価償却がすすんだこと等による固定資産の減少等であります。
ライフクリエイト事業のセグメント資産は31,792百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,115百万円減少しました。主な減少要因は不動産関連分野等で減価償却がすすんだことや、スポーツクラブ分野の競合激化により減損損失を計上したこと等による固定資産の減少等であります。
また、各報告セグメントに配分していない全社資産の調整額は22,836百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,819百万円減少しました。主な減少要因は保有株式の時価上昇や退職給付数理差異の影響による繰延税金資産の減少等であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ449百万円増加し、9,717百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して5,092百万円減少し、8,595百万円となりました。主なキャッシュ・インの要因は税金等調整前当期純利益3,356百万円、減価償却費6,155百万円、たな卸資産の減少1,723百万円、主なキャッシュ・アウトの要因は仕入債務の減少2,250百万円、法人税等の支払額1,306百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して9,431百万円増加し、1,169百万円の収入となりました。主なキャッシュ・インの要因は投資有価証券の売却による収入6,832百万円、主なキャッシュ・アウトの要因は固定資産の取得による支出4,796百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して4,449百万円減少し、9,335百万円の支出となりました。主なキャッシュ・アウトの要因は短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少6,420百万円、配当金の支払い2,036百万円であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記金額は、製造原価ベースで表示しており、外注生産高を含んでおります。
2.上記生産実績以外に、下記の商品仕入高があります。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社及び連結子会社は、機能ソリューション事業に含まれる機械類を除き、原則として見込生産であります。
機能ソリューション事業に含まれる機械類の受注高、受注残高は下記のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える販売先はありません。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、中期経営計画「CAN20」を策定し、「集中と結集」をキーコンセプトとして、計画期間を第1フェーズ(2014年度~2016年度)と第2フェーズ(2017年度~2021年度)に分け、グループ経営ビジョンの実現に向け取り組みを進めています。CAN20第2フェーズ最終年度の2021年度経営目標はグループ売上高1,500億円、営業利益80億円、親会社株主に帰属する当期純利益56億円、ROE(自己資本利益率)5%以上としております。
中でもROEをグループ重点指標として掲げ、その向上に取組んでおり、2019年度から、資本コスト経営として、①投下資本、②投下資本収益率(ROIC)、③加重平均資本コスト(WACC)の視点を経営管理に加え、業績についても投下資本に対する資本コストを踏まえた経済的付加価値指標「GVA(GVA=Gunze Value Added)」による評価を導入し、全社的なマインドチェンジに取り組んでおります。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大による影響を大きく受け、各セグメントで減収減益となりました。機能ソリューション事業は、各分野で影響を受け減収減益となりました。アパレル事業は、成長販路であるECチャネルでの大幅な販売拡大を進めましたが、店舗の低迷をカバーできず減収減益となりました。ライフクリエイト事業は、ショッピングセンタ-やスポ-ツクラブの臨時休業の影響を受け減収減益となりました。
一方、保有する有価証券の時価上昇等により、前連結会計年度に比べ純資産は増加しましたが、計画しておりました政策保有株式の売却実施により、有利子負債を削減することができました。
その結果、ROEは1.9%(前年同期4.0%)、ROA(総資産営業利益率)は2.9%(前年同期4.0%)となりました。
(CAN20第2フェーズの経営成績推移)
(単位:億円)
※1.当期純利益=親会社株主に帰属する当期純利益
※2.2021年5月14日に公表いたしました2021年度の業績予想は売上高1,350億円、営業利益80億円、当期純利益
56億円としております。売上高では中期経営計画「CAN20」の目標数値を下回るものの、コロナ禍で取り組んでまいりました企業体質強化により、営業利益、当期純利益では「CAN20」の目標数値を現時点の業績予想として公表しております。
キャッシュ・フローの状況の分析内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。
当社グループは、企業価値向上に向けて安定的財務基盤を維持しながら資本効率を向上させることを財務戦略の基本方針としております。
安定的財務基盤を維持するために自己資本比率および有利子負債/EBITDA倍率について適正値を定め、事業資金の財源確保を図っております。有利子負債については、長期資金による調達比率50%程度を目安とし、長期資金については銀行借入、短期資金についてはコマーシャルペーパー(CP)を中心に安定有利調達に努めております。
また、地域別の調達体制としては、国内グループは親会社を中心としたCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)、海外グループはプーリング取引により資金の集約化を図るとともに、取引銀行との間で協調融資型特定融資枠契約(コミットメントライン契約)を締結することにより、過剰に手元流動性を確保することなく安定的な資金調達を実現しております。
資本効率向上については、運転資本の圧縮、資本コストを加味した投資採算性の検証等により、総資産営業利益率の向上に努めるとともに、現在の中期計画「CAN20第2フェーズ(2017年度~2021年度)」期間中は連結総還元性向((配当+自己株式取得)÷連結当期純利益)100%(多額の投資がある場合は除く)を目標値とし株主還元を進めてまいります。
このような方針のもと、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、営業活動によって得られたキャッシュ・フローは85億円と前連結会計年度と比較して50億円減少しましたが、政策保有株式の計画的売却等により営業キャッシュ・フローの減少分を補いつつ、有利子負債を74億円削減することができました。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、機動的かつ安定的な資金調達手段の確保を目的として、2020年12月に取引銀行4行と協調融資型特定融資枠契約を締結しております(特定融資枠の額:50億円、契約期限:2023年12月)。
当社グループの研究開発活動は、プラスチックフィルム、エンジニアリングプラスチックス、電子部品、メカトロ、メディカル材料、インナーウエア・レッグウエア等衣料品、繊維資材等の各事業部門傘下での開発部門による商品開発に加え、研究開発部、QOL研究所、技術開発部において、新規付加価値商品の開発及び生産技術革新等の事業部門サポート、並びに新規事業創出に向けた技術開発や基礎研究に取り組んでおります。また、研究成果の知財権利化を進め、事業基盤強化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費は
(1)機能ソリューション事業
プラスチックフィルム分野では、コア技術である多層押出延伸技術をベースに高付加価値包装フィルム及び新規分野への展開を目指した取り組みを行っております。また、SDGs対応として環境対応プラスチックフィルムの開発に対しても積極的に取り組んでおります。
エンジニアリングプラスチックス分野では、複写機・プリンター用機能性ベルトで培ったフィラー分散技術を生かした高機能部材研究や、フッ素樹脂の特性を生かした半導体関連向け製品や医療用具向け製品で、産業資材への展開を進めております。
電子部品事業では、独自のコーティング技術を利用し光学フィルム材料を開発しており、差異化商品群を創出すべく取り組んでおります。
メディカル分野では、「人々のクオリティ オブ ライフ(QOL)」の向上に寄与するために、生体吸収性高分子の機能を活かした、患者自身の組織に置き換わる血管、軟骨、半月板、乳房等再生医療を実用化する医療機器の研究開発を進めています。
また、機能ソリューションの各事業が持つ技術をベースに新たな環境対応のフィルムの開発を研究開発部門で積極的に推進しております。新たな柱商品となるべく今後とも社内保有技術の更なる活用・深耕と新市場創出を目指す取り組みに注力してまいります。
さらに、生産部門支援としてデジタル技術等を導入し各事業部門の生産工程革新につながる製造技術・装置の研究開発に加え、新機能性商品に関するオリジナル製造装置の研究開発に取り組んでおります。
当該セグメントに係る研究開発費は
(2)アパレル事業
衣料品分野では、「お客さまのためのここちよさの追求」をキーワードに、人の生理学的研究とこれまで蓄積した多くの繊維加工技術を活かした快適インナーの開発を進めております。また、無縫製商品群の拡大を継続的に推進する為に、独自に開発した接着縫製技術を更に進化させるべく取り組んでおります。
更に、衣料製品の技術を活用して医療に貢献するメディカル衣料(衣療)を開発・販売しており、様々なニーズに対応し手術後患者様等のQOL向上に貢献すべく取り組んでおります。
また従来のアパレル商品の快適性・品質・安全性評価に加え、培養皮膚キットを用いた化学的刺激について安全性評価も行っており、より安全・安心・快適な商品開発に努めております。
当該セグメントに係る研究開発費は